リチャード・クルーガー

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リチャード・クルーガー(Richard Cluguar)

スーパーロボット大戦UXのメインキャラクターの一人。傭兵部隊UXことアンノウン・エクストライカーズの隊長を務める。

豪快かつ冷静、加えて少々お調子者な性格の男性。一人娘・サヤと共にUXとして世界各地を転戦して回っている。謎の人型機動兵器・オルフェスを駆り、傭兵としての戦闘力は一級品。また戦略眼や洞察力も人並み外れており、前線指揮官も兼任するほど。当人は己を「カネで人の命を売り買いするろくでなし」と自称するが、その裏には長きにわたる戦歴で培った確固たる信念が息づいている。その生き様はアーニーに多大な影響を与え、彼が己の路を見出す大きなきっかけのひとつとなった。

謎に包まれたその素性は、200年前に存在した粒子加速炉搭載機のテストパイロット。当時奇械島ノーヴル・ディランと共に粒子加速炉とオデュサイトの実験に携わっていたリチャードは、加速し続ける「意志」によって起きた暴走事故に巻き込まれ、ノーヴル共々未来へと飛ばされてしまう。そこで地獄……即ち人類絶滅の光景を見た彼は、それを覆すべく今度は現代、つまり作中の舞台となる時代へ転移。ノーヴルの造り出したエルプスユンデ・サヤを娘として伴い、その地獄を回避すべく戦い続けていた。

だが、後に明かされた事実では、過去に関する事例がミスリードだったことが判明。実際の素性は上記のものとは多少違う。

本作に登場したリチャードは、未来へ飛ばされたのは確かなのだが、その後サヤを伴って飛んだのは現代ではなく、宇宙の死と新生を超えた次の世界の、暴走事故から数えて200年後に当たる時代だったのである。つまり、リチャードは過去は過去でも前の宇宙の人間であり、サヤが言及した「200年前に事故に巻き込まれたリチャード」は、物語開始の時点で既に未来世界へと跳んでおり、登場しない(さらに言えばそのリチャードは、彼女の知る「少佐」とは違う)。

ともあれ作中の時代に転移したリチャードだが、オルフェスの空間跳躍を使い過ぎた影響と、時間転移の反動によりその肉体は徐々に蝕まれていた。奇械島での重力炉停止作戦にて、動けない母艦を守るためにヘル・ストリンガーの応用で無理やり出撃したのが原因で限界を迎え、ついにパイロットを退かざるを得ない事態まで悪化してしまう。機動兵器に乗れなくなった後はオルフェスをアーニーに託し、自身は戦術指揮官としてUXに引き続き参加。その中で、未来を覆すため、あえて己の運命に従うことを選択。しかし、肉体はとうとう限界を迎え、第二次重力炉停止作戦にて余命半年を宣告されてしまう。死期を悟ったリチャードはアイアンカイザーライオットBで抱え込み、アーニーに撃墜させる形で対消滅した。

……と、ここまでなら世界の運命に抗い続けた一人の男、と言えるのだが、リチャードを語るうえで外せないものがある。それは、壊滅的な演技の下手さ無茶苦茶な服飾のセンスである。サヤ共々芝居を打つのが異様に下手であり、はっきり言って大根役者レベル。初対面の大十字九郎でさえ「何かおかしい」と違和感を覚えており、これを真に受けたのはアーニーただ一人であった(そのアーニーですら、初対面で落語家としてリチャード達が現れた際は本気で困惑している)。さらに服飾のセンスは完全に趣味丸出しであり、主な被害者はサヤ。劇中ではフロンティア船団に潜入するのにどこかの女スパイのような格好をさせたり、2部中盤で海に行った際にはスクール水着を用意しているなど、おかしいというか、もはやどこからツッコむべきかわからないセンスの持ち主である(ただしこれについてはサヤの気をほぐすためにわざとやっている可能性もある)。

第51話にてナイア九郎に見せた夢ではサヤ共々売れっ子落語家として登場している。

登場作品と役柄

スーパーロボット大戦UX
プロローグでアーニーに先駆けて登場。PVにジンが登場するまでは「裏切るんじゃないか?」と予想されていた。
顔グラフィックの落差が激しく、戦闘中のドスの効いたものと、調子に乗った時のニヤけたものがその最たるもの。「未来」を知る者、という共通点で石神とよく関わる。
11話で前線を退き、戦術指揮官に転身する。本人は31話で永久離脱となるが、戦術指揮はアーニーが引き継ぐため戦略を組み直す必要はない。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

回避は低いがその他は高水準のスーパー系。技量・格闘が突出しており、オルフェスのパイロットとしてはなかなか。

精神コマンド

不屈 必中 鉄壁 気迫 熱血
絵にかいたようなスーパー系のテンプレート。オルフェスにぴったりのコマンドばかりで、それだけに離脱が惜しい。まあ、2周目以降なら精神エディットが出来るため、これを手本にアーニーのコマンドを組むのも手。

特殊スキル

底力L4 援護攻撃L1 援護防御L1 見切り 全体攻撃L1 指揮官L1
いきなりの豪華な構成で「見切り」まで所持。

戦術指揮

スペック低下無効 EN、MP10%回復

人間関係

サヤ・クルーガー
娘。UXとして活動する際は部下として振舞っている。リチャードのおかしな服飾センスの被害者であるが、当人も慣れて来てしまい、頭でわかっていても違和感がなくなっている模様。
アニエス・ベルジュ
後継者。ある偶然から彼と関わり、後に世界の命運を託すことに。天然ボケな性格のため、リチャードの打った芝居を頭から信じ込んで全く疑っていなかった。
ノーヴル・ディラン
盟友。

版権作品との人間関係

カガリ・ユラ・アスハ
彼女のオーダーを受けて竜宮島へ出撃したことから物語が始まる。
石神邦生
「未来」を知る者として関わりを持っている。彼自身はリチャードが前の宇宙から来た、という事実をかなり早い段階から知っていたが、ヒトマキナへの対抗策完成を重視し、「事象」の変化を懸念して黙っていた。
ロミナ・ラドリオエルシャンククルー
4話で彼らの援護に駆けつける。
ジョセフ・カーター・ジョーンズ
ヒーローマンを操る彼の動向を窺っていた。また、事あるごとに彼に「ジョジョ」ネタを吹っかける。
海動剣真上遼
彼らの代わりにアイアンカイザーの道連れとなる。彼らからも好感を持たれており、その死を悼まれた。
原作では彼らは道連れになりながらも普通に生還しているので、見ようによっては無駄死になったとも言われるが、作中でリチャードはこの時点余命半年と宣告されるまでに肉体がボロボロになったのと(しかもこの時代での医学では治すことは不可能)、「あえて運命に殉じた」という理由付けも考慮する。

名台詞

「さてと、仕事といきますか」
「狙った獲物は逃さないぜ!」
「悪いな、こっちも仕事なんでね!」
開始時の汎用台詞。ちなみにこれら「仕事人」風の台詞は、後にアーニーがそのまま引き継ぐ。
「俺の顔、よーく覚えとけよ!」
「どうせまた会うんだ。地獄の底でな……」
ラスト・テスタメントの〆。
「聞け! 地獄の轟きをォッ!!」
ヘル・ストリンガー使用時。
「いずれは我が身、か……」
そして〆。ちなみにプロローグと2話のイベント戦闘でしか見られない貴重な台詞なので、飛ばさないように。
「正義の味方を気取るつもりはないが、弱者の涙を黙って見ていられるほど無神経でもない……なんつって!」
「エンカウンター」にて、「連邦軍の前で出撃すると後が面倒」と再考を促すサヤへの返し。リチャード・クルーガーとはつまりこういう人物なのである。
「へぇ。汎用機のクセに粒子加速炉搭載とは、時代が変わったかねぇ」
同ステージ、ジンかアーニーが行動するとこの台詞が。
「もちろん、俺達は今もカネで人の命を売り買いするろくでなしだ」
「ただ、そのろくでなしにも背負うモノはある。その背負うモノと信念に照らし合わせて、命に値段をつけるんだ。安くはないぜ?」
27話のIMにて、ギャラクシー船団救出を依頼して来たシェリルに対して。自ら「ろくでなし」と称するリチャードではあるが、それがゆえに彼は命の重みと意味を誰よりも知っている。だからこそ、彼らUXの依頼料は半端ではない。それは即ち、命の重さそのものなのだから。
「おっと、そいつは俺の役目だ!」
31話の第二次重力炉阻止作戦にて、ウイングクロスしたマジンカイザーSKLが重力炉もろともアイアンカイザーを破壊しようとしたその時、通信越しで彼らを呼び止め、長らく使われることのなかったライオットBで出撃した。
そしてリチャードはライオットBの動力炉である陽子ジェネレータならばアイアンカイザーや重力炉を対消滅できると告げたが、それはリチャードが死ぬことを意味していた…。これには海動真上も少なからず動揺するが…。
「お前さんたちには、まだまだこれからやるべきことがあるだろう?」
「こっちはどうせ、くたばりかけのろくでなしだ。 死に場所ぐらい、自分で決めさせてくれや」
リチャードは彼らをこの台詞で諭した。今までの戦いにより、死にかけの肉体となってしまったリチャード。
ならばやるべきことは一つ、重力炉を対消滅させる役割は「まだ戦うことができる」彼らではなく、「もう戦うことができない」自分が引き受ける――ただそれだけだった。自分の運命にけじめを…そして世界を救うべく、サヤに自分を撃つように命令するが…。
「フ、フフ…ありがとよ、少尉…」
感情が芽生えてきたサヤは彼を撃つ事が出来なかった。アーニーは「例え任務でも、子供が親を撃つなんてあってはならない」と見かね、慟哭したサヤの代わりに介錯することにした。彼に「志を受け継ぐ」と言われたリチャードは不器用ながらも感謝の言葉を述べた。そして…。
「娘と、未来を頼んだぜ…」
「さよならだ、サヤ…」
オルフェスの一撃はライオットBを貫き、アイアンカイザーや重力炉を対消滅に巻き込めることに成功した。
死の間際にアーニーに娘であるサヤと世界の未来を託し、たった一人の娘に別れを告げた…。

迷台詞

「ジョセフ・カーター・ジョーンズ君… ということはもちろん、愛称は『ジョジョ』でしょネー!」
ジョーイジョセフ・カーター・ジョーンズ)との初対面時にて。とうとう言ってしまったジョジョネタ。なお、ジョジョ第2部の主人公の名前が「ジョセフ」である。
ちなみに小杉氏はジョジョ第3部「スターダストクルセイダース」のOVA版にて主人公でジョセフの孫の空条承太郎を演じていたため声優ネタの側面も含まれている。
「Oh! なんてお優しい! まるでエンジェル! きっと天使王様の化身に違いない!」
ライカの教会に保護された際にライカを評して。ジョジョネタに続き、アニメ版だというのにライカの「正体」を暗喩する発言をいきなり飛ばしてのける。以降にも正体関連のネタが時々あることも鑑みると、メタ発言でなく本当に知っている上で言っている可能性は十分にある。
「ったく……次から次へとタマんないねぇ。とはいえ、放っておくわけにもいかないか」
「エンカウンター」にて、タマの頑強さに手こずるアーニー達を見て。さりげなくダジャレを引っかけているのがミソ。
「ミーは、落語家で牧師の極楽亭リチャードと言う者でゲス。そしてこちらが弟子のサヤ」
JUDAの医務室で目覚めたアーニーに対して、自己紹介。これがきっかけで、アーニーは2人が落語家だと長い間信じ込んでしまう。なお、この落語家と言う設定は石神も桐山相手に使っている。
「うーむ、我ながら今回も完璧なお芝居だったな」
強引にアーニーを押し出した後で、自分の演技に対して。自画自賛と言うレベルではない。
「グーテンモーニング、ムッシュ十文字。アンド、ジョースター君」
「再会のジョークみたいなものさ。なあ、ジョナサン」
第1部中盤のアメリカルートにてジョーイたちと再会しての一幕(十文字は九郎のこと)。ここまで露骨なネタも珍しい気がしないでもない。
ちなみにジョナサンはジョジョ第1部の主人公でジョセフの祖父。
「ども~、落語家で牧師の極楽亭リチャードという者でゲス。そしてこちらは、弟子のサヤ」
中断メッセージでの一幕。声付きの演技口調が聴ける貴重な台詞であり、小杉氏のかなり砕けた演技も相まって必聴。
「なにかね、少尉。せっかく和ませてやろうって時に」
上記の台詞の後、アーニーに「ちょっと待ってください!」と止められた際に。ここで、一気に元の口調に戻る。落差が激しすぎて「声優って凄い…」と感嘆したプレイヤーも多いはず。