ビルトビルガー
PTX-015R / L ビルトビルガー(Wild Wuerger)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 分類:試作型パーソナルトルーパー(ATX計画)
- 形式番号:PTX-015R / L
- 全高:20.6m
- 重量:56.9t
- フレーム:G2フレーム
- 動力:核融合炉(αシリーズ)
- 空中浮揚機関:テスラ・ドライブ
- 基本OS:TC-OS
- 開発:マオ・インダストリー社
- 開発者:マリオン・ラドム,カーク・ハミル
- 主なパイロット:アラド・バランガ
- メカニックデザイン:カトキハジメ
- ドイツ語表記では「Wilder Wuerger」
概要
『第2次スーパーロボット大戦α』で、リアル系男性主人公アラド・バランガの後期ユニットとして初登場した。OGシリーズでは『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2』から登場。
マオ社の最新パーソナルトルーパーで、マリオン・ラドム博士とカーク・ハミル博士が共同開発した近接格闘用の機種。遠距離砲撃用の僚機ビルトファルケンとの同時運用を前提に設計された。OGシリーズでは、PTX-003Cアルトアイゼンのコンセプトを受け継いで開発されたATX計画の新型機とされており、武装はアラドの操縦を前提に考案された。
ヒュッケバインシリーズのようなEOTは使用されておらず、ゲシュペンストMk-IIや量産型ヒュッケバインMk-IIと同じG2フレームを使用している為、高い信頼性を持つ。頭部は一見量産機のようなカメラアイだが、実際は量産型ゲシュペンストMk-IIの物を改良したものであり、バイザーの下にツインアイを有している。テスラ・ドライブの搭載により単独飛行が可能で、更に重装甲化の為、外部装甲のジャケット・アーマーを装着している。
通常はジャケット・アーマーを装着したまま戦闘を行うが、これをパージすると収納されているウィングを展開し、高機動形態に移行できる。同形態では、テスラ・ドライブをフルドライブさせる事でウィングにエネルギーフィールドを発生させ、これを高速で相手にぶつけ切り裂く「ビクティム・ビーク」が使用できる。また、対となるPTX-016Rビルトファルケンとのコンビネーションアタック「ツイン・バード・ストライク(パターンTBS)」では、ビルトファルケンと動きを合わせる為、高機動形態へ移行する。
基本武装は実体系で統一されている。最も特徴的な大鋏『スタッグビートル・クラッシャー』は、アルトアイゼンの杭や角に並ぶ非常識な武器で、戦艦すら挟んで切断するデタラメな攻撃方法が非常に印象的。本機の外見的なイメージも決定づけており、兄弟機のアルトアイゼンを赤いカブトムシとするなら、ビルトビルガーは青いクワガタムシである。
優れた運動性と強固な装甲を両立させ、火力も高い優秀な機体ではあるが、ラドム博士の開発機らしいピーキーな操縦性、基本武装の汎用性の低さ、開発コストの高さなど、ATX計画本来の目的であった「汎用性の高い量産機」となるには依然として課題が多い。
第2次αでもOG2でも、アラドが使用した青色のPTX-015R(タイプR)と、赤色のPTX-015L(タイプL)の2機がロールアウトされているが、PTX-015LはOG2でしか登場していない。この他、プラモやプライズ景品などの立体物でのみ緑色の森林迷彩バージョンが登場している。
ビルトビルガー・タイプL
形式番号は『PTX-015L』。ビルトファルケン・タイプL(PTX-016L)と対になる、赤いビルガー。本来は『パターンTBS(=ツインバード・ストライク)』も実装されたのかもしれないが、PTX-016Lが破壊されてしまった為、詳細は不明。
PTX-015Rとの最大の違いは、『ツインバード・ストライク』が使えない代わりに、特殊武器である『スタンショック』を搭載している点である。本武装は装弾数こそ1発しかないが、『1ターンの間、敵を行動不能にする』という特殊効果を持ち、精神コマンド『直撃』を持つパイロットとの相性が抜群である。このスタンショックはあまりにも有用で強力すぎるため、ゲームを楽しめなくなるという理由で、あえて封印するプレイヤーも存在する。
初登場時のデフォルトのパイロットはマイだが、上記のスタンショックを活かすため『直撃』持ちのパイロットを乗せるプレイヤーが多いだろう。初出であるGBA版『OG2』ではライ、レーツェル、レオナの三名が該当するが、前二名は合体や合体攻撃を持つ専用機を持つため、必然的にレオナが選ばれることが多いだろう。彼女は射撃型の能力値であるため他の武装との相性は悪いが、スタンショックはそれを補って余りある性能を持つ。リメイク版となる『OGS』以降は、格闘に優れたカイが直撃を覚えるようになった為、レオナと並んで有力候補となった。 念動力による回避能力の高さや、エースボーナスの『命中率・回避率+10%』、射撃値の高さ、性格が『冷静』である点を考慮すると、敵陣に放り込んで囮として運用する場合、レオナに分がある。一方、格闘値の高さや、ツイン精神コマンド『魂』の存在により、攻撃力という点ではカイに分がある。プレイヤーの目的に応じて、パイロットを選ぶと良い。
登場作品と操縦者
どの作品でも、タイプRはアラド・バランガ機として登場。OGシリーズでは、条件を満たすとタイプLも入手可能。OGシリーズでのみ汎用機扱いとなっており、タイプRとL両方で乗り換え可能。
αシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦α
- 初登場作品。リアル系男性主人公アラド・バランガ専用の後期ユニット。アラドが精神コマンド魂を持つので、ビルトファルケンとの合体攻撃による一撃の攻撃力はダイゼンガーより上。しかし、全体攻撃が無いので雑魚戦には不向き。
- ちなみに主役4人の後継機のうち、本機のみ発売前にデザインが公表されていた。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- クォヴレー・ゴードンルート限定で登場。同ルートは第2次αのアラドEDを引き継いでいるので、初期はアラド共々行方不明になっているが、早々に復帰する。アラド・バランガ専用機。アラドが魂を持たなくなったので、前作と比べて破壊力は下がったが、合体攻撃の必要気力が下がったため、使い勝手は上がった。空が飛べて移動力が高くコストもそれなりで、アラドが加速を持つので、小隊員としては有用。合体攻撃も健在なので対ボス戦の小隊長を任せる事も可能だが、相変わらず全体攻撃が無い。
OGシリーズ
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
- αシリーズの流れに沿った形でタイプRが登場。デフォルトパイロットはアラド・バランガ。乗せ換え可能だが、合体攻撃の存在がある為、他のパイロットを乗せる理由は皆無。…一応、相方のビルトファルケンの加入が遅いのでそれまでは乗せ換え運用もありだが。
- 隠し条件を満たすとタイプLを入手可能。デフォルトパイロットはマイ・コバヤシ。こちらは合体攻撃を使用できない代わりにスタンショックがある為、必中と直撃を持つレオナ・ガーシュタインを乗せると良い。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS
- 耐久性を除く基本性能は兄弟機であるアルトアイゼン・リーゼより上。さすがに再設計機。タイプR、タイプL共に地形適応が変わった以外はOG2に準拠。カイ・キタムラの精神コマンドが変更されタイプL向きになったため、選択肢が増えた。OG2.5では、数少ないバリア貫通武器を持つユニットとして重宝する。
- スーパーロボット大戦OG外伝
- 今回もアルトアイゼン・リーゼより上。ビルトファルケンと共に参入が早いが、自軍に編入されるユニットに強力なものが多く、イベント戦闘で出番が少ない為、活躍させるかどうかは好みによる。今回も合体攻撃による援護攻撃という点では使いやすいのだが、同傾向のフェアリオンとの出撃枠の取り合いが問題。なおタイプLが無条件で入手可能になった。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- テスラ・ドライブに不調でも起こったのか、空適応がBになった(そのせいか、パターンTBSのトドメ演出では墜ちかけている)。ビルトファルケンとの合体攻撃は有用だがコンビでは一緒に進軍させ辛い。他の機体とコンビを組むかA-アダプターを装備させるのがおすすめ。なお、スタン系の特殊効果が排除された影響か、タイプLが登場しない。
装備・機能
高い運動性と装甲を併せ持つ高性能機。ただし、HPは標準サイズのPTらしい値に落ち着いている。改造や強化パーツ次第では、アラドの援護防御も役に立つ。OGシリーズでは換装武器を装備可能なので、ビーム兵器や全体攻撃武器も搭載できる。
武装・必殺武器
固定武器
- 3連ガトリング砲
- 左腕に装備された射撃武器。ユニット化されており着脱が容易。「コールドメタルソード」のホルダーでもある。ちなみにこの武器は「銃身を三つ束ねたガトリング」ではなく、「ガトリング砲が三つ束ねてある」武器である。前者だと単装ガトリングになってしまう。
- コールドメタルソード
- 左腕のガトリングユニットに装着された実体剣。R-1の例を考えるとゾル・オリハルコニウム製であると考えるのが妥当だが、特に明言されていない。
- スタッグビートル・クラッシャー
- 右腕に装備された大鋏で敵を挟み込み、そのまま切断する。αシリーズでは挟み込み、持ち上げて砕く。OGシリーズでは演出が大幅に強化され、地面に叩きつけて激しく引きずり、ギリギリと締め上げたあげく砕き千切る。そのカットインはまるでジーグブリーカーの如き。タイプRの合体攻撃の威力に影響する重要武器。OGs以後、バリア貫通属性が追加された。リュウセイ・ダテやタスク・シングウジを乗せた時の馬鹿げたセリフは必聴もの。ちなみに初出の『第2次α』では、何がどういうわけか6発限定の弾数制。αシリーズでは「試作機」のコンセプトを受け継いだらしいが、この機体以前の武器で、6発限定の右腕格闘武器と言えば……?
- ビクティム・ビーク
- ジャケット・アーマーをパージし、両翼にエネルギーを帯びて敵機を切り裂く、本機の単独での最強技。なおパージは演出のみで、攻撃後は元のアーマー装着状態に戻っており、使用のたびにパージしまくる。アニメ『OGIN』ではさすがに描写に無理があるのか、パージ後は整備されるまで軽装状態のまま戦い続けた。
- スタンショック
- PTX-015Lにのみ装備された特殊武器。敵を行動不能にする特殊効果がある。対ボス戦で必中、直撃をかけて使用する事で、大幅に難易度が下がる。弾数は一発限り。固定武装なので取り外しはできない。
換装武器
- M90アサルトマシンガン
- メインの射撃武器。OGシリーズでは換装武器扱いだが、PTX-015Lは固定武装として使用。改造費は取り外しできない後者の方が安価。アンダーバレルにAPTGM(対PT誘導ミサイル)を1発装備。
合体攻撃
- ツイン・バード・ストライク
- ゼオラ・シュバイツァーの搭乗するビルトファルケンとの合体攻撃。両機の加速力で敵機を翻弄しながら連続攻撃を加えて、とどめにビクティム・ビークで切り裂く。『パターンTBS』と呼ばれるコンビネーション攻撃で、本機とビルトファルケンは最初からこれの活用を前提としている。OGシリーズでは、ビルトビルガー・タイプRにアラド・バランガを乗せないと使用できない。タイプLは使用不可。ちなみに、掛け声の「アインス! ツヴァイ! ドライ!」は、実は『第3次α』のみゼオラが先に叫ぶ(最初の牽制射撃の部分が「アインス」か否か、ということ)。
- αシリーズ・OG2:ファルケンが牽制→ビルガーがクラッシャーで捕獲した敵をファルケンが射撃→ビルガーが吹き飛ばしてファルケンが追撃→ビクティム・ビークの重ね撃ちで〆、という流れ。
- OGS・OG外伝:PS2リメイクからアニメーションを一新。初弾はアラドの突撃。大きく体勢を崩した敵機に肉迫したゼオラが零距離射撃となる2撃目を叩き込んだ後、アラドのいる方向へ蹴り飛ばす。三撃目となる大鋏の斬り返しを決めたアラドはそのまま「ビクティムビーク」に移行。愛機の「ブレイクフィールド」を展開したゼオラと交差。2機の間に挟み込んだ対象を、鋏で断ち切るように引き裂く。
- OG2nd:アニメーションがリニューアルされ、敵が爆発した時の爆炎が地味にハートの形になっている。また、トドメ演出で、テスラ・ドライブをエンストさせて墜落しかけたビルガーを救いにファルケンが急遽駆けつけ、脚を掴んで離脱。淡々と連携攻撃を決めていく二人の猛々しい雰囲気を一変とさせる微笑ましさが満ちている。
- ビルビルスタッグトルネード
- OGクロニクルのみ。機体のデータを反映して変化するアインストを撃破する際に放ったアンジュルグとの即席合体攻撃。「イリュージョン・アロー」と「ビクティム・ビーク」の合わせ技で、ネーミングは当然アラド。
特殊能力
- 剣装備
- 「コールドメタルソード」で切り払いを発動する。OGシリーズでは切り払い自体が登場しない為、不採用。
移動タイプ
サイズ
- M
カスタムボーナス
- 運動性、装甲+15%
- GBA版OG2以後のOGシリーズで選択可能な固有ボーナス。防御面に磨きがかかる。
機体BGM
- 「Ace Attacker Ver.W」
- OGシリーズでのメインBGM。ヒュッケバインMk-IIIのテーマ『Ace Attacker』のアレンジ。
- 「WILD FLUG」
- 第2次α、第3次αのデフォルトBGM。OGシリーズではOGS以後採用。機体名と同様にドイツ語で「ビルトフルーク」と読む。直訳すると「野生の飛翔」。なお、OGS以降ではツインバード・ストライク使用時の専用BGMなっている。
関連機体
- ビルトファルケン
- 僚機となる射撃・長距離砲戦用の高機動型パーソナルトルーパー。ヴァイスリッターのコンセプトを受け継ぐ。こちらはヒュッケバイン系のHフレームを採用している。
- アルトアイゼン
- 極端な設計の強行型機体。OGシリーズでは、ビルトビルガーは本機の「重装甲・高火力・高突進力」というコンセプトを、現在のより進歩した技術で再現するという提案から誕生した。
- アルブレード
- OGシリーズでアラド・バランガが一時的に搭乗したことがある。本機のブレード・トンファーの運用データを元に、ビルトビルガーへコールドメタルソードが装備されることとなった。
- アルブレード・カスタム
- ジャケット・アーマーの構想を取り入れたワンオフの機体。
余談
- 一度雑誌に「動力源がトロニウムエンジン」と掲載された事があるが、寺田プロデューサー自らミスであると謝罪した。
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