太極

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太極(たいきょく / Taiji)

Zシリーズに登場した単語で、OG外伝でダークブレインが言及した「至高天」、第2次OGで孫光龍が述べた「大羅天」と同一の存在の可能性が高い。その詳細は現在のところ不明。本来は『周易』における概念であり、万物の根源とされる存在である。中国語読みでは「タイチー」。日本語読みでは「たいきょく」。太極に至るためには「十二の鍵」が必要とされている。

アサキム・ドーウィン曰く「宇宙全ての源理、全ての事象の始まりと終わりを司る意志」とのこと。αシリーズにおける「アカシックレコード」と同じものと思われる。スフィアと同じ根源である黒の英知の所持者たちがアポカリュプシスのようなものと思われる「根源的な災厄」が訪れることを示唆している点や、無限力が正と負に分かれているように太極も陰陽に分かれている点からも同種のものであることが伺える。ただしアカシックレコードの正体は第一始祖民族の残留思念であるが、太極も同じ残留思念なのかどうかは不明。第2次OGでユーゼスが述べた「再有生を行っている存在」がこの太極ではないかという説もあるが、そうだとするとアサキムが無限獄に囚われている現状を説明できる。

シリーズの開始時点では何らかの理由によって失われ、破界篇ではスフィアを指すと思われる「12の鍵」と「幾多の英知」に分かれ、砕け散ったとされている。ガイオウが言う「ソルの記憶」や、アイム・ライアードが口走る御使いが集めるという「ソルの心」は、12の鍵か幾多の英知を指していると思われる。

Zでのアサキムの言動からすると、時空制御技術を持つと言う事は即ち太極への扉を開くに等しいことらしい。

Zにおいては新たな世界のひな形として、パラダイムシティを創造している。さらにゴードン・ローズウォーターにエグゼクターシステムの顛末までを含む黒歴史の全てを描いた小説「メトロポリス」の執筆を命じ、シティの住人達をさまざまな世界から集めてメモリーを奪うなど、『THE ビッグオー』と大きく関わっている。
また、この一連の流れにおいて、ゴードンはシティに来る以前の、メモリーを失う前のロジャー・スミスに対し、「この世界が大きなステージなら、人間は役割を演じる役者に過ぎないが、それを変えられる者がいてもいいはず。だから、この世界を演出する存在(つまりは太極と、その意志を現す者)と交渉してもらいたい」と依頼している。「メモリーズ」においてロジャーはその契約を全うすることになるが、それがやがて思わぬ事態を招くことに……

太極の意志に反して次元力の行使を行うと、その者は「大罪人」と看做され、太極の呪いを受けて並行世界を放浪する身となる。そうでない場合は歴史から存在が消されるが、「存在した」という事実は太極の力を以ってしても消すことが出来ないため、代わりに存在した証である記憶を消す。そうして記憶=メモリーを奪われた者は、「Z」においてはパラダイムシティの住人となり、自身の役割のメモリーを残したまま生きていくことになる。

また、呪われし放浪者に課せられた、不老不滅の「生き続ける呪縛」は、太極の使者にして、Zシリーズの誕生と共にあったという「御使い」なる存在が元凶らしい。さらにこの「御使い」はガンレオンの中にその記憶を宿しているという。

なお、この「太極」は前述の通り、スフィア12個を手にすることで成り代わることが可能とされるが、これは裏を返すと、人が成り代われる存在=元々人に近しい、あるいはそのものということになる。この事から、性質的にはケイサル・エフェスと似たようなプロセスで存在しているものと思われる。

前述の通り失われたとされているが、その一方でパラダイムシティへの干渉や特異点のリセットを行っているなど、実は現状からして矛盾と謎が多い。

太極とソルの記憶、黒の英知と12のスフィア

太極がいつ、どのようにして、なぜ失われたのかはわかっていない。数少ない手掛かりはアイムやガイオウ、アサキムの言動だが、それによれば「失われた太極は12の鍵と幾多の叡智に分かれた」とされている。

12の鍵はスフィア、幾多の叡智は黒の英知と見て間違いないだろうが、彼らが口にする言葉の中にはもう一つ「ソルの記憶」「ソルの心」と呼称される存在が介在している。「御使い」なる存在がこれを集めているらしいが、関連情報がまるで存在しないため推測は不可能。この「御使い」の記憶がガンレオンに宿っているらしいが、それが「御使い」自身の記憶なのか、それともそれに関する記録なのかは全くわかっていない。

太極図は陰陽に分かれているが、語感だけで判断すれば陰が黒の英知、陽がソルの記憶と読むことも出来る。また、太極図ではそれぞれの中に穿たれた点として「陰の中の陽」「陽の中の陰」が表現されており、「ソルの記憶」「ソルの心」と称される存在はこの「陰の中の陽」であるとも取れる。

別の解釈では、「ソル」とは太陽を意味する言葉であり、スフィアのネーミングを考えると黄道十二星座を統べる太陽=ソル⇒12のスフィアを統べる存在=太極と読め、「ソルの記憶=太極の記憶」と読み替えられる。であれば、スフィアに深く同調することによって黒の英知を垣間見る、という現象を加味して推量すれば、「幾多の叡智=黒の英知=太極の記憶=ソルの記憶」とも取れる。

アサキムはスフィアを集めることでこの太極に成り代わろうとしているが、ガイオウはスフィアとソルの記憶が集まることを危惧している節がある。さらに、アイムの台詞の中には「御使いはソルの記憶を集めて、全ての宇宙を!」というものがある。これらの要素に時獄篇で示唆された要素を合わせて考えるとZシリーズ全体の裏で進んでいる次の状況が見えてくる。

  • かつて、太極と言う存在があった。そしてそれは何らかの理由により、12のスフィアとソルの記憶に分かれ、砕け散った。
  • 12のスフィアは並行世界に散らばり、目覚めるための器となるスフィア・リアクターを待つようになった。
  • いくつかの並行世界が時間の環に囚われ、多元世界としてループし始める。この途中で文明のリセットシステムであるエグゼクターが確立される。
    • この中で太極にもっとも近しい「神」という存在を殺すべく、ヴァイオレイション・システムとその統括者である四人の「次元将」が生み出された。彼らはゲッター線の使徒であるどこかの世界の流竜馬アポロニアスバジュラと共にバアルと戦っていたが、その内の一人が敗北を喫した。
    • スフィアを得た者達の間で、太極の後釜争いである「聖鍵戦争」が始まる。アサキムはこれに参加しようとスフィアを狙い始める。
      • 未確定情報だが、この戦争にギリアム・イェーガーが参戦を試みた節がある。事実であったとすると、彼にはスフィアを奪い取ることは色々な意味で出来なかったらしい。また、その一方でダークブレインがスフィアの統合を狙っていたと推測される。
  • その中のとあるループで、堕天翅族とアポロニアスの戦いが起きる。これは時獄篇の時系列では24000年前とされているが、1億と2000万年まえから延々と繰り返されてきた現象である。
    • スフィアに同調した者達はこれを通じて黒の英知を垣間見る。
      • 太極の意思により、ゴードン・ローズウォーター黒歴史エグゼクターによる、世界の破壊と再生の顛末を記した「メトロポリス」を執筆する。さらにゴードンは、当時まだメモリーを持っていたロジャー・スミスと接触し、「世界がひとつの舞台であるならば、人間は役柄を演じる役者に過ぎないが、それを変えられる者がいてもいい。だから、この世界を演出する存在と交渉してもらいたい」と、太極の意思とのネゴシエイトを依頼している。ロジャーはこの依頼を承諾したが、後に自らの意思でメモリーを捨て去り、依頼についても忘れていた。
        • パラダイムシティは太極が作り上げた世界のひな形とでもいうべき存在であり、その意志に反して次元力を行使した者達が、メモリーを奪われて放り込まれる牢獄に近い存在である。Z終盤、太極は世界のリセットを決定するが、その実行者となったエンジェルに対し、ゴードンから改めて交渉依頼の内容を説明されたロジャーはその依頼を実行。結果、リセットの阻止に成功する。
      • 次元境界線安定後、エグゼクターが起動。しかし、マスターコアとなっていたオーバーマン・XAN-斬-の意思とZEUTHの奮闘によりシステムは停止、XAN-斬-も何処かへ消えた。
    • この後、もう一つの多元世界においてカラミティ・バースが発生。これにより、呪われし放浪者の候補となっていたZEUTHの主だった面々が各地に転移、「烙印」を受けたことにより元の世界との因果を失うこととなった。
  • 太極にかかわる、あるいは「神」の使徒である「御使い」という存在がいる。アサキムを呪縛したと思しき彼らは、聖鍵戦争を横目にソルの記憶を集めようとしている。これについての記憶がガンレオンの中に宿されている。
  • 時間の環の切断により、聖鍵戦争の状況が一気に動く。これによって「傷だらけの獅子」「悲しみの乙女」「偽りの黒羊」「揺れる天秤」「尽きぬ水瓶」「知りたがる山羊」他一つと、12個中実に7つものスフィアが一堂に会する状況となった。
  • 「御使い」はこの裏でソルの記憶の収集を進めている。その目的は、「全ての宇宙を」終焉に導く「根源的な災厄」あるいは「大いなる終焉」を導くことであると思われる。


また、これらの事象に関するヒントだが、実はユーゼス・ゴッツォである。彼の目的は因果律改変によって新たな世界とそれを統べる理を造り出し、破滅の運命を逃れることだが、「聖鍵戦争」における「全てを手にした最後の勝利者」がどうなるのかがここから読み取れる。

太極とは前述の通り「宇宙全ての原理にして、あらゆる事象の始まりと終わりを司る存在」であるが、言い換えるとこれは「因果律を自在に操ることの出来る存在」となる(完全に動作するクロスゲート・パラダイム・システムのようなものと考えればいいだろう)。12のスフィアとソルの記憶を手にした時、その人物はいわば「太極そのもの=因果律を自在に操作できる存在」となる。であるならば、スフィアの争奪戦の果てに待っているのは、因果律操作による何らかの形での全ての宇宙のリセットであると見ることも出来る。

また、黒の英知の項にあるように、「根源的な災厄」「審判の日」「神話の果ての終焉」を乗り越えるための打開策として純粋種のイノベイターの覚醒、ラグナレクの接続などが挙げられているが、いずれも類似しているのは「意志の統一」である。この内イオリアだけはイノベイターによる「人類の意志の同調」を目指しているが、他は「人類の意志の融合による統一」を目指している点で異なる。

これは、MXにおける並行世界増殖とそれに対応するための多元世界補完計画に関係性が似ている。そして、時獄篇では劇場版設定とはいえ、その原型である人類補完計画が進行していることから考えても、終焉の日を乗り越えることは人類の意志がバラバラのままでは不可能ということになる。

太極とその関連ワード

関係性が複雑に絡まっているため断定は出来ないが、再世篇終了の時点で提示・示唆された情報を元に、太極とスフィア、聖戦に関するキーワードを簡単に整理するとこのようになる。

時間の環
無印Zのはるか古から延々と続いてきた、1億2000年周期で訪れる無限平行世界の分離・再融合の繰り返しのこと。Zの時点では時空振動弾発動→時空崩壊で融合→黒歴史に突入して分岐→どこかの世界で時空振動弾発動……というループだったが、ZEUTHにより切断。だが、これによって閉ざされていた可能性、特にアクエリオンと天翅族の因果が解放され、時獄篇の時点では後述の黒歴史がスラングとなるほど未来の時系列……つまり「EVOL」の世界が時間の環に組み込まれ、さらに時間の環それ自体が最後の一周に突入しているらしい。つまり時間の環には次の周回がなく、その末端に存在するのが「根源的な災厄」の訪れによる「神話の果ての終焉」であろうと考えられる。
「御使い」
太極の使徒と目されるナニモノカ。この存在に関する記憶あるいは記録をガンレオンが封印している。
初代Zにおいて、両翅がガンレオン・バルゴラを指して「御使い」と呼称しているため、スフィア・リアクター=太極に至り得る者を指しているとも考えられる。
「彼ら」
聖戦の裏で「ソルの記憶」を集め、全ての宇宙に何らかの干渉を行おうとしているらしい。全ての宇宙の終焉たるスパイラルネメシスと共にやって来るという。アサキムの魂を呪縛したのもこの存在。「御使い」とは厳密には別の存在であるらしい。
「烙印(スティグマ)」
放浪者に刻まれているという罪人の証。大規模な時空震動の場に居合わせ、さらに次元の枠を越えた者に与えられる。強度が存在し、時空震動の中心点に近ければ近いほど強くなる。ただし、与えられる明確な条件は未だ不明。
次元力
太陽などの恒星に由来する「破壊と再生の力」であり、全ての存在の根幹に在る「存在の力」にして、次元を超える、あるいは超えた力。機械的に引き出すだけなら単なる無限エネルギーだが、スフィアに深く同調するなどして太極に近づくと、この力の本質である「源理の力」オリジン・ローに触れることが出来る。
スフィア
砕け散った太極の力の欠片。12個全てを手にしたものが「最後の勝利者」となり、全てを手にするという。特性に関しては該当項目参照。
聖鍵戦争
次元を超えたスフィアの奪い合い。「最後の勝利者」は未だ現れておらず、ガイオウ曰く二つのスフィアを手にした人間自体珍しいという。
黒歴史
Zの多元世界における「輪になった時間の中で繰り返され、いずれ起こる未来の戦い」。第2次Zの多元世界のどこかにおいては、神話として伝えられる過去の戦い。黒の英知の中に、その一端として記録されている。
エスターや葵の出身世界では「なかったことにしたい過去」というスラングで使われている。つまり、第2次Zの多元世界の中に、Zの多元世界の遙か未来の世界があるとも考えられる。であるならば、時獄篇で参戦した「アクエリオンEVOL」あたりがその「Zの多元世界の遙か未来の世界」になるのだろうか?
真戦
次元将が黒歴史を指して言い習わす呼称。
黒の英知
正確には「クロノエイチ」で漢字は当て字。砕け散った太極の欠片。スフィアに深く共鳴した者が垣間見る全能の智恵であるが、その中にはZシリーズの生命体に関連する「根源的な災厄」に関する記述がある。過去にこれを垣間見た者達により、インサラウムなど一部には文献としてその一端が記されている。初代Zの「黒歴史」はこの一部。
ソルの記憶
正体不明の謎の概念。太極の欠片の一つであると思われるが、スフィアに共鳴したランドやセツコ、クロウは「黒の英知」へ至る可能性はあってもこの「ソルの記憶」には全く関われていないため、こちらに至るにはスフィアとは別の角度から干渉する必要があると思われる。もしくは単に黒の英知の別称か。
ソルの心
正体不明。ソルの記憶と同じものと思われる。もしくはスフィアの別称か。
根源的な災厄
Zシリーズの生命体の行く末に待つという災厄。これとの遭遇は次元の壁を越え、あらゆる世界を巻き込んで全てを滅ぼすという。イノベイターを初めとする人類の革新は、この災厄に対抗する大きな力となるという。諸々の要素から正体としてスパイラルネメシスが有力視されている。エルガンやシャルル、ワイズマンの言動からすると、どうも「人類の革新」「人類の意思統一」がこれに対抗する大きな力となるようだが、詳細は不明。
神話の果ての終焉
時獄篇において、太極に近しいもの達が「根源的な災厄」の訪れをさして言い習わす呼称。
バアル
Zシリーズの生命体共通の敵。根源的な災厄が迫ると、その前触れであるかのように行動を開始する。どこかの世界の竜馬やゲッター軍団、アポロニアス、バジュラ達はこのバアルと戦っていた。また、彼らが戦った相手の中にはズール皇帝もいるが、彼はバアルとは異なる。
次元将
遙か古、どこかの世界で「人類の希望」として生み出された存在。宇宙全てを襲った滅びの危機に対抗し、「神」を殺すために人としての全てを捨てて生まれ変わった人間達。竜馬達とともにバアルと戦っていたが、内の一人が敗れ、インサラウムへと現れることになる。その目的は「神殺し」「『真戦』の再来を抑止すること」であるという。
ビッグ・オー
ロジャー・スミスをドミュナスとする黒きメガデウス。この機体とドロシーのメモリーには太極と真戦、黒の英知に関する記録が封印されている。

陰陽と星座との関係

スフィア』の名称が「黄道十二星座」に対応したものだが、大極の「陰陽」に当て嵌めると以下の通り(陰陽説では旧月で当て嵌める)。

陰陽表と星座
新月 旧月 陰陽 性別 数学 星座 リアクター
2月 1月 +(正) 水瓶座 ユーサー・インサラウム
3月 2月 −(負) 魚座
4月 3月 +(正) 牡羊座 アイム・ライアード
5月 4月 −(負) 牡牛座
6月 5月 +(正) 双子座
7月 6月 −(負) 蟹座
8月 7月 +(正) 獅子座 ランド・トラビス
9月 8月 −(負) 乙女座 セツコ・オハラ
10月 9月 +(正) 天秤座 クロウ・ブルースト
11月 10月 −(負) 蠍座
12月 11月 +(正) 射手座
1月 12月 −(負) 山羊座 (元所持者は女性)

この通り、リアクターと陰陽の割り振りはほぼ一致している。

関連用語

スフィア
『傷だらけの獅子』、『悲しみの乙女』『偽りの黒羊』、『揺れる天秤』、『尽きぬ水瓶』、『知りたがる山羊』がゲーム中で登場している。黄道十二星座をモチーフにしており、「十二の鍵」と同一の可能性がある。
無限獄
太極に対し大罪を犯してしまうと、不老不死となってしまい平行世界をさまよい続ける運命を背負うことになる。「無限獄」はアサキムが呼称したものだが、他にも「烙印(スティグマ)を押された者」「呪われし放浪者」といった呼び方もあり、呼び方については一定していない。解放されるには贖罪を完遂するか、太極に至る必要がある。ただし前者の場合、元の世界に戻ることはほぼ不可能となる。

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シュテルン・ノイレジセイアとの決戦でギリアム・イェーガーが発言。単語が初登場した作品である。
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アサキム・ドーウィンはこの太極に至る為にスフィアを求めているようだ。

話題まとめ

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