デュラクシール

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デュラクシール(Duraxyl)

セニア・グラニア・ビルセイアが長兄フェイルのために設計したラングランの魔装機。クルセイドのフレーバーテキストによれば、「セニアが地上の機体を参考に設計した超魔装機。擬似プラーナ発生装置のおかげでプラーナが高い操者であれば魔装機神並の力を引き出せる」とのこと。一応「超魔装機」の分類だが、エウリードの「超魔装機計画」との関係はない。共通するのは地上の技術を取り入れていることと、守護精霊に頼らない設計。そのためボディのデザインが他の魔装機とは異なり、特に頭部は設計者の趣味から「ガンダムタイプ」に似たものとなっているが、モデル機体より遙かに大きい50 mの巨体である。また基本スペックも非常に高い水準を保っており、シュテドニアスに渡ったデュラクシールを追跡する際は、自信家マサキをして、「厄介なものを作ってくれたな」と言わしめた。

ヴォルクルスの分身騒ぎにおいて、サイバスターが使用不可のためフェイルロード・グラン・ビルセイア(フェイル)がテストを兼ねて出撃、圧倒的な力でヴォルクルスの分身を殲滅した。このことがきっかけでフェイルはラ・ギアスの武力制圧へ動き出すこととなる。余命の少なさ故の焦りから力に溺れたフェイルに対し、マサキ達は対決を選択。フェイルは死を覚悟して脱出装置を外して出撃したため、そのままデュラクシールと運命を共にした。

その後、ラングラン王国のアカデミーに保存された設計図を記憶したテューディ・ラスム・イクナートが2機製作し、それをシュテドニアス軍へと引き渡した。技術のアップデートによりエウリードを超える性能まで引き上げられたが、設計図を記憶して再現されたにも関わらず、脱出装置は外されたままの仕様だった(それによって、ルビッカはこの機体と運命を共にする羽目になっている)。テューディが意図的に外したのか、フェイルがこのことを見越して設計図からも脱出装置の部分を削除したのかは不明。結局、強化されたデュラクシールでも、パイロットの技量が上がった魔装機神4体の連係を超えるまでには至らずに敗退している。

ヒュッケバインのように『外見的に版権作品の機体に似ている』という機体はあっても、作中で『版権作品をデザインのモデルにした』という設定を付けられた機体は本機だけである。ガンダムシリーズが登場しない『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』でも本機が登場しており、当時の版権に対する大らかさが現れている機体という言い方も成り立つだろう。

設定上ガンダムの存在しない世界であるOGシリーズで登場する場合は「ヒュッケバインをモデルにした」という設定で登場可能と言われていた。しかし、ヒュッケバイン問題により今後の展開に不安が持たれた。リメイク作である『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』では頭部デザインをリファインして登場。『第2次スーパーロボット大戦OG』でヒュッケバインをモチーフにしたことが判明し、大まかな設計思想も語られている。セニアは地上の機動兵器のなかでも堅牢で柔軟性あるフレームと高出力のジェネレータでも負荷しないパーソナルトルーパーヒュッケバインシリーズ」(Mk-IIとMk-III)に注目していた。しかし、当時のハガネは艦載機に「ヒュッケバインシリーズ」を搭載しておらず、リョウト・ヒカワから提示されたデータと同シリーズから派生したRシリーズをベースに最終調整を行ったようだ。

シナリオデモにおいて、本機の全長と重量が原型機(PTとMS)の標準サイズを超えるまでに至った経緯は完全に説明されていない。旧シリーズでは『EX』の攻略本などに記された内容から、ラングランの国王となるだろうフェイルロードにふさわしい(魔装機神に匹敵、または超える)出力の高さを求めたがゆえの巨大化と判明している。OGシリーズでは本編のテキストから魔装機神を超えるほどのポテンシャルをもつという、カークス軍の超魔装機(エウリード)に対抗する出力を必要としたために巨大化を果たした、と推測できなくもない。高性能を保ったまま小型化することがデュラクシールの完成形に繋がるのか……現時点で断言することはできないが、設計者のセニアは大型化で低下が生じた機動性と操縦性の二点を問題視している。 他の欠点としては、補助動力として稼働する「対消滅機関」が生み出す中性子反応で行動痕跡を特定されてしまう事が第二章(三國戦争)で明らかにされた。

登場作品と役柄

旧シリーズ

スーパーロボット大戦EX
最も難易度の低いマサキの章のラストボス。マップ兵器無効という能力を持つが、大した影響はない。最大射程が6しかない上、最終話では射程8~10の機体がわんさか居る自軍に自分だけが突出してくるため、反撃さえロクに出来ずに集中砲火を受けて倒されてしまうケースが多い。ましてプレイヤー側にはガンダムF91ビルバインという最強の味方機がいるので、分身能力のあるビルバインを囮としてぶつけてしまえば恐れることは何も無い。『64』のアル=イー=クイス搭乗機各機や『α』のジュデッカ(ユーゼス機)、GBA版『A』のツヴァイザーゲインなどとともにスパロボシリーズにおける最弱ラスボス候補に挙げられる。強化したビルバインなら単機で倒してしまうことも十分可能。なお、「メガスマッシャー」という攻撃兵器を装備しているが、インスペクターガルガウとはなんの関係もない。ちなみに、ルート選択によっては前哨戦、合流イベントがあり初期配置にいる移動要塞を倒してからデュラクシールとの決戦に入るが、その場合味方の気力が十分上がっている分さらに楽である。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α外伝
まだ設計段階で名前のみ登場。地上に来たセニアがデュラクシール設計の参考にするため、カミーユΖガンダムの設計図を見せてもらう。

魔装機神シリーズ

スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
シュテドニアスに関わるルートではテューディが登場して、2機生産する。守護精霊のない魔装機なので弱点はない。普通に戦えば強いが、ゲームシステム上は「一撃必殺」が基本なので、背後から必殺技を撃って再攻撃が発動すれば一撃で落ちる。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
噂通りに頭部がリニューアルされ、フェイスがヒュッケバインを想起させるものとなっている。武装も大幅にリニューアルされた。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
アンティラス隊に入ったガエンの搭乗機となるが、セニアの口からまだ改良の余地があることとガエン自身もデュラクシールの力を持て余していることもあって封印される。この事情から味方として使えるのは2話だけだが、武器開示率にはデュラクシールの武器も含まれるので、コンプリートを目指す人は注意。他にもラセツが強奪した物を改造したデュラクシールIIが中盤から登場する。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
物語に直接関わることはないが、バゴニアルートのトゥルーエンドでその存在を確認できる。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END
セニアの搭乗機として登場。バスターキャノンが使用できる。
その姿からヒュッケバイン関連のネタが散見され、トロフィーの中には「バニシング注意報」なるものまで存在。
長射程・高攻撃力・重装甲と、前作における「損傷還元」の欠点の大半を補うスペックを有しており、同スキルとの相性は過剰すぎるほど抜群。何より機体スペックの高さにより、反撃出来る限り10機以上の敵に集中攻撃を受けても無傷で次ターンを迎えられるほど無敵に近い堅牢さを発揮する。また、CPUの思考が変更されて近くのキャラを狙うようになっているため、足止めとしても有効。
シナリオ中ではマグゥーキの大群相手に大破したノルス・レイを修理する暇が無かったために投入された。また、初登場時にジノから模倣機と戦った経験があってもオリジナルを見たのは初めてと言われており、オリジナル機であることを強調されている(余談だが、ジノが相対した模倣機とはテューディが複製したものではなくデュラクシールIIのことだろう)。

OGシリーズ

第2次スーパーロボット大戦OG
第4弾PVで登場。本作では地上にいたマサキからセニアがエーテル通信機で送らせた(正確にはデータをまとめて送っていたのはクロ)ヒュッケバインシリーズのデータを参考に作られたことが明かされた。実はマサキは『寄り道』した惑星エリアでガンダムを目撃しているが言及はなし。
さすがに今作のスポット参戦版はボス仕様のままではなく、「バスターキャノン」も使用できないが、そのぶん火力はボス仕様より高い。
決戦時はマサキを優先的に狙う傾向があるほか、全体攻撃の「メガスマッシャー」をメインに使用してくるが、8発しかないのですぐに弾切れを起こす。しかし周囲の雑魚を全滅させると「タオーステイル」を撃つようになり、これに巻き込まれたところに2回目の攻撃を被弾すると撃墜の可能性が非常に高くなる。「マルチセンサー」装備の上にパイロットのフェイルは「見切り」を習得しているので回避は容易ではないが、ダメージは通しやすい。

装備・機能

武装・必殺武器

武装

ハイパービームサーベル
非実体剣。『EX』で装備している。おそらく「ハイパープラズマソード」と同一。
メガバスター砲
光学兵器。マップ兵器(射線は直線)。『EX』で装備している。こちらは「バスターキャノン」と同一の武装と思われるが、タオーステイルに役目を譲ったのかマップ兵器ではなくなった。
ハイパープラズマソード
非実体剣。SFC版『魔装機神I』(LOE)で装備している。
拡散ビーム
ビーム兵器。SFC版『LOE』で装備している。
誘導ミサイル
クローの割れ目部分のシャッターが開き発射される。COEでは移動後有射程武器で弾数、攻撃力も優秀。
超振動クロー
両前腕部に装備している大型の爪。「ハイパープラズマソード」の代用として、DSリメイク以降の作品で装備している。
タオーステイル
マップ兵器。両肩と背面部を覆うように搭載された羽のような部品(18枚のバインダー)の名称。根元の輝くクリアパーツ(青玉)から光弾を発射する。武器名の「タオース」は孔雀のギリシャ語。直訳すれば「孔雀の尾羽」だろうか。自機を中心に一斉に発射して打突によるオールレンジ攻撃を仕掛けるその姿は、確かに羽根を広げた孔雀の猛々しさを彷彿とさせる。旧シリーズではガンダム顔が特徴的な本機だが、この攻撃方法にνガンダムのフィン・ファンネルを連想したプレイヤーもいたことだろう。いまや本機の代名詞となった感のある主力兵器だが、登場自体は『LOE』から。『EX』では使用不可という扱いだった。
  • ROE:敵味方識別可能。移動後攻撃も可能。
  • COE:移動後攻撃は可能。テイルを散開させて一機一機にファンネルの様なビーム攻撃をお見舞いするのだが、何故か敵味方識別不可。出来てもよさそうなものだが、ROEでガエンが使うときは識別可能な所を見るとセニアの技量の問題なのだろうか?
エンタイアリィバスター
「メガスマッシャー」使用時に展開する胸部に搭載された光学兵器。単独使用可。

必殺武器

メガスマッシャー
光学兵器。初出は『EX』から。『OG2nd』で約12年ぶりに本機の武装欄に再登録された。『ROE』に登場するデュラクシールIIも同名の射撃武装を使用しているが、攻撃時の映像描写は異なる。両肩をガードする2枚のテイルの砲撃に、胸部の「エンタイアリィバスター」を交えた3発の光弾を敵機にお見舞いするというもの。
  • 魔装機神シリーズ:『F』(COE)のみ使用可。操者セニアのカットイン有。
  • OG2nd:全体攻撃。8発の弾数制。
バスターキャノン
全ての「羽根」を展開して発動させる光学兵器。4門の砲門(5枚の羽根×2門、4枚の羽根×2門)を型どった「タオーステイル」から破壊光線を一斉に発射する。『LOE』以降の作品で装備している。
『OG2nd』では18枚の「タオーステイル」を頭上で輪の形に展開し、回転させながら連射。その後に4門の砲門状に羽根を配置して破壊光線を一斉に発射する演出になっている。

特殊能力

剣装備
リメイク版のみ切り払いを発動させる。なお、『LOE』では特殊技能として発動する。
マップ兵器無効
EX』のみの能力。
HP回復(中~小)
『第2次OG』ではこちら。登場作によって(中)に設定される。
MG回復(中~小)
魔装機神シリーズの特殊能力。登場作によって(小)と設定される。

移動タイプ

飛行可能。魔装機は基本的に飛行可能だが、魔装機神シリーズは地上戦のため飛行しない。

サイズ

L
特機に匹敵するサイズなのでLサイズ。

機体BGM

「ARMAGEDDON」
旧シリーズのラストボスのBGM。
「終わりなき戦い」
『第2次OG』のスポット参戦時にタオーステイルを使ったときにこのBGMが流れる。通常戦闘の時はヴォルクルスの「巨大な闇」が優先される。
「迫り来る敵」
『第2次OG』での敵対時はこちら。「終わりなき戦い」のアレンジバージョン。
「情熱のプリンセス」
COE時はセニアが乗るためこれ。

対決・名場面

VSサイバスター
シナリオ「メモリアル・デイ」より。病の床に臥すよりも、最期まで一個の武人としてありたいと戦場を望んだフェイルロード。悲しみを押し殺しながら、マサキはサイバスター最強の必殺武器「コスモノヴァ」の使用を選択する。
「より良く生きていく為に」
肉親である祖父と悲しい別れを体験したファングは忠誠を誓った旧主の愛機デュラクシールの前で、敬愛した君主を討たざるを得なかった仲間たちの胸中に想いを馳せていた。そこにふらりとやってきたのはセニアとマサキ。ファングが大切に思う最愛の二人を交えて会話はさらに弾んでいく……

関連機体

デュラクシールII
シュテドニアスの内戦に投入されたデュラクシールの改良機。アンティラス隊に敵対する組織が運用した。