「バラン・ドバン」の版間の差分

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2016年3月21日 (月) 21:21時点における版

バラン・ドバン(Basrhin Doban)

ゼ・バルマリィ帝国(以下、バルマー)の支配を司る十二支族の1つ、武門を任されているドバン家の当主。堅物な性格や年代物の搭乗機「ベミドバン」等から、彼を古臭いと言ってバカにする者も少なくないが、多くの者から信頼される根っからの武人であり、その実力は熟達そのもの。同じく十二支族・ゴッツォ家の長であるシヴァー・ゴッツォとは、若き頃よりの盟友である。

ガンエデンの巫女であるアルマナ・ティクヴァー地球に赴きたいという願いを受けてその護衛を勤め、同時に地球圏で活動を展開していたゴラー・ゴレム隊の司令官、ハザル・ゴッツォの指揮下で地球人と戦いを繰り広げた。しかし彼は、ゴラー・ゴレム隊が地球圏への武力侵攻ではなく独自の目的を持って行動していることに次第に気付く。それでも幼少期から指南役として育て上げたハザルを信じ、最後まで行動を共にしていたが、最終的にはゴラー・ゴレム隊がシヴァーの野望のための道具であり、ハザルすらその駒でしかなかった事実を知る事となる。この事に憤慨した彼はシヴァーに真意を質そうとし、逆に返り討ちにあって精神操作を受けるが、αナンバーズのと戦いで己を取り戻し、アルマナと共にαナンバーズに対して協力体制を取るようになった。

その後、バルマーの支配者・霊帝ルアフ・ガンエデンが民の事を一切省みないエゴの固まりであった事、そしてかつての盟友シヴァーがそのルアフに取って代わってバルマーの支配を目論んでいた事、等、バルマーがそれら個人のエゴにより支配されてきた事実を目の当たりにする。実直な彼はこのことに強い苦しみを覚えたが、歪んだバルマーの秩序を自ら破壊することで己の職責を全うした(しかしシヴァーはいち早くルアフの本質を見抜いており、純粋にバルマーの民の為にルアフを討つ事を望んでいたのであり、最期の時には彼とαナンバーズにバルマーの未来を託した)。全てが終わった後にはアルマナに終生の忠誠を捧げ、バルマーのみならず全宇宙の平和の為に尽力する事を誓った。

イングラムを始め、何かとクールな人物の多いバルマーにおいては、珍しくかなり感情豊かで熱い人物。そのためとにかくインパクトが強い……というかはっきり言って『濃い』キャラクターで、彼の名前を聞いたファンの大半はすぐに彼のテーマ曲を思い浮かべるだろう。

登場作品と役柄

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
敵として数回戦った後、終盤で自軍に加わる。敵としても味方としても、堅牢な守りと高い攻撃力を持ち、やや低い命中と、典型的なスーパー系。兎にも角にもテーマ曲が印象に残る。充分な戦力にはなるが、愛機ベミドバンの性能上、小隊員としては全く役に立たないため、命中と防御を養成したうえで小隊長前提での起用となる。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

典型的なスーパー系の能力値で、格闘防御技量に優れ、命中が若干低い。

精神コマンド

第3次α
鉄壁不屈必中気合熱血直撃
頑固一徹、というキャラクター性をよく現したラインナップ。データ的にみるとベミドバンとの相性はピッタリで、「鉄壁」「必中」で文字通り殴り込むべし。終盤の敵は総じてフルブロック持ちのため、「直撃」がありがたい。

特殊技能(特殊スキル)

第3次α
底力L9ガード気力+ (ダメージ)精神耐性戦意高揚
これでもかというほど防御よりの構成。味方になってからは必然的に小隊長になるはずなので、援護攻撃を習得すべし。

パイロットBGM

「我こそはバラン・ドバン」
凄まじいインパクトを誇る名曲で、第3次αといえばこの曲を挙げる人も多いと思われる。とにもかくにも出だしの掛け声、そしていきなり入る「我こそは~」のフレーズが耳に残る。なお、この曲を手がけた葉山宏治氏は、伝説のシューティングゲーム『超兄貴』シリーズのBGMで名を轟かせており、Zランド・トラビスの曲においても、インパクトのある曲を作成した。

人間関係

アルマナ・ティクヴァー
ガンエデンの巫女であり、忠誠の対象。
ルリア・カイツ
アルマナの従者であり、同じく十二支族の出。彼女と協力してアルマナを守る。
シヴァー・ゴッツォ
彼とは親友であるが、バルマーを守る手段はお互い行き違いであった。
ハザル・ゴッツォ
少年時代から武門を教えるが、その心まで育てられなかった事を、彼の死の間際まで悔いる事となる。幼き日の彼のことを「ハザル坊」と呼んだのは若き日のバラン自身である。
ルアフ・ガンエデン
バルマーの支配者。忠誠を誓っていたが、彼の本性を知り、反旗を翻す。
サルデス・ジュデッカ・ゴッツォヒラデルヒア・ジュデッカ・ゴッツォ
軍人としてバラン・ドバンに敬意を抱いている。ジュデッカ・ゴッツォタイプのハイブリッド・ヒューマンは、彼のようなタイプには自然に尊敬の念を抱くらしい。
トウマ・カノウ
最初は彼の闘志が飾りである事を見抜き、「小僧」「餓鬼」など見下していたが、幾度なく拳を交えるうちに、やがてトウマがバランすら超える存在へと成長すると、その事を心底嬉しがっていた。心の奥底には自分が面倒を見ながら誤った方向へと進んでしまったハザルへの思いも含まれていたと思われる。
セレーナ・レシタール
彼女の格好から「破廉恥」と辟易している。
アラド・バランガ
クォヴレールートのエンディングでは彼からおっさん呼ばわりされ、多少なりともショックを受けた様子だったが、裏表の無いストレートな物言いが気に入り即、意気投合。別れ際にも、お互いエールを交換し合っていた。ちなみに、アラドはOGシリーズではバラン同様、ハンマーを使って奮戦する場面がある。
ゼンガー・ゾンボルト
トウマ以外を主人公に選ぶと彼がバランの好敵手となり、一騎打ちの末にバランを諭す。
アムロ・レイ
バランが『アムロがハンマーの使い手である』という事を見抜くという、ファンがニヤリとするような戦闘前会話がある。

名台詞

「やあやあ、遠からん者は音に聞け、近くば寄って目にも見よ! 我こそはドバン家当主、バラン・ドバンなりぃぃぃっ!!」
バランの代名詞とも言える台詞で、正々堂々とした武人である彼らしい、威勢の良い名乗り。機体越しでも気圧されてしまう程の気迫を持つ。
「チェストォォ!」
とどめを刺すときに言う台詞。掛け声自体は示現流だが、バラン自身は示現流とは無関係。
「戦場に立てば男も女も無い! ましてや、ワシの鉄球の前ではな!」
セレーナとの初対決に於ける戦闘前会話。彼女からの手加減を求める旨の軽口を、上述の台詞で一蹴する。
「どうやら鉄球の扱いに長けた男のようであるな! 動きも洗練されている…!」
アムロとの戦闘前会話。αナンバーズにはハンマー装備のMSが存在しないことから彼の操縦センスと、「懐に入ればそのハンマーは使えないはず」という台詞から看破した模様。
「…奴は神などではなかった…。それどころか全ての元凶だった…」
終盤で本性を露わにしたルアフがαナンバーズに敗北して、地下聖堂に逃亡した際の台詞。それまで心から忠誠を誓ってきた主君の醜悪な本性を目の当たりにしての、怒りと失望が籠められた台詞である。
「斜めに構えて他人を見下ろすお主は、血を流す事を恐れているに過ぎん!」
レーツェルの「弱虫」発言に同意し、爆死寸前の孫光龍へ厳しく叩き付けた批難。
「大・粉・砕!」
ドバン・インパクト使用時の台詞。
「怨霊! 退散!」
同じくドバン・インパクト使用時の台詞だが、ラスボスへはこうなる。
「霊帝の呪縛から解き放たれる時が来たのだ」
ラスボスへの戦闘前台詞。
「おっさん……? このワシがおっさん!?」
「フハハハ! 気に入ったぞ、小僧! このバラン・ドバンを捕まえておっさん呼ばわりとはな!」
クォヴレールートのエンディングにて、アラドに「おっさん」呼ばわりされてのリアクション。懐が広いのか、単に豪快なのか。
「ゼンガー殿とレーツェル殿にあってワシ達に無いもの…それは合体攻撃!」
スペシャルステージにて。この後竜巻斬艦刀を超える合体攻撃を目指してネーミングを考えるが、「ファイナル・ドバン・クラッシュ」「ダイナミック・ドバン・ライトニング」とあまりにバラン色の強すぎる名前ばかりが案として上がり、辟易とするトウマにミナキが「そんな技はない」と助け舟を出し、この計画はあっさり頓挫する。OGシリーズに期待したいところである。また、このことを反映してか、『龍王逆襲』では、未来世界から来たロランの∀ガンダム、そのハンマーを借りたアムロのνガンダムと共に「鉄球連粉砕陣」を繰り出している。
「我が鉄球に砕けぬものなし! というのはどうだ?」
こちらもスペシャルステージより。敵を撃破した後の決め台詞にしようとするが、当然親分が黙っていなかった。ルリアにも「オリジナリティに欠ける」と一蹴され、「むう…鉄球、鉄球…。鎖が切れたらどこへ飛ぶ…」とこれまたどっかで聞いた台詞で悩む。とはいうものの……。
「フハハハ! ワシに砕けぬものなどないわ!」
ドバン・インパクトのトドメ時の〆。しっかり決め台詞をお持ちでした。

搭乗機体

ベミドバン

余談

  • 彼の容貌は後に発売されたコーエーの『戦国無双シリーズ』の登場人物の一人・島津義弘と非常に似ている(ちなみに義弘の初出作品となった『戦国無双2』は第3次αが発売してから後の時期に発売された)。武器もバランは鉄球、義弘は鉄鎚という違いはあれど『ハンマー』であり、鎧のデザインもそっくりである。違うところといえば、バランは熱くハイテンションだが義弘は賭け事と戦を好む渋く落ち着いた性格なところぐらいか。