ブラックホールエンジン
ブラックホールの現象を動力として利用したエンジン。半永久機関。別名「ブラックホール機関」。
概要[編集 | ソースを編集]
どのように開発したかは不明で、詳細を知っているのはゾヴォーグ(ゲスト)と、シュウ・シラカワのみである。
旧シリーズ[編集 | ソースを編集]
グランゾン[編集 | ソースを編集]
ゲストと地球人との技術提携によりもたらされた技術。これを動力として最初に採用したのがグランゾン(対消滅エンジンも採用されている)である。
しかし、ゲストから提供された技術は地球側に明かされていない部分(ブラックボックス)が存在していた。グランゾンのブラックホールエンジンにはそのブラックボックスの中にゲスト側によって細工が施されており、特異点の位相をずらすことで時空間(次元)を歪め、本来は発生する確率が低い偶発的な事件や事故が多発するように仕組まれていた。この欠陥を利用して地球圏を混乱させ、それに乗じて地球圏の軍事力を独占することがテイニクェット・ゼゼーナンの狙いであった。
欠陥を内包したエンジンをグランゾンに搭載したシュウはゼゼーナンに利用される格好となったが、後にシュウはそのことに気づき、『EX』で出会ったゴーショーグンのエネルギー・ビムラーを利用して特異点を抑えることを思いつく。そして、『第4次』においてゼゼーナンやロンド・ベル隊の前で特異点を崩壊させてみせた。
なお、シナリオ「特異点崩壊」でのシュウの言葉を以下に記載する。このときの最初の早とちりな人とはマサキのことである。
「相変わらず、早とちりな人ですね。今のはグラビトロンカノンではありませんよ。特異点の位相をずらし、崩壊させたために発生した余波です」
「あまいですね。原理自体は、それほど難しいものではありませんでしたよ。ただ、発動させるキーとなるエネルギーが不明だったのが、ネックでしたがね」
「ともかく、これで、あなたがたの切り札は、無効になったわけです。これからは、今までのようにうまく行くとは限りませんよ」
「何しろ、これ以上、偶然は続かなくなったわけですからね」
「では、説明してさしあげましょう。私のグランゾンの心臓部には、ゲストの技術を使った特異点…つまり、ブラックホールが使用されています」
「ところが、この心臓部は、ブラックボックスのためどのような原理で動いているのか、わからないしくみになっていました」
「それをいい事にゲストは、私のグランゾンに、ひとつのしかけをほどこしていたのです。特異点の位相をずらしむき出しの特異点を作り出すしかけ…」
「普通の特異点は、時空をゆがめるだけですが、ある一定の位相を持たせる事により、事象の発生確率の密度をも、ゆがめることが可能になるのです」
「ええ。グランゾンが存在する限り、この地球では通常では起こりえない事件が多発し、混乱が支配する…そういうしくみになっていたのです」
「そして、その混乱を利用し、あわよくば地球の技術を独占しようとしていたのが、そこにいらっしゃるゼゼーナン卿です」
「さすがに、私も、理論は理解できたのですが、実際に行うとなると、特異点をおさえこむだけの特性をもったエネルギーが見つからず、こまっていたのです」
「そんな時、あのゴーショーグンの利用しているエネルギー…ビムラーの特性に気がつきました」
「タキオンと似た性質を持ち、なおかつ成長までする特殊エネルギービムラー…これがなければ、今のような事はできませんでしたよ」
『スーパーロボット大戦F』では、後のシリーズのヒュッケバインのように暴走事故を起こさせる罠がグランゾンのブラックホール機関に仕掛けられていた。ゼゼーナンは事故によって技術提携(ゲストが技術を渡し、地球人は実験運用したデータを渡す)の交渉を平和的に進めるゲスト特使を暗殺するつもりだった。3年前、条約調印式が南極で行なわれ、ブラックホール機関を暴走させようとしたが南極の下に眠っていた第1使徒アダムと共鳴、謎の大爆発(『F』にセカンドインパクトはない)が発生してグランゾンを残して南極に居たゲストと地球の政府軍が吹き飛んだ(ちなみに、吹き飛んだ政府軍も技術独占を狙ってゲストを襲う計画を立てていた)。『第4次』と違いシュウに南極事件を起こす意図はなかったが「グランゾンの反乱」として扱われた。
ヒュッケバイン[編集 | ソースを編集]
テスラ・ライヒ研究所の科学者である主人公の父親が、ロボット工学の研究と併行して、ミニブラックホールの蒸発エネルギー利用や特異点の研究をして、ブラックホールエネルギーの実用化に成功した。
リアル主人公の場合、ヒュッケバインに追加武装のブラックホールキャノンが搭載され、資料等にもブラックホールエネルギーについて言及されている。スーパー主人公の場合、ゲーム内では父親のブラックホール研究が詳しく語られる反面、資料等にグルンガストに使われてるといった話はない。
縮退炉[編集 | ソースを編集]
『スーパーロボット大戦F』では、3年前にゲストから提供されていたブラックホール機関の技術を基本概念として、地球人がアイス・セカンドという縮退物質を燃料にする「縮退炉」という動力炉を開発し、ガンバスターやヱクセリヲンに搭載させている。
新スーパーロボット大戦[編集 | ソースを編集]
ソフトバンクパブリッシング刊『新スーパーロボット大戦 パーフェクトガイド』P54-55の「スパロボ裏話」にてライが片腕を失った原因として、「「ヒュッケバイン」の機動テストの失敗らしい……」とあり、ブラックホールエンジン事故であることが仄めかされている。後にαシリーズやOGシリーズに受け継がれた。
ゲーム内で触れない裏設定にした理由は、ヒュッケバインの名前を登場させるとユーザーを混乱させかねないため。
αシリーズ[編集 | ソースを編集]
イングラム・プリスケンがマクロスから発見されたEOTを元に基礎開発を行ったとされる動力炉。「人類第2の縮退機関」(人類初はマクロス落下以前に開発された縮退炉)。
開発後ヒュッケバイン2機に搭載されることになるが、ブラックボックス部に設計段階で意図的な欠陥が仕込まれており008Rの起動実験時にエンジンが暴走。実験施設の月面基地テクネチウムは消滅し、生存者がライディース・F・ブランシュタイン少尉、イルムガルト・カザハラ中尉、カーク・ハミル博士の3人だけという大惨事を引き起こし、テストパイロットだったライディース・F・ブランシュタインはこの大事故で左腕を失った。これを基にEOT技術の見直しと、異星人との戦いに備えて更なる技術開発が進められていく。残った008Lは厳重に封印され、後に大改修を施して戦線に投入している。
実は解析して開発できないような価値のない文明かどうか地球人の技術力を量る狙いでユーゼスがイングラムに託したものであり、解析できても戦力として使われないよう欠陥を仕組んだ設計になっていた。また、もしもの場合に備えて最新技術(量子波動エンジン)ではなくバルマーでは型落ち技術のブラックホールエンジンを選んでいた(なお旧シリーズと異なりグランゾンはシュウ・シラカワ自らが開発した「対消滅エンジン」を搭載しているが、αの攻略本によればブラックホールエンジンの技術を元にしている。欠陥は事前に解析済み)。
ちなみにライ、イルム、カークが助かったのは、欠陥が仕組まれていると解析して事を見越したシュウがイングラムと共謀して、これから必要となるスタッフを最低限の人数選んで失われるのを防いだおかげ。ライの負傷が左腕を失うだけで済んだのはシュウがあらかじめパイロットの命が助かる様にコックピットに「超重力結界」を施しておいたためである。つまりシュウはブラックホールエンジンが欠陥品である事を見抜いていた。にも関わらず、最低限の人数を助けただけで静観していた事をリュウセイに非難されているが、シュウ曰くここでブラックホールエンジンの欠陥を直すような事をすれば、地球の技術力がさらに高く評価される結果となり、エアロゲイターが当初から本格的な地球制圧作戦を始めてしまう所だったという(なおシュウは解析したことが原因でエアロゲイターにマークされるようになった)。
ヒュッケバインが失敗したため、「人類初の縮退炉機動兵器」はグランゾンとガンバスター。
OGシリーズ[編集 | ソースを編集]
メテオ3から直接発見された動力炉。α同様にヒュッケバインに事故が発生。本体だけでなくブラックホールキャノンにも内蔵されている。
インスペクターが所属する異星人勢力が、自らが提供したブラックホール機関の技術ではなくメテオ3から発見されたエアロゲイターのブラックホール機関を使用した地球側に、協定違反を理由に制裁を与えるために欠陥を施していた(逆に『スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター- Record of ATX BAD BEAT BUNKER』では、欠陥はエアロゲイターが仕込んでいた物とされている)。
グランゾンの心臓部である「対消滅エンジン」も、ロボット大図鑑でも「エアロゲイター以外の異星人の技術が使われている」とゲストの存在が示唆されていたが、第2次OGで特異点の話がついに登場した。このときのシュウの台詞についてはシュウの記事の「名台詞」の項目を参照のこと。
スーパーロボット大戦30[編集 | ソースを編集]
神文明エーオスの遺産として、オルキダケアがドライストレーガーの素体となる艦と共にファイクス・ブラックウッドに与えた動力炉。ヒュッケバイン301号機に搭載されたが制御が難しいため封印されており、改修された際に封印を解除されているが、作業を行ったジークン・リューは「命がけだった」と発言しているためOGシリーズとほぼ同様の仕様の可能性もある。