レモン・ブロウニング

提供: スーパーロボット大戦Wiki
2012年7月31日 (火) 02:42時点における59.106.88.248 (トーク)による版 (→‎名台詞)
ナビゲーションに移動 検索に移動

レモン・ブロウニング(Lemon Browning)

基本設定

地球連邦軍・特殊技術兵装研究所の科学者。特殊任務部隊シャドウミラーと行動をともにしており、指揮官ヴィンデル・マウザーの腹心的存在。機動兵器の開発だけでなく、「Wシリーズ」と呼ばれる人造人間の産みの親でもある。

どこか気怠く退廃的な雰囲気を放っており、シャドウミラーの作戦を始めとする一連の出来事にも、他人事のような態度で対処している。若干冗談を口にすることもあるが、ヴィンデルが唯我独尊とも呼べる人間像であるのに対し、彼女の場合は慈愛に満ちた面も持っている。自らが生み出したW17ことラミア・ラヴレスや、同僚のアクセル・アルマーからも信頼されていた。

OGシリーズでの設定

上記の設定に加え、人造人間の開発者である彼女自身も平行世界エクセレン・ブロウニングを素体に生まれた、限りなく人間に近い人造人間である、とされた。

「こちら側」の世界と同じようにシャトル事故でエクセレンは死亡したが、人造人間の研究に従事していた彼女の両親は、研究成果である人造人間のマテリアルを用いて娘を蘇らせようとした。しかし蘇生には成功したものの、エクセレンの記憶や人格などは完全な形で復元せず、容姿も変わったレモン・ブロウニングが誕生した。自分の出生を知っているためか、同じ境遇のWシリーズには「母親」に近い感情を抱いている。

その最期は各作品に違いはあれど、アクセルやもう一人の自分であるエクセレンへの想いを胸に散ったことは、ラミア、アクセル、エクセレンの心を打ち、エクセレンは自分に娘が生まれたら「レモン」と名付けたいと口にした。

完全な形では蘇らなかったとはいえ、そのしゃべり方やアシェンやラミアに妙な言語モードを複数プログラムしていたり(ラミアに関しては修復時、アシェンのデータを流用した可能性あり)、ラミアを修理した際にバストサイズをさらに増加させる辺りに、エクセレンに通ずるセンスがどこかしらある。

登場作品

スーパーロボット大戦A
シリーズ初登場。ほぼ彼女の性格は出来上がっており、自身の存在を悔いる場面も見受けられた。乗機はアンジュルグ及びアシュセイヴァー。最終シナリオ「極めて近く、限りなく遠い世界に」では、アクセルとラミアで止めを差すと専用のセリフが用意されている。一応彼女を倒さずともクリアできるが、シナリオが再現されてない。事実上は死亡したと思われる。本作の時点ではパイロットとしての能力もとんでもなく優れており、ハマーン・カーンすら凌ぐほどだった。
スーパーロボット大戦A PORTABLE
リメイク版。OGsで収録した音声を流用したためか、乗機はヴァイスセイヴァーで固定されている。ちなみに最終話で彼女を倒さずにクリアすると、その後少しだけレモンの台詞が追加される(もちろん、彼女を倒していると発生しない)。ただし、ED等でその去就は一切触れられないので、生存しているのか死亡しているのかは結局不明。
スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2
今回は科学者の側面が強く、「Wシリーズ」の創造者としてだけではなく、入手したATX計画のデータを流用してラピエサージュの開発なども行っている。スパロボAに比べて、彼女の心理が深く言及されている部分があるなど、人間像が大きく膨らんだ。残念ながらアクセルは彼女の最期を見届けることはなかったが、ラミアとエクセレンで止めを差すときに専用のセリフが用意されている。エクセレンの場合は彼女の過去が語られる。ちなみにこの「実は平行世界のエクセレンがもとになった」という設定は寺田プロデューサーが辻褄合わせで設定した(詳しくは後述)との事で、GBA版Aとの設定は異なる。パイロットとしての能力は、GBA版Aと比べ大分落ち着いている。
スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATIONS
リメイク版では更に人間像が明確になっている。扱いはほぼ同じ。声はアルフィミィ同様エクセレン役の水谷優子氏が担当しているが、此方はいわば「大人」のエクセレンを表現している。また、エクセレンのライン・ヴァイスリッターに対してアシュセイヴァーの強化型にヴァイスと付けたヴァイスセイヴァーに乗り込む等、向こうのエクセレンである事を暗喩している。
無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ
本編では名前のみが登場する。予約特典のドラマCDでは出演しており、ラミアを起動前のアシェンに会わせたり、ベーオウルフ相手に転移までの時間を稼ごうとするアクセルの身を案じたりしていた。
無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ
前作同様、やはり名前のみの登場だが、ハーケン、アクセル、ピートの3名のそれぞれに関わる重要な立場を担っている。なお、彼女の物と思しきサークレットがハーケン専用アクセサリとなっている。エクセレンのコピー的存在のアルフィミィとは関わりがない。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

元々科学者だけあって能力は抑え目。他の名有りの敵と比べると平均的に落ちついており、回避と防御に若干優れる程度。

精神コマンド

集中 加速 鉄壁 祝福 熱血 
回避型か防御型かどちらともつかないラインナップ。「祝福」は成長を遂げた「娘」に対するものか。

特殊技能(特殊スキル)

援護攻撃L3 援護防御L3 気力+(ダメージ) ガード Bセーブ Eセーブ
特に脅威となるような技能は持っていない。あえて言えば「気力+(ダメージ)」のおかげでガードが発動しやすい事くらいで、若干堅い敵、くらいの能力。搭乗機のアシュセイヴァーヴァイスセイヴァーは装甲が強敵の中では低目なので、集中砲火を加えればあっさり墜ちる。ただし、回避率は群を抜いて高い。

固有エースボーナス

射撃武器の与える最終ダメージ+10%、回避率+10%
優秀なボーナスだが、レモン自身の能力が然程高くないため脅威とはなりにくい……とは言えない。これをレモンが持っていると言う事は間違いなくEXハードのため、堅い、速い、射程長いの三拍子揃った強敵に早変わりする。もっとも隣にヴィンデル・マウザーツヴァイザーゲインという化け物がいるのだが。

人間関係

ヴィンデル・マウザー
戦争がなければ生まれていなかった人間として彼の野望に付き合っているが、それ以上の人間関係はない。レモンが死亡した時に使い捨てのような発言をして、アクセルが憎悪を抱く場面がある。
アクセル・アルマー
一応、恋人関係であるが、場合によっては敵対する事に。だが、レモンの死には彼なりの思いがあった。EXCEEDを見る限り、アクセルが身につけているネックレスや耳飾りは彼女がプレゼントしたものと思われる。
ラミア・ラヴレス
W17。生みの親として、彼女に「人間」という感情とその生き方を与えた。
エクセレン・ブロウニング
OGでは同じ存在として意識していた。特に「恋人」という部分では共感していた。
ハーケン・ブロウニング
W00。他のWシリーズと違う技術で誕生している(試験管ベビーに近い)。同姓である事から、遺伝子上はレモンの息子ではないかとも言われている(父親がアクセル説もある)。予約特典のCDドラマでもそのことを示唆するレモンの台詞があり、ハーケンもブロウニング姓については「レモンが自分の母親(かも知れない)」と発言する場面がある。なお、EXCEEDにおいて、ハーケンの専用アクセサリとして「紫のサークレット」が登場し、「懐かしい感じがする」と説明されている。
アシェン・ブレイデル
レモンが造り上げた初期型Wナンバーの一つ、W07。ゲーム本編でレモンと会うことはない。予約特典のCDドラマでは、機動兵器の操縦に対応していないため、別の目的であるプランEFに従事させようと眠りにつかせていた。
ピート・ペイン
W03。ゲーム本編でレモンと会うことはない。矛盾だらけの任務に翻弄された生き様だったが、最期の瞬間、自分を開発したレモンへの感謝の言葉をアクセルに託して散った。尤も、この言葉が彼女に届く事はないのだが…。

名台詞

「はーい。酸っぱいレモンはいかが? 今なら地獄の片道切符付よ」
Aの没シナリオの台詞の一つ。この時点ではエクセレンとは設定に繋がりはないが、どこかエクセレンっぽい言葉遣いである。
「あなたの存在が、彼女の運命を変えたのかもね」
キョウスケとの特殊戦闘台詞。間違ってはいないのだが、「向こう側」を考えるとそうとも言い難い面がある。
「なにこれ、ちょっとヤバイんじゃない?」
被弾(大破)時の台詞。何気にエクセレンの言いまわし。
「知恵のリンゴを食べたアダムとイブは……楽園から追放されたのよ、W17」
自らの選択でシャドウミラーから出奔したラミアにかけた言葉。なおOG外伝でエクセレンが、新天地を求めて旅立つアクセルとアルフィミィをアダムとイブに例える場面がある。レモンとエクセレンには何かアダムとイブに拘りがあるのだろうか?
「ダメ、あなたが決めなさい。Wシリーズとしてのあなた自身の意思でね」
「楽園からの追放者」にて、ラミアに帰還を呼び掛けた際、「レモン様がそう仰るのならば」と返した彼女を制して。「人形」だったラミアが感情を得て「人間」となったとき、レモンは「創造主」でも「敵」でもなく、「母親」としてその決断を認め、見送った。
「凄いわ、W17。そこまで感じ取れるようになったなんて…あなたは私の誇りよ」
「でもね、これも覚えなさい。…絶対に退けない、意地をかけた戦いがあることをね」
OG2におけるラミアとの会話にて。この前にアクセルの仇と言うが、ラミアのこの発言を聞いて、仇どころか「感情を理解し、母親から巣立っていく」ということを喜んでいるようにも見受けられる。しかし、Aでは自軍と戦わずともよい場面であえて決着を付けにきた際の台詞だったが、OG2では実際に退けない状態のため微妙に違和感がある。むしろ「一度進んだ道である以上、簡単に引き返せはしない」という意味合いととるべきだろうか。
「…私もね…時々、考えたことはあるわ」
「私たちが…戦争がない世界で…軍とは無縁の形で出会ってたら…」
「ふふ…やめ…た」
Aにおけるレモンとアクセル(主人公バージョン)の最期のやり取り。この台詞や機体からの脱出を促したアクセルの態度からもわかる通り、道や考えは違えどお互いに相思相愛であったことがわかる。
「『向こう側』でも……『こちら側』でもない世界で……彼と話す……わ」
OGSで追加された台詞。アクセルへの愛情が垣間見られる名台詞……なのだが、そのアクセルはなんと続編で生還。「『向こう側』でも『こちら側』でもない世界」で、レモンは何を思うのか……。ただし、「『向こう側』でも『こちら側』でもない世界」のエンドレスフロンティアにおいては、アクセルはもう一人のエクセレンの複製的存在である、アルフィミィとのコンビを組んでいたが…。

余談

エクセレンと同姓ということで、OG参戦まで彼女との関係がファンの間では取りざたされた。しかし寺田プロデューサーによれば、レモンを参戦させる際にもともとの設定を考えた森住惣一郎氏に「なぜレモンはブロウニング姓なのか」を尋ねた所、彼は特に両者の関係を考えていたわけではなく、単純に「同姓だったら面白そうだったから」という理由だったと答えられたという。寺田プロデューサーは辻褄合わせに苦労した末、「実は平行世界の同一人物だったが…」という後付設定を与えた。

しかしLemonは英語では果物のレモンを指す以外に「ポンコツ」「傷物」といった意味合いでも使われる単語であり、Excellent(優秀)に通じるエクセレンと対照的なネーミングともなっている。これは偶然の一致であるが、結果的に設定の補強に役立ったようである。