「Dボゥイ」の版間の差分

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*誕生日:連合地球歴174年(西暦2282年)5月15日
 
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2012年9月10日 (月) 21:13時点における版

Dボゥイ(D-Boy)

宇宙の騎士テッカマンブレード』の主人公テッカマンブレードに変身し、スペースナイツと共にラダムに戦いを挑む。

スペースナイツとの遭遇当初、記憶喪失を装い本名を名乗らなかったため、「無茶な行動ばかり取る」ことからD(デンジャラス)ボゥイという渾名をノアルにつけられた。なお、後にユミからはDを「ドリーム」と解釈された。

「敵は家族及び友人」「妹は弟に殺される」「自分は途中から記憶を失い始める」「弟と兄を自ら手にかける」「最終話エピローグで廃人」など、その不幸っぷりはSRW参戦作品の主人公の中でもトップクラスと思われる。目の前で身内を失ったりした者や助けるはずが助けられなかった者もいたが、それとは次元が違い、彼に匹敵するような悲劇の主人公は(ロボットものではないが)『ベルセルク』のガッツくらいのものである。

宇宙の騎士テッカマンブレード

本名は相羽タカヤ。アルゴス号の元乗員。テックシステムに取り込まれたところを父・相羽孝三に助けられ、アルゴス号から脱出。地球に帰還後、記憶喪失を装ってスペースナイツに遭遇した。元々正義感が強く、また父の遺言であるラダムテッカマンと化した家族を倒すという並々ならぬ使命感を持っていることから、当初は独断専行が多く孤立しがちだったが、妹ミユキとの再会を機にフリーマンの勧めにより、素性を明かした。

後に「同じテッカマン同士で戦う」「何度もテックセットを繰り返した」事により、肉体の細胞が崩壊し始める。肉体崩壊を止める為に半年の余命を覚悟でブラスターテッカマンへの進化を行う。しかし予測とは異なり、体に異常は見られなかった代わりに細胞崩壊が脳細胞に集中するようになり、以後徐々に過去の記憶を失っていく。その為、全ての記憶を失う前に、一度実家に戻って家族との思い出を辿り、改めてラダム打倒を心に誓う。

その後、弟シンヤテッカマンエビルを倒し、彼のコアクリスタルを持ってオメガの待つへ向かうが、クリスタルを使った反動で遂に全ての記憶を失う。しかし、心に刻まれたラダムへの怒りと憎しみは消えず、自我すら失っているにも関わらず、オメガに戦いを挑み、ついに勝利する。決着後は地球に墜落、廃人同然の状態になりながらもアキに介護されて過ごす事に。

後期OP「永遠の孤独」の歌詞「これ以上失うものなど、もうないから」を地で行く、本当に全てを失った主人公であった。

また、鈴木典考の漫画版(角川書店「コミックコンプ」にて連載)では、ラダム宇宙に繋がるゲートが開くのを防ぐため、一個分の質量をたった一人で支え続ける事となった(スペースナイツの面々が、何十年何百年かけようとも時間からも取り残された彼を助ける事を誓う場面で物語は終わる)。

宇宙の騎士テッカマンブレード Missing Ring

ラダムとの決着から2年後、アキに介護されながら過ごしていたDボゥイだが、未だ廃人状態のままであった。そんな彼に再びラダムの手が迫る事に…。

特典映像なので、結末は描かれていないが、この事件から『II』までの間にDボゥイは廃人状態から回復し、記憶を取り戻している。

宇宙の騎士テッカマンブレードII

全ての記憶は取り戻したものの、自身の体内から発する思念波によってラダムを再び呼び寄せかねないため、スペースナイツ本部の地下に隠れ住んでいた。

変身能力は健在だが、前作の初期のようにコアクリスタルを使う。また、タイムリミットもなくなったがブラスター化もしなくなった。このあたりについてはMissing Ringの元になった幻の続編の脚本骨子などで明らかになっている(テッカマンブレードの項を参照)。

登場作品と役柄

スーパーロボット大戦J
序盤でNPCとして登場するが、初っ端から撃墜される(可能性が高い)という割と情けない登場である(ある意味、原作再現ではある)。原作イベントのお陰で頻繁に離脱する。どうもJのブレードは扱いが微妙なところがあり、「離脱している間にあっさり(原作で最初に語られた弊害が描かれる事なく)ブラスター化」「記憶を失っているのが発覚するのがラダムとの決着直前」「『時の止まった家』はカット(ラダムとの決着後にタイムカプセルを示唆する発言はある)」「記憶を完全に失わないまま、ラダムと決着」「その後、記憶云々は全く語られない」と重要な部分が尽く端折られている。他の版権キャラとあまり絡まないが、ドモン・カッシュからは同じ「家族を討つ宿命を背負う者」として後押しされる。
スーパーロボット大戦W
序盤から登場するが、やはり時々離脱する。第二部では『II』のメンバーが同時進行で登場するため、そちらで見せたサングラスをかけた姿も見られる。今作はJで不満だった点は軒並み解消されており、第一部中盤ではシンヤとの共闘という夢のイベントが用意された。Wの主役格レベルでシナリオ優遇されており、クロスオーバーも豊富。『勇者王ガオガイガー』の獅子王凱とは相棒と言っても過言ではないほど絡む。また、『デトネイター・オーガン』の真道トモルが弟分的な立場になっている。性格的にも原作やJほど尖った感じは無く、イバリューダーに関する知る限りの情報を教えてくれるなど、Jと比べると割と協力的なイメージがある。また、仲間たちへの正体の露見も早い。
シナリオで優遇されている分、原作以上の悲惨な目にも合っており、ブラスター化では原作通り記憶を失い始めるだけでなく、処置前のフリーマンの見解通り「余命数ヶ月」という事態も起きてしまう。「時の止まった家」の再現イベントでユミに後を託し、ラダムとの決着ではオメガと共にジェネシスの攻撃を喰らって死亡…したかと思えたが救助された上に(フラグを立てている場合は雷牙博士の治療により無事完治したミユキに救われている)シンヤが託したクリスタルの再フォーマットで余命を(ある程度ではあるが)克服して復活する。EDではDボゥイの名を捨てて相羽タカヤへと戻った。
なお、ブラスター化したステージ以降、テッカマンブレードII』のキャラクター達に対しての信頼補正が消滅する。ブラスター化に伴う記憶消失の再現だと思われるが、復活以降も信頼補正は消滅したままなので注意が必要。指揮官・愛情補正・合体攻撃の三拍子そろったテッカマンアキがベストパートナー。

人間関係

如月アキ
恋人。後日譚の小説版においては結婚しており、夫婦に。
相羽シンヤ
双子の弟。仲の良い兄弟ではあったが、内心は(ラダムの影響で精神を歪められた事もあるとはいえ)兄に対するコンプレックスにも満ちていた。
相羽ミユキ
妹。彼女の無残な死はDボゥイにとってもトラウマになっているらしく、10年以上経った小説版においてもその事が伺える場面がある。
Wではフラグを立てているとジェネシスの光からDボゥイを救出し、シンヤの最期の言葉を伝えた。
相羽ケンゴ
兄。
相羽孝三
父。テックセットシステムから排除された後、Dボゥイを救出し、かつての家族と仲間を討つ運命を託される。
ノアル・ベルース
Dボゥイの名付け親。当初は彼に不信感を抱かれており、アキが彼を庇い生死の境目に陥った際に激しい憎悪をぶつけられたが、ミリィからテックシステムの秘密を知られた時に氷解、やがてよき相棒関係に。
ハインリッヒ・フォン・フリーマン
あくまでも一人でラダムと戦うDボゥイに共闘を呼びかける。テックシステムの弱点を見抜いた事もある。
ミレッタ・ルルージュ
妹に似た少女。…似ている?とか言ってはいけない。
本田
テッカマンダガーの策略によるスペクトル干渉で砕け散ったテッククリスタルの破片を利用し、作業用ロボット・ペガスを機動兵として改造した。ブルーアースの整備もしており、Dボゥイも彼を手伝うこともある。
レビン
本田と共にペガスの改造に関わる。Dボゥイ、というよりはテッカマンブレード時の彼に惚れている様子。
バルザック・アシモフ
当初はDボゥイを利用したり、見下すような態度をとっていたが、彼に救われたことで恩義を感じるようになり、やがて改心してDボゥイを積極的に助けるように。再会した時、Dボゥイは彼の事を「仲間」と言い、後にノアルにその理由を問われた時に「俺と同じ目をしていたから」と答えた。Jで生存フラグを立てていた場合、Dボゥイを救出する。
ペガス
テックセットやハイコートボルテッカ等でDボゥイを補助するロボット。最終話で破壊されるが、ペガスIIとして修復され、Dボゥイの遺言的な言葉に従い、アキを守る。ギャグ話であるドラマCDではDボゥイに「俺の気持ちがわかってくれるのはお前だけ」と言われるが、「ペガス、人間じゃない」と否定してDボゥイに追い打ちをかけた。
カル博士
木星の衛星イオの開拓団として参加していたが、軍の命令により物資を輸送するために地球に向かう。その際、軍の秘密兵器が隠されていると偽の情報を流し、他の輸送船団を守る自らラダム獣の囮となり命を散らすが、生存したのは12人中2名だった…。死の間際、Dボゥイに妻子と共に写った写真の入った腕輪を託す。劇中でノアルに次いでDボゥイのDを「デンジャラス」と呼んだ人物である。
バーナード・オトゥール
木星輸送船団の件で任務のためなら人命すら軽視する防衛軍に嫌悪感を抱いていたDボゥイに戦場の掟を伝える。中盤で彼と再会するものの、テッカマンランスに特攻する際、テックランサーに貫かれて戦死する。
フリッツ・フォン・ブラウン
アルゴス号の同僚。最初に倒したテッカマンとなった。
ゴダード
格闘技の師匠。父の友人かつ助手でもあった。
フォン・リー
兄ケンゴの婚約者で、義理の姉となるはずだった人。
ユミ・フランソワ
後輩。彼女にとっては憧れの存在。
ジュエル
小説『水晶宮の少女』に登場したファルス人。星を越えたユミの友人になるが、やがてエピローグでDボゥイへの淡い恋心が芽生えてしまう事に…。

他作品との人間関係

スーパー系

獅子王凱
Wにおける親友の一人であり相棒。共に人ならざる身となってしまった存在でもある。余談だが声優同士も仲が良いため、一種の声優ネタかと言われる事もある。
オーガン
Wの序盤に一度刃を交え、その後は幾度と無く彼に助けられる。Wにおいて、彼との出会いは物語上において非常に大きな意味を持つ。
真道トモル
Wにおける弟分の一人。Dボゥイの生き様を心に刻みつけ、生き方を大きく変えていく。
ソルダートJ
Wでは彼がピッツァだった頃に、彼が本来は正義の心の持ち主である事をいち早く見抜き、同時にゾンダーに支配されていた彼をラダムに支配された家族達と重ねて同情していた。
ゾア
Wではイバリューダーの起源が父の孝三にある事から、彼と直接対峙した際に自分が「始祖アイバ」の息子である事を明かし、始祖アイバ…相羽孝三の息子「相羽タカヤ」として、彼らイバリューダーに立ち向かう。

ガンダムシリーズ

ドモン・カッシュ
Jで競演。「家族を討つ宿命を背負う者」という共通点を持つ。会話こそ少ないが、Dボゥイが記憶障害に陥ってもなおラダムと戦う覚悟を表明した際はその覚悟を認めて後押しし、シンヤとの決着後は「お前が弟を救ったんだ」と労うなど、同作においてはDボゥイの最大の理解者と言える。
叢雲劾
Wでは中盤にデッドとの戦いで一度撃破されたところを彼に救出される。

リアル系

テレサ・テスタロッサ
Wでは中盤にダナンでのパーティーイベントにて、凱と共に(共に恋人がいながら)彼女のキスを狙った。

バンプレストオリジナル

カズマ・アーディガン
W主人公であり、弟分の一人。Dボゥイを同じスペースマンとして尊敬する。
ブレスフィールド・アーディガン
彼のスペースマンとしての器の大きさと人間性に敬意を払うと共に、同時に彼の気苦労を察する。
ミヒロ・アーディガン
カズマの妹。ミリー(ミレッタ)同様、妹であるミユキの姿を重ねているせいか、いつも無愛想なDボゥイも二人には優しい。なお、偶然だとは思うが三者とも名前が「ミ」で始まるという共通点がある。

名台詞

テッカマンブレード

「テックセッタァァァァ!」
「ペガァァス!テックセッタァァァァ!」
変身の際の掛け声。
「テッカマン、ブレードッ!!」
一見、単なる「よくあるヒーローものの名乗り」に思えるが、彼がその素性を自ら吐露した後に見ると、父・孝三の遺志を継ぎ「相羽タカヤ」である事を捨て「テッカマンを倒すテッカマン」として生きる決意の表れと見ることもできる。
「ボルッ…テッカァァァァァァァッ!!」
ボルテッカ使用時の叫び。Dボゥイ役の森川氏はこの叫びでマイクを二本壊したという伝説を持つ。放映初期は「ボルテッカー」とトーンが落ちていくのだが、第7話のダガーを葬ったボルテッカを皮切りにどんどんエスカレートし、トーンが高くなっていく。
なお、Dボゥイ役の森川智之氏は後に「TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS」で再びこの台詞を叫ぶ事になった際に「あれは若かったから出来た」と感じたらしい(しかし、その話を聞いた杉田智和は「前より凄くなってたじゃないですか」と突っ込んでいる)。
「貴様らの野望は、宇宙で叩き潰す!この俺が、必ず!!」
第1話アバンタイトル、ラダムに占拠されたオービタルリング外でラダム獣と戦いながら。この台詞から、物語は始まる。
「うっ…死んでたまるか…!俺は…俺は! まだ死ねないんだああぁぁぁぁ―――っ!!
テッカマンダガーの奇襲を受け落下、大気圏突入してしまう時に。この後、地表に落下した彼はスペースナイツと運命の出会いを果たす事になる。
「名前…? 名前なんて覚えてない!忘れちまった!」
1話にてスペースナイツの面々と対峙し名前を聞かれた際にこう言い放った。実際これは嘘だった訳だが(そういう意味では後のを先取りしている)。
「死なないさ。いや死ねないんだ、俺は!」
第1話ラスト、強引に乗り込んだブルーアース号内にて、出撃する際に死ぬ気か、と彼を引き止めるアキノアルに対して。この台詞を言い放ち、Dボゥイは二人の制止を振り切って格納庫に向かい、白き魔人へと姿を変える。スパロボでは戦闘アニメの撃墜台詞として採用された。
「テッカマンシステムはめちゃくちゃ体力を消耗するんだ。その分、腹が減る」
第2話Bパート、テックセット解除後にブルーアース内で宇宙食を勢いよく口にしながら。「しっかし、よく食うねえ。お前さん」とノアルに言われた後、Dボゥイは自身の肉体に施されたシステムの特徴を説明する。ちなみに後述の各漫画版でも貪るように食事をするシーンがある。ちなみにJでも再現されているが、こちらは大気圏に突入するナデシコの格納庫である。
「宇宙へなど出ない方が幸せかもしれない…」
オービタルリング内で、連合軍兵士の屍を目にしながら。この台詞は後半の事を考えると、重みが増すかもしれない。
「妹に…似てるんだ」
第3話、本田になぜ「あなたの身体を調べさせて欲しいの」、とテッカマンのシステムについて検査したいミリィの頼みを受けたのか、と問われて。
「ふん、協力…? 協力するのは俺じゃない。軍の方だ!!」
「連合防衛軍なんかいくら束になっても、奴らに勝てやしない。勝てるのはたった一人…俺だけだ!!」
「だから軍は俺に協力しろ。それが嫌なら、邪魔なんかするな。どこか隅でも隠れて見てるんだな!!」
第3話、ダガーとの交戦の影響でオービタルリングのR-23ブロックが落下、連合軍の兵器工場のあるX2-008地区に落下しようとしていた。コルベットはテッカマンブレードの戦闘力に目をつけ、ブラウンベレー部隊を率いて力づくで手に入れようとするが、Dボゥイはこの台詞で真っ向から対立する。
「撃てるのか? 撃ってみろよ! 俺が欲しいんじゃないのか? えぇ!? 軍のおっさんよ!!」
上記の台詞を受けたコルベットの部下はDボゥイに向け銃を突きつけるが、それに気圧されずにこの台詞でコルベットに反攻の意思を示す。逆上した彼はブラウンベレー部隊に攻撃命令を下すが、「スペースナイツをテッカマンを中心とした特殊戦闘部隊として再編する」という大統領の命令を受けやむを得ず静止するのだった。
「ちょっと待った。俺はスペースナイツとやらに入るなんて、一言も言ってない!」
「俺は命令なんてくそくらえだ。軍だろうと、あんただろうと!!」
「…けど…ま、軍よりはここの方がメシは美味そうだ」
大統領命令を受け、R-23ブロック落下阻止に向かう前に、フリーマンに対して。
「馬鹿野郎…!俺は、時間を…守らない奴は、嫌いだ…!!ぐっ、ああっ……」
第5話、ラダムバルーンをボルテッカで破壊した後、その反動でテッカマンブレードは気を失う。テックセット制限時間の30分を過ぎた、と思われノアルにレーザーカノンを向けられるが必死に全身を動かし帰還、トリガーを引いた彼にこの台詞を言いながら倒れこんだ。
「いや…一人の方がいい。一人の方が、失うものもない」
第6話、テッカマンダガーの罠だと知らずオービタルリングに向かう際に。
「今すぐオービタルリングに戻るんだ! 頼む! 俺がまだテッカマンでいられる間に!」
6話、ダガーの罠に貶められるも、ノアルらの協力でテックセットし、ダガーを退けて。罠を掛けたダガーの真意に感づいていたため、この時はブルーアース号のコクピットにブレードの姿のまま戻ってきていた。
「ダガー…お前が言ってたのは、この事か…!?」
「俺は…俺はもう、テッカマンにはなれない…俺は…どうやって奴らと戦えばいいんだあぁぁぁぁぁっ!?
第6話ラストより。テッカマンダガーの策略によりDボゥイのテッククリスタルは干渉スペクトルの影響を受け、砕け散ってしまった。かろうじて生還したDボゥイは、その破片を握り締めながら衝撃と絶望に満ちた絶叫をあげる…。
「用なしの俺がここにいる必要はない。ラダムを倒せる、もっと役に立てる奴を探すんだな」
第7話、個室にて。テックセットすら不能になった自身の無力さに無気力状態になるDボゥイは、アキから手渡された食事を拒みふてくされるが、ノアルから「落ち込んで何とかなるもんなら、部屋にこもってカビが生えるまで落ち込んでるがいいさ」と言われ、この台詞と共にスペースナイツ基地から去ろうとする。この後、アキから平手打ちを食らい格納庫の開発工場へと連れて行かれる。
「俺がもう一度、テッカマンに…? ふん、出来るわけない。今の地球の科学で、そんな事」
開発工場にて作業用ロボット・ペガスにクリスタルの破片を利用して改造、Dボゥイを再びテックセットさせるために寝る間も惜しんで作業する様を見た後で。ラダムのテックシステムが人類に解析できるわけがない、と彼はこの台詞で否定する。
「短い間だったけど…」
スペースナイツ基地内で保管されていた旧式ロケットでオービタルリングに向かう時に、敬礼しながら。
(へっ、一緒に地獄に連れてってやるぜ…このプラスチック爆弾で…!)
宇宙服姿でダガーの前に立つDボゥイは、左胸部に施されたプラスチック爆弾で死なばもろともと自爆を目論む。その目論見は、ブルーアース号により阻まれてしまうが、その船内には新たなる相棒が主が来るのを待っていた。
「俺はこのペガスにより、再び命を授かった。お前達と戦う為に!」
「そして…そして、お前達を一人残らず葬り去るまで! 俺は死なん!!
7話クライマックス。「貴様は二度とテッカマンには…!」とうろたえるダガーに対して。
「さらばだ、テッカマンダガー…! ボルテッカァァァァーッ!!
テッカマンダガー、ボルテッカに消える。『白い魔人』完全復活の瞬間である。そしてここから森川氏の叫びが本格化していく。なお、ダガーを倒した後に無言のブレードが挿入されるが、これはかつての仲間を初めて倒してしまった事に対する複雑な思いを表しているのかもしれない。
「へっ…俺は、『デンジャラス・ボゥイ』だ!」
第9話、ラダム獣の毒牙にかかり命尽きようとするカル博士の口からDボゥイは彼の真意を知る。輸送船を誘導し、大気圏内の摩擦を利用し、Dプラント内に積んだ揮発性エネルギーの爆発でラダム獣を一掃しようというのだ。カルの意志を受け止めるDボゥイだが、彼は「危険な仕事だぞ」と問う。これに対し、Dボゥイはこの台詞で応えるのだった。
「あんたの命令に逆らう気はない。だが、軍の連中は腐りきってる。そいつらの尻拭いをさせられるのは気が進まない…それだけだ」
第10話、連合防衛軍からの指令をフリーマンから伝えられた後で。この前話、木星輸送船団の盾になり犠牲となったカル博士の遺志と裏腹に船団は2名を残してほぼ全滅の状態であった。にもかかわらず、輸送物資が無事ならそれでいい、と犠牲者の哀悼すら行わなかった防衛軍のやり方に義憤を感じていた。
Dボゥイ「俺はお前達軍のやり方が気に入らない!」
バーナード「ほう、それで?」
Dボゥイ「目的のためには手段を選ばない。まるで人を消耗品のように人の命を使って、作戦を進める!」
バーナード「甘いぜ、坊や。それが戦争ってモンだろ?」
Dボゥイ「お前は、死んでいった者のことを考えたことがあるのか!?」
バーナード「自分が生き残るのに精一杯で、そんなヒマはねぇよ」
Dボゥイ「それが軍人の…ヒック!? うっ……うぅっ……軍人の、考え方、か……あっ……!?」
第10話、オービタルリング内のエレベーターで発見した特殊部隊。その隊長であるバーナードとDボゥイがふとしたきっかけでウイスキーで飲み比べする際のやり取り。グラスに注ぎ込まれたアイリッシュウイスキーを互いに飲み干しながら、Dボゥイとバーナードはこの問答を交わす。しかし、まだ酒の味を知らなかったDボゥイには分が悪すぎたのか、4杯目のグラスを手にしようとした途端、泥酔してその場で倒れこんでしまうのだった…。
「レビン、そのままにしておいてくれないか?」
第10話ラスト、バーナードから教えられた「ダニー・ボーイ」の歌をインプットされて歌うペガスに対し、Dボゥイはそのデータを消去しようとしたレビンを引き止める。
(軍曹…あんたの教えてくれた戦場の掟、忘れないぜ…!)
第10話ラスト、休む間もなく連合防衛軍から指令を与えられた、とアキとノアルに告げられた後で。軍のやり方を信じきったわけではないが、バーナードの教えた戦場の掟=「まず生き残ること」「生きて帰って、仲間の命を守り続けること」は彼に戦士としての使命を与えた。
「ラダム獣め…俺は…俺は悪魔じゃない!悪魔は貴様らだ…!ボルテッカァァァァァッ!!
「貴様らに…この地球は渡しはしない!この俺が…そして、俺を信じてくれる仲間がいる限り…!!」
第20話ラストより。アキの涙の説得で再びテックセット、ラダム獣に怒りを爆発させボルテッカを放つ。そして、月を見上げ改めて地球を守る騎士として戦う事を決意するのだった。
(俺は…みんなと出会えた事を感謝している。俺がこうして人間でいられるのも…)
第21話、トレーニングウェアを着て早朝のランニングを行った後、スペースナイツを見やりながら。彼の心にはスペースナイツの姿と、彼の心を信じるアキの言葉が響いていた。
「5ヶ月前のあの日……俺がスペースナイツ基地に戻った時には、基地は跡形もなかった。みんなの事は、気にならなかったわけじゃない。ただ、俺にはやらなければならない事があるんだ。残りのテッカマンを全員倒し、ミユキが教えてくれた月のラダム基地を叩き潰す。そればかり…この5ヶ月間、考えていたんだ」
第28話、ノアルと再会した際、この5ヶ月間何をしていたのか、と彼に問われた際に。
「どこの町も似たようなものだ。誰もが自分を守る事で必死なんだ」
第29話、とある街にて市長のウェイバーに移動用のエネルギーを分けてもらうよう頼むDボゥイとノアルだが、交渉は決裂。渋々と街路を歩く中、歓迎されない様子を見てノアルは「やっぱり、余所者は歓迎されないようだな…」と苦々しく呟くと、Dボゥイはこの台詞で返すのだった。
「……そうさ。バルザックは、俺達の仲間だ」
第33話、バルザックと共に暮らすリルルの農家にて。かつて、スペースナイツとバルザックが敵対していた事を知らないリック。彼の純粋な質問はスペースナイツとバルザックを戸惑わせる。Dボゥイはまだ幼く、バルザックを兄と慕う彼を傷つかせまいようにと、不器用ながらも嘘をつくのだった。
「…あいつ…俺と同じ目をしてたんだ」
第33話ラスト、スペースナイツと同行する事になったバルザックはかつて敵対していた時の頃とは異なっていた。ノアルは「えらく物分りがいいけど、どうしたんだ?」とDボゥイに問うと、この返答で今の彼を評するのだった。
「この曲は、シンヤも俺も好きだった…」
海を渡るグリーンランド号の甲板上で「G線上のアリア」を聴くDボゥイ。その姿に珍しい、と言うアキに対し彼は弟との思い出に浸っていく…。
Dボゥイ「俺はいつも本気を出していたけど、シンヤには敵わなかった。あいつは、0.01秒でも負けるのが嫌いだったから、負けないためにいつも完全な状態を自分に求めていたんだ」
アキ「行き当たりばったりに突っ走っていく、危険な『デンジャラス・ボゥイ』とは違って、いつも完璧を求める『パーフェクト・ボゥイ』だったってワケね」
Dボゥイ「ああ。俺は、何事にも一生懸命、真面目に取り組むシンヤを見て絶対に勝てないと思った。負けるべくして負けたのさ」
第34話、学生時代のリレーを思い出しながら。この時、全力で挑んだ結果、シンヤは1位でタカヤは2位となり、当のタカヤもアキに語る際、彼女も二段目の台詞で感心するほどの結果だったが、月にいるシンヤからすれば「兄さんは手を抜いていたのではないか?」と疑っていた。
「父さんの助手をしていたゴダード…今のテッカマンアックスが、シンヤといつも一緒に居て、その総てを教え込んだんだ。彼の専門は電子工学だったんだが、格闘技が好きで、その道へ進んだ方が似合いの男だった」
シンヤとの昔話をする中、Dボゥイはアキに彼とシンヤの武術の師匠であるゴダードをこの台詞で説明する。この後、ゴダードとボクシングのスパーリングをする場面が挿入される。師に向かい、ただがむしゃらにブローをぶつけていくシンヤの姿にはタカヤ=後のDボゥイも素直に感心するほどだった。
「ミユキは、テッカマンとなっても心は人間のままだった。シンヤもゴダードも、心のどこかは昔のままの自分を引きずっているはずなんだ。ただ違うのは、ラダムの本能に従って行動している事のみだ…」
アキ「地球を、侵略するのね…?」
Dボゥイ「ああ。だが、俺がそれを叩き潰す!アックスも、エビルも、オメガも、この手で…!そのためにも、早く完全なクリスタルを手に入れて、月面ラダム基地に乗り込まなければ…!」
第34話、グリーンランド号の甲板上にて、ミユキのテッククリスタルを見つめながら。
「俺とぺガスは、一瞬にして成層圏近くまで来ていた。ミユキのクリスタルに残っていたパワーが、テックセットと感応したんだ。こいつの最後のパワーが一瞬クリスタルフィールドを形成し、ぺガスを包み込んだ」
「こんな一かけらでも、あれだけの事ができたんだ。完全なクリスタルさえあれば、必ず月まで辿り着ける!」
「くっ…それが俺の…地球の運命なら…!俺がこの手で打ち砕く!!うおおおおおおっ!!
第36話、ラダム樹で構成されたコロッセウムでの決闘シーンより。体術でブレードを圧倒するアックスはラダムも地球人類も宇宙が創った存在だと言い、「ラダムが人間を滅ぼすのも、人間が生きるために獣を殺すのも同じ事」と彼の心に揺さぶりをかける。地球がラダムに侵略されるのも、自分が血を分けた肉親と殺し合うのも宇宙が定めた運命だと仮定するゴダードに対し、Dボゥイはこの台詞であくまでもラダムに立ち向かう事を師に示す。
「強くなどなりたくはなかった…できることなら、変わりたくなどなかった!」
アックスの乱れ斬りにテックランサーを落とされ、刃を砕かれ追い詰められたブレードは「肉を斬らせて骨を断つ」の言葉通り、ランサーの右肩部をわざと受け、左胸装甲の薄い部分を狙い左手刀で打ち貫く。弟子の成長に喜ぶゴダードに対し、Dボゥイはこの台詞で願わくば敵同士として殺し合いたくなかった、と互いの運命を嘆き悲しむのだった。
「さらばだ…ゴダード!!」
アックスを葬る際に。ダガーの時とは異なり、本名と共に師を葬り去る部分が倒される時の重みを増している。
「フッ…ありそうな事だな」
「だからと言って、俺は仲間を見殺しにはできない!」
第37話、バーナードからフリーマンの研究結果を告げられた際に。孝三にラダムの調整から救い出されたDボゥイはテッカマンとしては不完全な状態だった。度重なるテックセットの影響で体組織は傷つき、このまま戦い続けると確実に死が訪れるというのだ。バーナードの言葉にDボゥイは自嘲げに微笑みながらも、生死を共にする仲間を見捨てまいと、覚悟の上でテックセットするが…。
(チーフの研究は、弱ってた俺の体をここまで回復させてくれた。だが、本当に俺はこのままテッカマンになれずに…?いや、何か方法があるはずだ…俺を再びテッカマンにする方法が…!)
第38話の独白。アラスカに建設された新スペースナイツ本部に運ばれたDボゥイは、フリーマンの計らいで絶対安静のまま集中治療室に送られる。もうテッカマンとしてラダムと戦えないまま一生を終えるのか、と嘆くが、もう一度戦える手段がないのか、と傷ついた体を動かし、本部内をさ迷う…。
(50%の確立で、待つのはただ死ぬ事か…)
(テッカマンとして生きる事が許されないなら、俺は普通の人間として生きるだけか…)
(…違う!俺は戦ってきたんだ!)
(俺はもう後戻りできないんだ…俺は、自分自身でラダムと戦う事を選んだんだ…!!)
ふとした事でフリーマンからテッカマンの爆発的進化現象・ブラスター化を聞かされた後、アラスカの夜空を見上げて。成功する確率は50%。不完全な状態でブラスター化に挑めば肉体的負担が爆発的に増大、仮に成功したとしても半年ないし3ヶ月の寿命しかない、と告げられDボゥイは苦悩する。しかし、雲ひとつない夜空に輝く星々を見て、彼はブラスター化にわずかな希望を託す。
「チーフ、これが最善の方法だ!他にラダムを滅ぼす手段はない!!」
フリーマンの前でDボゥイは意を決し、自身のブラスター化を求める。アキの制止をも振り切り、彼はフリーマンにこの台詞で己の覚悟を示すのだった。
「どこだみんな…アキ、バーナード…どこだ…どこにいるんだ…!?」
「どこだ…バーナード…!」
「う…うぅおおおおおおぉぉぉぉっ…!!
39話ラストシーン。圧倒的な力でテッカマンランスを撃破したDボゥイ。しかしペガスから出てきたDボゥイの身体には異常が出ていた。フリーマンは告げる。「彼は使ってはならないパワーを放出してしまった」と。
「泣けるだけ……いいさ……」
「シンヤの事も、ミユキの事も、まだ覚えている…まだ、悲しむ事が出来る。そして、この涙を、この思い出を失わない限り、俺はラダムを憎む…俺はラダムと戦える!」
ラダムとの最終決戦に臨む際に、昔家族で住んでいた家へと戻った時に言った言葉。ブラスター化による影響でラダムへの怒りと憎しみを忘れてしまう事を恐れ、家族との思い出をもその糧にしなければならなかった。
「俺は今、とても素直な気持ちだ。今なら素直に言えるよ…。大好きだった兄さん達をこの手で殺す…そんな宿命、背負いたくなかったよ」
「忘れたくない……アキの事を。名前も……思い出も……アキの事は何一つ……」
昔の家で家族との思い出とラダムへの怒りと憎しみを心に刻んだ後で。この時だけ、彼は「相羽タカヤ」として本心を明かした。
「やめるんだ、アキ! アキ、これは俺とシンヤの戦いだ。下がっていてくれ」
「下がるんだ! ……頼む、下がってくれ! ……下がれ!」
ブラスター化の影響で傷付くシンヤを撃とうとするアキに対して。たとえ愛する人であっても、宿命の戦いに踏み入る事は出来ない。
「こいつのために……! こいつの……こいつのために!! うおおおおおおっ!!」
「うああああっ!! こいつ……こいつ! こいつのせいで!! 父さんも、兄さんも、ミユキも、シンヤも! 皆……皆……! こいつの!! ラダムのせいで……ラダムの……ラダムのせいで俺は!! 俺達は皆!! 皆……皆ぁ!!」
ラダムの支配から解き放たれたシンヤを看取った後、彼に寄生していた一匹の小さなラダム虫を踏み潰す。幸せだった家族の全てを奪われた怒りと憎しみ、そして悲しみの絶叫が響き渡る……。
後途のセリフは特典映像「燃えた時計」のもの。
「Dボゥイも相羽タカヤも、今ここで死んだ! 俺は……テッカマンブレードだ!!
にあるラダム母艦へ単身突入する際に、引き止めるアキに言った言葉。人としての己をすべて捨て去り、「テッカマンブレード」は最後の戦いに向かう……。
ラダム……
ラダムッ!!
うおおおおおっ!!
遂に全ての記憶を失い、戦う事が出来なくなったかと思われたDボゥイだったが、心に刻まれたラダムへの怒りと憎しみによって復活。だが、そこにいたのは、ただ衝動と怒りのままに暴れる白き魔神。そこにはもはや、Dボゥイと呼ばれた人間の面影は残っていなかった…。W51話ではこの状態が再現され、ブラスターボルテッカ以外のカットインも消滅する。
「帰ろう、家へ……」
オメガとの最後の対決で、ボルテッカを放つ直前に兄に呟いた言葉。
「ア……キ……」
最期の戦いの末、Dボゥイは立つ事すらできない状態になった。海岸に建てられた一軒のバンガローで、車椅子の状態で傍に寄り添うアキに彼はたどたどしい口調で呼びかける。それに優しく微笑むと彼もまた微笑み返す。かつて『白い魔人』と呼ばれた者は今、安らぎの時間を得たのだった…。

テッカマンブレードII

「そんなに悲しいのか」
「悲しみに溺れ、過去に溺れ……それだけで生きている事を諦めるのか!?」
プラハの跡地でデッドに再戦を挑み、その悲しみに満ちた心に語りかける。
「デッド。お前は今、死んだ……」
「プラハで心を忘れ、足掻いていた魂は今、ここで消えた……。後の命は、未来を生きろ……」
デッドに勝利し、その呪縛を解いたDボゥイは、自由に生き続ける事をデッドに促す。

その他

「ペガス……、俺の最後の命令だ。今から俺はラダムの母艦に突入する。その最後の時まで俺を援護しろ……最期まで……。」
「そして、もしもお前独りだけでも生き延びたなら……その時は守ってくれ、アキを……。俺に変わって……カワ……テ……テ……」
『MISSING LING』にて。ペガスに遺されたメッセージ。このメッセージが、絶望に突き落とされていたアキを奮い立たせる事となる。
「俺は人間だ、シンヤ。今までも、そしてこれからも、人間であり続けたいんだ!」
特典映像『TWIN BLOOD』にて。
「臨死体験」
ドラマCD「ラダムの来ない日」にて、スペースナイツの面々のしりとりに割り込んでの一言。このしりとり、陰気で救いのない言葉を繋げる陰気しりとり、別名をDボゥイしりとりというもので、挙げられる言葉も「断末魔」だの「死にかけ」だのひどい言葉だらけである。なお「断末魔」のあたりから聞いていたらしい。ちなみにこの直前の単語は「病み上がり」。
「今、人生が暗い」
LD購入特典でのドラマCD1「ザ・宴会」中におけるCM内での台詞。このCM中、Dボゥイは「陰気な大作」と自虐、さらにノアルは「ブレードのランサーが唸る時、また家族が死ぬ!」だのミリーも「雰囲気真っ暗に」だのと追い討ち。言いたい放題である。
「たいへんだァ!おれ、自分の名まえ忘れちょるばい~~!
「いいね~、それ!今日からそれをおれの名まえにしちゃお~っと♪
念仏の時間だぜ、ラダムどもめが――ッ!!!
おれってばそんな暗い過去があったんだァ…ひゃあ…明るいヒーローとばっか思ってたのに暗いヒーローだったの~~?
これらのセリフは井上大助の漫画版(講談社「デラックスボンボン」にて連載)が出典。アルゴス号のクルー、そして実の兄弟と戦うという悲壮感は薄まり、素で記憶喪失となっている上、TV版とは比べ物にならないほどの勢いで食事を平らげた後名前を聞かれ、最初の台詞を言い放ったり、ノアルにデンジャラスボゥイと呼ばれて嬉しそうに喜んだり、ラダム獣を勇猛果敢に倒したり、テッカマンエビルに自身の過去を聞かされたときには大泣きしてしまったりとお気楽極楽かつ熱血馬鹿キャラとして描かれていた。
最も井上氏が担当したコミカライズはそういうテイストに方向性が変わる事が多い。他にはこの人とか。
「そのセリフ…そっくりそのままてめーにくれてやるぜ、ダガーッ!!」
ボルテッカ――――ッ!!!
「ざまーみやがれ悪鬼ども!!きさまらはおれがたたきつぶしてやる…!!」
井上版第1話ラストより。「うらぎりものはここで死ね、ブレード!!」とブレードと交戦するテッカマンダガー。苦戦はするものの、上記の台詞で両肩パーツを展開、至近距離のボルテッカで粉砕後、下記の台詞でラダムに宣戦布告する。
「うるせえ!!!それでも人間の心をすてるよりはなんぼかマシだろうが――ッ!!!」
おれは人間だ―――ッ!!くらえ、ボルテッカ――――ッ!!!
「たとえ血をわけた実の兄弟でも、悪魔に魂をうりわたしたヤツは…すべておれの敵だ!!おれは地球を守るテッカマンブレードだ!!!
同じく、井上大助版により。コルベットが量産したソルテッカマンの軍勢を蹴散らすエビルに怒りを燃やすブレードに対し、彼は「フ…何をねぼけたことを。人類がおまえにした仕打ちを忘れたのか?英雄どころか、牢屋おくりだ!!」と嘲笑する。それに負けじとブレードは上段の台詞でエビルを圧倒、中段の台詞と共にボルテッカを放ち退ける。やがて、下段の台詞で人類を、そして地球を守るための戦士として戦う事を改めて誓うのだった。先程の強烈なギャグが目立つ井上大助版でも屈指の熱い場面である。
「悪いが時間がねえんだ、覚悟を決めなダガー!」
こちらはコミックコンプ版。この後ダガーに向けて至近距離からのボルテッカを放つ。シリアスなアニメやお馬鹿な井上大助版に比べ、恐ろしくワイルドなキャラ付けである。
「まだ息があったようだなダガー! 手かげんした甲斐があったってもんだ!」
同じくコンプ版。至近距離のボルテッカを受け、満身創痍で帰還しようとするダガー。しかし突然背後から上の台詞と共に頭を掴まれる。そこにいたのは他ならぬテッカマンブレードであった…。至近距離からのボルテッカをぶちかましたにも拘らず、なんと手加減していたというのは驚きである。
ブレード「――! あったあった!」
ダガー「そっ、それはワシのシステムボックス!何を…」
ブレード「ペガス嫌いのアンタのことだ、きっと自分で持ってると思ってたぜ!」
上述のシーンの後、ダガーの胴体に貫き手を食らわせ、システムボックス=テッククリスタルを引きずり出す。

スパロボシリーズにおける名台詞

「ああ…アキ…ノアル、チーフ…それにみんなも。忘れてなんかいない」
Jにてラダムとの最終決戦後、ラダムコロニーの暴走を食い止めて救助された際の台詞。
「…妹を…ミユキを…ミユキを助けてくれ、凱っ!!頼むーっ!!」
Wにてミユキがゾンダーに取り込まれた際に。この時、凱はそれまでの戦いの負担でヘルアンドヘブンを撃つとガオガイガーごと砕ける危険性があったため、Dボゥイも一度はミユキを諦めようとするが、凱の「俺を信じろ」という言葉に応じて魂の叫びを上げる。
「目を覚ませ!誰かの言葉に踊らされて戦い続けているのでは…ラダムに支配されたテッカマンと同じだぞ!」
Wの第23話でマリーメイア軍と戦闘した時の台詞。
「前にカズマが言っていた事を少し思い出したよ。思い出は大切なものだって…」
「こんな事ならばどこかに俺の思い出や記憶を記録しておけばよかったよ…」
W第46話にて、お見舞いに来たユミから「妹さんが好きな花と聞いたから」とアマリリスを渡された際にミユキの事を忘れてしまっていた事への自嘲。
「ユミ…お前は生きるんだ。ナターシャやダービットやデッドと…」
「お前達はテッカマンの宿命に負けるな。それが俺からお前達に伝えたい事だ」
「俺はお前達の心の中で生きる…。ミユキや、あの日のシンヤ兄さんが俺の心の中にいつまでもいるように」
Wで、「時の止まった家」の再現イベントでユミに後を託した台詞。新しい世代に後を託し、Dボゥイは全てに決着をつけるべく戦いに臨む。
「ペガス…? その歌…まさか…!?」
「バーナード…? 死んだのは…バーナード…バーナードなのか!?」
「バーナード…バーナード!! うおおおおおおおおおおっ!!」
W50話でバーナードが戦死した際の絶叫。当初はブラスター化の影響でバーナードの記憶を失っていたが、ペガスの唄ったダニーボーイの歌で彼を思い出す。だが、その時既に、彼は宇宙の闇に消えた後だった……。
「ペガスーッ!」
「うおおおおおおおおおおおおっ!!」
Wでオメガにペガスを破壊されて。本編ではこの時のDボゥイは何もかもを忘れているので無言だった(ただし、これに応えるようにブラスター化する)が、今回は仲間の呼び掛けで自我を取り戻しつつあり、目の前でペガスが破壊される様を見て絶叫する。そして…
「俺は…俺は孤独じゃない! 俺には大切な人達がいる!!」
「俺はもうDボゥイでも相羽タカヤでもない…! 俺はテッカマンブレード!」
だが、ノイ・ヴェルターのテッカマンブレードだ!
Wにてブラスター化の後遺症が重なり、脳神経が完全に崩壊したブレードが、仲間たちの呼びかけ、そしてペガスの爆散により、フリーマンをして「奇跡」と言わせる復活を遂げた時の言葉。失いかけた全てをその手に取り戻した男は、眼前の宿敵たる実兄に挑む。
「まだだ! 俺の怒りと憎しみはお前を倒すまで終わらない!」
「この憎しみの決着は俺の手でつける!」
「宇宙でアルゴス号がラダムに遭遇したあの日から、俺はそのためだけに生きて来たんだ!!」
復活後、オメガとの戦闘前台詞。自身本来の目的であるラダム打倒を目前に、己を取り戻した白き魔神が咆哮する。
「ジェネシスから俺を救ってくれたミユキ…」
「そして、俺の身体はミユキが届けてくれたシンヤのクリスタルで新たな生命を得た…!」
「俺の身体にはシンヤがいる…。シンヤの生命が俺を守ってくれている」
「父さんとシンヤとミユキに救われたこの生命…俺は地球を守るために使う!!」
Wの第52話においてミユキの生存フラグが立っている状態で味方増援として登場した時のセリフ。最後の最後で死んだと思われた妹が生きていた事は彼にとって最大の救いとも言えるだろう。この一連の出来事はスパロボ補正が起こした奇跡で、苦しみの中でもがき続けた彼だけに許される奇跡である。
「俺の名は相羽タカヤ! お前達が始祖と呼ぶ相羽孝三の息子だ!」
「ならば、俺は相羽孝三の息子として貴様達を止めてみせる!」
「それが俺に託された願いであり、俺の使命だ!」
以上の二つはWにてイバリューダーとの最終決戦にてゾアと戦闘させた際の会話における発言。ゲームオリジナル設定でイバリューダーの始祖が相羽孝三であるため、ここでのDボゥイは「Dボゥイ」でも「テッカマンブレード」でもなく、「相羽タカヤ」を名乗って戦うという珍しいシチュエーションとなっている。
「その…俺の事…タカヤって呼んでくれないか?」
「もう仮面は必要ない…。俺は相羽タカヤに戻ろうと思う…」
WのEDにて、新たな旅立ちを前に、アキに告げた一言。宿命から解き放たれた瞬間である。