ショット・ウェポン
ショット・ウェポン(Shot Weapon)
ドレイクによって、初めてバイストン・ウェルに召喚された地上人。ドレイクの下で地上人ゼット・ライト(SRW未登場)と協力して、ロボット工学とオーラ力を融合させたオーラマシンを開発する。同時にバイストン・ウェルの制覇を目論むドレイクの野心に火をつけ、荷担する。しかし、その本心はドレイクを利用して自分がバイストン・ウェルの支配者になることを望んでいた。その為、腹心の部下であり恋人でもあるミュージィを戦士にしたてた。
地上に出てからは独自に開発したオーラクルーザー・スプリガンを使い、己の思惑でドレイクとは別行動をとっていた。技術者として以上に策謀家としても有能で、ドレイクの疑いをかわしつつ計画を進めていく。最終決戦の最中、ミュージィにドレイクを暗殺させようとしたが失敗する。
最後はショウとマーベルの攻撃によってミュージィと共に散るが、未曽有の大戦乱を引き起こした重い罪により、その魂は転生されず、バイストン・ウェルの地に彷徨うという、死よりも重い罰を受ける事となった(スパロボで言う所の「呪われし放浪者」となったと言える状態だが、肉体はミイラ化し崩壊が進んでいる)。
700年後の遠い未来を舞台とした『New Story of Aura Battler DUNBINE』において自らが死を迎えるべく、バイストン・ウェルに再び戦乱を招いている。
登場作品と役柄
SRWでは原作同様にドレイクへ反旗を翻すまで描かれることが多い。ただ、イングラムやユキムラ、ノーヴルといったオリジナル敵の大物と対等の立場で会話するなど、作品によっては抜きん出た才能を見せることもある。
旧シリーズ
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- スプリガンに乗ってくる。ドレイクへの反抗を伺わせる描写はあるものの、最後まで反旗を翻す事は無く、ドレイクと同じくシナリオ「栄光の落日」にて退場する。
- スーパーロボット大戦F
- 声付きで参戦。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 原作同様、最終決戦でミュージィにドレイクを暗殺させようとする。黒騎士がいないと暗殺が成功する。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT
- ガラバに乗ってくる。
- スーパーロボット大戦COMPACT2
- 戦う場面は少ない。
- スーパーロボット大戦IMPACT
- リメイク前と同じ。最終決戦で撃墜され死亡する際にも、通常戦闘における撤退時と同じ台詞を発するのみで、特別なものは用意されていない(恋人であるミュージィの最期も同じ扱い)。
- スーパーロボット大戦COMPACT3
- TV版とOVA版の両方が登場する。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- SRX計画に参加していたが、バイストン・ウェルに召喚されたため行方不明になっていたという設定で登場。
Scramble Commanderシリーズ
携帯作品シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- プロローグにてマーベルに乗機のスプリガンごと撃墜されるが、もう一つのバイストン・ウェルに転移し、ホウジョウ軍の一員となって新たにオーラマシンを製造しており、このバイストン・ウェルにも新たな戦乱の火種を撒くこととなる。また、本作におけるナナジンの開発者ともなっている。
- サコミズを失ったホウジョウ軍が地上からバイストン・ウェルに戻された後は人類軍へと渡り、そこでノーヴル・ディランと接触して「ある事実」を知ったことで、この世界で芽生えた新たな野望を果たすべく暗躍。また、ジン達の機体にオーラバトラーの技術を組み込んで強化を施している。ただし、これによって同期臨界はさらに命を削るようになってしまっており、多少なりともそのことを気にかけていた。
- バジュラ本星にて人類軍をも裏切りマクロス・ギャラクシー船団の側につき、バジュラ本星での戦いの最終局面にてその野望の実現を決行せんとするも…。その末路は、OVA版を髣髴させるものとなっている(ある意味OVAより酷い)。
- なお、物語でのその活躍ぶりに対して、今回は最後まで直接戦闘する機会はない。ミュージィを殺された恨みなども、こちらの世界にまで持ち出す気はない模様。
人間関係
- ドレイク・ルフト
- 一応の上司。
- ミュージィ・ポー
- 元はリムルの音楽教師。部下であり恋人でもある。
- バーン・バニングス
- 失脚した後、部下として利用する。
- ラバーン・ザラマンド
- ズワウスを与える。
他作品との人間関係
リアル系
- シンジロウ・サコミズ
- UXではホウジョウ軍所属時の主君で、彼の側近となり、ホウジョウ軍のオーラバトラーの開発を担う。
- エイサップ・鈴木
- UXではナナジンを見事に使いこなす彼の戦いぶりに、ショウの姿を重ねる。
- ヘスター・ギャロップ
- UXでは人類軍での上司。終盤にバジュラ本星にて彼女を射殺する。
- マクロス・ギャラクシー船団の黒幕たち
- UXでは終盤に密かに彼らの側に寝返り、人類軍を抹殺する。
- 早乙女アルト
- UXではバジュラ本星での戦闘の最終局面にて、「真理」に到達すべく、彼に特攻を仕掛けるが…
スーパー系
ガンダムシリーズ
- 孫尚香ガーベラ、陸遜ゼータプラス
- UXの序盤に彼らがホウジョウ軍に捕らえられた際、サコミズ同様にショットも彼らを地上人と勘違いして大いに驚愕して思わず絶句してしまう。
- 曹操ガンダム、司馬懿サザビー
- UXの中盤のバイストン・ウェルルートにてサコミズとの会談に訪れた彼らに、野心を秘めているのを見抜かれる事に。ホウジョウ軍での才知縦横ぶりは司馬懿をして「王佐の才」と言わしめた。
バンプレストオリジナル
- イングラム・プリスケン、カーク・ハミル、ロバート・H・オオミヤ、シュウ・シラカワ
- かつて彼らと共にSRX計画に携わっていた。
- ユーゼス・ゴッツォ
- αでショットをバイストン・ウェルへ送り込んだのは彼だった。
- シュウイチロウ・ユキムラ
- 旧知の仲。ユキムラをしてよき相方になりえたらしい。
- ノーヴル・ディラン
- 人類軍へ渡った後の同僚。彼女と接触したことで、ショットは「UX」の世界の真理を知ることとなる。
- ジン・スペンサー、アユル・ディラン
- 人類軍へ渡った後、彼らの機体に強化改造を施す。
名台詞
- 「私の本心をお前は知った…ゼットも知らんことだ」
- ミュージィに本心を話したとき。
- 「そうすれば、このバイストン・ウェルを手に入れた時より、お前は女王だ」
スパロボシリーズの名台詞
- 「メガボーグ、か…私がバイストン・ウェルに召喚される前には、まだ実用化されていなかったがな」
- IMPACTでゴラオンを追い詰めた際、同じ獲物に狙いを定めたコマンダー・ネロスを一瞥して呟いた台詞。破嵐創造のメガノイド計画に関する情報も、或る程度把握していた事が窺える。
- 「恨みごとを並べるのならば、こちらとて想い人を殺されている!」
「しかし、私はこの世界にまで怨念を持ち越そうとは思っていない」
「でなければ、浄化を超えてここに来た意味まで見失うからな」
「わかってくれ、とまで頭をさげる義理もないが…」 - UX27話バイストン・ウェルルートにてショウとの再会時に「貴様のことは信用できん」と言われた時の返答。やはりミュージィの死について思う所はあったようであるが、同時に浄化を経たことで過去の怨念は水に流すともあっさりと言ってのけ立ち去った。
- だが、一度浄化を経てなおホウジョウ軍の元で新たな野心をその身の内に宿している事は司馬懿と曹操に看破されていた。
- 「長旅ご苦労様でした、ヘスター事務総長」
- UX第50話にて、バジュラ本星にて本性を表したギャラクシー船団の黒幕たちによって三島、ハワードらフロンティア船団の首脳部が抹殺され、無様に恐慌して「ハザードを呼び戻せ」と喚くヘスターにハザードの死を告げると共に銃口を向けて。その直後、ハザードの死とショットの裏切りに愕然とし、すべての望みが絶たれて絶望するヘスターに無情な銃撃を浴びせ、彼女をハザードや三島たちが待つ地獄へと突き堕とす。
- Jにおける草壁を抹殺したクルーゼの時と同じく、『ファフナー』の原作を知るユーザーにとっても、ある意味溜飲の下がる場面(奇しくも、ショットとアルヴィスの真壁司令は、中の人が同じである)と言える。
- その一方で、悪事に加担していたとはいえ散々利用された挙句予想されるであろう自身の末路のことを考えると、ヘスターに対する少しの同情もあるとも言える。だが、ショット自身が後に彼らより重い報いを受けることになろうとはまだ思っていなかった。
- 「フ…フフ…素晴らしい!」
「素晴らしいぞ、UX! ついに道は拓かれた…!」
「これこそが命の始まり! 宇宙の真理だ…!」
「今こそ私は到達するのだ!」
「新たな『ユガ』の誕生に…!」 - UX第50話にて、ギャラクシー船団の黒幕に操られた女王バジュラと対話を果たした直後に現れて。真理の到達を見届けるべく、アルトのYF-29 デュランダルに特攻を仕掛けるが…。
- 「………」
「ここは…どこだ…? 私は…何をしている…」
「何も見えない…何も聞こえない…」
「なぜだ?私は真理に到達したはずではなかったのか?」
「………」
「ああ、そうか…私は選択を間違えたのだ」
「ここは始まりではなく、終わり」
「輪廻の理から外れた『ユガ』の向こう側…」 - 彼自身のやったことは真理の到達――ではなく、まつろわぬ魂同然の存在となったショットは、宇宙の向こう側に飛ばされてしまった…。
- そこでようやく過ちに気付いたが時すでに遅く、ただ一人で永遠に彷徨うという末路を迎えてしまう…。リチャードを始め、転移してきた存在は、もれなくこうなる可能性があったのだが、運命の声の導きにより転移が成功している。
- 要は、彼は「必要悪以上の運命は求められてなかった」ということだろう。ただ、本作の世界観を考えると、この後OVA版の再現に至った未来も十分にあり得るのが、恐ろしい所。
余談
田中氏は、2000年に急逝した塩沢兼人氏の代役として以降のガンダムゲームや特別編においてマ・クベの声を演じているが、マ・クベもまたショットと同じく技術者でもあり策謀家でもある点で、ある意味はまり役ともいえる。だが、マ・クベがジオン公国(というよりキシリア・ザビ個人にだが)に忠誠を誓ったのに対して、ショットはドレイクを裏切り地上も支配しようとする野心家であるところは違っている。