「キリコ・キュービィー」の版間の差分

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;「所詮、遊びだ」
 
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:第4話Bパート、[[ブールーズ・ゴウト|ゴウト]]の勧めで[[バトリング]]選手となったキリコ。 ぎらついた殺意に満ち溢れた戦場とは異なる穏やかな雰囲気に対し、控え室でかつてのAT乗りだった選手らに自身の感想を述べる。無愛想なためか選手にとっては挑発に取れてしまうのも無理もない。
 
:第4話Bパート、[[ブールーズ・ゴウト|ゴウト]]の勧めで[[バトリング]]選手となったキリコ。 ぎらついた殺意に満ち溢れた戦場とは異なる穏やかな雰囲気に対し、控え室でかつてのAT乗りだった選手らに自身の感想を述べる。無愛想なためか選手にとっては挑発に取れてしまうのも無理もない。
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:第4話Bパート、バトリング用のATドック内で何者かの殺気に満ちた視線を感じ取るキリコは自身によるクセをこの独白で説明する。
 
:第4話Bパート、バトリング用のATドック内で何者かの殺気に満ちた視線を感じ取るキリコは自身によるクセをこの独白で説明する。
 
;「おかげで…助かった」<br />「おかげで、助かったと言ったんだ…」
 
;「おかげで…助かった」<br />「おかげで、助かったと言ったんだ…」

2013年8月19日 (月) 10:40時点における版

キリコ・キュービィー(Chirico Cuvie)

装甲騎兵ボトムズ』をはじめとするボトムズシリーズ主人公
基本的に物語は、彼の独白(モノローグ)を多用した回想録形式で進行する。

戦いしか知らない一兵士だったが、「素体」と呼ばれる軍の最高機密を見てしまったために軍を追われることになる。そして「素体」の謎を追い求める旅の中で出会った仲間達との触れ合いの中で、徐々に人間らしさを手に入れてゆく。
しかし、ストーリーが進むにつれ、実は軍の最高機密以上の重大な宿命をその身に背負っていることが明かされ…。

常軌を逸した不死性(死なないのではなく、むしろ死ねない)と桁外れの生存力で、泥沼の本編を最後まで戦い抜いた。あらゆるロボットアニメの中で(或いはロボットものという括りを除いても)おそらく最も不死身な主人公でもある。

人物

百年戦争の末期、ギルガメス軍の一員として戦っていたAT乗り。かつて最強の部隊と恐れられたレッドショルダー隊に所属していた過去を持つが、幼少時の記憶などを失っている。

キリコの最大の特徴は、他者から干渉されることや支配されることを徹底的に嫌うということであり、人付き合いは良いとはいえない。その一方で支配欲や出世欲なども希薄であり、誰にも邪魔されずただ静かに暮らせればそれでよいという老成した雰囲気をかもしだしている(この様子からかなり大人びて見えるが、設定年齢上はまだ18歳である。)。このような性格になったのには彼が少年の頃から兵士として戦い続け、人生に一種の諦観を得てしまっていることが大きい。
優れた操縦技術と戦闘能力を持つ「戦士」であるが、命令系統のしっかりした縦型の社会では生きていけないことを示すなど「軍人」としての資質はまったくない。なお、『ペールゼン・ファイルズ』の小説版においては、同僚のザキに「敵が憎いから軍にいるのか」と問われた際「敵に怨みはない」と否定している。

キリコ自身は静かに暮らしたいのに、彼の「異能」(後述)を狙う様々な組織が執拗に干渉を続け、彼は火の粉を払うために戦い続ける、というのがボトムズシリーズの基本的な骨子である。

無口で根暗なキャラクターという印象が強いが、心を許した相手には冗談を言ったり、笑いかけたりすることもある等、決して人付き合いを完全に拒否しているわけではない。しかし、キリコが心を許した相手は大抵の場合は戦火の中で別れを経験する(場合によっては死別する)のが常である。
ウド編の最後では「俺を一人にしないでくれ」と独白する場面もあり、孤独を好みながらも人のぬくもりも求める二律背反な面も垣間見える。キリコは親しい者を失うことを恐れるからこそ、必要以上に人に近づかないようにしているのかもしれない。

軍人としての資質がないのにどうして軍隊に入っていたのかという点についてははっきりしていない。TVアニメ第1話冒頭のナレーションではキリコの独白として
「俺は戦った。初めは生まれ故郷メルキアの為と信じて戦った。だが、戦いは長びくばかりで、終わりがなかった。おれは疲れた。だれもかれもが疲れていた…。」
という台詞がある。このことから考えるとキリコは元々は愛国心ゆえに志願した少年兵だったのだが、戦争の中で戦う意義を失っていったのかもしれない。

なお、戦場に身を置き続けてきた経験からか、キリコは赤色の「耐圧服」というATのパイロットスーツを好んで(というよりは、何時如何なる時も)着用しており、いわゆる「私服」と呼べるような服を着用しているシーンはほとんど確認出来ない。あとはせいぜい変装のために敵の制服を拝借して着用した程度で、彼の衣類に対する無頓着さが垣間見える。また、『孤影再び』では「赤い耐圧服を着た男」という情報から兵士がキリコの正体に気づくというシーンがあるが、これはTVシリーズから30年以上が経過した世界で赤い耐圧服が時代遅れになっている事と、常にそれを着用し数々の戦果を上げたキリコの姿から「赤いかく乱」というあだ名が付けられているという設定から来るものである(『孤影再び』OVAコメンタリーより)。

ちなみに自称糞真面目な男である。

キリコの異能について

TVシリーズの後半、キリコは古代クエントに存在していた「異能者」たちと同等の資質を持っていることが判明する。

TVシリーズ作中においては「異能者」とは超能力の使い手などではなく、「機械に関する高い親和性を持ち、常人よりも高い身体能力を持つものたち」と説明されていた。いわば、「現世人類よりも進化した新しい種」のような扱いであり、『機動戦士ガンダム』におけるニュータイプを意識した設定とも考えられる。異能者としての資質を持つものは常人よりもアーマード・トルーパーの操縦に秀でており、天才的な腕を持つパイロットとなる。この「異能者」を人工的に作り出そうとしたのがパーフェクトソルジャー(PSと呼ばれる)であった。

作中世界では「異能者」の資質を持つものはとてつもなく希少である。古代の異能者の集合意思を記憶したスーパーコンピュータ・ワイズマンは、自分と同種の存在でありキリコに深い興味を持ち、ワイズマンが支配している秘密結社を使ってキリコに様々な干渉を続けた。
TVシリーズ作中では、キリコは訪れる場所で必ず戦いに巻き込まれて酷い目に会っているが、これはワイズマンの干渉によるところも大きい。しかし、キリコはどんな危険な状況になってもどうにかして最終回まで生き残った。それは本人が機転を利かした結果ということもあれば、ただ運が良かっただけという場合もある。しかし正直なところ、作中のキリコはあまりに危険な目に遭いすぎていたため、視聴者から見ると「主人公だからという理由だけで生き残るご都合主義」と感じられることもしばしばあった。

しかし、後のOVA『装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ』にて、登場人物のヨラン・ペールゼンが提唱すると言う形で「キリコは250億分の1の確率で誕生する、高い生存能力を持つ異能生存体であり、その力によって彼は不死身である」という後付設定が誕生した。この設定はそれ以降のOVAシリーズでも引き継がれ、現在ではキリコのキャラクター性の根幹を成すものとして扱われている。
なお、作中においてペールゼンが言うところの「異能生存体」が、ワイズマンが言うところの「異能者」と同じ存在なのかははっきりしていない。だが、ワイズマンも異能者を探す際に「死なない人間」を求めている為、共通する素質ではあるようだ。

設定によれば、キリコはどんな状況におかれても、「生き残る」ように世界の因果律が歪められるのだという(ありていにいえば、物語上、御都合主義的な展開が必ず発生する。)。半メタフィクショナルな観点を公式な設定として、主人公補正を明文化した初めての存在である。

例えば『野望のルーツ』では、キリコに向けられて機関銃から弾丸が放たれようとしたとき、「偶然にも」銃器が暴発する、超至近距離から放たれた銃弾が「偶然」心臓をそれる、という現象が発生している。TVシリーズではキリコが訪れた惑星が破壊されたりすることもあったが、キリコはその隙をついて敵の追撃から脱出することに成功している。これもキリコの異能の力の働きによるものと解釈できる。
OVA『孤影再び』でも、戦闘ヘリの攻撃で他のATが次々に撃破される中「偶然」装甲が銃弾を尽くはじいた為に無傷であり、さらにその戦闘の衝撃で「偶然」AT用火器が手元に跳んできて反撃するシーンがあり、OVA『赫奕たる異端』ではキリコが床に向けて撃った銃弾が「偶然」跳弾となり、先の戦闘で敵ATに開いていた隙間に「偶然」入り込み、パイロットの急所に「偶然」命中するというシーンが描かれている。
なお、これらは全て「起こりうる偶然」ということで辛うじて説明がつくタイプのものだが、ボトムズシリーズの作中では、キリコの怪我の治りが生物学的な常識を超えて早かったり(全身火傷、脊椎損傷、頭蓋骨陥没、大腿骨の複雑骨折、その他諸々の重傷を負っても、たった十日で生き返った)、キリコに向けて放たれた弾丸が物理法則を無視した弾道を描いてキリコに当たらないなど、「偶然」の一言では説明がつかない現象も起こっている。

キリコの異能生存体の能力は本人の意思とは無関係に自動的に働く。キリコを生き残らせるために、キリコの大切な仲間を殺すことさえもある。その意味では呪われた力とも言える。
逆に言えば死にそうになると確実に発動するため、TVシリーズ本編以後はキリコ自身もそれを見越した行動を取っている事がある(墜落中の宇宙船に敵パイロットは無理矢理脱出させたのに自分は居残っている等。当然生き残った)。

過去

惑星サンサ出身。ギルガメス歴2738年、異能生存体の実験のためにレッドショルダーに襲撃され、火炎放射器で全身を焼かれたという凄絶極まりない過去を持つ。その時に味わった苦痛が現在に至るまでのトラウマとなっているため、当時のことを思い出そうとすると凄まじい頭痛に襲われ、性格そのものも暴力的になる程に陥っている。 8年後、ギルガメス軍に入隊。配属先の惑星オドンでレッドショルダーに配置され、「共食い」と称されるふるい分けを受け、ペールゼンから異能生存体だと確信される。 この後キリコは反乱を起こして基地を壊滅させることとなり、それが「ペールゼン・ファイルズ」を経て後々の戦いへ繋がっていくことになる。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
ソレスタルビーイング追跡ルートの第4話でレッドショルダー隊の面々と共に敵として登場。次にエリア11ルートを通ればゼロの協力者として自軍に加入する。乗機のスコープドッグは少々頼りない性能だが、キリコの能力が高いため十分一線を張れる。最初からいきなり最高レベルに達している底力や、最初から持っている専用の特殊技能の一つ「?????」(文字数から、おそらく「異能生存体」)によって、シナリオ序盤でもHPが10%以下に減少すると大幅なパワーアップ(命中率・回避率+45% 装甲値+90% クリティカル率+72% 命中・回避+30 格闘・射撃・防御・技量+20)をする。というか強すぎて原作通りどれだけ絶望的な状況でもまず生き残ってしまう。ちなみに「?????」は当初は「???」扱いとなっている野性化とは違って、「?????」という名前の技能である事に注意(技能が封印されているのではなく、この状態のまま効果を発揮できる)。またCB追跡ルート4話で敵として登場する時も発動するので、うっかり瀕死にさせないように注意。さらに言えば連続ターゲット補正の前にはさすがに無力なので、使い倒すなら機体の強化もお忘れなく。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
序盤のクメンルートにて初登場し、以降はそのままカレン達と共にソレスタルビーイングをはじめとしたZEXISの面々と合流する。本作では「サンサ編」の再現こそないもののクメン篇とクエント篇の物語が再現されており、クメン篇とクエント篇は分岐ルートだが、共通ルートでも宿敵であるイプシロンとの対決が幾度となく描かれている。原作同様に、『ラストレッドショルダー』までの再現だった前作よりも人間味を見せる場面が多くなり、基本的に自分から他の作品のキャラクターと殆ど関わらなかった前作と異なり、自分から他の作品のキャラクターと絡む場面が多くなっている。
本作でも『コードギアス』のキャラクター達との絡みが多く、騎士団ルートへのフラグが成立した場合はゼロの正体が暴かれる前に、彼自身に素顔を明かされる事になる。
終盤のクエント篇の再現エピソードにおいてはワイズマンの後継者となる(フリをする)為に一時的に敵になるが、居合わせたZEXISメンバーの殆どが(キリコが本性を現した際の会話から疑問には思っていたようだが)キリコの演技に騙されており、殆どの主人公キャラからは「先に撃たなければこっちが確実に殺られる」、「キリコ一人に部隊を全滅させられる」と恐れられる。また、この時ヒイロ、カレン、ゼロからの特殊戦闘台詞が用意されている。なお、この時もしっかりと「?????」と底力Lv9を持っているうえ、搭乗機のHPが50000を超えているため異様に硬い。…乗機がAT故に空中には大した攻撃ができないので強いとは言えないが。
ED後は原作のようにフィアナとコールドスリープする事は無く、彼女と旅に出る事に。尚、本作では技能名「?????」はストーリー中に異能生存体の設定が判明してからははっきりと「異能生存体」と明記される。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

回避・命中に優れ防御が低い典型的なリアル系パイロット。
パイロット能力は全体的に高く特に技量は自軍トップクラス。その上、瀕死状態になれば底力異能生存体のW補正効果によって手の付けられない鬼ユニットと化す。その分、乗機の性能の低さでバランスがとられているので、エースとして運用していくなら改造は怠らぬように。

精神コマンド

リアル系の手本のようなコマンドが揃っている。コストが最大でも50と低いのも嬉しい。

第2次Z
集中直感狙撃直撃覚醒


特殊技能(特殊スキル)

異能生存体精密攻撃底力L9
固有技能と最初からカンストの底力が強い。瀕死時の強さは凄まじいが機体が脆い上にキリコ自身の防御が高くないため、HPを調整するのは意外と難しい。なお最終命中率に影響を及ぼさないので、見切り等を習得している敵からの攻撃を躱しきれない事もありうるため過信は禁物。また、連続ターゲット補正もあるので単機で無双するのは考えもの(防御も上がるが、ATの装甲では焼石に水状態である)。再世篇終盤では異能生存体発動状態かつ乗機の運動性フル改造ですら当てられる事があるのでいざと言う時は集中や直感でのフォローも必要。
精密攻撃はクリティカル時の与ダメージが更に1.5倍になるというものだが、養成による習得が不可な上に自軍では実質キリコとフィアナのみが所持(バーコフも持つが1ステージ限りのゲスト参戦)するレアスキル。キリコ自身の素の技量が高い上に異能生存体でさらに技量が上がることも手伝って、クリティカルを連発し数値以上の強さを発揮する。技量を思いきり高め、再攻撃とカウンターと見切りを取得させれば最強クラスの切り込み役に変貌するが、技量を高めるという事はてかげんMAPWによる異能生存体発動が難しくなるという事でもあるので、てかげん役の技量と要相談。なお異能生存体は破界篇全編及び再世篇後半までは「?????」表記だがちゃんと機能する。
なお、破界篇序盤と再世篇後半の敵対時も特殊技能のラインナップは変わらない。前者はともかく、後者でも後半のボスキャラ扱いなのに所持技能が追加されないというのは内心では仲間を裏切っていないという事を表現したものだろうか。

固有エースボーナス

気力130以上で、全ての武器の攻撃力+300
機体の火力を補う強力なボーナス。能力的に切り込み隊長的な運用が多くなるため取得・発動共に容易であろう。しかもキリコが同行するルートには無限復活をするユニットが登場するのでなおさら取得は楽(結果として、CB同行ルートのみを通っていても取得しやすい)。再世篇でも無限復活するユニットが出てくるのでやろうと思えば前半で習得できてしまう。

パイロットBGM

「炎のさだめ」
TVシリーズOPテーマ。
「鉄のララバイ」
『ペールゼン・ファイルズ』OPテーマ。ISSに乗り換えるとこれになる。

人間関係

フィアナ
「素体」、「ファンタム・レディ」、「プロト・ワン」などの別称を持つ。ギルガメス軍が創ったPSだが、教育を施される前の「空白の状態」でキリコと出会い、彼を慕うようになる。
『赫奕たる異端』最終話予告ではキリコのささやかな望みが彼女であるとされており、「フィアナこそわが命、フィアナこそ我がさだめ」とまで言われている。
ブールーズ・ゴウト
ウドの街に逃げ込んだキリコと出会い、金づるにしようとするが、後に彼から「とっつぁん」と呼ばれるほどの親しい仲に。武器商人としての人脈を活かし、ATの調達等でキリコを支える。
ココナ
ウドの街の不良少女。キリコを見捨てようとするゴウトとバニラを説得し、大金を投げ打って彼を救うなど重要な役割を果たす。キリコに密かに恋心を抱いていたが、彼とフィアナの関係を察し、身を引いた。
バニラ・バートラー
ゴウトと同様に、最初はキリコを利用しようとするが、後に良き親友となる。「キリコちゃん」と、独自の敬称付けで呼ぶ事も多い。
ル・シャッコ
クエント人。巨体で凶相だが性格は穏やかで義理堅い。クメン内乱でキリコと共に戦い、後に互いに信頼する仲間となった。
イプシロン
宿敵のPS。フィアナを巡るライバルでもあった。なお、第40話予告ではキリコとイプシロンは似た者同士であると語られ、その回のタイトルは「仲間」である。
ポル・ポタリアブリ・キデーラ
クメン内乱で所属したアッセンブルEX-10における傭兵仲間で同部隊のエース格。理知的なポタリアと短気なキデーラと性格は両極端だが、どちらもキリコの能力や人格を信頼しており、キリコの方も彼らに友情を感じている。
カン・ユー
クメン内乱での直属の上司。AT部隊隊長を勤め上げるだけのパイロット能力はあるが、そのひねくれた性格からキリコ含め部下からの信頼は皆無。キリコを目の敵にし、稚拙な行動を繰り返した結果、最後にはシャッコに引導を渡されることに。
ゾフィー・ファダス
惑星サンサでレッドショルダーが行なった虐殺によって夫と子供を失ったため、元レッドショルダーのキリコに対して憎悪を向けた。
ゲッコ
惑星クエントに住む交易商人。独自のコネを持っているようで、キリコに協力する。
グレゴルー・ガロッシュバイマン・ハガードムーザ・メリメ
ザ・ラストレッドショルダー』、『野望のルーツ』に登場した、キリコのレッドショルダー時代の同僚。
バージル・カースン
『野望のルーツ』に登場したキリコと同期入隊のレッドショルダー隊員。温厚な性格の持ち主で何かとキリコの事を気に掛けているが、その正体は…。
ノル・バーコフガリー・ゴダンゲレンボラッシュ・ドロカ・ザキダレ・コチャック
ペールゼン・ファイルズ』に登場したキリコの同僚。キリコの願望混じりの推測を真に受け、自分達も異能生存体だと確信して戦うが……。
ラダァ・ニーバ
『ビッグバトル』に登場。バララント軍が開発したPS第1号で、彼もまたレッドショルダーによって瀕死の重傷を負わされた過去を持っており、元レッドショルダーのキリコに憎悪を向ける。
テイタニア・ダ・モンテウェルズ
『赫奕たる異端』『孤影再び』に登場。アストラギウス銀河最大の宗教勢力「マーティアル」の枢機卿モンテウェルズの一人娘で、次世代PS「ネクスタント」。父の命によりキリコ抹殺を図るが、次第に彼に惹かれてゆく。
ゴディバ
『赫奕たる異端』に登場したキリコの新たな相棒。マナウラ軍の軍医長で、かつてはマーティアルの総本山「アレギウム」にいたが、「キリコに一切手を出してはならない」とした法皇テオ8世の決定に医学的見地から異を唱えたために破門された。
ステビア・バートラー
『孤影再び』に登場。バニラとココナの間に生まれた長女であり、3人の兄と共に商人となったバニラを手伝う。冒頭、空港にてキリコと遭遇、結果的に生死の危機に陥ってしまいキリコを疎んじるが、彼のグルフェーを守る姿を見て考えを改める。
ヨラン・ペールゼン
キリコの不死性に最初に目を着けた人物。配下に置こうとしたが、支配される事を拒むキリコの姿に次第に恐怖を覚える事に。
ジャン・ポール・ロッチナ
立場を変えながらキリコを監視し続ける。物語の狂言回し。ちなみに現状唯一、キリコを敵に回し、さらに危害を加えて生き残った人物
ワイズマン
自らの運命を弄んだ黒幕。向こうは全て計画通りに事を運んでいたつもりだったが、最大の過ちを犯してしまっていたことに気づいていなかった。支配される事を拒むキリコにとっては例え神であってもその例外ではなかった。
神の子
『幻影篇』終盤に登場。ル・シャッコが属するクエント人の部族で誕生した、「神の後継者」と目される謎の赤ん坊。
キリコはこの赤ん坊と共に姿を消し、彼にまつわる一連の物語は幕を下ろす。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ヒイロ・ユイ刹那・F・セイエイ
第2次Zの無口仲間(?)。同作の中断メッセージ画面でもキリコ・刹那・ヒイロの三人が登場するものがある。なお、ヒイロ・ユイのモデルはキリコである(さらに偶然にも近年ヒイロもコールドスリープした)。キリコとの戦闘で戦闘中のボイスが用意されているキャラの一人。ちなみにヒイロはネタ的な意味で異能生存体と呼ばれる。
デュオ・マックスウェル
破界篇でカレンとのバトリング中に治安警察らに襲われるキリコらを援護、その後も行動を共にする。これが縁になったのかWの面子はキリコとの絡みが大目。量産機でありながら高いポテンシャルを持つATの兵器としての有用性とそれを引き出すキリコには一目置いており、再世篇にて語った初対面時の印象は「俺が言うのも何だが死神かと思った」とのこと。ヒイロの同類と見ているのか「手がかかる奴ほど放っておけない」と語る。なお破界・再世篇ともに感謝の言葉を口にするキリコに驚くシーンがある。
パトリック・コーラサワー
第2次Z 破界篇序盤では彼の指揮下に入り、ソレスタルビーイングと対峙するも敗北を喫する。ちなみに彼は何度撃墜されようと宇宙を彷徨っても本人はほぼ無傷で帰還するので本家キリコ以上に異能生存体していると言われる。
トロワ・バートン
第2次Z破界篇 31話にてギシン星軍の兵員輸送機を撃ち落としたキリコの所持していた銃(バハウザーM571 アーマーマグナム)に「いい銃だ」と感心していた。再世篇ではキリコをボトムズ次回予告のフレーズを用いた例えで評し、クロウから詩人扱いされる。
アレルヤ・ハプティズム
第2次Z 再世篇では、共に大切な女性を救う為にも戦っている事もあり、お互いに共感を覚える。また、ワイズマンと接触して豹変したキリコを最後まで信じていた数少ない人物でもあった。再世篇序盤の彼の救出作戦の際は、彼の救出はキリコが担当している。お互いイプシロンに縁があったり、騎士団ルートでは出て行こうとしたところを彼に呼び止められるなど、何かと縁がある。
ソーマ・ピーリス
第2次Z 再世篇では、アレルヤが救出して連れ帰った彼女にゼロがZEXISとして共に戦うよう要請した際、彼女の身を案じてそれを取り止めるようにゼロに進言する。
カミーユ・ビダンシン・アスカ
第2次Z 再世篇ではゼロのマリーへのZEXIS参加要請を取り止めるようゼロに進言した際、真っ先にキリコに同意の意見を唱えた。マリーやフィアナと同じように、他者に無理やり戦う事を強制された女性パイロットを知る二人が、キリコの意見に同意しないわけがなかった。
アリー・アル・サーシェス
第2次Zでは殆ど絡む場面はないが、レッドショルダー所属時にレッドショルダーがPMCトラストに雇われていた為、リーマンと同格の立場であった彼は一時的にキリコの上司ともいえる立場にあった。また、彼からはキリコに対する特殊戦闘台詞が存在。再世篇ではアザディスタンの王都を焼野原に変えた事で、本人が意図したわけではないがキリコのトラウマを抉っている。

マクロスシリーズ

熱気バサラ
第2次Z 再世篇の中盤にワイズマンの策動によって幾度となく鳴り響くレッドショルダーのマーチに精神を追いつめられていくキリコの心情を看破し、彼なりの気遣いの言葉を送る。直後のバジュラやアイムとの戦いで見せた彼のひたむきな歌への想いと、その歌に、キリコも感銘を受ける。
クラン・クラン
第2次Z 破界篇では周囲との雑談に加わることなく独り佇むキリコの様子を「常に周囲を警戒していて、殺気が身体を覆っているようだ」と評している。

その他リアル系

ゼロ
第2次Zにてキリコを傭兵として雇う。命令に忠実な兵士として重用する一方でキリコの本質を見抜き「この男は誰にも従わない」と危険視もしていた。しかし、再世篇ではお互いを信頼するようになり、展開次第ではキリコへの信頼の証として、彼の目の前で自ら仮面を外して正体を明かす。その後、シュナイゼルによってゼロの正体が明かされ、黒の騎士団の面々が怒りに駆られる中、キリコもヒイロや五飛ロジャー達と同様に、ゼロの事をフォローし、仲間としての信頼の意思を示すなど、交わす言葉は少なくとも、彼とはよき信頼関係を結ぶ事になる。
なお、キリコとゼロは「カオスに例えられる」という共通点がある。
紅月カレン
第2次Z 破界篇序盤、彼女が駆るグラスゴーバトリングで対決。以降、彼女は「戦友」として何かと気に掛けてくれる。再世篇でも作中最初に再会したZEXISのメンバーの一人であり、長い付き合いとなる。他作品のキャラの中でも特にキリコを信頼している一人で、クエント篇の再現パートにおいてはフィアナの前で(異性としてではなく、仲間として、だが)「あいつ(キリコ)の事が好き」と熱い台詞を叫んでいる。キリコもピーラーゲリラと黒の騎士団を重ねる彼女の心境を慮る言葉をかけたり、互いの不在時には互いが心配しあったりと強い戦友意識を共通している。
C.C.
第2次Zで共演。それなりに親近感を感じているのか、彼女の方から色々とキリコに話しかける事がある。また、彼女に言わせればキリコの異能による不死身振りはコードに縛られている自分以上のものらしい。
ディートハルト・リート
再世篇の中盤、後述にもあるように天子を日本人の誰かと結婚させようとする彼の策に不快感を示し、彼にダメ出しを喰らわせて絶句させる。
レントン・サーストン
破界篇では絡むことは無かったが、再世篇では、後半でただ1人クエントへ向かったキリコのことを想い、大事な人のために戦う彼を自分自身と重ねていた。そのため(演技とはいえ)彼がワイズマンの後継者となって敵になった際は彼に深く失望していた。和解後のエウレカ救出作戦では、生身での戦闘技術を持たず救出を他人に任せるしかない自分を不甲斐なく思うレントンに対して、フィアナと共に自分の手で助けるようにと同行を促した。
アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
同じ高橋作品の主人公。OEで共演予定。谷口守泰氏が作画を担当した時のキリコはエイジと瓜二つの容姿になるので何らかの関わりが出来る可能性がある。
相良宗介
宗介のキャラクター設定は、キリコをモデルにしている。スパロボでの共演が待たれるところである。

スーパー系

流竜馬
第2次Z 破界篇では初対面時に「相当の修羅場を括ってきたタマ」と評され、彼からも一目置かれている。
ズール皇帝
第2次Z 破界篇における最終決戦では、因果律さえも超越するキリコを屠る事が己の力の糧になると嘯く彼を「下らん妄想に取り憑かれた哀れな亡者」と評する。
飛鷹葵
第2次Z 破界篇では、ただ選ばれたと漠然とした理由で戦っている彼女にとって、キリコが何のために戦っているのかと彼の考えに少し興味を示していた。

バンプレストオリジナル

クロウ・ブルースト
上記のカレンの台詞を受けて「俺もアイツが好きだ」と発言、「まさか…!?」と驚くゴウトに「アンタ達も同じだろう?」とZEXISメンバーの総意をまとめる。それだけにワイズマンと接触して豹変した(ように見せかけた)キリコに対して「これ以上、俺達を幻滅させるな」と深い失望を示し、キリコがフィアナを撃った際には激高した。キリコのメンバー復帰後にはもちろん和解。キリコの謝辞をネタにジョークを飛ばし、彼を笑顔にさせると言う快挙を成し遂げる。

名台詞

TVシリーズ

(俺の運命を狂わせた、あの忌ま忌ましい戦争は、その日終結した)
(だが、それは何の意味もない。 あれを見たときから、俺自身の戦いが始まっていたのだ。 果てのない戦いが…)
第1話ラスト、基地で地獄のような尋問から脱出したキリコの独白。この台詞からキリコの巡礼の旅が始まる。
(また酸の雨が降り始めた。積もり積もった戦の穢れが赤い雨となって、俺達の体をジワジワと溶かしていく…)
第2話、ウドを牛耳る暴走族ブーン・ファミリーに拉致されて、ヂヂリウム採掘場で強制的に働かされてる最中、酸の雨に濡れながら呟いた独白。退廃的な本作の世界観を端的に象徴している。
(ウドの街は地獄だ。 どうやら、俺はまた新たな地獄に迷い込んだらしい…)
第2話Aパートラスト、下手に逆らいブーン・ファミリーから袋叩きにされてしまうキリコはただ淡々とこの独白で自身の状況を語る。
(そこは俺にとって、懐かしい匂いのするところだった。 手には冷たい鉄の肌触りしかなかったが、慣れ親しんだ温もりが蘇ってきていた)
(俺はおふくろの胸に抱かれたような気持ちになって、いつの間にか眠ってしまった)
第2話ラスト、ブーン・ファミリーから逃れたキリコはスクラップ場に放置されていたスコープドッグのコックピット内に入り込む。この独白の時点では、キリコは「コックピットの中でしか眠れない、戦争に病んだただの青年」であった。
(飛び交う銃弾と炎、めまい。 きな臭い懐かしさ。 俺はこの時戦場に戻っていた。 ボトムズと共に)
第3話、スクラップ場から回収・修理したスコープドッグを駆りブーン・ファミリーに反撃を開始するキリコ。ファミリーの壊滅をもくろむ治安警察をも巻き込んで炎に包まれ、キリコの独白でこの話は終わる。ちなみに、「ボトムズ」とはATおよびAT乗りの蔑称であり、「最低野郎」という意味でもある。
「所詮、遊びだ」
第4話Bパート、ゴウトの勧めでバトリング選手となったキリコ。 ぎらついた殺意に満ち溢れた戦場とは異なる穏やかな雰囲気に対し、控え室でかつてのAT乗りだった選手らに自身の感想を述べる。無愛想なためか選手にとっては挑発に取れてしまうのも無理もない。
るか、られるか。 この気配を感じ取ることだけが、俺の取り得だ)
第4話Bパート、バトリング用のATドック内で何者かの殺気に満ちた視線を感じ取るキリコは自身によるクセをこの独白で説明する。
「おかげで…助かった」
「おかげで、助かったと言ったんだ…」
第9話、お宝の金貨を捨ててまで治安警察から救出してくれたゴウト達に対する謝意。キリコが初めて口にした感謝の言葉に、一同は唖然とする。
(仲間か…何やら照れ臭い。だが、久しぶりに俺の胸は温かいものに満たされていた…)
第9話ラスト、全員自分の懐に入る分の金貨は確保していた互いの欲深さを笑いあうゴウト達を眺めながら呟いた独白。ここに、利害関係の無い「仲間」としての腐れ縁が成立する。
「俺は簡単には死なない」
第10話、自分の身を案じてくれるゴウトにこう返した。確かに死なないが、どちらかというと敵に回った奴がみんな死ぬと言った方が適切な気がしないでもない。
「レッドショルダーの赤はもっと暗い、血の色だ。 それとマークは右肩だ」
第10話、バニラはスクラップから組み上げたATの左肩に染めた赤いマーキングを自慢するが、キリコは冷静に正確なレッドショルダーのマーキングを指摘する。このときに、キリコは劇中で「吸血部隊」と恐れられた特殊部隊レッドショルダーに自身が在籍していた経歴を仲間に明かす。
「正確には、メルキア戦略装甲騎兵団特殊任務班・X1。通称『吸血部隊』だ」
同じく、第10話にて。ゴウトがキリコに、レッドショルダーかどうか尋ねた時に対して。
「そいつは名前なんかじゃない」
素体の「プロト・ワン」という呼称に対して。
フィアナ!!
第12話より。「素体」に対し、キリコは咄嗟にこう叫んだ。
(ウドの街が消えてゆく。 バニラ、ゴウト、ココナ、フィアナ…一人に、一人にしないでくれ。 どこだ、みんなどこにいるんだ…)
第13話ラスト、燃え盛るウドの中で、キリコは仲間を、そしてフィアナを求めて彷徨い歩く。この不安げな独白と共に、ウド編は幕を閉じる。
(気も狂うような暑さと湿気、そして熱病と死を運ぶ虫ども。 緑に塗り込められはいるが、ここは地獄に違いない)
第14話冒頭、クメンのムナメラ河を下るガンボートの中での独白。キリコのこの台詞からクメン編が始まる。
「忘れるために、ここに来たんだ」
第14話、バニラが経営する傭兵部隊行きつけの酒場「ファンタムクラブ」にてキリコはゴウトらと再会を喜び合う。この台詞の後、不器用ながらもキリコはゴウトらと微笑みあうのだった。なお、フィアナを探して旅立ったはずのキリコが内戦に身を投じた理由である「忘れるため」の内容は「装甲騎兵ボトムズ ザ・ラストレッドショルダー」で語られる。
(何かを求めて戦場に来る者。その日の飯にありつくために引き金を引く者。理想のために戦う者。そして、硝煙と死臭の中でしか生きられない俺。ここは、神の住処じゃない。 ただの瓦礫の山だ)
第21話ラスト、バニラの報告に憤慨するカン・ユーとその様子に大笑いするキデーラらを見て。この独白と共に、キリコは瓦礫と化したビーラーゲリラの潜伏地である寺院内の仏像を見てこの話は終わる。
なお、『何かを求めて戦場に来る者』とはバニラ、『その日の飯にありつくために引き金を引く者』はキデーラ、『理想のために戦う者』はポタリアのことを指しているようだ。
「なんでこんなものを、みんな美味そうに飲むんだ」
第29話、クメンを脱出したキリコとフィアナに訪れた束の間の平穏。二人はワインで祝杯を挙げるが、キリコは口にした途端むせてしまう。実はこれが彼にとっての飲酒初体験であった。そんな意外な一面が明らかになる、微笑ましいシーンだったが……。
「これは、レッドショルダー…俺は…」
「やめろっ、やめるんだ!」
「誰だ、俺が忘れようとしている古傷をわざわざ掘り起こすのは!」
同じく29話、突如流れ出すレッドショルダーマーチ。何が起こったのかと二手に分かれて音楽の発信源を探すも、モニタールームに入ったキリコが目にしたのは燃え盛る街を走るAT部隊の姿…レッドショルダーの虐殺劇であった。映像を消そうとキリコは一心不乱にコンソールを操作するが、音楽も残虐な映像も消えない。必死で止めようとしていたキリコの横にはフィアナの姿があった…。
「そんなに見つめて何が言いたい。そうだ、俺は無慈悲な人殺しだ。吸血鬼だ。」
「そうさ…俺こそ人を愛する資格なんかありはしない…。」
第29話、何者かによってフィアナに自分がレッドショルダーに所属していたこと、そしてそこでどんな任務に従事していたかが露見してしまい半ばヤケになって「こんなもの」呼ばわりした酒を煽りながらの言葉。
「冗談は無しだ。俺は、くそ真面目な男だ」
第35話、レッドショルダーに恨みを抱くゾフィーに命を狙われつつも、ゴウト達との合流を急ぐキリコとフィアナ。そんな中、生命維持に必要なヂヂリウムの欠乏によってフィアナが倒れてしまう。フィアナはキリコに、足手纏いになる自分を捨てるよう懇願するのだが……。
(俺には何の返す言葉も無かった。彼女の家族が悲劇に遭った時には、俺自身はこの星にはいなかったという事実は、ただの言い訳にしかなるまい。何故なら、俺はそれまでそれと同じようなことをやってきたし、彼女に事実を話したところで、彼女は俺を決して許しはしまい。俺自身の心と同じに)
第36話ラストの独白。フィアナの危機を何とか回避し、過去の清算をするべくゾフィーの許へ(殺されに)向かうキリコであったが、ゾフィーは既に立ち去っていた。バニラから「まだお前を許したわけじゃない」というゾフィーの伝言を聞きかされたキリコは……。
なお、ここではキリコは第3次サンサ戦役に参加していないと言っているが、『野望のルーツ』では参加した事になっている。
「哀れだな」
「決して(人間を)超越などしてはいない。思考能力の一部を排除された、切れ味のいい人間でしかない」
「無意味なプライドにすがっているだけだ」
第38話、PSであることに過剰な誇りを持つイプシロンを、上記の台詞で切って捨てる。
「俺が宇宙の支配者だと…? あんたに代わって……?」
「わかった。喜んであんたの後継者になろう。今から…」
第48話、ワイズマンのメッセージを受け、自ら後継者としての運命を受け入れるという意志(後で分かるが、キリコのペテンであった)を示す際に。
「俺は来た…来たぞ、ワイズマン! 万能の力を、その力を俺は存分に試したい! 全宇宙の全てのやつらに復讐するんだ! 果てしのない戦争と混乱、地獄を与えてやるんだ! この銀河の絶対支配、それが俺の望みだ! 生きたまま神になってやる!」
第50話ラスト、ラビドリードッグを駆り、修羅の如く戦い続けるキリコがワイズマンに向けて言い放った台詞。
「例え神にだって、俺は従わない」
最終話、真意を表し、今までの巡礼の記憶に苦悩しながらもワイズマンからの誘惑を切って捨てる(厳密には時系列では前になる『野望のルーツ』のラストでペールゼンに言い放った言葉)。支配される事を嫌う男キリコ、ここに極まる。そういう意味ではバンプレオリジナルで神の支配を拒否した彼はキリコと似ていると言える。
「許してくれ。最後までワイズマンを騙すためにああするしかなかった」
ワイズマンの機能を停止するキリコを手助けするフィアナに対して。
(ココナ、ゴウト、バニラ、シャッコ。みんなに会えて良かった。そして、フィアナ……)
最終回ラストシーンでの独白。戦いしか知らなかった男の巡礼の終着点は、最愛の女性との新世界への旅立ちであった。
しかし、その真意は……。

OVAシリーズ

「この広い宇宙に俺一人のはずはないと信じている」
『ペールゼン・ファイルズ』にて、バーコフ分隊の仲間達に対して。「俺一人のはずはない」というのは異能生存体の事。しかし、この後バーコフ分隊は……
(闇の底に沈んでゆく意識を俺は覚えている。それはささやかな祈りだ。このまま永遠に目覚めないでいい。最期まで人間らしかった彼らのように、俺にも与えてくれ、永い眠りを…)
『ペールゼン・ファイルズ』を締めくくる独白。非業の戦死を遂げたバーコフ分隊の4名をキリコは「人間らしかった」と羨むように語り、そしてこの過酷な運命から逃れるために自殺志願のような祈りを呟きながら、首筋への投薬によって眠りに落ちる。だが残念ながらその「ささやかな祈り」は、彼が異能生存体である以上叶えられることはない。最愛の人物との出会いと別れは、まだこれからなのだから…。
「痩せ我慢はよせ。…度が過ぎるのは、見ていて辛い…」
ザ・ラストレッドショルダー』で義手を装着していた事を知られ、自嘲するバイマンの傷心を見透かし静かに嗜める。 破界篇では原作同様に、再世篇では序盤のクメンルートにて、ビーラーゲリラをかつての黒の騎士団と重ねていたカレンの心境を理解し気丈に振舞う彼女を宥めるセリフとして使われていた。
(フィアナ…俺は今、レッドショルダーに戻った。お前を救い出し、互いに生き延びるために。殺らなければ殺られる、あの懐かしい緊張感が久しぶりに全身を駆け巡っていた…)
『ビッグバトル』より、地上戦艦に捕えられたフィアナを救うために、ル・シャッコと共にATを整備しながら。
(第24メルキア方面軍…機甲兵団特殊任務班X-1、キリコ・キュービィー…)
(そうだ…確かに俺はレッドショルダーだった…だからどうだと言うのだ…フィアナ!)
『ビッグバトル』ラストで、引き千切ったレッドショルダーの認識票を見詰めながら呟いた独白。
「和解…?俺は、道を急いでいる…」
二度と俺に近づくな!!
『赫奕たる異端』最終話で、マーティアルの使者から、和解の申し出を迫られた際の台詞。数少ない、キリコが他人に怒りを露わにした場面でもある。『赫奕たる異端』でキリコの身に起きた悲劇を思えば、当然ではあるが……
「昔のままだ。ココナ…」
『孤影再び』にて、メルキアの交易都市グルフェーにあるバニラとココナの家でココナと30年ぶりに再会した時に。
「俺は、この星ではATには乗らない」
「もう、決めたことだ」
『幻影篇』での台詞。流浪の果てにサンサ星に流れ着いたキリコだったが、正体不明のATの一団に襲撃される。すんでのところでバニラ達とシャッコが駆けつけて危機を脱したものの、彼らにATに乗るように促された際にこう答えた。

迷台詞

「分かる相手になら、話していたさ」
PSについて話題になった時に、カン・ユーからPSの事を話さなかった事を咎められて。基本的にキリコは、カン・ユーに対して最初から「眼中に無い」といったスタンスを取る事が多い。
「次の、ご命令は?」
カン・ユーやその部下達と共にリンチにかけられるも逆に返り討ちにし、敵が攻めてきた事で、カン・ユーに棒読み口調で律儀に命令を仰ぐ。ポタリアやキデーラも苦笑していた。
「腹が…減った…」
「…そんなに、可笑しいか…?」
第23話で炊事姿のフィアナに見蕩れて咄嗟に発したものだが、突拍子も無い台詞に笑みを漏らす彼女の反応に、キリコ自身も頬が緩む。本作でも希少な、まったりとした遣り取りである。
「不思議だ。まるで味が違う」
同じく第23話、上の場面の後で軍の携帯食を上手に調理したフィアナの腕前に感嘆する際に。このことから、キリコはあまり料理が上手ではない(というかそもそも、『空腹を満たせれば味など二の次』と考えている可能性もある)ことが伺える。とはいえ、クエント編にて砂モグラを初めて見た影響で食するのをためらうこともある。

スパロボシリーズの名台詞

戦闘

「戦い方は人間相手と変わらない」
ヘテロダインバジュラなど非人間型の敵に対する戦闘台詞。原作では人間の乗ったAT相手にしか戦っていないが、キリコにとっては自分と対峙する物は人間だろうが怪物だろうが倒すべき敵としか認識してないのだろう。
「あんな奴とも戦うことになるとはな」
同様の敵へのバリエーション。戦い方はかわらないとは言うものの、ATや人間相手に戦って来たキリコにしてみれば、さすがに「怪獣」が相手になるとは思っていなかっただろう。
「無駄弾を使うつもりはない」
射撃武器を使った際の台詞。この台詞の通り、スパロボのキリコ機は神の後継者を名乗って敵対した時を除いてライフル系の武器は命中時は全弾当てており、敵対時にわざと1発外しているのはキリコが本心ではZEXISを裏切っていない事への伏線と言える。
「…………」
無言。開始、回避、被弾、そして撃墜までもこの台詞(?)。

破界篇

(増援に次ぐ増援…。終わりの見えない戦いに誰も彼もが疲れていた)
(疲労は判断を鈍らせ、重大なミスを招く。ふと気づくと、俺は逃げ場のない袋小路にいた)
(辺りに味方機の姿はない…。そう…俺はまた独り、地獄に足を踏み入れていたのだった)
「…こんな具合になりたくなかったら、適度に休息を取るんだな。明日につながる今日ぐらいは…」
中断メッセージの際の独り語り。さりげなくOPテーマの歌詞とかけている。
(エリア11…レッドショルダー。二つの単語が俺の中で結びついた)
(今はまだ予感に過ぎない。だが俺はそこをたどればきっと行き着く)
(俺はそれを信じる事にした)
ゼロの命令に従いつつ黒の騎士団と行動を共にするも、あくまでも自分の信念を貫く。
「俺の戦う理由だ」
ペールゼン殺害後、バイマンからフィアナの存在について訊ねられた事に対する返答。明確に断言したキリコの言葉に、バイマンは彼の人間的な成長を感じ取る。
(一つの過去にケリをつけることは出来た。だが、俺の心には泥のような疲労が残った)
(新たなPS、イプシロン……ペールゼンが協力していた組織、秘密結社……そして、フィアナは奴らの所にいる)
(去って行く仲間を見ながら、俺は自分だけが取り残された気がした)
どこまでも続く戦いの炎……その中に俺の進む道がある。今日も、そして明日も……
「ザ・ラストレッドショルダー」クリア後のモノローグ。ペールゼンは倒した。レッドショルダーも潰した。だが、フィアナを取り戻すことは出来ず、新たな敵が浮き彫りとなった。過去を一つ乗り越えても、その心が晴れることはない。終わりなき戦いの明日へ繋がる今日を、キリコは進み続ける。
「つまらん話をする余裕があるのか?」
「俺はお前と口を利く気などない」
己の異能の力の活かし方やプロトワンの行方を教えるなどと馴れ馴れしく話しかけるアイムに対して。言葉少なながら、小癪なアイムに対する嫌悪が感じられなくもない。
「俺は生き延びる。誰も俺を縛ることは出来ない…!」
ガイオウとの戦闘前会話。キリコ・キュービィーという男をもっとも端的に表した台詞と言えよう。

再世篇

「よせ」
「その女は今まで無理やり、戦わされてきた。これ以上、戦う必要はない」
ZEXIS全員が合流する再世篇第14話のエンドデモにて、アレルヤと一緒に帰ってきたマリーに対し、ゼロが戦闘参加を要請した際に。実は意外と珍しい、キリコが自発的に意見を口にした場面で、居合わせた面々は少々驚いていた。
「……お前は人でなしか?」
再世篇第17話「朱禁城の花嫁」にて、婚約解消となった天子を日本人の誰かと結婚させてはどうか、とゼロに(しかも星刻がいる前で)持ちかけたディートハルトに対して。女性陣から大バッシングを喰らった挙句に真顔でこの台詞を受け、ディートハルトはついに絶句することに。この駄目出しは、ラクシャータ曰く「傑作」とのこと。
(炎……レッドショルダー……)
(あの地獄は今も俺を放さないのか……)
「戦士たちの叫び」にて、炎上するアザディスタンを目の当たりにして。一応原作再現の一部なのだが、レッドショルダーのマーチに加え、目の前で実際に燃え盛る街、ペールゼンは死んだのに亡霊のごとく進軍してくるレッドショルダーカスタムと、このステージのキリコは原作以上に悲惨な状態に置かれている。原作では映像だったのに対し、これは実体を伴っているだけに悲壮感がより際立っている。
「仲間の声が遠くに聞こえる……いや……俺は最初から、そんなものを持つ資格などなかったんだ」
「レッドショルダー……炎の街……その二つが重なった時、俺は自分の中に閉じ込めた罪を思い出していた」
「惑星サンサ……その記憶は俺の心を苛む……皮肉にも心というものを取り戻したために」
「どこにいる、フィアナ……俺は今、無性にお前に会いたい……」
「戦士たちの叫び」のエンドデモにて。今回未再現のサンサ篇に言及している。どうも大時空振動の前にあったらしいが……。
「お前に興味はない。だが、そのATは潰す
「告げられる絶望」におけるカン・ユーとの戦闘前会話。相も変わらずカン・ユーには無関心のキリコだったが、見れば彼が乗っていたのは、よりによってレッドショルダーのAT・ブラッドサッカー。その赤い右肩にトラウマに近い記憶を持つキリコは、悪夢を振り払うようにマシンガンを向ける。
「最後にお前達の死が無駄でないことを教えよう」
「アストラギウス銀河を陰から支配してきたワイズマンの下へ俺は向かう」
「彼は、異能者として生まれた俺を後継者に選んだのだ」
「彼はクエントの地底で俺を待っている」
「そう…3000年前、クエントを追われたと信じられてきた神の子達…。ワイズマンはずっとクエントに潜んでいたのだ
「俺は神の子だ」
ワイズマンが居ると目されてきた人工天体の中でワイズマンの誘いを受け、その後ZEXISの面々の前に姿を見せて。特に最後のセリフは今まで見たこともないような冷酷な笑みを浮かべながらの発言であり、さながら彼が神の後継者の座に完全に魅入られてしまったように思える。
…が、その真意はやはり原作どおりのペテンであり、壮大な茶番であった。恐らくこれらのセリフは、ZEXISにワイズマンの居場所をリークする意図が含まれていたのだろう(尤も、直後にZEXISはシャッコにクエントに呼び出されるので結果としてはあまり意味はなかった)。
「俺の運命は俺が決めるのは俺だ。それが炎の中にあろうと」
「ワイズマン。俺は誰の支配も受けない」
「たとえ、相手が神だろうと」
ワイズマンへの宣戦布告。支配を拒む最低野郎ボトムズ、キリコ・キュービィーが、遂にアストラギウスの神へと牙を剥く。
アストラギウスの神が犯した最大の誤り……それは、過去から今に至るキリコ・キュービィーを測りきれず、ヤツを敵に回したことだ
「異能生存体…。その下らない幻想に翻弄されて運命を歪ませられたがいた」
ワイズマンの真意を聞いて。ここまで来ると「異能生存体」はキリコ当人にとっても疎ましい力でしかなく、それによって死なねばならなかったバーコフ分隊の4人を思えば、キリコにとってワイズマンはあらゆる意味で受け入れられない存在だった。
「俺の旅は一つの終わりを迎えた」
「神の死んだ世界…。そこが俺とフィアナの生きる場所だ」
「その先に待つのがワイズマンの言うように絶望だとしても、俺はこの選択を悔いることはないだろう」
「運命を決めるのは自分だ。そして、フィアナと仲間がいる」
宿命さだめが炎の中にあるのなら、俺は戦い続ける。今日も…そして、明日も…」
「修羅」クリア後のモノローグ。ワイズマンは消え、異能生存体を巡る一つの戦いが終わった。だが、まだ敵はいる。世界全ての敵が。そして戦争ある限り、自分とフィアナを利用しようとするものが現れる。ならば、自らの手でこの戦争を終わらせる。自らの歩む道が「炎のさだめ」とあれば心を決める。キリコはフィアナやZEXISの仲間とともに、新たなる戦いへ臨む。
「奴の過去は知ったことではない。だが、俺もお前達も奴に借りがあるはずだ」
再世篇終盤、シュナイゼルにゼロの正体を明かされた事で、ゼロへの怒りに駆られる扇達黒の騎士団のメンバーに対して。短い言葉の中に、キリコのゼロを「仲間」として信頼している意思がはっきりと感じられる。フラグが成立していれば、キリコはゼロが自分に絶対の信頼を寄せている事を知っているだけに、なおさら黒の騎士団のゼロへの対応には憤りを感じたのだろう。
「戦争は終わったが、俺の戦いは続く。それはフィアナとともに生きることだ」
「ZEXIS……お前達とともに過ごした日々は決して忘れない」
「いつか……また会おう」
再世篇ゼロレクイエムルートのEDにおけるモノローグ。自分の目で世界を見通すために、キリコはフィアナを伴に長い旅に出る。原作でのこの後の展開が展開だけに、この旅が良い終わりがあることを祈るばかりである。
「戦争しか知らなかった俺達は、世界のことを何もわかっていない」
「だから、今度は自分達の目で世界を見て回るつもりだ。俺達が生きていくために」
こちらは黒の騎士団ルートのEDにおけるアレルヤとの会話。

スパロボシリーズの迷台詞

「俺は戦うために生まれてきた。俺の安息は戦いの中にしかないんだ」
中断メッセージでの発言。この台詞だけなら別段普通なのだが、よりにもよって長時間ゲームをプレイしていてフィアナに止められた際の発言である。なので一転して廃人プレイヤーになってしまっている。
…この後、フィアナの説得が届いたのかゲームを中断した。

搭乗機体・関連機体

キリコが乗った機体のほとんどは、スコープドッグおよびその改修機(いわゆるドッグ系AT)。

スコープドッグ
キリコの愛機といえばどう考えてもこの機体。なのだが、ウド編以外は基本モデルへの搭乗回数はそれほど多くなかったりする。
スコープドッグ・レッドショルダーカスタム
治安警察との決戦用にキリコがレッドショルダーの武装パターンの一つを模倣して武装強化したものに、バニラがゲン担ぎで左肩を赤く塗ったもの。バニラが左肩を塗った際に、キリコが正確なレッドショルダーのマーキングを指摘したのは名台詞の欄参照。『野望のルーツ』で描かれたレッドショルダー所属機はその通りの姿だった。
スコープドッグ・ターボカスタム
『ザ・ラストレッドショルダー』での搭乗機。厳密にはレッドショルダーで使用されたバリエーションをジャンク品の寄せ集めで再現したレプリカ。またレッドショルダー創設者であるペールゼン抹殺のために使用するためか、肩も赤く塗装されていない。
マーシィドッグ
クメン編での搭乗機で、スコープドッグの湿地戦仕様機。もとのスコープドッグが潜行能力を持たないため、アッセンブルEX-10の主力機であるダイビングビートルには湿地戦での能力で劣るが、扱いなれたドッグ系ATを欲したキリコはゴウトの心配を他所にこの機体の手配を依頼した。
スコープドッグII
サンサ編での搭乗機で、スコープドッグの宇宙戦仕様機。キリコはこの機体でPS専用機・ストライクドッグを駆るイプシロンを倒した。異能者として覚醒しつつあったキリコの技量と対PS用ミッションディスクの効果もあるが、「機体の性能差が勝敗を分かつ絶対条件ではない」ことを本家本元を差し置いて一番最初に実践した事になる。
ラビドリードッグ
ワイズマンがキリコのために用意した機体。「ストライクドッグの量産仕様機」であるが、パイロットがパイロットなだけに発揮した性能は桁外れ。ドッグの名を持つもののスコープドッグより一回り大きいヘビィ級ATに分類される。クエント編でのキリコはこの機体でギルガメス・バララントが放った数千機のATによる包囲網を突破していた。
ライト・スコープドッグ
『ビッグバトル』での搭乗機。ニーバの搭乗するPS専用機「エクルビス」の異常なまでに高い運動性に対抗するため、スコープドッグの装甲を極限まで外して軽量化した改造機。レッドショルダーを憎むニーバへの心理効果を狙ったのか、キリコはわざわざ右肩を赤く塗装した。
バーグラリードッグ
『赫奕たる異端』での搭乗機。30年経っても主力の座にいるスコープドッグの強襲作戦仕様機。左肩の折り畳み式長距離砲「ドロッパーズフォールディングガン」と、スキーで足に着けるソリを彷彿とさせる形状をした「トランプルリガー」が外見上の特徴。キリコはこれ一機で敵の防衛部隊を壊滅させている。
スラッシュドッグ、ベルゼルガ テスタロッサ
二機共、タカラ(現タカラトミー)が出したゲーム、『ブレイブサーガ2』で条件を満たすとキリコ機として登場する。いずれもTV版より後の時期に出た外伝作品(前者はゲーム『ライトニングスラッシュ』、後者は小説『青の騎士ベルゼルガ物語』)の主役ATであり、当然のことながら原作のキリコは乗っていない。余談ながら、キリコがパイルバンカーを使うのはこの作品だけ。

これらの他にも、クメン編でスタンディングタートル、サンサ編でファッティー、クエント編でツヴァークに搭乗している。

余談

  • 作中、キリコが訪れた地は大半が壊滅する。訪れた街が壊滅するくらいならまだいい方で、酷い時は星が崩壊する。そのため、キリコを疫病神とネタにするファンもいる。それだけの意味ではないだろうが、『赫奕たる異端』第3話予告では「舞台が整い、役者がそろえば暴走が始まる。そして先頭を走るのは、いつもあいつ」「メルトダウン、始まる」、幻影編のPVでは「カオスを体現するあの男」と言われている。
    そう考えると、キリコが所属しながらもが数人出た程度(どころか、ボトムズ原作で死んだはずの人物まで生きている)でほぼ五体満足のまま戦い抜いたZEXISは(主人公部隊を全滅させるわけにはいかないとは言え)かなり異質な存在である。
  • それどころか、キリコを敵に回す事自体が死亡確定扱いらしく、TVシリーズ第5話予告では「キリコも巨大な不発弾。自爆、誘爆、ご用心」、『赫奕たる異端』第5話では「奴は有害なバクテリアだ、猛毒を持つ細菌だ」、『ペールゼン・ファイルズ』第10話予告では「百年戦争でメルキアが犯した最大の誤り、それはヤツを敵に回した事だ!!」とまで言われている。実際、キリコ本人の与り知るところか否か、キリコが手を下したか否かに関わらず、キリコを敵に回した者は神だろうが何だろうがほぼ全滅の憂き目に遭っている(生き延びたのはこの男ただ一人)。
  • 1983年開催の徳間書店刊『アニメージュ』主催「第6回アニメグランプリ」男性キャラクター部門でグランプリを受賞している(女性部門は『超時空要塞マクロス』の早瀬未沙)。
  • 何気に七夕生まれである(アストラギウス銀河に七夕があるかは別にして)。フィアナとの関係が物語における男女関係の典型例の一つである『求める男と待つ女』であることから考えると意外と似合っているかもしれないが、『赫奕たる異端』以降の展開を省みると皮肉な設定と言えなくもない。
  • 担当声優の郷田氏が後年演じた「ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー(SRW未参戦)」に登場するライオコンボイの事を、キリコに肖って「キリコンボイ」と呼ぶファンは多くいる。ちなみにこちらは部下を率いる隊長だったりする。
  • TV版で谷口守泰氏が作画監督を務めた回では、キリコの容姿が「目つきの悪いエイジ」のような、他の回とは大きく異なるものであることで知られる。これはキリコに惚れ込んだ谷口氏が「もっとクールでハードな容姿であるべき」として塩山紀生氏のデザインをあえてトレースしなかったためである。この行動は当初塩山氏のファンなどからバッシングを受けたが、高橋監督、更に当の塩山氏が作画監督の個性を重視する立場から谷口氏の姿勢を支持するなど、スタッフ陣が彼のキリコに対する思い入れの強さを理解していたこと、そして谷口氏に共感した視聴者から支持を集め、『谷口版キリコ』として塩山氏のオリジナルデザインと並んで人気を得ることになった。なお塩山氏はTV版以降のキリコのデザインについて、谷口氏のテイストを取り入れてよりハードボイルド然としたキャラクターを意識していることを明言している。
  • キリコの過去に深くかかわってくる楽曲、通称「レッドショルダーマーチ」は、元々イタリア映画『二人の水兵と一人の将軍』(1966年制作)のためにイタリアの作曲家ピエロ・ウミリアーニ(1926-2001)が作曲した「水兵の到着」という曲で、アニメオリジナルの曲ではない。スパロボ収録の際に版権上の問題があったためか、「第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇」では代わりに「戦騎達の行進」という曲調の良く似たスパロボオリジナル曲が収録されて使われている。
  • ちなみに郷田氏は『ボトムス』本放送と同時期(から90年代まで)、放送開始直前に結成されたお笑い芸人トリオ「怪物ランド」の一員として活動していた。方やシリアスなアニメ主人公、方や深夜番組でコントを見せる若手芸人…ギャップがありすぎである(元々演劇仲間で作ったトリオだったので3人ともバラエティより役者としての活動が殆どだが)。
    • 本人としては声優業にやる気はあったが、タレントとして顔が売れてしまったために90年代中盤までは『ボトムズ』以外の声優仕事が殆ど無かったという(ドラマ等での脇役出演が多かった)。

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