ルド・グロリア
ルド・グロリア(Ludo Gloria)
『スーパーロボット大戦L』のラスボス。高蓋然性世界の統合政府の大統領であり、「こちら側の地球」では大企業「GreAT」の創始者として知られる男。
大統領という地位のためか、尊大な態度の自信家だが、星間戦争で荒廃し、資源が枯渇しはじめた高蓋然性世界側の地球を救うべく、不断の努力をして大統領の地位まで登りつめた努力家でもある。若い頃は理想を実現すべく、仲間達と共に歩んでいたが、やがて仲間達を捨て、別れていく事になり、一人で政治の世界をくぐり抜けてきた。
必要とあらば自らナノマシン実験の被検体になり、ナノマシン処理を自らの身体に施したり、危険が伴うであろうセントラルとの交渉にも体を張って赴くなど、色々と無茶もしており、かなりの叩き上げタイプの人物で、苦労人である。こうした無茶も才能ある者の努めと信じて生きてきたが、そんな自身の苦労も知らず、ただ安寧を貪るだけの民衆に絶望し、徐々に権力欲と支配欲に侵されていった。なお、前述のナノマシン処理の影響で、既に実年齢は50歳を越えているにも関わらず、若々しい外見を保っており、30代程度に見える。
月面における最終決戦において、セントラルとの決戦用に建造していた機動要塞ガルトデウスに搭乗し、「こちら側の地球」における最後にして最大の障害であるLOTUSを葬るべく、戦いを挑んでくる。最初は自身の才能と、ガルトデウスの圧倒的な性能に胡座をかいていたが、LOTUSの絆の力の前に徐々に冷静さを欠きだし、最終的にはガルトデウスを破壊され敗北。敗れた後、一鷹の言葉を受けて理想に燃えていた若かりし頃の自分と、それを支えてくれた仲間たちとの絆の大切さを思い出しながら散った。
背景設定もあって、版権作品においては『鉄のラインバレル』との関わりが多く見られた(特に加藤機関)。他にも『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するSEEDを持つ者達や、『マジンカイザー』の存在を注視している様子が見られた。また多くの版権作品の人物名を知っているなど、比較的多くの版権作品との対話や関係性を持つ。しかし、後述する登場の遅さや人間関係の薄さ故に「影が薄い」「ポッと出」などの評価を拭いきれていない部分がある。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦L
- 前述のとおり、本作品のラスボスなのだが、正体を現すのが最終話の1話前という、シリーズ中でも異例の遅さ(もっとも遅いのは第3次αのケイサル・エフェスとUXのカリ・ユガ)。そのためか、元々影が薄い本作のバンプレストオリジナルキャラの中でも、殊更影が薄い印象がある(顔を隠しての登場は序盤から行われていた)。
- とはいえ、パイロットの能力は全敵パイロットの中でもトップクラスであり、乗機ガルトデウスの性能もあって、ストーリー中での影は薄いが敵としては弱くはない。避けない上に「特殊効果無効」が無いこともあり、ツバキヒメのクビキリなどで装甲値を落としてから集中攻撃をかけると、意外とあっさりと落ちてくれる事もあるが、落としきれずにEPを迎えた場合の反撃はとても痛い。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
さすがにラスボスだけあって全てのステータスが飛びぬけて高い。特殊スキルの多さも特筆もので、2回行動もしてくる。
特殊技能
- カウンター 気力限界突破 ガード 2回行動 指揮L4 底力L9 援護攻撃L3 アタックコンボL3
- 今までの敵が持っていた能力をほぼ全て兼ね備えていると言える内容。だが、援護攻撃や指揮を持つのに、MAPではガルトデウスの近くには同軍ユニットが配置されていないため、役に立たない。
- そのくせ指揮の及ばない遠距離には凄まじい数の配置があるのは、利用する味方はいても絆を持つ味方を作らずに一人で戦ってきた彼を表しているのだろうか。
パイロットBGM
- 「偉大なる玉座」
- 専用曲。
人間関係
敵か(利用する、される)味方か程度の関係のみで、所謂「絆」などは一切感じられない。求めるだけの民衆に辟易し、絆を持つ事に疲れ、捨て、利用する関係だけを選んで生きてきた彼は、絆を中心とするLOTUSは対極にある人物と言える。
- クラール・グライフ
- 彼の技術力に着目し、資金と資材を提供していたが、ふとした事がきっかけで関係が決裂してしまったらしく、遂には誘拐という強硬手段をとり、彼の技術力を利用する。
- 悠凪・グライフ、南雲一鷹
- 彼らにとって、グロリアは祖父(恩人)であるグライフを誘拐したGreATの黒幕。
- HL-1
- 物語後半からグロリアと会話しているシーンがいくつか見られるが、実質的にグロリアの手駒の一つ、という程度の関係でしかない。
版権作品との人間関係
- 菅原マサキ
- セントラルの人間で、自身と同じ高蓋然性世界の出身者で、協力者。
- 高蓋然性世界の地球でのセントラルと人類政府の間の不平等な停戦条約を鑑みるに、立場は対等ではなく、セントラルの代理人に近いマサキの方が上だったと推察される。
- ただ、グロリアは彼らセントラルを打倒する機会をかねてより窺っており、不平等な関係に甘んじている訳ではなかった。
- 加藤久嵩
- 同じ高蓋然性世界出身の人間。
- 片やセントラルが侵略を開始するための「道」を作る役目、片やセントラルに技術を献上するためという違いはあるが、共にセントラルの尖兵のような立場でこちらの世界にやってきているという共通点を持つ。
- とはいえ表立っての協力者と言う訳ではなく、不必要な対立をしないようにする程度の関係。GreATと関わるのは第1話で「彼らは敵ではないので攻撃するな」と指示を出す場面くらいで、久嵩以外の加藤機関のメンバーはいずれもGreATの正体すら知らされていなかった。
- 久嵩を始めとした加藤機関がLOTUSに参加した際、LOTUSは彼からグロリアの情報をもたらされた。
- ロード・ジブリール
- 協力者。立場はグロリアの方が上だと思われる。最終的には、進退窮まった彼を見捨てた。
- レオン・三島
- 同じ高蓋然性世界の地球の出身であり、協力者。彼を始めとして、フロンティア船団政府上層部にはグロリアの協力者が数名いる事が伺える。
- こちらの世界に事故で転移してしまった直後のレオンのセリフからすると、フロンティア船団政府上層部はグロリアが以前からこちらの世界に来ている事を知っていた、または事故転移した直後でも向こうの地球と連絡が取れていた事が分かる。
- 弓弦之助、司馬遷次郎、四ッ谷博士、葵霧子、リリーナ・ドーリアン
- L終盤に地球圏を制圧した際、彼らを捕らえ、人質にとった。
名台詞
- 「タヌキか。昔はよくそう言われていたな。もう10年以上も前か…」
- グライフにタヌキ呼ばわりされた際に。果たして誰にそう呼ばれていたのか、少なくともその人物は今傍にはいないようだ…
- 「あれはセントラルが消耗戦を続けるよりも人間を利用した方が発展の可能性が高いと判断したからこそ成立したのだよ」
「実際、国民には知らされていないが、マキナ人間の越境の黙認をはじめとする不平等な密約を含んでいる」
「見返りに彼らも口裏を合わせてくれてはいたがね。いずれ戦争再開は避けられなかったはずだ」 - セントラルとの和平交渉の真実。
- 「私は君達のように努力する人間を正当に評価する!」
「最初は混乱があるだろうが、必ず平和な社会を築いてみせるよ。現に向こう側の世界は実現している」
「それとも、これまでの体制に戻す方が本当に人々にとって幸せだと…私が支配する世界より正しいとそう、君達に言い切れるのかね…!」 - LOTUSと交渉を行った時の台詞。この後にカガリに痛烈なカウンターを食らう。
- 「なん…だと!?このガルトデウスの超長距離砲撃を受けて、生き延びているとは…!」
- L最終話の戦闘開始前にて。月面のガルトデウスの超長距離砲撃で地球にいるLOTUSを壊滅させたと思っていたら、ラッシュバードのラプラスウォールで砲撃のエネルギーを全て吸収され、そのエネルギーでストレイバードのイマジナリィロードを発動させ、地球から月面のガルトデウスの目と鼻の先にLOTUSが出現したため、さすがの大統領も驚いたようだ。
- 「言っただろう。このガルトデウスは力の象徴、不落の要塞でなければならんのだ!SDF-1マクロスを越えなければ、民衆の心を掴む事はできんよ! この程度はさせてもらうさ…!」
- Lの最終決戦にて、ガルトデウスの力を誇る台詞。高蓋然性世界では今もなお、初代マクロスが伝説的な存在であることも伺わせられる。
- 「所詮民衆は依存するだけの存在。すがる対象がいなければ何もできん…」
- 最終決戦にて。大衆の愚かさを身に染みて理解しているが故に、彼らへの失望の感情が表れている台詞の一つ。
- 「さあ、どうする…正義の味方諸君。あれがプラントに向かうのを見逃す事はできまい?策略とわかっていても戦力を割かざるを得まい。それが正義の味方の弱さだよ!」
- 徐々にLOTUSに追いつめられ、とうとう核ミサイルをプラントに向けて放とうとする。更に「こちら側の地球」の人類全てを自分にとってどうでもいい存在と言い放ったことで、一層LOTUSの面々から非難を浴びる事になる。
- 「そうか…私は…自分で自分の過去を殺して…仲間がいたのに…それを捨てて……私が仲間との絆を捨てなければ…貫けたのか…あの頃の志を…お前達は…そのまま……」
- ガルトデウス撃墜後の今際の台詞。一鷹に諭され、かつての自分が何であったのかを思い出した。
- 元々は理想に燃え、荒廃した世界と人々を救う為にその身を奉げていた仁の人でもあったグロリア。自身の過ちを悔いて散りゆくその姿には、哀れみを感じずにはいられない。
搭乗機体
- ガルトデウス
- 搭乗機。
余談
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