「カルヴィナ・クーランジュ」の版間の差分
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2016年6月30日 (木) 14:35時点における版
カルヴィナ・クーランジュ(Calvina Coulange)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 声優:浅野真澄[1]
- 種族:地球人
- 性別:女
- 年齢:22歳
- 所属:
- 連合宇宙軍→アシュアリー・クロイツェル社→ナデシコ→特務分艦隊(J)
- 地球連邦軍→アシュアリー・クロイツェル社(OG)
- 階級:元少尉
- キャラクターデザイン:糸井美帆
スーパーロボット大戦J
もうひとりの主人公。“ホワイト・リンクス”の異名を持つ。人型起動兵器の操縦に天性の才を持っており、養成校時代には戦技科教官を相手に全勝記録を築いたという。
表向きには冷静で落ち着いた性格をした大人の女性だが、その実、攻撃的かつ激情的であったりする。人付き合いはさほど得意ではなく、時折垣間見せる刺々しい言動から協調性の欠如を問題視され、優秀な成績を修めたにも関わらず火星に配属された。
しばらくして、火星で人類初の木星蜥蜴と遭遇戦に参加。生還を果たすも負傷し、地球圏に戻ったのち軍を退役する。その後はアシュアリー・クロイツェル社(AK社)の月面支社で契約社員として、新型機の評価とテストパイロットの指導を務めていた。
気心の知れた仲間のほかアル=ヴァンという理解の深い恋人を得るなど順風満帆な日々を過ごすも、幸せな時は長く続かず、フューリーが証拠隠滅のために起こした月面テロに巻き込まれ、職場と仲間に加えて恋人を喪失。 たった一人生き残り、その際にパイロットとしてはリハビリが必要となるまでの重傷と、深刻な心的外傷を負ってしまう。
2か月後、ネルガル重工のプロスペクターに戦艦ナデシコのクルーとしてスカウト[2]され、戦闘アドバイザーとして乗艦するところから彼女の『J』は始まる。
ナデシコ艦橋で指揮を執った月面脱出時に遭遇した三人の少女を乗せた謎の人型起動兵器にただ一人適性[3]を示したことから、意にそぐわぬ形でパイロットとして復帰。やがて敵中に死別したはずの恋人アル=ヴァンの姿を見出し戦場で再会を果たすことになるとは、夢にも思わないのであった……。
OGシリーズ
地球連邦軍に所属していた頃はDC戦争やL5戦役において多大な戦果をあげており、“ホワイト・リンクス”と呼ばれるほどのエースであったが、その後軍を退役、アシュアリー・クロイツェル社のテストパイロットに転勤していた。しかし同社はフューリーの襲撃により自身とテニア、そしてテストをしていた乗機のベルゼルートを残して壊滅、戦いに身を投じることになる。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 女主人公として登場。指揮官技能を持つ異例のタイプ。被弾すると気力が下がる性格であるため、グランティードには完璧に不向き。相性を考えるならベルゼルートなのだが、本作ではリアル系が弱くスーパー系が強いため悩みどころ。
- 序盤は戦火のなかで遭遇した三人の少女やクルーとの交流を通じ、心身にまとった厭世観や喪失感から立ち直ろうとする女性として……。死別したはずのアル=ヴァン・ランクスと再会し、彼の正体(フューリーの騎士として支社を襲撃した宇宙人)を知った中盤からは、愛憎に揺れる復讐鬼として行動するようになる。
- 敵勢力の幹部アル=ヴァンの元恋人という重要な設定はあるのだが、もう一人の主人公である紫雲統夜がフューリーとのハーフという設定を有しているために、やや影が薄い印象がある。
- 戦後、サイトロンの導きのもと復縁した恋人アル=ヴァンの力となるため、フューリー移民のオブザーバーとなる道を選択する。
OGシリーズ
- スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ
- 専用搭乗機はベルゼルート。服装に一部追加(ストッキング着用)。
- 担当声優の浅野真澄氏は当作品でスパロボ初参加。
- PV1のナレーションも担当しており、「アシュアリー・クロイツェル社時代からベルゼルートにテニアと共に乗り込んでいた」「テニアと共にアシュアリー・クロイツェル社が壊滅した事件に巻き込まれた」事が語られ、『J』の冒頭から設定が変更されており、PV2ではアル=ヴァンから「カリン」と呼ばれるシーンがある。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
パイロットBGM
- 「Revenger」
- 前半主人公機BGM。タイトルが「復讐者」という直球ど真ん中。
- 「Guardian Angel」
- 後半主人公機BGM。今度は「守護天使」。ちょうどアル=ヴァンとの決着を終えた後なのでタイミング的にはばっちりである。前半曲「Revenger」のアレンジでありながら爽やかな曲調が、復讐に区切りをつけたカルヴィナの心情を的確に表現している。
人間関係
フューリー
- アル=ヴァン・ランクス
- 恋仲にあったフューリーの騎士。心の奥底ではなおも一途に想い続けており、オーブの決闘の敗者となった彼が死亡したと思い込んだときにはショックで部屋に閉じこもるなど、愛情を完全に捨て切れてはいない。
- 宇宙軍時代の上官でもあったらしく、アシュアリー・クロイツェル社のプロジェクトにカルヴィナを勧誘したのもアルである。AK社で行われた最初の模擬戦でアル=ヴァンの前に一方的な敗北を喫している。
- MDでは彼から「カリン」という愛称で呼ばれていた。
- ジュア=ム・ダルービ
- 素性を隠してアシュアリー・クロイツェル社に潜り込んでいたフューリーの準騎士。カルヴィナの元教え子でもある。生粋の宇宙人であるため内心では地球人の彼女を見下しており、「カルヴィナ教官」と呼びつつも侮蔑を隠さない。
地球人
- カティア・グリニャール、メルア・メルナ・メイア
- パートナーたち。カティアがカルヴィナを呼ぶ時に使う「ミストレス」とは「マスター」の女性形を指す[4]。
- フェステニア・ミューズ
- パートナーの一人。明朗闊達で健啖家な少女。緋色の髪が特徴的。『OGMD』では初登場時のパートナーは彼女で固定となる。
- フランツ・ツェッペリン
- アシュアリー・クロイツェル社に勤務する開発者。物語開始時にはすでに敵方に殺害されており、生前の彼にプログラムされた電子空間内に存在する疑似人格として登場する。
- エ=セルダ・シューン(統夜の父)やアル=ヴァンとは友人関係にあり、彼らが太陽系外の来訪者であることを察していた。誘拐されていた三人の少女はフューリーの施設内で生前のフランツの姿を目撃したことがあるという。エ=セルダの手引きである可能性が最も高そうだが、ゲーム内では特に説明されることはない。
版権作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- ムウ・ラ・フラガ
- ともに経験豊富なパイロットで会話も多い。出会った当初は呼び名に関して、アル=ヴァン以外からは名前を呼ばれたくないと拒否反応を示していた。
- マリュー・ラミアス
- アル=ヴァンとの再会後に情緒不安定になった彼女を案じ、戦いを続けられるかどうか見極めようとする。なお、彼女はカルヴィナに対する呼び方の変遷が激しく、第20話では名字、第50話では名前、第52話ではさん付けで呼んでいるが、これは制作側のミスと思われる。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 後述のイベントでパートナー達に掴みかかっていた場面で彼女に非難されてしまう。
リアル系
- スバル・リョーコ
- ナデシコ乗艦時はリョーコがエステバリス隊を、それ以外をカルヴィナが統率していた。勝気な女性パイロット同士、腕を信用している。
- プロスペクター
- ヘッドハントに現れたネルガルのスタッフ。カルヴィナの現状をプレイヤーに説明する役割も持っている。トラウマを掘り返された事から、苦手としている。
- 相良宗介
- 「元少尉殿」などと堅苦しく、なおかつ妙な呼び方をするため少々彼女を辟易させる(最終的には「クーランジュ殿」で妥協した模様。ちなみに彼女を敬称で呼ぶ際は「退役少尉殿」が妥当な呼び方ではある)。カルヴィナが神経を尖らせていたときには、彼なりに励ましの言葉をかけていた。
- メリッサ・マオ
- カルヴィナ以上の戦歴をもつベテランパイロットであり、対等に話せる相手。アル=ヴァンと再会したイベントの直後、尋問同然でパートナーに掴みかかっていたカルヴィナを殴り倒し叱責することもあった。その後も思いつめないように度々忠告を行う。
- ネリー・キム
- バイタルジャンプで伊佐未勇ともども彼女の下にたどり着く。カルヴィナは不思議な雰囲気のネリーに自然と心を開き、憎しみで戦ってはいけないと諭される。カルヴィナにとっては意味ある出会いとなったが、そのあとすぐにネリーはリバイバルに巻き込まれ消滅してしまう。
スーパー系
- 結城沙羅
- 同じ境遇の女性。アル=ヴァン絡みになると色々と不安定になるせいで彼女から気遣われる事も。
名台詞
スーパーロボット大戦J
- 「グッドラック」
- 序盤のみ多用する口癖。
- 「…別に、どうでもいいわ。やれというならやってもいい」
- 第2話「vs地球連合軍」より。主人公機のパイロットになることが決まった時のもの。序盤はこういうドライとも投げやりとも取れる態度が目立つ。
- カルヴィナ「知っていることを全部話せ! ことの次第によっちゃ、あんたたちでもただじゃ済まさないよ!」
カティア「…ごめんなさい。でも私たちも知らないのよ」
フェステニア「何度も言ってるじゃない! ねぇカルヴィナ! 本当だよ!」
カルヴィナ「黙れ! 最初に見た時に気にはなってた。使えさえすればどうでもいいと思ってたけど、あの事件が関係あるとわかった以上、もう知らないじゃ通らない! なぜあたしの所に来た!? あいつらのこと、(主人公機名)のこと、あんたたちのこと、無理やりにでも全部しゃべってもらう!」
メルア「やめて!」 - 第20話「「真実」は一つじゃない」より。アル=ヴァンと再会した後、前述にある通り尋問同然でパートナーに掴みかかってしまい、直後にその様子を見かねたマオに殴り倒されてしまう。
- 「…みんな死んだんだ。子供が生まれるってはしゃいでたジャッキー。木星トカゲを倒す兵器をつくることで恋人の敵が討てると信じてたアリス。ようやく休暇がとれたから家族に会いにいくと言っていたマツザキ。外宇宙への探査船団に参加するのが夢だったヴォルグ。婚約したばかりだった技術部のキャシーと医療班のレン。あたしの大切な仲間や友人たちは誰も…誰も助からなかったんだ! なのに、あたしだけが生き残って…それが全部あいつがやったことだったなんて!」
- 同上。アル=ヴァンに裏切られた事を知り、殺された社の同僚を思い出しながら、憤りを露にする。シリアスなシーンではあるが、よく見ると同僚達皆が盛大に死亡フラグを立てている。
ちなみに、同僚が殺されたことに対するアル=ヴァンへのこの怒りは、後のシナリオの中では未消化ぎみになっているため、カルヴィナは最終的に殺された同僚の無念を晴らすよりも彼への愛を優先したと見ることも可能である。 - カルヴィナ「…世話になったわね。いろいろありがとう。ほんの数日だったけどここで過ごせてよかったんだと思う。たぶんね。ずいぶん気が休まったわ」
ネリー「あなたにはそれが必要だったのね。だからここにきたのよ。憎しみに凝り固まった心を解きほぐすため」
カルヴィナ「…あんな話をあんたにまですることになるとは思わなかった。きっとこの場所と、あんたのせいね。でも戦いに戻れば…あいつと会えば、あたしはきっとここへくる前と同じに戻るでしょう」
ネリー「そうでなければ戦えないからでしょう? 憎しみを抱かなくては、怒りにすがらなくては、心が砕けてしまうから…」 - 第28話「カーテンの向こうで」冒頭の会話。伊佐未勇ともどもネリーの世話になるカルヴィナ。ネリーの最後の言葉はカルヴィナの戦う動機の核心、苦しみの根源をついている。
- 「ネリーが…死んだ…? そういうことなの…?」
「そんな…」
「そんなバカな話はない! また…またあたしは守れなかったというの…? うわぁぁぁぁっ!」 - 同上。バロンズゥの力を得たジョナサン・グレーンから必死にネリーを守ろうとしたカルヴィナだったが、結果的にリバイバルに巻き込まれ彼女が消滅した事実を目の当たりにし、絶叫する。同僚を守れなかったというトラウマがよみがえったのかもしれない。
- 「そんなこと言わないで。だって今、こうしてあなたに会えて、私がどんなに嬉しいかわかる? アル=ヴァン…あなたを殺すのは、この私! この時のために、私は生き残ったの!」
「自分でも、こんな気持ちなのは不思議だったわ。だけどようやくわかった。今でもあなたは、私の全て! だから私の全てを賭けてあなたを殺す! さあ、戦いましょう、アル=ヴァン!」 - オーブでのアル=ヴァンとの決着に際して。愛と憎しみ、そのどちらかを捨てることができなかったが故のこのセリフ。カルヴィナをヤンデレと言われるのは上記の詰め寄ったシーンとこれがきっかけであろう。
- 「いい男だった、か。裏切られても…」
- 第39話「消えない灯火、消える命」冒頭でカルヴィナが、フランツ・ツェッペリンが残した彼の疑似人格に「(アル=ヴァンを)どう思った?」と尋ね、返ってきた答えが「いい男だった」というものであった。
- 「ちょっと、アル=ヴァンのこと言ってるの? 心を交わした? この欠陥プログラム! 迂闊なこと言うと、ぶっこわすわよ!」
- 第50話「百億の夜と千億の闇」より。フランツの疑似人格に、カルヴィナが地球人で唯一フューリーと真に心を交わしたと言われて。もう物語の終盤であるが、この話題に関してはまだまだ心がささくれ立っているのがわかる。この後ユリカになだめられていた。
- 「一年前の私なら、あなたを殺そうとしたかもね。でも今は、もうちょっとマシな事に弾丸を使うことを知ってる。行きましょう、私達に出来ることがあるんだから。それをしないのが罪だって、思わない?」
- 終盤で初対面したシャナ=ミアに対して。確かに復讐心に身を委ねていたころのカルヴィナだったら本当に殺そうとしていたかもしれない。
- カルヴィナ「…私の判断ミスね。理由は、部隊と自分の信頼関係を、過小評価したこと」
カティア「カルヴィナさん…」
カルヴィナ「あやまるわ。ごめんなさい」
甲児「うおおっ! あ、あのカルヴィナさんに…」
豹馬「あ、頭下げてもらっちまうなんて…いいのか、おい?」 - 第51話「冷たい世界 前編」より。最後の戦いで、自分一人で黙って出撃しようとして仲間から止められ、謝るカルヴィナ。二人の驚きようから、彼女が周囲から普段どう見られていたかがわかる。
- 「あんたは昔の私よ。戦う理由は、怒り、憎しみ、そして絶望…だけど私は、あの人の本当の想いを受け取ったわ。今は、フューリーも人類も滅ぼしたくない。そのためなら喜んで盾になる、(主人公機名)はそのためにある!」
- 最終話 冷たい世界 後編」より。ラスボスのグ=ランドンと対峙した時の台詞。全てを失ったあの時から様々な経験を経て、復讐の果てにたどり着いたカルヴィナの結論。
- 「私が仇として憎んだフューリー、アル=ヴァン・ランクスは、オーブで死んだわ。私に殺されてね」
「復讐は終わったの。今、目の前にいるのは…私の、世界一大切な人。世界で一番、守りたい人…」
「…今でも愛してるわ、アル=ヴァン」 - エンディングで、起動するガウ・ラ=フューリアをアル=ヴァンと止めに行く時の台詞。以前は彼の名前を聞いただけでイライラしていたのが嘘のような言葉であるが、死んだ同僚への責任や負い目によってこれまで押さえつけてきた感情が吐露されたものであろう。
- 「どうして…どうしてわからないの!? 私が今日まで生きてきたのは、あなたがいたからなのに。敵でも仇でも、殺したいほど憎んでも! あなたがいたから!」
「あなたに死なれたら…今度こそ私、生きていけない…! アル=ヴァン、どうしてそんな、ひどいこと言うのよ! お願い、一人になんかしないで! お願いよ!」 - これまでの罪を償うため、ガウ・ラ起動部の破壊による誘爆を防ぐ犠牲となって死のうとするアル=ヴァンへ、懇願するように叫ぶ。
- 「…だったら、私も一緒にいさせて」
「私の全ては、もうここにあるわ。だから、いいの」 - カルヴィナの説得にも耳を貸さないアル=ヴァンに、カルヴィナは最期まで共にいる事を望む。結局、カルヴィナのこの決断がアル=ヴァンが生きて罪を償う事を選択するきっかけとなった。
- …地味にこの場面、カルヴィナはアル=ヴァンと心中しようとしていた事になるので、物凄く穿った見方をすればこれもヤンデレ展開と言えなくはない。
搭乗機体
プレイ開始時にどれか一つを選択。
- ベルゼルート→ベルゼルート・ブリガンディ(B・ブリガンディ)
- 『OGMD』では搭乗機体。
- クストウェル→クストウェル・ブラキウム
- グランティード→グランティード・ドラコデウス(G・ドラコデウス)
- ヴォルレント→ラフトクランズ(他の主人公機を全て選択した後)
余談
- 「ヤンデレ」という評価について
- 「復讐者の女主人公」という点では、『J』の直前に発売された『第3次α』のセレーナ・レシタールと同類である。しかし、セレーナの物語がダークヒーロー路線の明快な復讐譚であるのに対し、カルヴィナの物語は脚本の完成度がいまいちで、本来この手の愛憎が絡むシナリオで最も重要であるはずの彼女の感情の推移がプレイヤー側から理解しづらいきらいがあった。加えて作中の「愛しているから殺す」という発言に象徴されるような、愛憎の情をむき出しにしたオリジナルキャラクターはスパロボ史上でも彼女だけであろう。そういった姿や復縁後の様子から、ヤンデレと見なされることが多くなった。
- ところで、Wikipediaの「ヤンデレ」の項目には、その定義についてこのように記されている。
広義には、精神的に病んだ状態にありつつ他のキャラクターに愛情を表現する様子を指す。その一方、狭義では好意を持ったキャラクター(「デレ」)が、その好意が強すぎるあまり、次第に精神的に病んだ状態になることを指す。
- ときおりカルヴィナが見せた激しい怒りや攻撃性の背景には、同僚を皆殺しにされた苛烈な経験だけではなく、アル=ヴァンへの愛が裏切られたという感情が存在しているのは間違いない。また、「愛しているから殺す」という例の発言に注目するなら、広義のヤンデレに該当するといえるかもしれない。
- 第28話のネリー・キムとの会話を見る限り、彼女の心情の核心は、許せない相手であるアル=ヴァンを心の奥底ではまだ愛してしまっていて、その矛盾の重さに彼女自身が耐えられないという点にあり、この二つの感情の相克がカルヴィナ編の主題と言える。だが実際のところ、シナリオの中ではこの点が丁寧に描かれたとはいえず、同僚を殺された無念や怒りと、最後にアル=ヴァンを許し彼への愛を語るその姿との間にいまいち整合性を提供できていないため、とりあえずヤンデレとして理解するのが手っ取り早いと思われたのであろうと推測できる。
- アンソロ漫画において、彼女の機体の武器名を変更し、セクハラ発言を言わせる、というネタがあった。(例「巨乳でドカーン」「彼氏募集中」)
- 『J』のイメージソングとして『CASTAWAY』(歌・玉置成実)が制作されCMで流されたが、その歌詞の内容は直接的ではないものの、カルヴィナを想起させうるものとなっている(castawayという言葉は「捨てられた」「見捨てられた人」といった意味)。
脚注
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