戦闘メカ ザブングル
戦闘メカ ザブングル | |
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原作 |
富野由悠季 鈴木良武 |
監督 | 富野由悠季 |
キャラクターデザイン | 湖川友謙 |
メカニックデザイン |
大河原邦男 出渕裕 |
音楽 | 馬飼野康二 |
制作 |
日本サンライズ[1] (第2スタジオ) |
放送局 | 名古屋テレビ発・テレビ朝日系 |
放送期間 |
1982年2月6日 - 1983年1月29日 |
話数 | 全50話 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦α外伝 |
『戦闘メカ ザブングル』は日本サンライズ制作のテレビアニメ作品。
概要
近代的なドーム都市に住む支配階級と、汚染された荒野に住まう労働階級に人類が二分された荒廃した未来を舞台に、人類の再生、支配階級の打倒による革命といった壮大なテーマを扱った……と書くと、シリアスなSF作品に思えるが、そのシリアスなテーマをギャグとコメディタッチで描いた異色作。「後半でいただきじゃ」「そう簡単に死ぬかよ、アニメでさぁ!」「ハッハッハ、アニメだからね!」などと、メタフィクショナルな台詞を多く盛り込んでおり、作品の軽くて痛快なノリに拍車をかけている。
所謂「白富野作品」であり、『∀ガンダム』や『オーバーマン キングゲイナー』の元になったと思われる部分も見受けられる。
劇場用作品として本編を再編集・新作カットを加えた『ザブングル グラフィティ』も公開されており、『太陽の牙ダグラム』の劇場用2作(『ドキュメント 太陽の牙ダグラム』『チョロQダグラム』)と共に併映された。
スパロボにおいてもそのノリは健在で、戦闘アニメや会話などにて如何なく発揮されているどころか、他作品とのクロスオーバーを交える事で、むしろ拍車がかかった節も見受けられる。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
アイアン・ギアー
- ジロン・アモス
- 主人公。ロボットアニメでは異色の美形でも整った顔立ちでも無い「掟破り」の主人公。
- エルチ・カーゴ
- 本作のヒロイン。交易商人キャリング・カーゴの娘で文化を愛するが、性格は男勝りで女王様気質。
- ラグ・ウラロ
- もう一人のヒロイン。盗賊団サンドラットのリーダー。
- コトセット・メムマ
- アイアン・ギアーのメカニック。
- ブルメ
- サンドラットの一員。性格的に皮肉屋ポジション。
- ダイク
- サンドラットの一員。いわゆる巨漢キャラでサブキャラ的な活躍が多い。
- チル
- サンドラットの一員。味方側の最年少でマスコット的ポジション。
- ファットマン・ビッグ
- アイアン・ギアーの搭乗員。寡黙な筋肉男で過去の恩からエルチに忠誠を誓うが、彼女には蹴飛ばされる事も多い。
ソルト
ブレーカー
- ティンプ・シャローン
- 一匹狼のブレーカーでジロンの両親の仇。
- ビックマン
- 大物ブレーカー。
- カラス・カラス
- カラス一家の頭目。
- グレタ・カラス
- カラスの妻。
- キッド・ホーラ
- ティンプと並ぶジロンのライバル的存在。が、間抜けな場面が多くいまいち冴えない。
- ゲラバ・ゲラバ
- ホーラの弟分。
- キャローン・キャル
- ビリンの姉。
- ギロ・ブル
- ティンプの副官。
イノセント
- アーサー・ランク
- イノセントの若き長。
- カシム・キング
- アーサーの側近を務めるイノセントの実力者。イノセントの保身の為にアーサーを幽閉してシビリアンの排除を図る。
- ビエル
- 一級司政官。
- ビラム・キイ
- 一級司政官。カシム派。
- ドワス
- 二級司政官。ビラムの部下。
- ドクター・マネ
- 科学者。
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
ウォーカーマシン
主人公機
その他
- ガバメント
- 登場済バリエーションは灰色(ティンプ用)、茶色。
- ブラッカリィ
- 主にイノセント側が使用。
- ガラバゴス
- 登場済バリエーションはカーキ、緑。
- トラッド11
- 登場済バリエーションは黄、緑。
- ギャロップ
- 登場済バリエーションはカーキ、黄、緑。
- プロメウス
- 登場済バリエーションは青、赤。
- カプリコ
- 登場済バリエーションは黄(トロン用)、青、赤。
- ダッガー
- 登場済バリエーションは赤、黄、緑、青。
- ブラン
- 小型ウォーカーマシン。
- ドラン
- 飛行型ウォーカーマシン。
ランドシップ
- アイアン・ギアー
- LS形態、WM形態共に登場する。
- グレタ・ガリー
- LS形態、WM形態共に登場する。
- ギア・ギア
- LS形態、WM形態共に登場する。
- バッファロー
- 小型ランドシップ。
- アースサンダー
- 中型ランドシップ。
- ダブルオール
- 中型ランドシップ。
- ガバリエ
- 中型ランドシップ。
- デラバスギャラン
- X字型の大型ランドシップ。
- ギブロス
- デラバスギャランの同型艦。
用語
- 惑星ゾラ
- 物語の舞台となるヒトに良く似た人類が住む惑星。物語の後半に天変地異により荒廃した地球そのものであることが暗示される。
- イノセント
- 各地に点在するポイントと呼ばれるドームの中で暮らす人々。優れた科学力を持ち、絶対的な存在として認知されている。その実態は、かつて天変地異により月面へ避難していた人々の子孫。
- シビリアン
- ゾラの大地で暮らす人々。生命科学を駆使した人工人類で、「人類再生計画」により、2度の失敗の後に作られた
- 三日の掟
- イノセントが布いたシビリアンの法。あらゆる罪は三日で時効となるというシンプルかつ滅茶苦茶な掟。「何をされようが三日の間に報復できなかった側が悪い」「三日以上こだわるのは異常」という認識がシビリアンの常識となっている。それでもジロンは親の仇にこだわり続け、それが結果的にゾラ全体を揺るがすきっかけとなった。
- ウォーカーマシン
- 惑星ゾラにおいて使用されている歩行メカ。WMと略される。当初はブルーストーン採掘でも使用する汎用作業機械という位置づけだった。全てガソリンを燃料としているのが特徴。
- ランドシップ
- 惑星ゾラにおいて使用されている陸海両用浮上式航行艦。基本的には大型のホバークラフトで、大きさ・形状とも様々なクラスが存在する。
- ブレーカー
- 壊し屋。ウォーカーマシンなどを用いた戦闘から、強盗や殺人、用心棒など暴力行為を行う職種。交易商人に雇われている者が多い。
- ロックマン
- ブルーストーンを採掘する人々、鉱夫。時々巡回してくる交易商人のバザーでブルーストーンを貨幣や金、コンピュータコアなどシビリアンでは造れない製品と交換し、バザーでにわかに出来た街で日用品を買い、次のバザーまでまたブルーストーンを採掘するという生活をしている。ジロンの父親もこの職業であった。
- サンドラット
- ラグをリーダーとする盗賊団。
- ソルト
- シビリアンによる反イノセント組織。当初はカタカム・ズシム(SRW未登場)がリーダーでジロン達アイアン・ギアーの面々はなし崩しにこの組織に加わる事になる。カタカムの失脚後はジロンが組織の中心となり、元々素人レベルであった戦力も次第にイノセントに対抗できるようになった。劇場版では登場せず、α外伝でも反イノセント運動はあるものの、ゲーム中では登場していない。『リアルロボット戦線』には登場。
- ブルーストーン
- 青い希少鉱石。BSと略される。イノセントはシビリアンに対しブルーストーンを上納させることで様々な生活物資を物々交換で与えている。それによりイノセントは経済社会を形成させ、経済教育を行っている。
楽曲
- オープニングテーマ
- 挿入歌
-
- 「HEY YOU」
- 作詞:井荻麟、作曲・編曲:馬飼野康二、歌:MIO[現・MIQ]
- MIO[現・MIQ]氏の歌手デビュー曲(ただし、本作の挿入歌「わすれ草」もまた、それに該当する)である。『Z』で採用。
- 劇中BGM
-
- 「青い閃光」
- 『α外伝』で採用。
- 「熱砂の中を」
- 『α外伝』『Z』で採用。
- 「ウォーカー・ギャリア」
- 『α外伝』で採用。
登場作と扱われ方
『スーパーロボットスピリッツ』等複数の関連作品に登場した後にスパロボシリーズに参戦という異色の経歴を持つ。ウォーカーマシンはあまりに貧弱過ぎて出演が難しいのではという声もあったが、『α外伝』において他作品の機体と比して遜色ない能力を与えられ、無事に登場を果たした(とはいえ、『α外伝』作中においてもモビルスーツ等に比べると戦力としてはレベルが落ちる事が登場人物の台詞等から示唆されている)。問題のありそうな部分は「アニメだから」で全て片付けることが出来る豪放さが幸いした模様。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α外伝
- 初参戦作品。本作の物語の中心である未来世界を構成する三作品の一つであり、本作で中心的な存在となっている。また、本作オリジナルのシステムとして、ザブングル世界で通貨的な役割を果たすブルーストーンを用いた「BS取引」が存在する。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 本作では『グラフィティ』を基準とした原作終了後の話として展開。故に、アーサーは生存しておりエルチの視力も回復している。また、システム面では『α外伝』以来にバザーが復活している。
- 作品の雰囲気上、『オーバーマン キングゲイナー』との絡みが多い他、主人公の1人ランド・トラビスは、原作でのイノセントとの抗争時にジロン達の協力者だったという設定である。
- 第2次スーパーロボット大戦Z(破界篇/再世篇)
- ユニットとして参戦するのはウォーカーギャリアとザブングルのみ。同じく荒廃した世界の住人である『天元突破グレンラガン』との絡みが主体。
- シリーズ最終作『第3次Z天獄篇』では不参戦故に明言されないが、終盤でベックがティンプの存在を示唆している。
関連作品
- シャッフルファイト
- リアルロボッツファイナルアタック
- ウォーカーギャリアが参戦。
- リアルロボット戦線
- 『バトルロボット烈伝』の関連作品である本作にも引き続き出演している。
- しかしルートによっては誰一人仲間にならなかったり、途中で全員が永久離脱したりと、いささか不遇である。
- スーパーロボットスピリッツ
- ウォーカーギャリアとジロン&チルが参戦。チルはストーリーモードのみの登場。未来世界の地球(ゾラ)からやってきたという設定で登場。また、本作のラスボス、レビ・トーラーは宇宙に住みゾラを見守る「ネオ・イノセント」という種族であるという設定を持っている。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 登場メカ | アイキャッチ | 備考 | 再現スパロボ |
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第1話 | 命をかけて生きてます | ラグ | α外伝 | ||
第2話 | ザブングルはもらったよ | ジロン | α外伝 | ||
第3話 | みーんな当て外れ | ||||
第4話 | なんで掟を破るのさ | α外伝 | |||
第5話 | 3人そろってシャクの種 | ||||
第6話 | あんたジロンの何なのさ | ラグ、ジロン | |||
第7話 | 信ずるものは浮かばれる | ジロン、ラグ | |||
第8話 | ミスにはミスがない | ジロン | |||
第9話 | 花は野に咲けマリア花 | ||||
第10話 | 女の勇者はこわいです | ラグ | |||
第11話 | 追いかけて、追いかけて | ジロン | |||
第12話 | 謎また謎のイノセント | ラグ | α外伝 | ||
第13話 | あとは野となる大破壊 | チル、エルチ | |||
第14話 | ティンプ、悪あがき | チル、ブルメ | |||
第15話 | 泥まみれ、やけっくそ | ラグ、ファットマン | |||
第16話 | 哀歌かなしく | エルチ、ダイク | |||
第17話 | 役者やのオで大勝負 | ジロン、ラグ | |||
第18話 | 家出がなんで悪いのさ | エルチ、ジロン | |||
第19話 | コンドルよ、とべ! | ジロン、ラグ | |||
第20話 | アコンは伊達男か? | ラグ、ファットマン | |||
第21話 | 惚れて、惚れられて | ラグ、ジロン | |||
第22話 | 破れかぶれのラグ | ジロン、ラグ | α外伝 | ||
第23話 | ラグよ帰れ!我が胸に | ||||
第24話 | 死闘、激闘、泣きカラス | チル、ラグ | α外伝 | ||
第25話 | 捨て身と捨て身の大戦闘 | ジロン、エルチ | α外伝 | ||
第26話 | イノセント大乱戦 | エルチ、ラグ | |||
第27話 | うたえ!戦士の歌を | チル、ファットマン | OP変更 | ||
第28話 | 弱味みつけたイノセント | ブルメ、ダイク | |||
第29話 | イノセントだって必死 | チル、ジロン | |||
第30話 | 頭にきたらおしまいよ | ファットマン、ダイク | |||
第31話 | 女の心をあやつれば | エルチ、チル | α外伝 | ||
第32話 | 俺の勝手はあんたの勝手 | ブルメ、ファットマン | |||
第33話 | ゴタゴタ果てしなく | ブルメ | |||
第34話 | ファットマン思いはるかに | ファットマン | |||
第35話 | 軍隊みつけた! | ファットマン、エルチ | |||
第36話 | 忍びこみ大作戦 | エルチ、ファットマン | |||
第37話 | 女いろいろ万華鏡 | チル | α外伝 | ||
第38話 | エルチ、舞う! | エルチ、ファットマン | |||
第39話 | 個人プレーじゃ駄~目 | チル、ダイク | |||
第40話 | カタカム、やぶれかぶれ | ラグ、ファットマン | |||
第41話 | カタカムは終った | チル、ダイク | |||
第42話 | グレタ吠える | エルチ | |||
第43話 | ヨップ捜せば大混戦 | チル、ラグ | |||
第44話 | アーサー様・お大事に | ジロン | |||
第45話 | 太陽に向って立て | チル、ファットマン | |||
第46話 | アーサー様がんばる | エルチ | |||
第47話 | エルチ目覚めよ | エルチ、ファットマン | |||
第48話 | 永遠のアーサー様 | エルチ、ジロン | α外伝 | ||
第49話 | 決戦!Xポイント | チル、ラグ | α外伝 | ||
第50話 | みんな走れ! | エルチ、ジロン | α外伝 |
余談
- 本作のタイトルは、松尾陽介氏と加藤歩氏からなるお笑いコンビ「ザブングル」のコンビ名の由来にもなっている[2]。命名した理由は「ザブングル」の響きが良かったから、とのこと。
- なお、コンビ名としての使用許可を頂くために、アニメ制作元のサンライズには後日きちんと挨拶に行っている。
- マクロスシリーズにも惑星ゾラが登場する(こちらは明確に地球とは異なる惑星であり、そこに住む人もゾラ人という人間とは別の種類である)が、この設定が生かされたクロスオーバーは今のところ存在しない。
- 秋田大学アニメーション製作研究会が作った作品に本作のOPに合わせて暴力教師を描いたパロディ作品『先公メッタ打ち ザ・ブンナグル』が存在する。『農耕士コンバイン』同様『平成名物TV』にて紹介された。
- 鳥山明氏の出世作『Dr.スランプ』にてアラレちゃんが本作をTVで視聴する場面があり、ザブングルとジロンが1コマだけ描かれている。
- TV番組として扱われているためか鳥山氏の画風が抑えられ、かなり原作に忠実なデザインになっている。
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