神文明エーオス

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神文明エーオスとは、『スーパーロボット大戦30』に登場するオリジナル敵勢力。

概要

『30』の世界において、かつて存在していた謎の文明。宇宙全体で広く栄えていたらしく、その名を知る者からはの文明」と呼ばれている。

その起源は不明だが、遥か古代の時代から存在していたらしく、地球を始め宇宙の至る所に関連があると思われる遺跡や、「エーオスの遺産」と呼称されるオーバーテクノロジーなどが発見されている。宇宙のどこかに本国があった他、異次元空間サブ・スペース内にエーオス本国の環境を模した「新大陸フローシア」を作り、そこを主な本拠地としていた。

『30』の宇宙に生きる生命(無論、地球人も含む)の繁栄に関わっており、生命の存在する惑星を発見すると生命の知性化を行い、文明の発足や発展を促すという行為を長らく繰り返していた。その為か、同じく他星の生命の進化や成長に干渉するウルガルや、太陽系から遠く離れたペンタゴナワールドにまで存在が知れ渡っている。

エーオス人

神文明エーオスの人間。異星人だが、容姿は地球人と大差ない。平行世界に干渉する技術や、死者を蘇らせる事すら可能とする機動兵器を容易に開発する科学力を持つなど、大変高度な文明を築いていた。

しかし「神の文明」と呼ばれる由縁なのか、エーオスの人間全てが恐ろしいまでの傲慢さと独善性に凝り固まっており、自身達の意にそぐわない進化や発展を遂げた文明を片っ端から滅ぼすという、非常に身勝手かつ残虐的な所業を行っていた。宇宙に生きるあらゆる生命に対しては「自分達が創り出した所有物に過ぎず、生かすも殺すも自分達の自由」という歪んだ認識を持ち、自分達こそが文字通りの「神」であると豪語している。

知性化を行った生物の体内にはエーオスの支配下に置く為のDNA情報「服従遺伝子」を埋め込んでおり、エーオスの人間のみが執行できる「支配の波動」によって意のままに管理・操作する事を可能とし、時にはエーオスの下僕として利用していた。また、服従遺伝子とは別に「ギフト」と呼ばれる特殊な力も与える場合があり、こちらは服従遺伝子に比べるとごく僅かな数の人間にしか適用されていないが、より兵器として利用する側面が強調されている。

傲慢極まりない種族だが、花を愛でるという穏やかな一面があり、エーオス本国やフローシアには一面の花畑が広がっている。

滅亡

傍若無人に宇宙を支配していたエーオスだったが、『30』本編開始の数百年前、エーオスの意に反した進化を遂げたある文明=後のクエスターズに目を付け、彼等を滅ぼすべく侵攻を開始した。クエスターズとの長い戦いを繰り広げたが、クエスターズ側が予想以上の抵抗を見せ、次第に戦況は悪化。最終局面での決戦時において、エーオスの統治者サイクラミノスが最終兵器フロスデウスに乗り込み、対するクエスターズも決戦兵器アルティム・フィーニを投入した。戦いの末、フロスデウスがアルティム・フィーニに敗れた上、サイクラミノスはその場から敗走。クエスターズを滅ぼすどころか、戦いを仕掛けたエーオスが逆に滅ぼされる末路を迎えたのだった。

だがエーオスの滅亡後、「神殺し」を成し遂げたクエスターズの指導者はエーオスの行いに毒されていたらしく、「傲慢と独善に染まっていたエーオスに代わり、自身達が他星の文明を管理する事で、宇宙に真の平穏を齎す」という、かつてのエーオスと全く変わりない思想を宣言。残されたエーオスの遺産やサブ・スペースはそのままクエスターズに利用される事となった。

その一方で、敗走したサイクラミノスは地球へと辿り着き、まだ江戸時代の最中にあった日本に潜伏。そこで出会った現地の男性と恋仲となり、「篝火」という名で平穏な日々を過ごしていたが、ある事件を引き起こしたのを切欠に神大陸フローシアに籠り、地球人やクエスターズへの怨念を募らせながら長い眠りに就いた。

サイクラミノスの妹であるオルキダケアはクエスターズとの戦いで肉体を失い、意識だけの存在と化していたが、クエスターズへの復讐の為に別の世界からドライストレーガーの素体となる艦とヒュッケバイン30を召喚。意識をドライストレーガーの素体艦のメインシステムに移植し、本編開始の8年前に姉と同じく地球に到着すると、地球連邦軍ファイクス・ブラックウッドと接触した。支配の波動でファイクスを自身の手駒へと変え、第30士官学校やA機関の発足といった形でクエスターズ打倒の下準備を進めていた。

現代での暗躍

オルキダケアはギフトの力を与えられたエッジアズの精神に干渉し、更にドライクロイツの面々もクエスターズへの復讐の道具として利用しようと影で暗躍。しかし、最終的にエッジやアズの反抗、支配の波動への対抗手段を用意していたメイヴィーや、既に支配の波動から脱していたファイクスの命で動いていたレイノルドの活躍により計画が頓挫してしまい、クエスターズも指導者のクエスターの撃破を以て壊滅した。

これにて地球の戦乱は終わったかのように見えたが、実はフローシアで眠っていたサイクラミノスが密かに復活を遂げており、クエスターの死亡を機に本格的に活動を開始。平行世界からエトランゼと呼ばれる機動兵器郡を呼び寄せると共に、地球圏全体へ総攻撃を仕掛け、地球人に対しエーオスに服従するよう迫る。

ドライクロイツはサイクラミノスの目的を阻止すべく、彼女の待ち構える神大陸フローシアに突入。大改修を施したフロスデウスを駆るサイクラミノスと真の最終決戦を繰り広げ、死闘の末にこれに勝利した。サイクラミノスも己の過ちを認め戦意を喪失、最期は大破したフロスデウスや付き従うオルキダケアと共に消滅し、これにより神文明エーオスは今度こそ終焉を迎えるのだった。

登場作品

単独作品

スーパーロボット大戦30
クエスターズと双璧を成す、もう一つのオリジナル敵勢力。
本編ではオルキダケアと、まだ素性を隠しているイーリスが登場するが、本編時点での活動はオルキダケアが暗躍している程度。矯正実行ルートではオルキダケアがクエスターズに降る展開となり、こちらのルートでのみ彼女と戦闘が可能。
本編クリア後のエクストラチャプターにて、真のラスボスであるサイクラミノスが登場し、イーリスの正体も明かされる。

人物

クエスターズとは対照的に、女性のみ確認できる。また、全員の名前が花に由来するものとなっているのが特徴。

統治者の一族

サイクラミノス
神文明エーオスの統治者にして、生き残りの一人。
名前の由来は「シクラメン(Cyclamen)」。
オルキダケア
サイクラミノスの妹で、生き残りの一人。
名前の由来は「ラン科の英訳(Orchidaceae)」。
フレエシア、ケラサス、トゥリーパ
サイクラミノスの妹達。クエスターズとの戦いで既に死亡している。
名前の由来は順に「ラフレシア」「サクラ属の英訳(Cerasus)」「チューリップのポルトガル語読み(tulipa)」。

従者

イーリス
サイクラミノスが生み出した人工生命体で、生き残りの一人。
名前の由来は「アヤメの英訳(Iris)」。
エイネモ、スィーピー、ヴィオレ
イーリスの同僚達。何らかの理由で、サイクラミノスに処刑されている。
名前の由来は順に「アネモネ」「スイートピー」「ヴィオラ」。

その他

アテンダント
スターメンビトルの制御システム。

協力者

デボネア
魔法騎士レイアース』の敵キャラクター。サイクラミノスの復活に関わっており、利害関係の一致からサイクラミノスの同志となる。

運用兵器

スターメンビトルver.2.8
エーオスの主力兵器。過去のクエスターズとの戦いを経て、追加パーツで大幅に強化された。
フロスデウス
エーオスの最終兵器。本来は式典用の機体だったが、サイクラミノスの怨念を反映した追加パーツで大改修を施された。
エトランゼ
サイクラミノスが平行世界から呼び寄せた機動兵器郡。
オルクスーラシリーズ
クエスターズの機動兵器だが、残存機を戦力として利用している。

関連用語

光の柱
エーオスの遺産の一つで、地球の各地に存在する。サブ・スペースの鍵となる5つの柱とサブ・スペースへ繋がる柱の計6つあり、それぞれ「〇〇の門」と呼ばれている。
「〇〇」には人の持つ感情の名称が入り、判明しているのは愛、勇気、希望、自由の4つ(残りの2つは不明)。
また、地球周辺の時空が不安定になる「次元境界線歪曲現象(DBD)」を人為的に発生させ、平行世界からの転移者やエトランゼを呼び込む原因にもなっている。
サブ・スペース
エーオスの作り出した異次元空間。光の柱の機能によって、通常空間との往来を可能としている。内部は宇宙空間とほぼ同じ環境。
エーオスがクエスターズに敗れて以降は、彼等に乗っとられている。
神大陸フローシア
サブ・スペース内に作られた、エーオスの本拠地。エーオス本国の環境を模しており、どこまでも色とりどりの花畑が続く美しい光景が広がっている。
サブ・スペースに存在するものの、クエスターズが本拠地にしているエリアとは異なる場所に位置し、彼等もここでサイクラミノスが眠り続けていた事に全く気付いていなかった模様。
支配の波動
エーオスの人間が使用する能力。エーオスの植え付けた「服従遺伝子」を持つ生物に対し放つ事で、意識や精神を支配し手駒として使役できる。また、敢えて出力を上げて放てば、対象の精神を破壊して死亡させる事も可能。