「プレイステーション」の版間の差分

提供: スーパーロボット大戦Wiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
(文章追記、修正)
1行目: 1行目:
'''プレイステーション'''は、1994年12月3日にソニー・コンピュータエンタテインメント(現SCEI、以下SCE)が発売した、家庭用ゲーム機。略称は「'''PS'''」「'''プレステ'''」で、公式な略称は前者であり、本稿でも「PS」と記載する。また後継機の[[プレイステーション2]](以下PS2)との差別化から「PS1」と呼ばれる事もあり、本項でも区分が必要な場合は用いる。
+
'''プレイステーション'''は、1994年12月3日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)<ref>後のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)。</ref>より発売された家庭用ゲーム機。略称は「'''PS'''」「'''プレステ'''」で、公式な略称は前者であり、本稿でも「PS」と記載する。また後継機の[[プレイステーション2]](以下PS2)との差別化から「PS1」と呼ばれる事もあり、本項でも区分が必要な場合は用いる。
  
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
SCE初の家庭用ゲーム機である本機は、CMを効果的に使った巧みな広告戦略や、敷居の低い開発環境の提供、豊富なソフトラインナップ<ref>これは80年代のビデオ市場に於いて、ソニーのベータがVHSにしてやられた戦略である。</ref>などが功を奏し、任天堂に代わり据え置き型ハードにおける国民機としての地位を確立した。また、ゲーム専業ではない家電メーカーが家庭用ゲーム機の主流の座を勝ち取った初めての例でもある<ref>過去にも家電メーカーがゲーム機をリリースしているが、全て主流となるにまでは至らなかった。</ref>。
+
SCE初の家庭用ゲーム機である本機は、CMを効果的に使った巧みな広告戦略や敷居の低い開発環境の提供、豊富なソフトラインナップなどといったプラットフォーム戦略が功を奏し、任天堂に代わって据え置き型ハードにおける国民的ゲーム機としての地位を獲得した。また、ゲーム専業ではない家電メーカーが家庭用ゲームのトップシェアの座に付いた初めての例でもある<ref>過去にも家電メーカーがゲーム機をリリースしているが、全て主流となるにまでは至らなかった。</ref>。
  
"プレイステーション"の名称は、元々はソニーと任天堂が共同開発を進めていた[[スーパーファミコン]]のCD-ROMドライブ(開発中止に終わる)を搭載したSFC拡張機器の名称でもあった。
+
「プレイステーション」の名称は、元々はソニーと任天堂が共同開発を進めていた[[スーパーファミコン]]のCD-ROMドライブを搭載したSFC拡張機器の名称でもあった<ref>なお同機器は開発中止に終わっている。</ref>。
  
ゲームソフトの供給媒体はコピーガード機能を有した"CD-ROM XA"を採用。ディスク裏面が黒く塗られているのが特徴である。外部記憶媒体は、全15ブロックに保存領域が分けられたフラッシュメモリ『メモリーカード』(記憶容量128KB)を採用、フラッシュメモリを記憶媒体とする流れはその後他のハードでも採用された。3Dポリゴンの描画に特化したハードで、スプライト描画機能を持たず2Dは苦手とされているが、後に開発側で対応し2Dグラフィック表示のソフトでも改善が見られるようになった。グラフィック処理性能では24bit(1677万色)の発色が可能となり、これが実写映像を利用するゲームに置いても効果を発揮した。音源はスーパーファミコンの音源チップの後継となっている。
+
ゲームソフトの供給媒体はコピーガード機能を有した「CD-ROM XA」を採用。ディスク裏面が黒く塗られているのが特徴である。外部記憶媒体は、全15ブロックに保存領域が分けられたフラッシュメモリ「メモリーカード」(記憶容量128KB)を採用、フラッシュメモリを記憶媒体とする流れはその後他のハードでも採用された。3Dポリゴンの描画に特化したハードで、スプライト描画機能を持たず2Dは苦手とされているが、後に開発側で対応し2Dグラフィック表示のソフトでも改善が見られるようになった。グラフィック処理性能では24bit(1677万色)の発色が可能となり、これが実写映像を利用するゲームに置いても効果を発揮した。音源はスーパーファミコンの音源チップの後継となっている。
  
 
使用可能な画像出力ケーブルは豊富だが本体のマイナーチェンジが頻繁に行われた事<ref><SCPH-1000><SCPH-3000><SCPH-3500><SCPH-5000><SCPH-5500><SCPH-7000><SCPH-7500><SCPH-9000>の8種。</ref>で、型番次第では使用できないケーブルもある。
 
使用可能な画像出力ケーブルは豊富だが本体のマイナーチェンジが頻繁に行われた事<ref><SCPH-1000><SCPH-3000><SCPH-3500><SCPH-5000><SCPH-5500><SCPH-7000><SCPH-7500><SCPH-9000>の8種。</ref>で、型番次第では使用できないケーブルもある。
  
第5世代に当たる据え置き型ゲーム機で、PS・[[セガサターン]](以下SS)・[[NINTENDO64]](以下N64)の三機種の中では唯一、電話回線接続型インターネット接続システムが存在していない。ただし、携帯電話と接続するタイプの通信システムはある。
+
第5世代に当たる据え置き型ゲーム機で、PS・[[セガサターン]](以下SS)・[[NINTENDO64]](以下N64)の3機種の中では唯一、電話回線接続型のインターネット接続システムが存在していない。ただし、携帯電話と接続するタイプの通信システムは存在する。
  
スパロボが[[スーパーファミコン]]から次世代機に移行する際、最初にスパロボ作品(『[[第4次スーパーロボット大戦S]]』)が発売されたハードで、同時に'''シリーズ初のディスクメディア(CD-ROM)対応'''が成された。この移行によりROMが大容量化され、'''戦闘アニメにおけるキャラクターボイスが採用されている'''。初期の作品ではディスクメディアハードの特性に加え、開発のノウハウが不足していたためか、戦闘開始時のロード時間や、メモリーカードへのセーブ時間が極端に長く、この頃のシリーズからプレイのテンポが指摘されるようになった。開発サイドも気を使ったらしくインタビューにおいて、ロード時間をいかに短縮するかに苦労していることを語っていた。また同時期にセガサターンで発売された『F』が移植された際には、音源とドライバの仕様の違いにより「音質が劣化している」「アレンジが酷い」といった不満もプレイヤーからは挙がっている。
+
スパロボが[[スーパーファミコン]]から次世代機に移行する際、最初にスパロボ作品(『[[第4次スーパーロボット大戦S]]』)が発売されたハードで、同時にシリーズ初のディスクメディア(CD-ROM)対応が成された。この移行によりROMが大容量化され、戦闘アニメにおけるキャラクターボイスが採用されている。初期の作品ではディスクメディアハードの特性に加え、開発のノウハウが不足していたためか、戦闘開始時のロード時間や、メモリーカードへのセーブ時間が極端に長く、この頃のシリーズからプレイのテンポが指摘されるようになった。開発サイドも気を使ったらしくインタビューにおいて、ロード時間をいかに短縮するかに苦労していることを語っていた。また同時期にセガサターンで発売された『F』が移植された際には、音源とドライバの仕様の違いにより「音質が劣化している」「アレンジが貧弱」といった不満もプレイヤーからは挙がっている。
  
シリーズ最大のヒットとなった『[[スーパーロボット大戦α]]』が生まれ、シリーズが大きな転機を迎えたのもこのハードである。移植も含めてスパロボシリーズは数多く発売されている。
+
シリーズ最大のヒットとなった『[[スーパーロボット大戦α]]』が生まれ、シリーズが大きな転機を迎えたのも本機種である。移植も含めてスパロボシリーズは数多く発売されている。
  
 
== バリエーション ==
 
== バリエーション ==

2023年8月4日 (金) 23:23時点における版

プレイステーションは、1994年12月3日にソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)[1]より発売された家庭用ゲーム機。略称は「PS」「プレステ」で、公式な略称は前者であり、本稿でも「PS」と記載する。また後継機のプレイステーション2(以下PS2)との差別化から「PS1」と呼ばれる事もあり、本項でも区分が必要な場合は用いる。

概要

SCE初の家庭用ゲーム機である本機は、CMを効果的に使った巧みな広告戦略や敷居の低い開発環境の提供、豊富なソフトラインナップなどといったプラットフォーム戦略が功を奏し、任天堂に代わって据え置き型ハードにおける国民的ゲーム機としての地位を獲得した。また、ゲーム専業ではない家電メーカーが家庭用ゲームのトップシェアの座に付いた初めての例でもある[2]

「プレイステーション」の名称は、元々はソニーと任天堂が共同開発を進めていたスーパーファミコンのCD-ROMドライブを搭載したSFC拡張機器の名称でもあった[3]

ゲームソフトの供給媒体はコピーガード機能を有した「CD-ROM XA」を採用。ディスク裏面が黒く塗られているのが特徴である。外部記憶媒体は、全15ブロックに保存領域が分けられたフラッシュメモリ「メモリーカード」(記憶容量128KB)を採用、フラッシュメモリを記憶媒体とする流れはその後他のハードでも採用された。3Dポリゴンの描画に特化したハードで、スプライト描画機能を持たず2Dは苦手とされているが、後に開発側で対応し2Dグラフィック表示のソフトでも改善が見られるようになった。グラフィック処理性能では24bit(1677万色)の発色が可能となり、これが実写映像を利用するゲームに置いても効果を発揮した。音源はスーパーファミコンの音源チップの後継となっている。

使用可能な画像出力ケーブルは豊富だが本体のマイナーチェンジが頻繁に行われた事[4]で、型番次第では使用できないケーブルもある。

第5世代に当たる据え置き型ゲーム機で、PS・セガサターン(以下SS)・NINTENDO64(以下N64)の3機種の中では唯一、電話回線接続型のインターネット接続システムが存在していない。ただし、携帯電話と接続するタイプの通信システムは存在する。

スパロボがスーパーファミコンから次世代機に移行する際、最初にスパロボ作品(『第4次スーパーロボット大戦S』)が発売されたハードで、同時にシリーズ初のディスクメディア(CD-ROM)対応が成された。この移行によりROMが大容量化され、戦闘アニメにおけるキャラクターボイスが採用されている。初期の作品ではディスクメディアハードの特性に加え、開発のノウハウが不足していたためか、戦闘開始時のロード時間や、メモリーカードへのセーブ時間が極端に長く、この頃のシリーズからプレイのテンポが指摘されるようになった。開発サイドも気を使ったらしくインタビューにおいて、ロード時間をいかに短縮するかに苦労していることを語っていた。また同時期にセガサターンで発売された『F』が移植された際には、音源とドライバの仕様の違いにより「音質が劣化している」「アレンジが貧弱」といった不満もプレイヤーからは挙がっている。

シリーズ最大のヒットとなった『スーパーロボット大戦α』が生まれ、シリーズが大きな転機を迎えたのも本機種である。移植も含めてスパロボシリーズは数多く発売されている。

バリエーション

PSone
2000年7月7日発売。低価格化及び小型化されたPSで事実上PS1の最終モデル。別売の専用液晶ディスプレイを本体に直接装着して、省スペースでゲームを楽しむことができる。発売されたのは『PS2』の発売後であった。ちなみに「PS2に搭載されたPSの機能をワンチップ化したものを組み込んだ」仕様ではなく、PSの最終モデル"SCPH-9000"をベースとした設計となっている。
プレイステーションクラシック
2018年12月3日発売。本体サイズを縮小した公式復刻版。ソニー及び各サードパーティ製のソフト20本を内蔵している。

周辺機器

ポケットステーション
メモリーカードに簡易携帯ゲームとしての機能が追加されたもので公式周辺機器の一つ[5]。一般の略称は「ポケステ」。対応PSソフトでは、PS本体にポケステを接続してソフト起動中に専用ゲームをダウンロードしたり、そのゲームプレイの内容を本体に読み込ませることができる。スパロボでは、『スーパーロボット大戦α』がポケステ用ミニゲームに対応している。なおポケステ用ゲームを遊ぶにはコイン型リチウム電池が1個必要だが、電池切れが非常に早いのが難点だった(ただし記憶ストレージはフラッシュメモリなので、電池が切れてもダウンロードしたゲームやセーブデータは保存されている)。
仕様上、ゲームアーカイブスのソフトには対応していないがプレイステーション・ヴィータにて機能を再現したアプリが配信されている。

互換性を持つ後継機

プレイステーション2
PSの後継機で、PS1のゲームも遊ぶことができる。メモリーカードの読み込みにはPS1用のものが必要(PS2用メモリーカードでは、システム画面からのデータコピーしかできないが、それによる保存は可能)。なおPSソフトの読み込みの高速化やテクスチャ補完機能が搭載されているが、これらの機能は動作の保証外。
プレイステーション3
PS2の後継機。初期型はPS1とPS2両方との互換性を持っていたが、中・後期型機種はPS1互換のみとなっている。また、PSNのゲームアーカイブスによってPSのゲームをダウンロード購入可能で、現在ではスパロボシリーズもラインナップに入っている。
後にPS2用ソフトのアーカイブス配信も行われた。

関連機種

プレイステーション・ポータブル
ソニー初の携帯型ゲーム機。PSのCD-ROMは物理的に直接起動できないが、PS3同様にPSNへ対応しているためPS1ソフトのゲームアーカイブスが利用可能。略称は「PSP」。
プレイステーション・ヴィータ
PSPの後継機。PSP同様にPS1ソフトのゲームアーカイブスが利用可能。略称は「PSV」
プレイステーション4
PS3の後継機。PS1との互換性はなくゲームアーカイブスにも非対応だが、後継機の『プレイステーション5』発売後の2023年現在もスパロボシリーズタイトルの発売が継続されている。

商品情報

スーパーロボット大戦シリーズ 

歴代家庭用ハード中でもかなり多くのスパロボシリーズやその関連作品が発売された。ただし全体で見ると移植作品の比率が高い。『スーパーロボット大戦α』は、後にセガ系ハードのドリームキャストへ『スーパーロボット大戦α for Dreamcast』として移植された。

(GA)表記は、PS3やPSPのゲームアーカイブスでダウンロード購入可能な作品を表している。

参戦作品

ロックマン
『8』が発売(SSとのマルチプラットフォーム)。他スピンオフタイトル、および移植作多数。

関連作品

脚注

  1. 後のソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)。
  2. 過去にも家電メーカーがゲーム機をリリースしているが、全て主流となるにまでは至らなかった。
  3. なお同機器は開発中止に終わっている。
  4. <SCPH-1000><SCPH-3000><SCPH-3500><SCPH-5000><SCPH-5500><SCPH-7000><SCPH-7500><SCPH-9000>の8種。
  5. 勿論メモリーカードとして使用する事も可能。容量は同じ。

資料リンク

商品情報