イワーノ・ゲペルニッチ
イワーノ・ゲペルニッチ(Iwano Geperuniche)
プロトデビルンの一人であり、纏め役でもある。
バロータ星系第4惑星に赴いた新地球統合軍幕僚「イワーノ・ギュンター」の意思で、ゲペルニッチの意識を取り込み、イワーノの肉体を得た姿。イワーノ自身は「銀河の繁栄のため」にゲペルニッチを取り込んだが、ゲペルニッチの意識はイワーノ自身の意識を取り込んでしまった。よって性格や言動はイワーノそのものである。韻文的で抽象的な物言いをするため、ギギルなどは「わけがわからん」と理解に苦しんでいたが、他のプロトデビルンは基本的に意図するところが分かっていたようである。
様々な超能力を駆使して、熱気バサラに首輪を付けて声が出ないようにしたり、シビルの念力をも押し返す能力を見せた。これがゲペルニッチ本体の能力なのか、イワーノの肉体を得たことによるものなのかは不明。
かつてプロトカルチャーのスピリチアを吸収して、プロトカルチャーを滅ぼしたが、スピリチアの供給源を絶たれ、そこを複数のアニマスピリチアによってバロータ第4惑星に封印された。
その反省を受けてスピリチアの安定的確保を望んでおり、アニマスピリチアこと熱気バサラの力を用いた「スピリチアパラダイス」を思いつく。その実現のためにマクロス5船団の住人を拘束し、熱気バサラの歌によりスピリチアを回復させ、それを吸収装置で吸い上げる……というスピリチアの無限供給装置を完成。目的は達成されたかに思われた。
しかし、ゲペルニッチから離反したプロトデビルンのシビルがバサラのアニマスピリチアを得て放った攻撃で、ゲペルニッチの本体が覚醒。更にマクロス7のサウンドバスターの影響でゲペルニッチ本体が暴走し、全銀河のスピリチアを無尽蔵に吸い尽くす、スピリチアブラックホールと呼ぶべき存在と化してしまう。
しかし最終的には、熱気バサラとシビルの歌う「TRY AGAIN」の影響で、自らも歌を歌うことでスピリチアを自己供給できることに気付く。彼はそれを「スピリチアクリエイション」と称し、歌により自らの内から沸き出でるスピリチアの奔流こそ「スピリチアパラダイス」である、といたく感動。新たな感動を求め、生き残りのプロトデビルンであるシビル、ガビルと共に銀河の何処かへと旅立っていった。その時の姿は人間体のイワーノをベースに服装をモデルチェンジした姿である。
井上瑤氏のゲペルニッチの演技は、正にはまり役で、男とも女とも区別の付かない演技であった。
登場作品と役柄
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 声優の井上瑤氏が亡くなられたため、早間京子氏が代役に(一時期、高山みなみ氏がゲペルニッチ役を担当する噂が広まったが、彼女はルアフ・ガンエデン役を担当している)。はまり役だった井上氏に代わるゲペルニッチ役としてはファンの間に不安もあったが、概ねイメージを損なわない演技を見せてくれた。今回も原作通りの行動をとるが、何故かアポカリュプシスのことを知っており、銀河の崩壊前にスピリチアの安定供給を達成しようとした。最後はαナンバーズと和解し、協力関係となる。宇宙怪獣との決戦やケイサル・エフェスとの最終決戦ではαナンバーズの援軍にかつては敵だったが和解したほかの元敵とともに駆けつけた。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦D
- ほぼ原作通りの行動を取り、スピリチアの安定供給のため画策する。最終局面ではファブラ・フォレース破壊の為にブルー・スウェアに協力を申し出たが、万一失敗したときは保険として地球ごと破壊する、という取り決めを結ぶ。しかし、地球を破壊するとしたら一体どんな方法だったのだろうか。
ユニットとしては、最大射程10かつHP15万でHP回復を持つ。パイロットとしては底力レベル9でプロトデビルンを持つ。HP50%以下になるとド根性を使い、一度倒されても復活する。シビルを仲間にすれば、二度目は倒さなくてもよい。歌以外の攻撃のダメージを半減するプロトデビルンの能力があるので、ズール皇帝と並んでラスボスより強いボスである。
人間関係
- ギギル
- プロトデビルンの一人。原作ではゲペルニッチと同時期に目覚めた。しかし反りが合わず、後にシビルのために行動することがゲペルニッチの反感を生む。
- シビル
- プロトデビルンの一人。アニマスピリチアこと熱気バサラとの行動に不快感を覚え、ゲペルニッチは彼女を拘束。しかし最終的には彼女とバサラの歌がゲペルニッチを救うこととなる。
- ガビル
- プロトデビルンの一人。ゲペルニッチの忠実な部下として、マクロス7船団を襲撃する。
- グラビル
- プロトデビルンの一人。本人はどう思っているかは分からないが、ガビルに付いていっている。
- バルゴ
- プロトデビルンの一人。ゲペルニッチには忠実。
- ゾムド
- プロトデビルンの一人。ゲペルニッチには忠実。
- ゴラム
- プロトデビルンの一人。ゲペルニッチには忠実。
- 熱気バサラ
- 求めていたアニマスピリチア。彼の歌で、自ら歌に目覚める。
- イリーナ・早川
- イワーノ時代の部下。彼こそがイワーノ・ギュンター参謀にゲペルニッチが取り付かれた様を見たのである。イリーナはショックによりこの様は思い出せずにトラウマとして残されている。ビデオ・DVDの映像特典で確認できる。
他作品との人間関係
- リン・ミンメイ
- 第3次αでは彼女を捕らえ、スピリチアの供給の為に彼女に歌わせていた。
- 早瀬未沙
- ミンメイと共に拉致し、情報収集用のサンプルとして活用する。特に洗脳などの措置は行っておらず、自我意識も保たれていた。
- ペルフェクティオ
- 流石のゲペルニッチもその存在を恐れており、ペルフェクティオの「こちら側の宇宙」への現出を食い止めようとするブルー・スウェアに協力する。
名台詞
- 「スピリチアドリーム」
- よく、口に出す。
- 「これぞ、スピリチアパラダイス!」
- 人間達らのことをこう呼んでいる。
- 「天音いく時の雫に身を任せる…」
- イワーノの言動であり、時間の摂理に任せるという意味である。
- 「イワーノ・ギュンター……ギュンター参謀か」
- イリーナ・早川からイワーノと言及され、一人喋る。この場面を見る限り、イワーノとゲペルニッチの意思が共有されると見て取れるが…。
- 「…これは我が歌にも無の暗黒より生まれ出ずる清水のごときスピリチアの奔流…」
「これぞまごうことなき約束のスピリチアクリエーション!」 - バサラとシビルの歌声を聴き、ついに感化してゲペルニッチも歌を口にする。そして、歌うことで自らスピリチアを発生させ、悲願であるスピリチアを自己で生み出すことになった。
スパロボシリーズの名台詞
- 「……本来あれは、知性も意思も持たぬ。ただ負の波動を受け、永劫の時の流れの中に、存在し続けるだけのものだ」
「恐らく、この宇宙で最初に取り込んだ知性体をもとに、疑似的に構築された意識があるのだろう。負の波動を受ける事、破滅への意志、そして完全な侵入、それのみを望む意志を持つ存在として」 - D35話「クライシス・ポイント」IMにおけるペルフェクティオについての推論。
- 「戦士たちよ…よく帰ってきた…」
「お前達のスピリチアの輝きは運命さえも打ち破った」 - 第3次αEDで地球へ凱旋したαナンバーズを出迎えた際に贈った賛辞。
- 「ゲペルニッチだ」
- 上述の賛辞の後、いつもの如く「ゲペ何とか野郎」と言いかけたバサラの思考を先読みし、自分の名前を明確に誇示する。
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