ブラックノワール

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ブラックノワール
外国語表記 Black Noir
登場作品 勇者特急マイトガイン
声優 水原リン(現:真山亜子
異名 巨大な悪
種族 三次元人を自称する二次元人
性別 不明(声は女性的)
所属 ブラックノワール一味
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概要

舞人の父親が死の間際に言っていた「世界を狙う巨悪」の正体。『勇者特急マイトガイン』の最大にして最後の敵である。

一言で言えば純粋な悪意そのものとでも云うべき存在で、実体を持っておらず、巨大なモニターの様なものに姿を映し出している。真っ赤な人間の顔に見える不気味な姿をしており、初めて登場した際は性別も分からない声だったが、中盤以降は明確に女性的な声に変化している。

「魔のオーラ」と呼ばれる邪悪で強大な力を操ることが出来、その力を配下のパイロットごとロボットに付与する事で、何度でも自己再生と復活を繰り返す「洗礼ロボ」を作り出すことが可能。洗礼されたロボットは生物のように変化し、パイロットもブラックノワールの下僕として洗脳されてしまう。

世界征服を目的としており、部下のエグゼブパープルを介して物語の裏で暗躍。凶悪犯罪を隠れ蓑に活動を続けていたが、マイトガインをはじめとする勇者特急隊を邪魔な存在であると判断し、「洗礼」を施されたロボットを差し向ける等して、彼等の抹殺を企む。

物語終盤で、かねてより計画していた全世界侵略作戦「クリスマスオペレーション」を12月25日午前0時を迎えた時点で実行。日本以外の国を僅か14時間で制圧し、勇者特急隊もパープルを使って一度は返り討ちにした。更にジョーを洗脳して仲間に引き入れようとしたが、「魔のオーラ」を解析して弱点を見つけたウォルフガングに妨害されてしまう。

最後の戦いでは、ヌーベルトキオにあるTR社一帯を浮上させ、それを空中要塞にする。エグゼブと共にグレートマイトガイン轟龍を迎え撃つが、エグゼブは轟龍の特攻で撃破され、遂にブラックノワールは基地に突入してきた舞人と直接対峙する。

舞人と対面したブラックノワールは自分の正体を明かすのだが、その正体は「次元を越えてやって来た三次元人で、二次元世界を操るのような存在」だと言う。舞人はそれを信用せず否定するのだが、ブラックノワールは舞人に対し「お前もヒーローとして作られた駒であり、お前の両親もお前をヒーローとして育てるための要員でしかない」と衝撃的な言葉を浴びせる。

つまり、この『勇者特急マイトガイン』という番組自体が、ブラックノワールが娯楽として仕掛けたゲームであり、二次元人をゲームを楽しむ駒として弄んでいたのである。ブラックノワールの真の目的は世界征服ではなく、「ハッピーエンドに飽きたので、ヒーロー(舞人)が死ぬエンディングでゲームを締めくくる事」である。

舞人とマイトガインを窮地に追い込むが、そこにイノセントウェーブ増幅器を装備したサリーが駆けつけた為、ブラックノワールの魔のオーラは弱体化。怯んだ所をマイトガインのダブル動輪剣を受けて敗北。死の間際、己もまた「巨大な悪」という役割を与えられた二次元人に過ぎなかった事を悟って消滅した。

ちなみに舞人は最後の最後までブラックノワールを「自分を高次元の存在と思い込んでいた狂気の悪党」として扱っており、ブラックノワールの言葉を信じず否定している。実際、作中においては「この世界は何者かが作ったフィクションの世界」ということを証明できる明確な証拠はない。

登場作品

単独作品

スーパーロボット大戦V
初登場作品。原作での立ち位置もあり、通常ルートでは闇の帝王と共に版権勢力最後の敵となる。
流石に自称三次元人設定はスパロボでも難しかったからか、「高次元人を自称する西暦世界における戦乱の黒幕、その実態は地球外の何者かが作った非常に高度な社会管理システム」という設定で登場し、ヴェーダは彼(彼女)を基に造られた事が明かされた。原作で決定打になった強化イノセントウェーブが全く通じない上に、それすらもゲームを面白くするための要素と断じるが…。
担当声優の真山亜子氏はOGシリーズアギラ・セトメ役を経て、版権シリーズでは初参加となる。

パイロットステータス

精神コマンド

V
先見分析応援祝福激励期待
サポート系のラインナップ。「ゲームの駒」の動きに対するものだろうか。

特殊技能(特殊スキル)

V
2回行動再攻撃ガードL3、気力+ボーナスプレッシャーL4
流石に強力な技能が揃っており、高レベルのプレッシャーと高い技量から繰り出される再攻撃が厄介。
特に後者は2回行動と合わせて最悪4回も殴られる羽目になる上、武器には行動不能の効果が付いているため非常に危険。
反面、底力精神耐性を持たないため、ガードや後述のエースボーナスを封じる意味でも脱力で対処したい所。

固有エースボーナス

気力140以上で、ターン開始時に自機の周囲10マスにいる敵対軍勢の気力を-5する。
V』で採用。ハードモードで実装される為、より厄介な相手となる。

人間関係

エグゼブ
忠実な部下。15年前にケン・エノモトだった彼を捕らえて洗脳した。
パープル
忠実な部下。エグゼブと同じく洗脳を施し手駒とした。
旋風寺舞人
宿敵。彼に自分の正体をはじめとする衝撃の事実を突きつける。
雷張ジョー
洗脳して部下にしようとするが、ウォルフガングに妨害される。
ウォルフガング
エグゼブを介して強制的に配下とするが、ジョーを洗脳しようとした際に一矢報いられてしまう。
それでも「たかが人間」と見下していたが、最終的に彼の開発したイノセントウェーブ増幅装置が敗因となった。
吉永サリー
彼女が放つ、常人の100倍のイノセントウェーブによって怯んでしまい、マイトガインの攻撃を許すことになった。

他作品との人間関係

真田志郎ホシノ・ルリ
V』では、二人から「因果を超えた存在ではない」と自分の正体や行動理念を看破される。
エンブリヲ
『V』では、全能者のごとく振舞っていた彼さえも、ブラックノワールにとっては所詮ゲームを楽しむ為の駒に過ぎなかった(イレギュラーではあったが)。エンブリヲがブラックノワールの存在を察知していた様子はない。
イオリア・シュヘンベルグ
『V』では、西暦世界を支配する巨大な悪の存在どころか正体まで見抜いていたようで、ブラックノワールのエミュレーターとしてヴェーダを生み出し、その思惑を凌駕しようとした。結果として、ブラックノワールにとってイレギュラーな存在「イノベイター」を生み出した。
刹那・F・セイエイ
『V』では、自身の思惑を超える存在として敵意を露にする。
テンカワ・アキト
『V』では、彼の憎悪を再び煽り立てようとするも、逆に「悪の首領」「壊れたプログラム」と断じられた上、ゲキ・ガンガー3を汚した事や自身やユリカの人生を弄んだ元凶として怒りを露にされる事に。
シン・アスカキラ・ヤマト神ファミリー破嵐万丈
『V』では、「理想のヒーロー作りのためのキャラメイキング」として彼らの人生を弄んでおり、当然彼らがブラックノワールの所業を許すはずがなかった。
ドン・ザウサー
『V』では、イオリアと並んでブラックノワールの存在を知っていたらしく、「魔のオーラ」を無効化する「対次元干渉波動光」の理論を遺産として残していた。その遺産はコロスを介して万丈の手に届き、決戦の際にブラックノワールを追い詰めることとなる。
闇の帝王
『V』では上述の通り、通常ルートにおいて彼と共に版権勢力最後の敵として立ち塞がる事に。

名台詞

三次元人を自称しているだけあって、彼(彼女)の台詞はメタ発言が多い。

「そんなに知りたくば教えてやろう。私は次元を超えてやって来た三次元人だ」
舞人「三次元人…!?」
「そう……この二次元世界の支配者、神と言ってもいい」
舞人「なぜだ…?何のためにこの世界を支配しようとしている!?」
「『しようとしている』のではない。既に支配している。『何のため』だと? もちろん楽しむためさ。我々はお前達二次元人を使ってゲームをしていたのさ!」
舞人「そんな……この戦いはゲームだというのか!?」
「そう……お前達はただのゲームの駒だ。そして旋風寺舞人、お前は『ヒーロー』という駒として作られた」
舞人「違う!! 俺は父さんの遺志を継いで…!」
「お前の両親とて、お前をヒーローとして育てるための要員でしかない。全てはゲームのためのシチュエーションだ」
舞人「嘘だ…!俺は正義のため…この世の悪と戦ってきたんだ!」
「そう。お前は次々と敵を倒し、アイテムを手に入れ、レベルを上げていった。だがもう終わりだ! お前の倒すべき相手はいない……ゲームオーバーだ!!」
第47話「嵐を呼ぶ最終回」より。対面した舞人に自身の正体とあまりにも衝撃的な真実を突きつける。視聴者にとっても衝撃的な、メタフィクション極まる台詞である。
舞人はこの世界が「ブラックノワールの物語」であることは否定している一方で、この世界を「二次元」と言われたことに違和感を示さずに「三次元」という言葉の方に違和感を持ってるように見える描写になっていることは色々と物議を醸している。
「ゲームの駒にプレイヤーは倒せはしない。だが、プレイヤーがゲームの駒を殺すのは簡単だ」
「ちょうどハッピーエンドにも飽きてきたところだ。ヒーローが死ぬ、悲劇のエンディングはどうだ!!」
同じく第47話より。真実を知ってなお、戦意を失わない舞人達に強烈な衝撃波を叩き付ける。既に満身創痍のマイトガインに成す術は無いかに思われたが…。
「イノセントウェーブ!? 馬鹿な……イノセントウェーブなど、ゲームを面白くするための、ただのアイテムにしか過ぎぬ!! それが……何故……!?」
サリーのイノセントウェーブによって魔のオーラが打ち消された事に狼狽して。よもや自分で設定したアイテムに足元を掬われる事になるとは思ってもいなかったのだろう。
「そうか……この私も、ただのゲームの駒だったか……『巨大な悪』という名前の……」
最終決戦における最期の台詞。
自身が名も姿も分からない黒幕によって「自分もまた『ラスボス』という役割を与えられた駒に過ぎない」と悟って消滅した。
しかしブラックノワールのこの言葉の裏には、ブラックノワールに「役割」を与えたものが別にいることになる。
果たして、本当に悪は倒せたのか? それは誰にも分からない……。

スパロボシリーズの名台詞

戦闘台詞

「ヒーローとライバルが揃って私に反抗するとは想定外だったな」
ジョーに対する特殊戦闘台詞。ヒーローとライバルが共闘する事はある意味王道、もしくはお約束である事を理解していないようだ。
「お前達が生存している事は本来なら許されないのだ」
ザンボット3に対する特殊戦闘台詞。原作でも勝平と非戦闘員は生き残っているのだが。
「ラストを迎える前に無様に破壊されるガンダムも面白いだろう」
ガンダムタイプに対する特殊戦闘台詞。
放送開始前のカメオ出演で撃墜され、いざ放送が始まるや、第10話目にして早々に自爆してしまった不遇なガンダムを指しているのかは定かではない。

シナリオデモ

「そんなに知りたくば、教えてやろう。私は次元を超えてやってきた高次元人だ」
V』第51話より。闇の帝王と共に地球艦隊・天駆の前に現れ、その正体を明かす。さすがのスパロボでも「(自称)三次元人」という設定は難しかったようだ。
「あのエンブリヲも所詮は我の手の中で遊んでいただけ…」
「そう…この世界の全ては私の創り出した物語に過ぎないのだ」
同じく第51話より。エンブリヲすら彼(彼女)の掌の上で踊らされていただけであり、自身こそが西暦世界の真の支配者であると告げる。
イオリア・シュヘンベルグが対抗しようとしていた神…世界の真実がブラックノワールであった事が、ここで明らかとなる。
「エンブリヲという道化の存在も中々に刺激的だったが、やはり面白いのは戦争だ」
コーディネイター木連アロウズメガノイド火星の後継者DG同盟…」
「それにガイゾックやエンブリヲといったイレギュラーをからめて、戦争と平和を何度も何度も繰り返すようにしたのだ」
続けて語った西暦世界での戦乱の真実。全ては自分が楽しむ為だけに世界をコントロールしていたのだと明かす。
なお、ガイゾック襲来は想定外だった様だが、彼らが何らかの不確定要素で生まれたのか、エンブリヲの様に別の次元から来訪した存在なのかは不明。
「お前達は、ただのゲームの駒だ」
「その中で、最も重要な役割を与えたのは旋風寺舞人…。お前という『ヒーロー』の駒だ」
「私はずっと…そういうキャラクターを試行錯誤してきた。そのために様々な種を蒔いてきた」
テンカワ・アキト…。その一つが『ゲキ・ガンガー3』だ」
「お前の友人のように、それに感化された者も現れたが、結局は失敗した…」
破嵐万丈のように人を超える力を持つ者も私の望む方向には育たなかった」
肉親を失う悲劇も、戦争の悲惨さも、大切な友との戦いも、私の望むヒーローを生み出す事は出来なかった」
「私の求めるのは一点の曇りもなく、自らの正義を信じる、純粋なヒーロー…」
「旋風寺舞人…。そして生まれたのが、お前なのだ」
『V』での舞人が何故ヒーローであるかの理由。同時に、舞人という『ヒーロー』を生み出す為に、多くの人々の人生が歪められ弄ばれて来た事が明らかに。
西暦世界のの主人公達に降りかかった悲劇は全て、彼(彼女)のキャラメイキングの結果であり仕組まれたシナリオだったのである。
また、さりげなく『V』における万丈の正体が示唆されている。
「そう…お前は仲間と共に次々と悪を倒し、アイテムを手に入れ、レベルを上げていった」
「そして、最終アイテムであるコスモリバースを手に入れ、後はエンディングを迎えるだけだと思っていただろうが…」
「そこでヒーローは敗れ、世界は滅亡…。これが私が望む、今回のエンディングだ」
原作同様、『ヒーロー』という駒を使ってバッドエンドを演出すると宣言する。
原作では舞人の戦いをゲームに例えていたのだが、『V』では実際に「仲間を増やし、敵を倒してレベルアップ」するゲーム内での発言である為、よりメタ的な意味合いが強くなっている。
「イノセントウェーブなど、ゲームを面白くするためのただのアイテムに過ぎん」
「小さな『奇跡』を起こすための力…。そんなものは私の前では無意味だ」
「神に…創造主に勝とうとする事が愚かしいのだ」
原作では決め手となったイノセントウェーブ増幅装置も物ともせず勝ち誇って。原作とは正反対の展開に、最早打つ手は無いかに思われたが…?
「電子の妖精…。お前が、その若さで艦長になった事も私が意図したものだ」
「特殊なスキルに愛らしい外見を持たせたお前はまさに妖精だな」
自身に異議を唱えたルリに対して、彼女の歩んだ人生も仕組まれた物であると告げる。ルリはブラックノワールの自信作であるのか、どこか自画自賛めいた台詞である。
「そんなものを認めるものか!」
「お前達が望む奇跡も私が用意したイベントに過ぎないのだ!」
真田らに自身が絶対の存在でないと看破され、更に想定外のイレギュラーであるイノベイターが誕生していた事、自身が運命を弄んで来た者達もその思惑を越え、設定されたバッドエンドを回避していた事実を突きつけられて。
それでも尚、全ては自分が仕組んだシナリオ通りだと豪語するが、直後にゲッター線が光を放ち…。
「無駄だ!どれだけの力が集まろうと我が魔のオーラは…!」
「馬鹿な…!魔のオーラが…次元干渉波動がかき消される!」
「馬鹿な!メガノイドなど、ただの悪役キャラとして設定しただけなのに!」
切り札である魔のオーラが、日輪の輝き…ドン・ザウサーの遺産である「対次元干渉波動光」に打ち消された事に驚愕して。
結局は原作でのウォルフガングと同じ「単なる悪役」に足元を掬われてしまうのだった。
「認めない! 私以外に奇跡を起こすものがいてなるものか!」
「馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…馬鹿な…」
「そんなものは認めない! 認めない…認めない…!」
自らの存在に疑いを持ったことで精神が崩壊寸前に陥った舞人が復活して、闇の帝王共々驚愕する。
仲間たちや大切な人からの声援で成した復活劇を奇跡であると否定したことで、自らが神ではないことを証明してしまう。
真田やルリの言葉、地球艦隊・天駆の意思、舞人のくじけない心で自己の存在に疑問を持ってしまい、「神を自称するシステム」は壊れた機械のごとくエラーを引き起こしてしまった
「神を名乗る者が敗れ、私が神でないとしたら…」
『V』第51話で先に闇の帝王を撃破した場合の台詞。神を名乗る者が敗れ去るのを目の当たりにし、ますますアイデンティティーが揺らいでしまう。
「その機体は、お前の心の闇が形となったもの…!さあ、憎しみに身を焦がし…」
アキト「ただの宇宙空間用の迷彩だ」
「しかし…!」
『V』第51話におけるアキトとの戦闘前会話より。
彼の憎悪を煽ろうとするもバッサリ切り捨てられてしまう。尚も食い下がるが「陳腐な発想だ」と跳ね除けられた。
「お前は憎しみのままに戦い、失意の中で人生を終える役のはずだったのに…!」
『V』第51話におけるシンとの戦闘前会話より。
本来辿るべきだった悲惨な末路を突きつけるが、憎しみを乗り越えた彼が今更そんな言葉に揺らぐはずもなかった。
「イノベイター…!お前の存在は許されない!」
『V』第51話における刹那との戦闘前会話より。
自らのシナリオにとって都合の悪い存在を許さない辺り、神を自称するブラックノワールの狭量ぶりが窺える。
「黙るがいい!本来ならば、お前のいとこ愛犬も…」
『V』第51話における勝平との戦闘前会話より。
神ファミリーが辿るはずだった結末を明かそうとするが、彼が聞く耳を持つはずもなく、逆に「壊れた機械」と断じられてしまう。
ちなみに宇宙太や上述のブラックノワールの台詞から察するに、本来は「神ファミリーが全員死亡する」というバッドエンドが用意されていた模様。
「勇者特急隊…! 我の想定以上の力を発揮した超AI達め!」
『V』第51話における勇者特急隊との戦闘前会話より。
原作ではガードダイバーバトルボンバーパープルとの戦いで破壊され、そもそもブラックマイトガインマイトガインとの戦いで自爆を遂げ、彼らはブラックノワールと戦うことすら叶わなかった。
本来辿る筈の展開を躱した勇者特急隊にブラックノワールは怒りを示すが、「正義の心」を持つ彼らは巨大な悪たるブラックノワールに真っ向から挑む。
「馬鹿な!何故、私が倒される…!?こんな事が…こんな事が…!」
「わ、私も…ただのゲームの駒だったというのか!?」
「うわあああああああっ!!」
今際。原作とは違い、自身がゲームの駒であることを認めずに取り乱した挙句、ジョーや舞人から突きつけられた言葉で最期を遂げるのだった。
西暦世界を裏から支配した巨悪であっても、神ではなく「ヒーローに倒される悪党」……所謂「不滅のお約束」を示す役割を与えられただけに過ぎなかった

搭乗機体

空中要塞
ブラックノワールの力により、TR社一帯が浮上・変貌した巨大要塞。

余談

  • 名前の由来は英語の「ブラック」とフランス語の「ノワール」から。どちらも「黒」を意味する単語で、更に「黒の悪(ブラックのワル)」のダブルミーニングとなっている。
  • ブラックノワールの「クリスマスオペレーション」は要するに、玩具会社がスポンサーにつくロボットアニメはクリスマスに向けて大量の広告キャンペーンをうち、本編も盛り上げていくということへの皮肉。「ヒーローに飽きたアニメ製作者」のメタファーであるブラックノワールは、そんな「スポンサー」の思惑を無茶苦茶にするためにクリスマスにヒーローがボロボロになる展開を仕掛けたのである。
  • メタフィクションを題材とした最終ボスは放送当時から賛否両論が巻き起こり、現在でもマイトガインという作品が勇者シリーズの中の異端児に分類される要因の一つである。
    • 第一話から絵コンテ・演出に「握乃手紗貴」(あくのてさき=悪の手先)というスタッフがいるなど、こうした路線は当初からの想定通りであった。なおこれは高松信司監督の別名義である。
    • 最終回のエピローグでは平和になった世界での舞人とサリーの結婚式が描かれ、その直後に流れるスタッフロールがさっきの結婚式シーンを撮影した記念写真を背景にしている……ように見えるのだが、よくよく見るとそれは写真ではなくライトボックスの上に置かれたアニメのセル画であり(3つのタップ穴が確認できる)、余白には握乃手紗貴の担当サインと話数がコメントとして記載されている。これによりブラックノワールが倒されるハッピーエンドこそが真の黒幕である三次元人(=子供に高額な玩具を売りつけるおもちゃ会社やその手先であるアニメ制作会社)による「予定調和のシナリオ」だったとも取れる演出になっている(このセル画演出についてははさすがに悪趣味すぎたと後に監督は述べている。金の連鎖であり不変の法則でもある玩具リリースは現在でも終わりは見えず、更に放映当時は双璧である戦隊シリーズに何としてでも売上で勝利せよというプレッシャーもあったため、一種の当てつけのようなものだったらしい)。