ル・カイン
ル・カイン | |
---|---|
外国語表記 | Le Cain |
登場作品 | 蒼き流星SPTレイズナー |
声優 | 塩沢兼人 |
デザイン | 谷口守泰 |
初登場SRW | 新スーパーロボット大戦 |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
---|---|
種族 | グラドス人 |
性別 | 男 |
生年月日 | 1976年8月31日 |
年齢 | 23歳 |
身長 | 206cm |
体重 | 98kg |
血液型 | AB型 |
所属 | グラドス軍 |
役職 | 司令官 |
ル・カインは『蒼き流星SPTレイズナー』の登場人物。
概要
第2部より登場するグラドス地球占領軍司令官で、グレスコの息子。エイジ曰く「自信と自惚れの区別のつかない男」。
強いプライドを持つグラドス至上主義者であり、民衆は優れたものに支配されるべきという自らの理想のために地球文化をことごとく弾圧した。一方で、クスコの聖女を賭したエイジとゴステロの勝負においてゴステロが負けた後は潔く手を引き、逆にそれを認めようとしないゴステロを制裁し諌めた他、エイジを見逃す判断を下した際に歯向かおうとしたカルラに脅しをかけるなど、その根底には誠実な面もある。
SPT操縦においても天才的なセンスを有し、作中では専用機であるザカールに搭乗。後にザカールに隠されたV-MAXですらも、短期間で使いこなしてしまう等、まさに作中最強の敵として圧倒的な実力を見せ付けた。
しかし年若く理想主義であったため、自信のアイデンティティとも言えるその信念を根底から覆す、グラドス創世の秘密を父グレスコから聞かされた際は、酷く狼狽し逆上した末に自ら父を射殺してしまう。今際の際のグレスコより、同じく真実を知るアルバトロ・ミル・ジュリア・アスカを殺すよう促されたが、実の父親を手にかけてしまった自責の念とグラドス創世の秘密を知ったことによるアイデンティティの喪失感から、心の拠り所を求めていたル・カインはジュリアを殺す事は出来ず、むしろ救いを求めるようになる。
その後も「父殺し」の件は大きく尾を引く事になり、実質上のグラドス地球方面軍の指導者となったル・カインは、グラドス至上主義を捨て能力至上主義に転進。優秀ならばグラドス人や地球人に関係なく高い地位と名誉を与える事を宣言するが、それはグラドス人の部下達の大きな反感を招く事になり、また自らの側近として抜擢したロアン・デミトリッヒにも裏切りを受ける事になる等、指導者としての地位から転落していってしまう事になる。それでもル・カインは、自らが望んだ結果に起こったものとして怒りに任せてロアンを殺す様な真似はせず、必ず戻ってくる事を宣言して、全ての決着をつける為、ザカールに搭乗してエイジやジュリアの後を追って宇宙に向かう。
宇宙に向かって飛び立ったグラドスの刻印に辿り着いたル・カインは、エイジのレイズナーと壮絶な激突を繰り広げるが、グラドスの刻印の力を発動させたジュリアによってザカールは動かなくなってしまい、それでもコクピットから出てエイジと生身で激突するも、ジュリアは刻印からエイジとレイズナー、そして自らの愛機であるザカールですらも弾き出してしまう。指導者としての地位だけでなく、戦う為の力さえも失ってしまったル・カインは最後、今こそ自分の為だけに祈ると優しい言葉を掛けてくれたジュリアに対し、どこか穏やかな表情を浮かべるのだった。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- グレスコが登場しないので実質的なグラドス軍のトップ。今回はシャピロ・キーツを部下に迎えている。ザカールの性能と併せて能力値も高い強敵であるが、ジュア=ムにボコボコにされる、先史文明時代から帰ってきた時は「送り返さなくても良かったのに」と、ヒカルにぼやかれる等の冴えない場面もある。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 初登場作品。表記は「ル=カイン」となっている。第1部展開のためかザカールでレイズナーを撃墜する以外に目立ったイベントは特になく、最後は宇宙ルートでエイジとの決着がつかぬまま戦死と相成る。隠しシナリオでエイジと戦わせられるものの、同シナリオではゾンビ兵として蘇生されているに過ぎずザカールのV-MAXも使えない。
- 新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
- フリーバトルに登場。またおまけマップでは、クーロンガンダムに乗った東方不敗を出撃させていると、ザカールに乗った彼がボスとして登場する。
- スーパーロボット大戦64
- 第2部展開でほぼ原作通りの活躍。ただしかなり早い段階で決着がついてしまい、グラドスの刻印の発動には立ち会えない。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- 今回も第2部展開で、グラドスの刻印発動時にも出番がある。最終的には改心しグラドス星に引き返した。
- 担当声優の塩沢氏の死去後の作品のため、『新』の音源を使用したライブラリ出演。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 地球ではなく「刻印の星」を占領、支配していた。父を殺害することはなく、グラドス本星に呼び戻されることに。地球で狼藉を働くでもなく、ジュリアも存在すらしないためエイジとのライバル関係がいまいち薄味な点は、ララァがいないためアムロとの因縁が深まらないシャアと扱いが似ている。
- ミューカスの本拠地であるレコーラル銀河への侵攻作戦「Operation Extend」では、グラドスの代表として軍を率いて現れ、コネクト・フォースを援護している。
- スーパーロボット大戦DD
- 3章Part5から登場。Part11からはザカールに乗り、エネミーとして参戦する。
関連作品
パイロットステータス
特殊技能(特殊スキル)
- J
- 撃ち落し、カウンター、ヒット&アウェイ、底力L9、援護攻撃L4、指揮L4、コンボL4
- GC(XO)
- 底力L8、援護(攻撃のみ)L3、指揮L4、カウンター、狙い撃ち
- OE
- 底力:攻撃、戦意高揚、二連撃
人間関係
- グレスコ
- 父親。グレスコはル・カインが幼い時より英才教育を施していた。しかし、最後は自らの手で父を殺害してしまう。
- ロアン・デミトリッヒ
- 秘書官として迎え、グレスコの死後は副官に指名。地球人でありながら非常に信頼しており、彼に裏切られたときは動揺を隠せなかった。小説版ではロアンに友情を感じていたと発言する。
- ギウラ、エジール・カルラ
- 部下。
- 死鬼隊
- 私兵。彼らの能力を評価しつつも失敗した際には鞭で打ちつけたり、処刑することさえあった。
- アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
- 宿敵。ル・カインはエイジを血の濁った裏切り者と呼ぶが、私兵である死鬼隊を度々退けたエイジを疎ましく思うようになる。
- アルバトロ・ミル・ジュリア・アスカ
- クスコの聖女と名乗り地球人、グラドス人問わず絶大な影響力を持つ彼女に興味を抱く。グレスコの死後、部下からの反感が高まりつつある中情緒不安定になり、グレスコに捕らわれていた彼女に救いを求めた。
- デビッド・ラザフォード
- 30話では彼がかつて搭乗していたベイブルを餌に彼やその仲間達をおびき寄せた。
- アンナ・ステファニー
- ル・カインの文化矯正に対して正面から立ち向かうが、ル・カインはジュリアと同様に危惧して捕えようとした。
他作品との人間関係
- デスクロス四天王
- 『新』での部下。当初は同じ部下にあたるハイネルとシャーキンに率いさせていたが、ハイネルの失脚もあって直属の部下になる。
- プリンス・ハイネル、シャーキン
- 『新』では部下。
- トレーズ・クシュリナーダ
- 『64』では彼と共に帝国軍の中心として活躍。実はロアンに続き、彼も帝国を裏切るのだが、彼の裏切りに関してはル・カインは知ることなく死亡している。
- シャピロ・キーツ
- 『64』では部下。『J』では彼を参謀に迎える。彼の才と人物を認め、信頼していた。
- 草壁春樹
- 『J』では彼と同盟を結ぶ。
- ジュア=ム・ダルービ
- 『J』ではラースエイレムの力で彼に叩きのめされる。
名台詞
- 「私の名はル・カイン!この星を支配しに来た!」
- OVA第1巻「エイジ1996」における次回予告冒頭より。エイジの名台詞のオマージュであり、直後の死鬼隊の自己紹介も合わせ作風が激変する『レイズナー』第2部の導入役として出だしから強烈な印象を残す。
- (私が来たからには、グラドスに刃を向ける者たちも、私の足元に血まみれの体を横たえることになろう…!)
- 初登場の第27話にて、地球圏に到着した際の心理描写。OVA第2巻「ル・カイン1999」のOP中予告でも引用されている。
- 「よりよき支配、無垢なる従順! これこそが理想なる世を現出するただ一つの真理だ!」
- 彼が信じて疑わない支配の論理。しかしその矛盾を父グレスコに指摘されることに。
- 「父上も変わられましたな…。やはり3年も地球におられると、『地球病』とやらにかかられましたかな」
グレスコ「地球病…?」
「本国の者がそう呼んで噂しております」 - 着任して早々父グレスコに対して、その地球支配のやり方を手ぬるいと揶揄した台詞。その後地球の絵画を見せてきた彼を見て、地球に感傷的になっていたために自分を呼んだのだと解釈する。
- 「燃えろ…! 地球の物など全て灰になるがいい!」
- ニューヨーク市立図書館の書物を焼き払った際の台詞。ル・カインのグラドス至上主義が強く表れている一場面。
- 「フフ、面白い…。この星は刺激に満ちている…!ハハハ…気に入った! ハッハッハッハ…!」
- 続いてメトロポリタン美術館の美術品を焼く中、抵抗を訴えるアンナを処刑しようとするもレイズナーを駆るエイジに阻止され鼻っ柱を折られる形となり発した言葉。誇りのために戦えるのが地球人だとエイジに告げられてなお、さらに支配の姿勢を燃え上がらせたことを窺わせる。
- スパロボでは分割されて被弾時の戦闘台詞に採用されている。
- 「鬼に聖女をくれてやる…ふっ、それも面白い」
- 第28話より。ジュリア抹殺を懇願するゴステロを「鬼」に例えての承諾の台詞。
- 「ハッハ…健気な!」
- 第30話でベイブルを奪還するべく、必死に迎撃システムを掻い潜るデビッドの奮闘振りを観戦して、彼を嘲笑う。
- なお、次回予告やOP中では「デビッドがゴステロに締め上げられる場面」「デビッドの名を絶叫するシモーヌ」に続いてこの台詞が出るため、全く違う印象を受ける(しかも本編中でのこれらの場面は順番が逆である)。
- ル・カイン「完璧なマシンにパイロットの訓練など必要ない。装備に2日かかると言うつもりか?」
Dr.ニゾン「な、ならばせめて2時間のご猶予を…!」
ル・カイン「1時間だ」 - 第36話でバックパック型V-MAXが運び込まれた際、「セッティングとパイロットの訓練には最低でも2日かかる」と報告したDr.ニゾンに無理難題を押し付けた。これには流石のニゾンも困惑し、パイロットを捨て駒にする事を前提にした作戦を実行せざるをえなくなり、マンジェロの死へと繋がってしまう。その後、ル・カインがその作戦を知った際にはニゾンから「2日は欲しいと言ったはず」と反論される体たらくであった。
- 「V-MAXはレイズナーの十八番ではないのだよ!」
- ザカールのV-MAXでレイズナーを圧倒した時の台詞。
- 「自分の息子には聞かせたくない秘密…いよいよもって知りたい!」
- 第37話、レイズナーを追い詰めた後、エイジに地球とグラドスの秘密を探ろうとするもののグレスコの命を受け、カルラの部隊からの襲撃を防いだ時に。
- 「カルラ、手出しをすれば…死ぬものと思え!!」
- 第37話ラスト、カルラに命令し、エイジを見逃したときの台詞。この後打ち切りにより次の最終回では時間が飛んでしまう。
- 「祈れ、祈るのだ! 私のために……祈ってくれ…!」
- OVAより。父グレスコの死後、優れた者による支配を目指すものの、父を討った悔恨とグラドスの創生の秘密を知ってしまった現実に押しつぶされたル・カインが父の墓前でジュリアに吐露した苦悩の台詞。
- 「この戦、先が見えた…ロアン・デミトリッヒ、後はお前に任せた。私は休んで果報を待つだけだ…」
「どうした?ロアン・デミトリッヒ、そこでは作戦の指揮は出来んぞ。指揮官の席はあそこだ」
「選ばれた者に戸惑いは不要だ。ただ私の期待に応えればよい…」 - ロアンに軍の指揮を命じた時の台詞。
- 「父を殺してまで守らんとした私の理想が…このような形で崩されようとはな…!」
「ロアン・デミトリッヒ、騙されていたとはいえ、貴様たちに儚き夢を託したのも事実…私が帰ってくるまでその命、預けておこう…!」
「ロアン・デミトリッヒ、私は帰ってくるぞ…必ず!」 - 最終話でグラドスの支配を覆され、エイジと決着をつける為にザカールで一人宇宙へ旅立とうとした際にロアンへ向けた台詞。
- 「私の夢…!私の理想…! 貴様如きに……血の穢れた貴様如きにっ!!」
- OVAより。刻印の中でジュリアを守ろうとするエイジと殴り合いになった際の台詞。
スパロボシリーズの名(迷)台詞
- 「果たしてそうかな?地球には三度目の正直という言葉があると聞くぞ」
- 『XO』第43話「歪む宇宙」にてJ9と対峙した際のセリフ。しかしキッドからは「二度ある事は三度ある」と返されてしまう。
- 「我が軍に不意打ちを仕掛けたのは貴様か! 無礼な口を叩いたことを後悔するがいい、この私の」
- 『J』第43話「Darkside of the Moon」より。傲慢なジュア=ムに対して啖呵をきろうとするも、その瞬間にラースエイレムを発動されてしまう。
- 「エイジよ!貴様に言った通り、私は帰ってきたぞ!」
- 『J』第49話「憎悪の果て」より。遺跡を作った先史文明人によって現代に送り返されて帰ってきた時に。原作でロアンに言った上述の名台詞が元なのだが、残念ながらガトーの二番煎じのギャグのようになってしまっている。
搭乗機体
余談
- モデルは塩沢氏が『レイズナー』と同時期に演じたアニメ『北斗の拳』の登場人物であるレイらしいが、立ち振る舞いなどはむしろ同作のシンを彷彿とさせる。
- その豊かな髪は実はカツラである(あるアニメ誌の記載に寄るが、公式かどうかは不明。なお劇中ではレジスタンスがル・カインの影武者からカツラを奪って見せるシーンがある)。
- 塩沢氏の生前に音声収録が行えたSRWと異なり、没後に製作された『サンライズ英雄譚』及び『Another Century's Episode』シリーズでは加瀬康之氏が代役を務めている。