ホワン・ヤンロン

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ホワン・ヤンロン(黄炎龍 / Whan Yanglong)

魔装機神グランヴェールの操者。中国人で漢字表記は「黄炎龍」。地上では学校の体育教師だった。

彼が召喚された経緯については不明だが、身寄りのないことが召喚の条件であることから、彼自身もまた孤独で恵まれない人生を送ってきたと想像される。そのためかは不明だが、他の魔装機神操者達と比較しても異様なほど地上の動静には関心を示さず、第4次ではマサキ達と合流した直後に「地上の戦いに関わる気はない」と抜けようとしたほどである。性格は義理堅く冷静なタイプだが、戦いとなればその闘争本能を剥き出しにして戦う熱血漢。そうした性格からか「炎」の魔装機と相性が良く、電光の魔装機・ディンフォースを経てグランヴェールに搭乗することとなった。

4人の魔装機神メンバーの中では最も常識人であり、落ち着きのある人物(とはいえ比較対象が戦士としては駆け出しのマサキ、漫才大好きで年が離れているミオではそれも当たり前、という感じではある。リカルドとの関係は不明だが、マサキが成長してメンバーを引っ張っていく間までは、面倒見のいい彼に従っていたと思われる)。また、作戦立案等の部隊指揮についてはテュッティが担うことの方が多く、彼はどちらかと言えば黙々と自己研鑽に勤しむ『武人』という言葉が似合うタイプである。

特徴的な一面として故事成語マニアという点があり、会話中に中国の故事や漢詩をやたらと引用する。その傾向が特に強いのが説教で、マサキ曰く「中国四千年の歴史に始まり、いつ終わるともなく延々と続く」、セニア曰く「下手に口答えすると十倍の説教が返ってくる」「ヤンロンが疲れるとランシャオが交代して説教するから休む間もない」などと評され、ランシャオとのコンビネーションでその拷問度はランクアップし、俗に「フルコース」と称される。あのサフィーネすらそのエピソードを聞いてドン引きしていた(ヤンロン本人は「そこまで言う事はないだろう」と言っているが)。このような点から、頭の固く融通の利かない人物であるという印象を受けがちであるが、意外にも作中では女性関係のエピソードも多く、情熱的な一面が窺い知れる。

なお、ファミリアのランシャオとは異なり中の人ネタはこの人に比べると皆無。

登場作品と役柄

旧シリーズ

スーパーロボット大戦EX
初出演作品で、独自に抵抗軍を立ち上げたカークス将軍に協力、シュテドニアスへの抵抗活動を行っていた。その後地上人召喚事件に伴いラ・ギアスへと召喚されたリューネと行動を共にする。本作のグランヴェールは射撃特化なので、彼の格闘術はまるで生かされない。それでもグランヴェールの攻撃力からリューネと共にメンバーの主力として活躍。
第4次スーパーロボット大戦
地上に上がり、シュウ・シラカワを追うこととなるが、戦乱の元凶テイニクェット・ゼゼーナンの発言に憤怒し、彼を討つためにロンド・ベル隊と行動を共にする。ただし魔装機神操者は極力地上の揉めことに干渉すべきではないという考えのため、そのまま仲間には加わらず、正式に仲間に加わるのは数シナリオ後になる。ただし、SFCの容量不足から、シュウ一行が仲間に加わると、「この戦力なら力を貸す必要はない」として、シュウが気に入らないリューネと一緒に仲間から外れてしまう。ヤンロンの能力よりグランヴェールのマップ兵器の使い勝手が良く、二分化したロンド・ベルの主力になるが、合流すると全く出番がなくなる。
第4次スーパーロボット大戦S
音声が付いたキャラクターの1人。仲間に加わるのが若干だが速くなり、地上世界でロンド・ベルと接触した際にそのまま仲間に加わる。また容量不足の心配がなくなったため、シュウが仲間に加わっても仲間から外れなくなった。
スーパーロボット大戦F完結編
参戦が絶望的に遅く、更に本作は魔装機神のユニット能力が低い(特に宇宙「B」なのが痛い)ため活躍は難しい。唯一の見せ場はメキドフレイムによるソロモンの弾薬庫破壊だろう。ただし、バルーンダミーの作戦が成功してしまうと見られないので注意。

魔装機神シリーズ

魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
専用BGMがついた。ハードはSFCだがメキドフレイムを使うと喋る。
第一章はスポット参戦で、本格的に活躍するのは第二章からである。修行によりグランヴェールの必殺技「火風青雲剣」を独力で生み出す。彼自身も格闘値がメンバー中最高であり、更に気合を覚えるため必殺技を何の憂いもなく使えるので主力として活躍できる。当たり前だが最も出番が多い作品であり、彼の人となりの設定が本格的に肉付けされた作品でもある。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
南部・ヤンロンルートにおいてエルシーネとの悲恋が描かれマサキに並ぶ事実上の主人公の1人として活躍する。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
死亡したはずのエルシーネが現れ、彼女との戦いが主なイベントとなる。その中で、とうとう自由にポゼッションできるようになる。本作でもトップクラスのアタッカー。
自身が倒したカークス将軍の娘である、レミアとの関係も描かれる。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END

OGシリーズ

第2次スーパーロボット大戦OG
おおよそEXと同じ。地上に出てきた後は泰北や夏喃と舌戦を繰り広げたり仙術関連の用語解説を行ったりと超機人がメインのシナリオで出番が多い。また、グラキエースとウェントスの帯同に最も強硬に反対した。
スーパーロボット大戦OG ダークプリズン
シナリオデモのみの登場。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α外伝
時系列的には地上人召喚事件を無視しての参戦(俗に言う「α設定」による改編の影響)。戦闘ボイスも新規収録された。グランヴェールの性能も彼の能力もなかなか高いが、若干癖が強く、プレイヤーによっては全く使わないことも多いと思われる(使用可能期間が若干短い、という点も原因の一つ)。全作品中、唯一ラスボスのネオ・グランゾンと戦う一幕が用意されている(ただ戦うだけならEXでも可能)。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

格闘と回避に優れる。射撃は平均値。

精神コマンド

EX
加速根性気合てかげん威圧覚醒
EX(PS)
加速根性気合てかげん挑発覚醒
第4次 / 第4次S
集中気合根性ひらめきてかげん熱血
魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL
ひらめき必中気合報復熱血覚醒
魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD
集中気合ひらめき加速熱血、自由選択
F完結編
熱血気合てかげん集中ひらめき覚醒
α外伝
ひらめき必中気合加速熱血狙撃
第2次OG
不屈必中気合加速熱血信念(ツイン)

特殊技能(特殊スキル)

F完結編
切り払い(L7)
α外伝
底力切り払い(L3)、援護(L1)
第2次OG
底力(L5)、援護攻撃(L1)、連続攻撃(L1)、カウンター(L6)

固有エースボーナス

カウンター発生率+40%
第2次OGより。キョウスケさえも凌ぐカウンターの鬼と化す。ただし本作のグランヴェールはカロリックスマッシュ以外の武器の射程が短く、あまり反撃向きの機体ではないのが難点。

BGM

「熱風!疾風!サイバスター」
マサキ・アンドーおよび、サイバスターのテーマ。参戦当初は本曲。
「炎の中華体育教師」
専用曲。この曲を元にしたキャラクターソング(歌:井上和彦)もある。
「炎の覚醒」
ポゼッション発動時のBGM。『3』で追加。

人間関係

ランシャオ
彼のファミリアで、主人に似て説教好き。声といい姿といい、『バビルII世』のロデムそのもの。割と御節介焼きなところがある。風生獣という設定だが、どう見ても黒豹。あろうことか、ヤンロン本人もセニアに突っ込まれた際に「そんな事はどうでもいいでしょう」と認めている。
マサキ・アンドー
彼の独断行動には手を焼いており、特に勝手に地上に出た彼を追いかけて行った際には必殺の「説教」を炸裂させる。しかし魔装機神第二章では彼の成長を認め、部隊の指揮権を預け彼の判断の下で戦う。第4次で見られるようにヤンロンは細かいことに拘ってしまい、為すべきことを見過ごしてしまうことがあるので、感情を優先させながらも己の為すべきことを為すマサキを羨ましく思っているようである。
リューネ・ゾルダーク
地上人召喚事件において友人となった間柄。マサキに劣らぬ行動力と、その考え方には共感。
テュッティ・ノールバック
魔装機神操者の一人。お互い「マサキに取っての年長者キャラクター」としての立場にあるため、特に地上においては彼女と共にマサキに助言することが多い。ROEでは彼女との合体攻撃が存在する。
ミオ・サスガ
魔装機神操者の一人。彼女とはこれといったエピソードがない。
リカルド・シルベイラ
かつての魔装機神操者の一人。第一章では彼がメンバーの中心であり、性格は正反対であるヤンロンも基本的に彼を信頼していたと思われる。リカルドの死を知った際には、ヤンロンもその死に涙した。
カークス・ザン・ヴァルハレビア
彼とはラングラン国土を解放するべく協力関係にあったが、野心に目覚めた彼を見限る。その後リューネと共に彼の下を去り、世界を乱す存在として彼を討つこととなる。一方でラングランの未来を案じていたことも理解しており、第2次OGでは後述の台詞と共に涙を流すこととなった。
テイニクェット・ゼゼーナン
基本的に地上の動静に無関心なヤンロンですら、ゼゼーナンの傲慢な態度には激怒し、一時的にロンド・ベルと共闘してゲストと戦った(PS版ではマサキの説得に応じてそのまま仲間に加わる)。
第2次OGでの戦闘では、自分の力量を自覚できないゼゼーナンの姿に、怒りを通り越して「夜郎自大の輩」と、完全に呆れ果てていた模様。
シャイン・ハウゼン
春秋戦争にて共に戦った地上世界の姫君で彼女に対しても礼節をもって接している。
ジェン・デミン
マフィア風の中国人傭兵。絡みが少ないが、戦闘台詞が用意されている。なお、マサキも彼をヤンロンと比較している。
フォーラン・デイクゼン
エルシーネの侍女で彼女の姿に扮してネストリアス教徒を扇動していた。エルシーネの名誉を汚す行為に怒りの炎を燃やしポゼッションに至るきっかけになった。

女性関係

一見堅物に見える彼だが、女性とのロマンスも多い。意外に情熱的な一面も持ち合わせている(その辺りも「炎」の影響であろうか)。

モニカ・グラニア・ビルセイア
神聖ラングラン王国の王女(第二王位継承権保持者)。ヤンロンは彼女に騎士道的な忠誠を誓っているが、モニカの前でしばしば見せるしおらしい態度や彼女を気遣うような発言から、主従関係以上の感情を抱いていると思われる(後述のシーラとの出会いの際にランシャオが配慮を見せるぐらいであるから、相当程度の想いを抱いていたのだろう。周りの人間の目にも彼の行動はそのように映っていたようである)。しかし、当の彼女自身はシュウに首ったけで、それを察知したヤンロンは自分から身を引いた。
シモーヌ・キュリアン
魔装機ザインの操者。描写はないがLOE第一章ではヤンロンを意識していたらしく、第二章でラセツ側に付いた際はヤンロンを避けるような言動を取っている。仲間に戻ってきてウェンディが死んでいない場合はEDでシモーヌに言い寄られており、結局根負けしてデートに出かけている。
……が、魔装機神IIではこの辺りのことに全く触れられないばかりか、エルシーネの登場により一気にシモーヌの立場がなくなってしまった。
サフィーネ・グレイス
彼女とは敵対関係ながら、情報を求めて何度か接触してきた。ヴォルクルス消滅後もその関係が続いており、たまにサフィーネがヤンロンにちょっかいをかけることがある。
エリス・ラディウス
EXリューネの章では彼女の方が彼に張り合う場面が多く、ツンデレ風な台詞を吐いたこともある。尤も魔装機神第二章では彼女は完全にロドニー一筋になったため、フラグは立ち消えた。
エルシーネ・テレジア
魔装機神IIのヤンロンルートでは彼女の一言でマサキが道を踏み外しかけたことで彼女と論戦を繰り広げるが、その後も彼女と関わることが多くお互いに惹かれあうようになる。
彼女の正体を知り、魔装機神操者とヴォルクルス教団大司教として互いの信念をかけた戦いを繰り広げながらも互いに惹かれ続け、彼女の死の間際、互いに愛の言葉を交し合う。
レミア・ザニア・ヴァルハレヴィア
カークスの娘。当初は彼女が言いたいことが言えずにギクシャクした関係だった。しかし彼女が怒りで暴走した際にカークスの事を交えた説教をした結果、彼女も吹っ切れることができた。その後、ヤンロンがフォーランと対峙しピンチに陥った際には彼女に救われ、その時の彼女の姿からポゼッションを制御するに至った。

他作品との人間関係

リアル系

シーラ・ラパーナ聖戦士ダンバイン
地上人召喚事件においてラングランに召喚されたバイストンウェルの王女。王族としての気品からか、どことなくモニカと似た雰囲気を発していたようで、ランシャオにもその点を指摘される。選択次第ではEXにおいて行動を共にすることになる…が、実はマサキの章でシーラを仲間にしていないとイブンが死亡してしまうため、仲間にしていないのが正史と思われる。

スーパー系

兜甲児 / 剣鉄也
α外伝では、中盤辺りで互いに溝を深めていた2人に説教をしようとするが、セニアの制止により、未遂に終わってしまう。

名台詞

戦闘台詞

「火、崑岡に炎ゆれば。玉石倶に焚かる……カロリックスマァァッシュ!!」
カロリックスマッシュ使用時の前置き。書経の一文「火炎崑岡。玉石倶焚」からの引用。「崑岡(崑崙山)が燃え上がれば、玉(善きもの)も石(悪しきもの)も共に消滅を免れえない」という意から、転じて戦乱を嘆く言葉として古来より引用されてきた。また、「 山(金気)を溶か(克)す火気の炎」と五行思想の意味合いを含んでの詠唱とも思われる。
そのシャウトっぷりと名前が若干似ているために声優ネタではないにも関わらずよく同じ声の人必殺技と比較される。ちなみに声が付かない作品ではテキスト上でもここまで叫ばない
「火気、金に克ち、地を覆え!臨・兵・闘・者・皆・陣・列・前・行ぉぉっ!」
必殺技「火風青雲剣」の使用台詞。
ちなみに、この「臨兵闘者~」で始まる「九字」だが、一般的に「臨兵闘者皆陣列在前(行)」という呪文の知名度の方が高いため、ヤンロンの場合「在」が無いことが突っ込まれるが、九字について記された四世紀の中国の書物『抱朴子』では「臨兵闘者皆陣列前行」となっているため、間違ってはいない。
「螢惑火徳真君ご照覧あれ!必神火帝万魔共服……」
IIで登場した新必殺技「宝具火風青雲剣」の使用台詞の1つ。螢惑火徳真君(けいわくかとくしんくん)は螢惑火徳星君(けいわくかとくせいくん)とも呼ばれる古代中国の神様の名前。天界においては火星の守護と火部の長を歴任し、剣(刀)を司る戦神の一柱。
「……さらばだ」
「宝具火風青雲剣」のトドメ演出での台詞の一つ。エルシーネ辺りにこの台詞で決めると雰囲気合い過ぎである。
「それ、火の徳は水を圧し、金を熔かす!木を燃やし、土を生ず!」
「今将に、火気が三界を蔽わん!」
IIIにおけるポゼッション発動時の必殺技「正伝・火風青雲剣」の使用台詞の1つ。

旧シリーズ

「主役は遅れて登場するものさ」
胞子の谷で援軍として登場した際シーラが仲間にいない場合のセリフ。今の彼からは想像できないキザな台詞。
「…昔、ある人と約束してな。フェイル殿下の力になってやらねばならん」
ISSを使ったルートでフェイルの味方を決めた理由。ある人とはモニカのことである。
「…そうか…モニカ王女…あなたのおっしゃっていたのはこういう事だったのですね…いいでしょう!殿下、ぼくも相手になりましょう!」
ISSを使ったルートでフェイルと戦う際。モニカの予言が最悪の形で実現することになったが彼女との約束のために力を奮う。
「そうだな。それに、これだけのメンバーがそろっていれば、これ以上我々が手伝う事もあるまい」
『第4次』にてシュウが仲間になった際に「シュウにはラ・ギアスで酷い目に遭わされたから抜ける」と言い出したリューネに同調して。確かに戦力が揃っているのは事実だが、これから地球の存亡をかけた最終決戦だというのに完全に他人事扱いである。『第4次S』ではシュウが仲間になっても抜けないのでこの台詞はない。

魔装機神シリーズ

魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL

「マサキ!? では、お前がサイバスターに選ばれたというのか!? なんと……」
LOE第一章にてマサキがサイバスターに選ばれたことを知って。F完結編のキャラクター辞典の一言モードでも聞くことが可能。ちなみにすでに撃墜されていた場合、人選を誤ったなと続ける。
ヤンロン「残念だったな。お前にそういうものが効かない事は、とうに承知だ」
ヤンロン「お前にはしばらく、僕の説教に付き合ってもらう」
サフィーネ「? 説教?」
マサキ「げっ!? そ、そいつぁ…ひでえ… お、おいヤンロン、そこまでやらなくても…」
セニア「そ、そうよ!それじゃあまりにも酷すぎるわよ!」
サフィーネ「え?え!? ど、どういう意味よ!?」
LOE第一章「ボーダーライン」シナリオエンドデモにて拷問を所望するサフィーネに対して。およそ荒っぽさとは無縁な手段に聞こえるが、実際に彼から「説教」を受けたマサキとその顛末を知るセニアのただならぬ反応に、さすがのサフィーネも狼狽の色を見せる。
マサキ「とにかく、あの体験だけは二度と御免だね」
セニア「マサキ、あの後しばらくノイローゼ気味だったものね」
マサキ「けど、俺なんかまだマシだぜ。噂じゃ、プッツンいっちまったヤツもいるとか…ナンマンダブ」
ヤンロン「……そこまで言うことはなかろう」
サフィーネ「……ごくっ……」
同上。「説教」の内容については当記事冒頭のプロフィール参照。
「……とはいえ、このままお前を動けなくしていては、敵の狙い撃ちにあう可能性もある」「それで死なれては、寝覚めが悪いからな、自由にしてやる」
ラングランとバゴニアとの国境付近での戦闘でバゴニアとの戦闘にサフィーネが巻き込まれないように解放して。EXでサフィーネとの接触時に言った貸しの正体。
「行け、マサキ、地上へ!そして、シュウを……」
LOE第一章ラストにて。
ランシャオ「……人の無意識から生まれた私めですが、やはり人の心というのはなかなか理解しがたいものでございますね」
ヤンロン「そうだな、特に感情は制御しがたい。だが、魔装機神操者として、軽視もできん」
「時々マサキがうらやましく思える事すらあるくらいだ。あのまっすぐで、純粋な感情にな」
LOE第二章「ヤンロンの修行」にて。ヤンロンが相性の良いようには思えないマサキに対し全幅の信頼を置いていることを疑問に思ったランシャオに、「確かにウマの合わない部分はあるが、それ以上に信用しているのだよ」と答え、さらに心情を吐露する。
「護衛には僕がついて行こう」
エリスの魔装機訓練に付き合って。EXで何度も戦った彼女だが魔装機神シリーズでの交流はこの時ぐらいだった。
「……わかった。つきあってやる。ただし、遊園地だけはごめんこうむるぞ」
LOEラセツ・テューディルートのウェンディ生存EDにてシモーヌのデートへの誘いを受け入れて。ラ・ギアスにも遊園地が存在していることを思わせるセリフだが、何故ヤンロンが遊園地を拒むのかは不明である。

魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD

「理屈で考えるな!感じろ!」
ラスフィトートの言葉に迷いを見せるマサキに対して。恐らく元ネタは燃えよドラゴンでのブルース・リーの名言。
「ああ、精霊の意志を垣間見る事ができたのは得難い経験だった。できる事なら、使いこなせる様になりたいものだが……」
ポゼッションによるプラーナの消耗から復活して。この戦いでは近づけどもすれど完全な制御には至らなかった。
「初対面の人間に、あまりこういう事は言いたくないが、僕達の事に口を挟まないで欲しい」
エルシーネと初めて会って。マサキが迷うきっかけとなった彼女の理想について議論する。最悪の出会いからというのは何ともベタな展開である。
「料理中に指を切ってしまってな」
北部ルートで治療室にいるエルシーネに会うための口実。北部ルートでの彼女とのカラミはここだけだったりする。
「エルシーネ!直接僕の声を聞け!そして、触れてみろ!そうすれば、必ず思い出すはずだ!」
操られたエルシーネをコクピットから出て説得して。それでも彼の言葉は届かずエルシーネは撤退した。
「頼む。教えてくれ」
エルシーネを操神術から目覚めさせる方法を教えてもらうよシュウに頼んで。焦りからかシュウからの申し出はすべて受け入れブリーフィングには参加せずグランヴェールの調整に向かった。
(目を覚ませ、エルシーネ。僕は……あなたを……)
エルシーネを操神術から解放するため咒素子を口に含み口づけを交わして。
「僕は、あなたの手を取ることはできない」
エルシーネの告白に対して。彼女がヤンロンの手を取らないように二人の道は交わることはなかった。
「それは……いや、よそう。花発けば風雨多く、人生別離足る。これをもって別れの言葉としよう」
魔装機神II南部ルート(通称ヤンロンルート)最終話「終末の黙示」にて、エルシーネからの説得に対する答え。于武陵の絶句「勧酒」からの引用。
ヤンロン「愛して而もその悪を知り、憎んで而もその善を知る……これがあなたに贈る、最後の言葉だ」
エルシーネ「愛して……初めて、口に出して頂けましたね……」
ヤンロン「ああ……こんな時に言う言葉ではないとわかっているが……僕は、あなたを愛している」
同話にて、エルシーネのボランゾルンをグランヴェールで撃墜した際の台詞。「愛して而も~」は「礼記」からの引用。
「……今更かける言葉もないが……せめて悼む気持ちは受け取ってくれ、エルシーネ。これで、本当にさよならだ、エルシーネ。今でも……愛している」
魔装機神IIヤンロンルートエンディングにて、エルシーネの墓に花束を手向けて。
エルシーネへの想いに決着をつけたヤンロンだったが、魔装機神IIIでは彼女との一件が思わぬ形で新たな因縁を生む事に…

魔装機神III PRIDE OF JUSTICE

「それは分かっている。しかし、僕がレミアから父を奪ったのは、紛れもない事実なのだ。僕からレミアに言い訳はできん。それに、たとえ誰かに憎まれようとも、魔装機神操者はそれを背負わねばならん」
「案ずるな。短気とは言うものの、あのカークス将軍の娘ならば、そこまで愚かしい事はしないだろう。これまでの様子を見るに、恐らくは僕の真意を確かめようとしているのだろう」
ランシャオからレミアからの複雑な感情を指摘され。彼の予想通りレミアはヤンロンの真意を探っていたが、彼女は彼の思っていた事とは違う愚かな行為をしてしまう
「そんなはずは無い……君は……死んだはずだ……エルシーネ!!」
復活したエルシーネを目撃して。冷静沈着な彼もこの時は動揺していた。
「……お前のような痴れ者に、掛ける言葉などあるものか!」
「父を想ってだと……!?お前は、こんな事で命を落として、それで、お父上に顔向けができるのか!?」
「貴様ごときが、将軍を語るな!」
「あの時……僕もカークス将軍も、それぞれの正義を何としても貫くという、覚悟を持って戦いに臨んだのだ!それに対して貴様はどうだ!?あんな程度の低い言葉に乗せられ、何の考えもなく暴れ回り……そんな軽薄な戦いをする人間に、誇り高く散った将軍の事を、語る資格などあるはずがない!」
「本当にそう考えているのなら、それこそが将軍に対する侮辱だ!こんなところで死ぬことが……それがどう、カークス将軍の為になる!?レミア・ザニア・ヴァルハレヴィア!!」
ロヨラのカークスを馬鹿にした挑発に乗って一人突撃したレミアに対する説教。普段彼が行う説教とは異なり自分の思いと言葉だけだった。
「構わん。プレシアが上手く話をしてくれたようだったからな。僕が出て行っては、話がこじれるだけだったろう。……しかし、まだ僕も至らないな。自身に言い聞かせねばならぬ事を、他人にぶつけてしまうようでは」
「あれは、僕が言われるべき言葉だったのだ。……レミアに何かあって、その時カークス将軍に顔向けできないのは僕の方だ」
「僕はかつて、死んだ者に縛られて、生きている自分を見失うな、などとカークス将軍に言ったが……僕もまた、死んだ者に縛られているのだな」
「分かっている、ランシャオ。あの頃の僕は随分と唯物的だった。だが、様々な経験が僕を変えた。無論、今でもカークス将軍の行動を肯定するつもりはないが、その気持ちの一端は理解できる。死者の想い、過去の人々の想いは尊重して然るべきものだと」
ヤンロンによる説教の後、独房に入れられたレミアがプレシアの話を聞いて反省したのを確認して。レミアに対して行った説教から彼自身も反省すべき点を見出していた。
「ああ、そうだな、ランシャオ。人は理性と合理性だけで生きるのではないのだな」
ランシャオに自分の思いを語っている途中で。ランシャオは何も言葉に出しておらず不思議がっていた。この時点でヤンロンにはグランバの声が聞こえていた。
「いや、問題ない。いずれにせよレミアについては、僕が責任を持って当たらねばならん。そしてそれは、僕自身が過去と向き合うのと同義でもある。言葉だけでなく、行動をもってそれを語ろう」
ランシャオに自分の思い語った最後に。この言葉通り彼は自身の過去と相対することになる。
「いや、何も無かった。……ただ、愛し合っていた」
「愛し合っていて……そして……僕はこの手で彼女を殺めた。……それだけだ」
レミアからエルシーネとの関係を聞かれて。言葉数こそ少ないがヤンロンとエルシーネの関係を表現している。
「エルシーネ……これがあなたの……あなたの本心だというのか!?」
ネストリアス教徒を靈装機に乗せ戦わせるエルシーネの姿を見て。ヤンロン同様サフィーネも彼女のやり方を信じられなかった。
「!!僕達を欺いただけでなく、復讐の為に他人を犠牲にして恥じぬとは……あまつさえ、その悪行をエルシーネの姿で、声で……貴様はエルシーネをも愚弄した!もはや貴様には、煉獄すら生温いっ!!」
エルシーネの名を騙る何者かの悪行の数々を前にしてヤンロンは怒りの炎を燃やしポゼッションが発動しようとするがあまりの怒りの強さに出力が高まり過ぎてカロリック・リサイクラーに異常が発生してしまう。
(そうか……怒りに目がくらんでは、見えるものも見えん……頭ではなく、心に怒りを……)
「いかん、レミア!!今のお前では!! !?そうか!!こういう事だったか!!我、開眼したり!!」
「怒りは消えず……しかし、頭は冴え渡っている……この力……この感覚は……」
自分を護る為、偽のエルシーネに立ち向かうレミアに頭に血が上っていると指摘するが言葉を返されてしまう。彼女の言葉と危機で炎の精霊の司る境地に至った彼はついにポゼッションを発動させる。
「罪を償うのは貴様の方だ!エルシーネの偽者め!エルシーネの姿を偽り、エルシーネの名を騙り、エルシーネを慕う人々を陥れ、そしてエルシーネを貶めた、貴様の所業、その全てを、僕の怒りは、決して赦さない!!」
ポゼッションを発動させたグランヴェールの姿を見て不快感を露にする偽者に対して様々な人の怒りを乗せた真伝・火風青雲剣を放つ。
「怒りで目を眩ませてはいかん。怒りの感情は、その胸に秘めるのだ」
ワッシャーに怒りを燃やすファングに対して自身の経験をもとにアドバイスを送る。

魔装機神F COFFIN OF THE END

「ティールの事は……僕にとっては他人事ではないな」

教化されたフィリスとの特殊戦闘台詞。立場や状況は違えど、愛する者を手にかけた事に対してか。

OGシリーズ

「それは何よりです。で、モニカ王女に関する情報は入りましたか?」
クエイト市での戦いを終え、カークスとの通信の中で。EXではカークスからモニカの話題を出していたのに対しOGではヤンロンから口に出している。
(だが、フェイル殿下が生きているのであれば、約束を果たさねばな……あの方との)
サフィーネとの密会を終えて。モニカとの約束を思い出したのだが、残念ながらOGではその約束を果たすことはできなかった。
「道は違えてしまったが……カークス将軍とて、ラングランやラ・ギアスの将来を案じていたのは事実だ……」
「兵は国の大事、死生の地、存亡の道、察せざるべからずなり……僕達は、今回の事件からそれを学び取ならければならない……」
OG2ndで追加された、カークスとの決戦後の台詞で、涙を流しながらこう発言した。「兵は~」は孫子兵法を由来とするもの。
「白眼を以て迎えるべき客だな」
ゲストの特殊戦闘台詞。発言の由来である「白眼視」は三国時代の阮籍が気に入らない人物に対しては白眼で対応し、気に入った人物に対しては青眼で対応することができて、阮籍が喪に服していた時に阮籍は気に入らない客を白眼、気に入った客を青眼で迎えたエピソードが由来である。「客」と「ゲスト」をかけている。白い目で見る、という言葉の由来とも言われているのが白眼という言葉である。
「その呪縛、僕が断ち切ろう!」
雷鳳のシステムLIOHに意識を乗っ取られたトウマに対して。
「四神と言えど、人に仇なすのであれば、瑞獣ではないな!」
夏喃達が搭乗する超機人に対しての戦闘台詞。瑞獣(ずいじゅう)とは「縁起の良い獣」のこと。
「兵は詭道なりと言うが……お前達は論外だ!」
「地球の守護者などと……魚目燕石の輩め!」
対ガイアセイバーズの特殊セリフ。前者の「兵は詭道なり」とは孫子の言葉であり、戦いとは騙し合いで様々な謀りごとを凝らして敵の目を欺き状況によっては当初の作戦を変えることによって勝利を収めることができるものだという意味。後者の「魚目燕石」とは内実はまったく無価値なもののたとえ。確かにガイアセイバーズのやり方や存在理由はこれらの言葉がぴったりとあてはまる。
「怪力乱神を語らずといえど、人に仇なすのであれば!」
「その侮りが己を窮地に追い込むとまだ気付かんようだな」
「所詮は夜郎自大の輩か」
ゼゼーナンとの特殊戦闘台詞。「夜郎自大」とは自分の力量を知らずに、いばっている者のたとえであり、ゼゼーナンにぴったりの評価である。ちなみに「夜郎」とは中国漢の時代の西南の地にあった未開部族の国の名で、「自大」は自らいばり、尊大な態度をとること。四文字でゼゼーナンを的確に評価できるあたり教師としてのヤンロンの顔が垣間見える。
なお、この夜郎自大という言葉は魔装機神IIIのシュテドニアスルートにおいてもある人物に対しても使われ、用語集に登録される。

搭乗機体・関連機体

グランヴェール
炎の魔装機神。彼の愛機。
ディンフォース
電光(ムック本では雷)の魔装機。描写はされていないが機体の特性から得意の拳法を生かして戦っていたと思われる。