エヴァンゲリオン
エヴァンゲリオン(Evangelion)とは、『新世紀エヴァンゲリオン』と劇場版、『エヴァンゲリオン ANIMA』、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』に登場する巨大人型ロボット。
概要
パイロットの条件は「母親のいない14歳の子供」とされている。
正確にはロボットでは無く、第1使徒アダムあるいは第2使徒リリスをコピーして作られた人造人間であり、装甲も実際は拘束具としての役割が大きい。無論、ロボットと異なり大ダメージを受けると出血する。非出撃時はゲージの液体の中に格納され浸かっている。
名前の由来は、一般的に「Euangelion(福音)」であるとされるが、「Eve(イヴ)+Angel(天使)」だという説も存在する。イヴはアダムの助骨から作られた人間であり、天使は神に仕える兵隊である。第1使徒アダムのクローンが正式なエヴァンゲリオンと言われるなど、劇中の立ち位置を考えるとこの説も有力と言える。
実は、エヴァンゲリオンのコアにはパイロットの母親の魂が組み込まれている。経緯は不明だが、偶発的に碇ユイの魂がコアに囚われることになった事件が発端である可能性がある。母親の魂を必要とする理由は明言されないが、魂を持たない異質な存在であるエヴァとパイロットの精神をシンクロさせるためと思われる。 どうやって鈴原トウジらの母親の魂を入手したかはアニメでは一切語られないが、ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では「ゼーレの手によって事故や病気を装って回収されたり、権力で無理矢理差し出させたりした」ということになっている。つまり、パイロットの条件である「母親がいない」というのは「既に母親の魂がコアに組み込まれている」という意味である。なお、相田ケンスケの父親はこのことを知っていた。
EVAに分類される機体
EVA各機の詳細なデータは、それぞれの項目を参照。
旧世紀版
- EVA初号機
-
- EVA初号機 (F型装備)
- EVA初号機 (暴走)
- この他、ヨリシロ状態やA.T.フィールドの羽を生やした状態の形態も存在。
- EVA零号機
- EVA弐号機
- EVA3号機
- EVA4号機
- 3号機と同じくアメリカで建造されたエヴァ。形状は3号機と同一でカラーリングはシルバー。名称も「EVA四号機」、「EVA肆号機」としているメディアも多い。第4使徒シャムシェルの残骸から取得したS2機関の搭載起動実験中、事故により周辺地域を巻き込み消滅した。他ゲームやパチスロでは渚カヲルがパイロットを務めることが多い。
- ゲーム『鋼鉄のガールフレンド2』では相田ケンスケが担当する事となったが、原作通り4号機が消滅している為、念願のEVAへの搭乗は出来ず補欠として待機している。
- ゲーム『新世紀エヴァンゲリオン2』では、カヲルを説得し仲間になった際に彼と4号機は意志疎通をしていた事が判明し、カヲルの力によってネルフ本部上空に空いたディラックの海から登場する。なお、S2機関搭載実験型のはずなのに、肝心のS2機関は搭載されていない。消滅事件の際に失われたのだろうか?
- プラモデル化された際には劇中に登場しなかった兵装が用意されている。実は4号機が明かされる前に、3号機のプラモデルでデカール(シール)に3号機と4号機が同型である事が明かされている(4号機のデカールがある)。
- EVA量産機(5号機~13号機)
- EVA乙号機、EVA甲号機
- 『新世紀エヴァンゲリオン バトルオーケストラ』(未参戦)に登場。
新劇場版
- EVA試験初号機
- EVA試作零号機
- EVA正規実用型2号機
- EVA正規実用型3号機
- EVA次世代試験4号機
- 旧世紀版と同じくNERVアメリカ支部ごと消滅した。
- EVA局地仕様仮設5号機
- カラーリングは暗緑色。ヒト型ではなく、姿はカマキリに近い。アンビリカルケーブルはなく肩部先端にあるパンタグラフにより電源供給を受ける(この為、電車の架線にあたるものが必要)。
- EVA Mark.06
- 他のEVAと建造方法が異なる事から「EVA6号機」とは呼ばれず、劇中では「Mark.06(マークシックス)」と呼称される。
- EVA正規実用型8号機
- 『新劇場版:Q』に登場するヴィレ所属のEVA。
- EVA Mark.04
- 『新劇場版:Q』に登場するNERV所属のEVA。非人型であり、複数存在する。4号機との関連性は不明。
- EVA Mark.09
- 『新劇場版:Q』に登場するNERV所属のEVA。
- EVA第13号機
- 『新劇場版:Q』に登場するNERV所属のEVA。これまでの機体と異なり複座式となっているが、それにはある理由があった。
- EVA8+2号機
- 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:II』に登場する予定のEVA。その名の通り、右半分が8号機で左半分が2号機となっている(スパロボ的に言えば「EVAをあしゅら男爵にした」と言えば分りやすいか)。
スパロボシリーズにおいて
原作での特殊な設定がふんだんに再現されたかなり特殊なユニット群。独自システムとしてA.T.フィールド、シンクロ率、アンビリカルケーブル、暴走、作品によっては条件付または無条件でアンビリカルケーブルの代わりにS2機関が備わる。
特にA.T.フィールドは印象深い。かなり大きなダメージまで無効化するため、敵の攻撃力とこちらの装甲次第では無敵のユニットになるが、防ぎきれない場合には一転して貧弱になってしまう。元の装甲はかなり脆く設定されているため、A.T.フィールド中和能力を持つ使徒はもちろん、攻撃力の高いボス相手や、それが雑魚にも波及する後半は注意が必要。
原作で「国がひとつ傾くよ」と言われたのを反映してか、被撃墜時の修理費が20000~40000と異常に高額。さらに初号機は撃墜されると「暴走」状態になって敵味方無関係に強烈な攻撃を仕掛ける厄介な面もある。
その他の難点として、サイズがほとんどLなので避けにくかったり、空への適性が低いゆえにミノフスキークラフト等を装備しないと空中の敵に苦戦する、アンビリカルケーブルによって移動や活動時間(ターン)が制限される、など。
原作では機体の相互互換も可能だったが、スパロボでは各人の専用機扱いとされ、乗り換えシステムの対象となったことは一度もない。
なお、「正確にはロボットではない主役の生体ユニット」としては初めてスパロボに登場した機体群である(サイズを問わなければ「ロボットでないユニット」は第2次スーパーロボット大戦Gのマスター・アジアが最初)。
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F
- 初登場作品。零号機、初号機、弐号機が登場。スポット参戦のあと仲間になる。飛び道具が貧弱、近接武器が豊富なのは2号機だけな上に命中精度が低いので、基本はA.T.フィールドを頼りにナイフで立ち向かうことになる。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 中盤の地上ルートでは三体の中から選んで3か所に改造3段階目までを無償で施すイベントがある。EVAエンドルートでは渚カヲルの乗る参号機がラスボスとして登場。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α(α for DC)
- 『THE END OF EVANGELION』の参戦により量産機が初登場。条件次第では真・ゲッター1によって鈴原トウジの乗る3号機が救出されるというクロスオーバーがある。初号機は原作未登場の「マゴロク・E(エクスターミネート)・ソード」が装備される。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 小隊制との折り合いから、EVA各機にS2機関が搭載された。また、A.T.フィールドが広域バリアになった。その反面コストは高い。EVA初号機 (F型装備)が隠しユニットとして登場する。
- なお、パイロットの条件である「母親のいない14歳の子供」のうち、後者の条件(14歳)は無視されている。 ←※下記余談参照。
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 新劇場版で参戦。L同様A.T.フィールドは使徒に無効化されるが、更にそれ以外の相手にも発動時にENが20も消費するためアンビリカルケーブルの回復量の激減(毎ターン50回復)と相まって、集中攻撃をされたらアッサリとENが空になり発動できなくなる。
- また、2号機は特定のルートを通らない場合は強制的にアスカからマリにパイロットが変更される。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 『破』までのEVAは序盤で使用できるが永久離脱する。中盤で『Q』のEVAが加入するが、ケーブルがないため強力な武器を使い続けるとすぐにガス欠になるので注意。Mark.09だけHP回復(中)持ち。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander
- 他のユニットと違いEN消費は比較的緩やかだが自動回復せず、ガス欠になるとプロペラントタンク無しでは行動不能になってしまう点に注意。また、零号機と弐号機の暴走状態が初登場。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦L
- 新劇場版として初参戦。EVA5号機がユニットアイコンのみ登場している。A.T.フィールドのおかげで雑魚の相手には非常に優秀なのだが、肝心の使徒にはA.T.フィールドを無効化されるので、素の装甲の低さと相手の火力の高さが重なってあまり役に立たない。今回はMサイズなので、地形適応Sを獲得できれば意外なところで避ける。というか、本作のEVAは全機宇宙の地形適応BなのでPUの相方はできるだけ宇宙適応Sを持っている機体を割り当てたい。また、ケーブルの範囲の都合で戦艦から10マス離れた状態でPU再編成を行うと場合によってはEVAがケーブルの範囲外のマスに出てしまって勝手にケーブルが外れるのでPU再編成時は注意が必要[1]。
- 本作では『神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON』のシナリオで、超擬態獣の時空振動を受けてLOTUSの機体が軒並み行動不能になるというイベントがあるが、エヴァだけは「人造人間」であるが故にこれの影響を受けずに済む。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 新劇場版で参戦。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- ストーリー的に活躍の機会が多い。しかし、改造段階の上限が低く、中盤以降はA.T.フィールドが簡単に破られるので用心すべし。
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 新劇場版で参戦。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 新劇場版で参戦。また旧エヴァに登場したマゴロク・E・ソードを装備している初号機がいたり、小説「ANIMA」の機体も登場している。
- スーパーロボット大戦DD
関連用語
- 使徒
- エヴァンゲリオンにとっては戦うべき敵であり、コピー元となった存在である。
- A.T.フィールド
- エヴァンゲリオンが使用できるバリア。パイロットの意思によって、自由自在に展開・消滅が可能である。
- ダミープラグ
- エヴァンゲリオンの緊急バックアップシステム。これを起動させるとパイロットから操縦が切り替わり、エヴァンゲリオンは使徒殲滅のみを目標に行動するようになる。
- アンビリカルケーブル
- エヴァンゲリオンの動力である電力を供給するケーブル。パージも可能だが、その状態だと最大で5分程しかもたない。
- S2機関
- 使徒の心臓部と言える永久機関。TV版第拾九話にてEVA初号機が第14使徒ゼルエルを取り込んで以降は、初号機の動力源となった。
- シンクロ率
- エヴァンゲリオンとパイロットの同調を示す数値。この数値が高い程、エヴァンゲリオンの反応速度が上昇する。
- 高まり過ぎた場合、精神汚染、エヴァに取り込まれる等の危険も生じる。
余談
- パイロットの条件のひとつである「14歳の子供」であるが、おそらくは作中における「2001年生まれ」というのが正確と思われる(あるいは2001年度?)。なお2001年はセカンドインパクトの翌年。
- 実際、弐号機パイロットの惣流・アスカ・ラングレーの誕生日は2001年12月4日なので、初登場の第八話で第3新東京市立第壱中学校へ転校してきた2015年9月21日時点では13歳である。
- 新劇場版において、2号機以降の正規実用型EVAではパイロットの乗り換えによる、シンクロに関わるコアの影響があまり無いような描写がある(真希波・マリ・イラストリアスが2号機を問題なく起動・運用している)。
脚注
- ↑ 尤も、本作のEVAはATフィールドと合体攻撃以外ではENを殆ど使わないので即座に致命的な事態にはならない。