ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU
- 2005年11月12日 ~ 2006年9月24日放映(テレビ朝日) 全39話
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦K(2009年)
概要
『大空魔竜ガイキング』のリメイク。ただし共通しているのは主役ロボットの名前とデザインくらいでオリジナルとは内容が全く異なる。前番組が打ち切られた為の穴埋め番組として急遽企画が持ち上がったと言う経緯を持つが、シリーズ構成の三条陸氏やメカデザインの大塚健氏を始めとする制作スタッフの熱意によりメカニック描写は勿論の事、人間ドラマとしても高いレベルで纏まっており、近年のロボットアニメでもとりわけ高い評価を得ている。
ただし、放送環境に恵まれてない面もあり、本放送は関東ローカルのみ、BSデジタル放送で全国放送されたものの視聴条件が限られていた事から作品自体の一般知名度は低い。一応、全国で販売されている児童向けTV雑誌「テレビマガジン」で毎月2ページの紹介がなされてはいた。
ストーリー
中学生のツワブキ・ダイヤは、幼い頃に海で怪物に出会い父親を浚われるという驚異的な事件に遭遇した。ダイヤもあわや怪物に襲われると思ったそのとき、巨大な戦艦が現れダイヤを助ける。戦艦から出てきた少女は小さな円盤のようなものをダイヤに預け、またいつの日か再会することを約束し海の中へ去っていった。
彼の話を信じるものはいなかったがダイヤはいつの日かの再会を信じて心身を日々鍛えていた。そしてついに怪物とあの戦艦が再来する日がやってきた。ダイヤは謎の戦艦「大空魔竜」の搭載兵器「ガイキング」に乗り込み、街を襲う怪物を撃退する。
実は地球は、地底にある異世界「ダリウス界」に狙われており、大空魔竜はそれに対抗するために地球人と一部のダリウス人の協力によって結成された秘密の空中戦艦だったのだ。ダイヤはダリウス界にいるであろう父親を探すため、大空魔竜のクルーとなりダリウス界を冒険することになる。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
大空魔竜隊
- ツワブキ・ダイヤ
- 本作の主人公。運動神経抜群の努力家で心優しい熱血漢。幼い頃に父親と逸れてしまう。ガイキングを動かせるほどの「炎」の力を認められ、大空魔竜クルーとなる。
- ルル・アージェス
- 本作のヒロイン。ダイヤとは同い年だが、自分の方が年上のように接している。大空魔竜のオペレーター。
- ストーリー後半よりキャプテン・ガリスに替わって大空魔竜のキャプテンを務めることに。
- キャプテン・ガリス
- 大空魔竜のキャプテン。各地から熱い心(=炎)を持つ戦士を集め、大空魔竜隊を編成。冷静かつ熱い心を持ち合わせるキャプテンであり、クルーからの信頼も篤い。その正体はダリウス人の元科学長官であり、大空魔竜のメカニックの多くは彼が齎したものである。常に仮面を被っており、素顔を見せた際にダイヤに自らの過去を語っている。
- ハヤミ・ナオト
- ダイヤの親友。大空魔竜へは成り行きで乗艦した補欠クルーであったが、負傷したロンゴに替わって一時操舵を任された際に炎の力に目覚め、正式に48人目のクルーとして迎え入れられた。
- ピュリア・リチャードソン
- 艦載機「スティンガー」のパイロット。勝ち気で自身家。飛び入りの新参クルーでありながらガイキングに選ばれたダイヤを快く思わずきつく当たっていたが、のちにパートナーとして共に活躍。
- リー・ジェンシン
- 艦載機「サーペント」のパイロット。過去に義弟を失ったこともあり他人とは距離を置いていたが、ダイヤとの関わり合いでその心を開く。中盤より結成された艦載機部隊「コンバットフォース」のリーダーを務め、更に後半にはバルキングのパイロットとなる。ロボットと強くて美人の嫁をGETした勝ち組。
- ディック・アルカイン
- 艦載機「キルジャガー」のパイロットであったが、大空魔竜乗っ取りを企てたため追放された過去がある。ルルだけでなく女性に対しては常に紳士の様に振舞う、絵に描いたようなフェミニスト。戦いまでも賭け事と捉える程のギャンブル狂でもある。
- ヤンマ / ハッチョ / ブビィ
- 小型戦闘機バンザや艦載機「クラブバンカー」(カニタンク)などによる後方支援を務める三馬鹿トリオ。年下であるピュリアを姉御と呼び慕う。全員が元泥棒という過去を持つ。
- ローサ・ベルニコフ
- 大空魔竜副長。32歳の眼鏡美人。明晰かつ冷静な戦闘指示でキャプテンやクルーからも信頼されている女性。趣味は日記を書くことだが、その内容はある意味誤解を招く恐れがある。
- フジヤマ・シズカ
- 大空魔竜の機関士責任者である23歳の女性。メカニックなのになぜかメイド服を纏う。かつてはスティンガーのパイロットも務めていた戦闘員であり、ダイヤに対しては戦士の心得をレクチャーするなど姉貴分的存在となる。大空魔竜隊一の力持ちで、生身で戦うときはどこから持ち出したのかあるスーパーロボットの斧を扱う。
- ロンゴ
- 大空魔竜操舵士を務める大男。単純な腕力だけでは動かせない大空魔竜の舵を操る事のできる、ほぼ唯一の人物。
- サコン・シロウ
- 大空魔竜の科学者で大空魔竜の最古参クルーの一人。基本機関部の閉鎖ブロックの自室に引きこもっており、中盤までは謎の人物扱いであった。機関室に部屋を設けているのはシズカの過保護から逃れるため。その天才的頭脳により大空魔竜のピンチを幾度も救ってきた。
- ダイモン
- 大空魔竜の機関長で大空魔竜の最古参クルーの一人。元ミュージシャンという意外な過去を持つ。Kで共演したダイモン (バーチャロン)とは関係ない。
- フランクリン
- 大空魔竜医療班長。大空魔竜の最古参クルーの一人。その外見ゆえに「フランケン」と呼び間違えられることも多い。
- パイロン
- 大空魔竜の給仕長。『L』現在スパロボ未登場。
- アベヤ・キョーコ
- 厨房の手伝い。腹黒いぶりっ子。
- ピンクカバ
- 大空魔竜クルーではないが便宜上こちらに記載。リミテーションシンドロームが発症したクルー達が見た幻。
ダリウス軍
- ダリウス17世
- ノーザ
- ダリウス四天王の「北方将軍」。剣技と得意とし、その闘争本能はダイヤ曰く「狼のような眼」。騎士道精神に則るが自身家であり故に失敗も多い。実はプロイストの予備体であり、それを知って反旗を翻すも逆にプロイストに操られ捨て駒とされるが、ダイヤとの戦いで呪縛を解き放たれる。その後ライキングの正式パイロットとして大空魔竜隊の一員になる。
- ケイン
- ノーザ配下の「北方五騎士」の一人。常にノーザに付き従う忠臣。ノーザと共にダリウス軍を離反した後は天空魔竜の艦長となる。
- ヴェスターヌ
- ダリウス四天王の「西方将軍」。スタイル抜群。正々堂々を尊び卑劣な手段を嫌う高潔な軍人。大空魔竜隊のリー・ジェンシンとの出会いを経てダリウス軍を離反、大地魔竜の艦長となりリーと共にコンビを組む。
- レベッカ・カトリーヌ
- ヴェスターヌの部下。諜報員としてアイドルコンテストにもぐりこむも情けない撤退を余儀なくされた。スパロボでは大地魔竜の副官として登場。
- サスページ
- ダリウス四天王の「南方将軍」。妖しい姿に相応しく卑劣かつ非情な性格で、その作戦もそれに準じている。貧しい出自から身一つでのし上がった叩き上げだがそれ故に出世欲の塊であり、仲間からも警戒されている。プロイスト側について他の四天王達を出し抜くが、詰めを誤りガイキングとの戦いで散る。
- プロイスト
- ダリウス四天王の「東方将軍」。甲冑を身に纏う謎の人物。自分から積極的に戦場に赴く事はなく、常に監察する立場を執っていた。その正体は…。
- 次大帝プロイスト
- プロイストの真の姿である、ダリウスの「次大帝」。性別を超越した二重人格者。普段は美しい女性のような振る舞いをしているが、一度感情が高ぶれば傍若無人な男性の態度に変わり、敵味方問わず横暴な振舞いをする。他者を見下し、利用価値のないものは容赦なく切り捨て、命に対する敬意や道徳などはおよそ持ち合わせてない。また狡猾な頭脳と他者を圧倒するだけの超絶な超能力を持つ。唯一の楽しみは地球のクラシック音楽「交響曲第9番・新世界より」を鑑賞すること。自身を絶対者と称して父ダリウスすら凌駕する存在となるが、その出生の秘密は自身の価値観を崩壊させるほどであった。
- ダリウス新四天王
- 「東方将軍ヒガント」「西方将軍バニシューム」「南方将軍テルミナ」「北方将軍ニキータ」で構成されるプロイスト直属の幹部。全員がプロイストの生体部品である。
その他
- ドクター・ツー / ダイヤの父
- ダイヤの母
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
大空魔竜隊
ダリウス軍
- ノーザ・ドルマン
- ノーザ・バレオン
- ゼルンガ
- ガレアン
- プロテクス
- ガルゴラス
- ビトラ
- ドメガ
- グラネプス
- ゼルガイアー
- 魔炎超魔竜ドボルザーク
- 魔炎超魔竜ファイナルドボルザーク
- 極大巨人キングダリウス十八世
主題歌とBGM
- 「GAIKING」
- (作詞:YOFFY 作曲:IMAJO 編曲:大石憲一郎&サイキックラバー 歌手:サイキックラバー)
OP主題歌。 - 「その名はガイキング・ザ・グレート」
- (作詞:青木久美子 作曲:小杉保夫 編曲:大石憲一郎 歌手:串田アキラ)
挿入歌にして、ガイキング・ザ・グレートのテーマ曲。
登場作と扱われ方
- スーパーロボット大戦K
- 初参戦作品。本来の地球側のストーリーの根幹となっており、展開も時系列が少し乱れてはいるものの大筋で原作通り。大空魔竜メンバーもかなり早い時点で参入する。地味に『機獣創世記ゾイドジェネシス』との絡みが多い。またリミテーションシンドロームという格好のネタを放っておくはずもなく、オーバースキルを絡めて猛威を振るった。
- スーパーロボット大戦L
- いきなりダリウス軍との決戦から始まり、当初は地上に飛ばされたダイヤとピュリアのみの登場。ライキング・バルキングに関するイベントなど、Kでのイベントは全て省略、プロイストとの決戦も地上。大空魔竜のブリッジでのイベントもなく、原作再現度はかなり低い。ただし今回はレベッカやカイキンクなどが参戦し、キャラクターもシナリオに割と絡むため、扱いは良いと言える。今回ザ・グレートが格段に使いやすくなった。
用語
- リミテーションシンドローム
- 戦争という極限状態の中で、その緊張感がもたらす集団幻覚症状。気晴らしで解消するとされているが、本編で垣間見せるその混沌とした気晴らしこそがこの症状の真面目であるのかもしれない……
- 巨人
- ガイキングLODにおける人型ロボット兵器の総称。
- ゾルマニウム合金
- ガイキング、大空魔竜に使われている合金。
- 炎
- 巨人に動かすのに必要な精神エネルギー。
- 鉄獣
- 魔獣
- ダリウス界
主要スタッフ
- 制作
- 東映アニメーション
- シリーズディレクター
- 細田雅弘
- シリーズ構成
- 三条陸
- キャラクターデザイン
- 山崎健志
- 山崎展義
- メカニックデザイン
- 大塚健
- 佐藤元
- 音楽
- 手塚理