バアル
バアル(Baal)
Zシリーズにおける概念で、初出は『第2次スーパーロボット大戦Z破界篇』の第32話『あばよ、ダチ公…』冒頭における螺旋王ロージェノムとその側近グアームの会話シーン。一言で言うならば「人類の敵」の総称であり、現在の所インベーダー、アンチスパイラル等の銀河規模(或いは平行世界レベル)で活動する勢力がそれに該当する。
黒の英知が示す「Zシリーズの生命体の未来に待つ根源的な災厄」と密接に関係しており、彼らが動き出すことがその災厄の前触れだといわれる。しかし、バアルは災厄そのものではなく、むしろそれに対する一つの対抗策らしきものだと思われる(原因である生命体を滅ぼす、という意味だが)。むしろ、そこまで荒っぽい手段を取らなければならないほど、審判の時が近づいているのかもしれない。
トライア・スコート博士は「コミュニケーション不能、もしくはやっても無駄の破壊の化身」と称しており、有機的な外見をした巨大な怪物めいた姿をしたものが多く、こちらの呼びかけ、説得などには一切応じず圧倒的な物量(数百万クラスなど序の口以下で、無量大数以上の大群の場合もある)とその一体一体が地球の機動兵器、技術をやすやすと打ち破る戦闘力でもって人類に襲い掛かってくる。
バアルとの戦いの歴史は古く、いつとも知れぬ過去から多元世界全てを舞台に戦いが繰り広げられてきた。これは『第2次Z』のみならず、無印『Z』の世界でも(さらにスパロボ恒例の平行世界論を持ち出せば、それこそ旧シリーズやαシリーズ、携帯機作品や『スクランブルコマンダー』ですら可能性がある)同様だったらしい。『第2次Z再世篇』においては、ズールやムゲ、Dr.ヘルなど、黒の英知に触れた者達がそれぞれの方法で対応を取ろうとしていた。
また、バアルと戦っていたのは所謂「呪われし放浪者」及びそれに類する存在(共通して言えるのは、次元を飛び越える力を自在に行使できるという点)であるらしい。
なお、現在までに登場したバアルとされた者達は原作中で「はるか昔は人類と同種族であった」あるいは「生命の起源は同じものだった」ことが語られた、あるいは示唆され、ゲッター線、螺旋力といった「進化」あるいは「シンカ」に密接な関係のある存在という共通点がある。天獄篇において、「消滅しようとする力が生み出した」怪物か御使いにバアルであると強制的に認定されたものに分類されていることが判明した。太虚と呼ばれる因子を埋め込まれ、人類を滅ぼそうと活動している。
バアルの種類
- インベーダー
- 「飢える破壊魔」と呼ばれている。シリーズ中で初めてバアルだと明言された存在。今作でバアルと呼称されるインベーダーは石川賢テイストに染まっている印象を受ける。太虚と呼ばれる因子を埋め込まれている種類が、自軍と戦うインベーダー。ゲッター艦隊の戦っている「何か」は太虚を埋め込まれていないインベーダー(あるいは虚無戦記の化物)ということになる。
- 宇宙怪獣
- 「果て無き破壊の化身」と呼ばれている。新世時空震動以降に出現した。原作では一億単位の宇宙怪獣ですらも、バアルの一部である。
- アンチスパイラル
- 宇宙の滅亡を防ぐために、自らの存在を変えた元螺旋族。不動からは「悲しき宇宙の守護者」と呼ばれていた。人類のために人類の敵になった存在。
- 御使い
- 上位存在の傲慢さと独善を以って、宇宙の命を片っ端から「悪しき命」と断じて消滅させている。これがために「消滅しようとする力」が強まり崩壊が近づいているため、彼らこそが真のバアルにして、宇宙のために消滅せねばならない存在と言える。
関連人物
- ガイオウ達次元将
アポロニアス達天翅族
バジュラ
ゼウス
暗黒大将軍達ミケーネ帝国の神々
ロージェノム - かつてはここの項目の者たちと肩を並べてバアルに対抗したものの奮戦むなしく敗れた事が語られている。最も、人間に対する考え方に相違がある者達もいるため、協調しあって戦ったのかは疑問が残る。
- ゲッターロボ軍団(流竜馬)
- 多元宇宙を股に掛けた戦いで、バアルに挑むも、敗北を喫している。ただしゲッター軍団は「全く別の」化物と戦っている様子。
余談
- 「バアル」とは中東のカナン地域で古代に崇拝されていた嵐の英雄神の名。エジプト、フェニキア、ギリシアなど近辺地域の神話にも神または悪魔として登場する、多様性のある神格である。後にキリスト教に悪魔神として取り込まれ、旧約聖書では「蠅の王バアル・ゼブブ(ベルゼブブ)」と呼ばれる。
- 元々はウガリット語で「主」を意味する言葉で、神の固有名ではない(本来の固有名は「ハッドゥ」)。「ベル」とも呼ばれ、バビロンの都市そのものである神「マルドゥク」も同じ名で呼ばれた。マルドゥクは周辺地域の様々な神の特徴を取り込んだ一種の集合体と化しており、「一つの方向性を持った様々な勢力を一纏めにした呼称」としてはむしろこちらが由来である可能性もある。
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