マシンセル
マシンセル(Machine Cell)
ズフィルード・クリスタルをもとに開発された自律型自己修復金属細胞で、一種のナノマシン。開発者のソフィア・ネート(OGシリーズではイーグレット・フェフが)は、地球環境の再生やアースクレイドルの長期間の維持に使おうとした。しかし、マシンセルは後にイーグレット・フェフの企みに利用されることになった。
ズフィルード・クリスタルがベースになっていることもあり、その本質においてナノスキンやDG細胞やゾンダーメタルにも通じるところがある。異星人の脅威を前にして種の保存に執着するあまり、ソフィア・ネートはその辺の危険性に関してあまり深くは考慮しなかったようである。
なおα外伝の世界観において後発の発展形技術として登場したナノマシンシステム「月光蝶」であれば、マシンセルの機能は無効化できる事がゲーム中で語られている。
能力
自己進化
マシンセルの最も優れた特徴がこの自己進化機能である。その程度は機動兵器に注入させれば兵器全体を変質させる程強力なもので、グルンガスト参式はスレードゲルミルに、量産型ヒュッケバインMk-IIはベルゲルミルに、それぞれ変質することとなった。進化に要する期間の点から言って、原点となったズフィルード・クリスタルより実用性が高くなっているといえる。
また、人間を初めとする生物に注入した場合には一種の新生命体を生み出すことも可能であり、イーグレット・フェフはブーステッド・チルドレンにマシンセルを投入することで『マシンナリー・チルドレン』を開発。応用として、マシンセルを投入することで半機械化したソフィア・ネートを『メイガス』に融合させ、人格を移植するなどの試みも行っている。
なおOGシリーズでは、アースクレイドルとマシンセルを制御している「メイガス・ゲボ」を補助コンピュータとし、ソフィアを生体端末とすることで自己進化を機能を上手く働かせる描写がなされているが、VR系などのシャドウミラーが持ち込んだ兵器への注入は不成功に終わった。VR系の構造が問題だったのか、マシンセルそのものの機能不全だったのか不明。
自己修復
マシンセルには注入された機動兵器や生物の構造変化を促すと同時に、新たに構築した構造を自ら修復する能力があり、機動兵器スレードゲルミルやベルゲルミルはこの能力で再生を行っている。その修復能力は例え一度致命傷を負い撃墜された機体であっても、瞬時に復活させる等極めて強力。アンセスターの機動兵器アウルゲルミル、ベルゲルミル、スレードゲルミルはこの修復能力で何度も復活し、ロンド・ベルの面々は苦戦を強いられた。また、生物に注入すると生体機能の約50%以上はマシンセルと融合して機械と化する。OG2では一度は死んだ(瀕死の)状態だったアギラ・セトメを蘇生させるまでの機能を発揮している。
ただし、マシンセルには制御中枢となっているような箇所があり、その部分を破壊されると自己再生機能を始めとしてマシンセルの機能が停止する描写がなされている。α外伝ではマシンセルを注入されたソフィア=メイガスがマシンセルの機能を掌握しており、彼女が死亡すると、マシンセルで構成されたスレードゲルミルは正常に機能しなくなったためにゼンガーはジロン達の手を借りて、アースクレイドルへと帰還した。
自己増殖
自己再生に伴う能力の一つで、マシンセルを注入された機体の複製を生み出すことも可能となっているようである。ただし、OGシリーズでフェフが「まだ増殖と寿命に難点がある」とチルドレンに答えていることから、技術的にはまだ完成に至っていないようである(この点から、現時点で生み出されているチルドレンも未成熟体である可能性は高い)。アースクレイドルではこの機能によってベルゲルミルを量産する実験が行われていた他、半ば暴走することで撃墜された量産型アシュセイヴァーやランドグリーズ等がベルゲルミルの出来損ないへと変化している。
兵器としてのマシンセル
これらの機能を応用して、α外伝ではイーグレット兄弟達のベルゲルミルは独自の機能として機体からマシンセルを散布する事が可能となっている。この機能は汚染された地球環境の修復や、敵対者の機体に対してマシンセルを散布して強制的に分解或いはパイロットに直接マシンセルを植え付け直接死に至らせる等の使い方が出来る。例え敵がコクピットの中にいようと、パイロットだけにマシンセルを植え付ける事も出来るようだ。OGシリーズではマシンセルの散布機能が無くなっているので、地球の守護者としての彼らの印象は薄れている。
今後
OGシリーズでは事後処理のためツェントル・プロジェクトがアースクレイドルを調査しており、マシンセルの関連技術を手に入れている。
持ち帰った後にミタール・ザパトとエリック・ワンが
「あれから随分時間が経っているからのぉ。再生できるか」
「ラズムナニウムを使う。適合するかは分からんが…」
「もし極端な拒絶反応が出た場合は一時凍結し、あの男の目覚めを待つ」
と話している。
この「持ち帰った物」が何であるかは明確には述べられていないが、エリックの「眠りトカゲ」(もう一人の「眠り王子」はアクセルのことだった)、ミタールの「腹の探りあい」「同じ研究のライバル」等の発言からして、この際に「持ち帰ったもの」と共にフェフが回収された可能性が囁かれている。この場合、「(フェフが)イングシリーズの礎でもある」という節から考えて、ツェントル・プロジェクトがマシンセルやフェフを利用する思惑があるものと思われる。いずれにせよ現段階では真相は不明。第2次OGでイーグレット・イング登場が確定したため、フェフか、それに関連する何かが関わるのは間違いないだろう。
関連する用語
メモ
一部では、フォリアが防衛していた輸送機が計3機だったことから、「持ちかえった物」とはベルゲルミル(ウルズ機、アンサズ機、スリサズ機)ではないかという説がある(ラズムナニウムは機動兵器用の物質であるため、マシンセル絡みの機動兵器なのは確定している)。ただ、1機だけが執拗に攻撃を受けていたため、この見方には疑問が呈されている(スレードゲルミルの残骸か何かではないかとも言われているが)。実際、第2次OGでウルズとフェフが登場しており、攻撃を受けていた輸送機にウルズ(言い換えればまだ活動を停止していないマシンセル)が搭載されていたのだと思われる。(このときのアインストは、「こちらの宇宙」における存在を確立させるためマシンセルを求めていた)
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