セウラント・ペイ・ボラキス

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セウラント・ペイ・ボラキス

練金学士。ラーダットの庶民で大富豪と偽っていた。

得意分野は人間の精神操作(マインドコントロール)。ゼツの元で学んだだけあって兵器開発の手腕にも優れている。師譲りの人命軽視の設計と研究内容、経歴などを加味された結果、危険人物として「練金学協会」から刺客を放たれていた。

その性格は情愛に欠けており、他者を顧みない。自分の王国(永年王国)を築き上げるという野望に取り憑かれるままに禁忌の技術を悪用、キガに奪わせたオーガイン計画の産物「統合増幅装置」を我が物の如く扱い、大勢の人間の生命……果ては精霊の魂までも食い物として扱った。 作中でも誇大妄想癖の持ち主と言われるほどに自身の才覚に異常なまでの自信を持ち、それ故に自分以外の全てを見下している。この性格は元々のものだったようだが、錬金学協会からの刺客から凄まじい悪運で生き伸び続けた事で更に悪化したらしい。

かつてラングランの王室アカデミーが実験島で行なったグラギオスの極秘実験データを求めて襲来する。本編ではギュヰリガッツォー+ガッツォーΣなどの魔装機を(バゴニアルートではワッシャーの要請を受けてペンタルコスも)開発している。また、「ニューロ・カートリッジ」搭載前のガッツォー+を隠れ蓑にしてヅボルバらの監査を切り抜け、グリアスに仕掛けた火種を起動させてラーダットに騒乱を引き起こすなど、奸智にも長けていた。しかし、「燃料」として扱ったヅボルバの力量を見誤ったことでガッツォーΣに搭載した「統合増幅装置」の力を封じられ、機体大破でゲアスの呪縛から解放された大地系高位精霊には自らの野望を否定される。結果、精霊と人々の想いに相反する存在として誅され光の中でその最期を迎えた。

登場作品と役柄

魔装機神シリーズ

スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
シュテドニアスルートの最後に君臨するボス。同じく魔装機神IIIのラスボスであるソーンワッシャーとは違い、セウラントは完全な悪人として描かれている。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

学士だけあって基本能力値は全般的に低いが、「統合増幅装置」を使用したイベントでそれを強化してくる。幸いなことに、第2形態に移行すると上昇分がリセットされる。

精神コマンド

魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
隠れ身脱力感応補給突撃

特殊技能(特殊スキル)

魔装機神III PRIDE OF JUSTICE
幻影、PN貫通

パイロットBGM

「巨大な闇」

人間関係

バゴニア連邦共和国

ゼツ・ラアス・ブラギオ
かつて師事を仰いだ人間。自身の方が優れた才覚があるとの自負から袂を分かったらしい。

エリアル王国

キガ・ゾージュ
セウラントに心酔する部下の一人。バゴニアルートでは未登場。他人を食い物にする所や自意識過剰な面など、その性根は非常に似通ったものであるが、キガがどこまでも他者の評価を求めていたのに対し、セウラントは自分以外の全てを道具程度にしか考えていない。

アンティラス隊

テュッティ・ノールバック
自身が嫌う感情豊かな操者の代表格。
ホワン・ヤンロン
最終決戦における戦闘前会話では彼に夜郎自大と断じられてしまう。この人物に続き2人目。
ジノ・バレンシアファング・ザン・ビシアスロザリー・セルエ
師とを仰いだゼツに因縁を持つ者達。

ラーダット王国

ヅボルバ・ポフ・ミマンサー
自らの野望のために接近したラーダットの人間。終盤では彼をもガッツォーΣの「燃料」にしたが、彼の力量を見誤ったのが命取りとなってしまう。

ヴォルクルス教団

ロイズ・レクセルズ
兵器開発の手腕を評価する一方、人命軽視の設計に対しては嫌悪感を示している。
ワッシャー・ニールカン
バゴニアルートでは彼の要請を受けてペンタルコスを開発している。ワッシャーに頼まれたペンタルコスの外見に関しては、俗人の拘りと内心では蔑んでいた。

シュテドニアス連合国

アクレイド・バロム
セウラントの立ち回りや戦術に対して、戦略・戦術家としては完全に素人と評価している(作中ではそれがセオリー外しとなり、結果的に上手くいっていた面もあったが、最終的には戦略ミスによって自滅している)。

反アンティラス隊

ドーソン・バリアルス
彼に手引きされラーダット王国に潜入した。

名台詞

戦闘台詞

「恋慕の情など……くだらぬな。それが何の力になるというのだ」
「自分を裏切った男につくすと言うのか?愛などに知覚を惑わされるとは愚かな……」
「その奇々怪々な情を捨てれば、多少はまともに頭も働こうものを」
対テュッティ。「愛」を嘲笑するだけでは飽き足らず、自分の野望の為に利用したヅボルバを「自分(テュッティ)を裏切った男」と皮肉を浴びせる。
「精霊との同調などくだらぬな。精霊の力など、絞り出せばいいだけの事」
対魔装機神。まるっきりポゼッションを軽視しており、同時に精霊すらも利用する考えが垣間見えている。

魔装機神III PRIDE OF JUSTICE

(願掛けの類であろうか……?……愚人の考える事は理解できん)
ワッシャーからグラギオスのデータを対価に魔装機の改造を依頼された際、魔装機の見た目をファングの玩具に似せるよう注文をつけられ。当然意味を理解することはできなかったが何の文句も言わず従っている。
(邪神の力を得る為の魔装機、か。そんな機体に乗った操者が無事に済むとも思えんが……どのような結末を迎えようとも、吾が叡智の一片となるのだ。この老人も悔いはなかろう)
完成した魔装機ペンタルコスをワッシャーに渡して。ワッシャーといえど彼にとっては道具の一つでしかない。
「永年?ほほう、それはいい銘である。我が偉業、『永年王国』にふさわしい。気に入ったぞ。愛用させてもらう。道具は使ってこそ、意味があるからな」
キガからオーガイン計画の重要なデータをもらう際、永年ストレージと呼ばれる入れ物に持ってきたのを喜んで。まさかこれが自分の命を救うとは知る由もなかった。
「吾輩は世辞は言わぬ。才能を見抜く目は人一倍持っておる。貴様の腕、天分に富んでおる」
キガの操者としての腕前を褒めて。永年ストレージをもらって嬉しかったのか突然褒めだしている。
「ならばよい。女を手に入れた暁には、貴様の好きにしてよいぞ、キガ」
ラングランルートでキガとの接触現場をギドとトレイスに抑えられた際、キガとトレイスの因縁を知りこう言葉をかけた。彼もキガと同じように女性に何の尊敬の念も抱かない人間である。
「調整ついでとはいえ、よもや吾輩が愚人どもに後れをとるとは……計画も見直さねばならん」
ラングランルートで撃墜されて。計画を見直してもどうしようもなかったのかこの後は出てこない。
「フン……やはり貴様らごときの頭では、この作戦の真の意味は解せんか」
雪山にアンティラス隊をおびき寄せて。作戦といっても非常に遠回りなものだった為、あのアクレイドも警戒こそすれど見切れなかった。
「今でも吾輩は、この国を憂えている。堕落、腐敗、怠惰。全ての悪徳は一掃されねばならぬ。そして、それができるのは天才たる吾輩以外にはないのである」
「愚民は所詮愚民に過ぎん。貴様にはもう少し期待していたがな。が、『燃料』としては優秀である」
ヅボルバからラーダットの未来を憂いていたはずと言われて。ラーダットを憂いていたのは本当らしいが彼には自分以外の人間は道具でしかなく慈善活動に寄付していたのも道具を育てるためだった。
「見よ、これが天佑!キガ、貴様が献上した永年ストレージが、針を防ぎ、吾輩を護ったのだ!」
「キガよ、やはり貴様は我が偉業の扶翼となるべき男!これぞ天命である!」
ヅボルバの含み針による攻撃をキガからもらった永年ストレージで偶然防いで。アンティラス隊から逃れさらにはヅボルバの奇襲からも助かった結果、強運をさらに自信を持つこととなった。
「キガが死んだか。もう少し使えると思っていたが、この程度だったか」
キガが死亡したのを知って。あれだけ褒め称えていたが心の底では道具扱いだったのかもしれない。
「これこそが、吾が叡智の集大成、ガッツォーΣである!」
オーラータ要塞の最深部にまでやって来たアンティラス隊をガッツォーΣと大量のガッツォー+で出迎え、ガッツォーΣに秘められた狂気の技術を嬉々として語りだした。
「精霊など、この世にはいくらでもいる。消耗したら、別の精霊を使えばよかろう。そこの『燃料』と同様にな」
精霊をガッツォーΣに擬似融合させる事で強制的なポゼッションを発動している事をアンティラス隊から非難され。人も精霊も道具のように言うセウラントにテュッティは怒りを燃やす。
「資源を消費して繁栄を重ねてきたのが人間社会の歴史というものであろう。かつて使っていた石炭や石油が永久機関へと替わっていき、そして今、人間や精霊に替わったに過ぎぬ!」
最終話でのミオとの戦闘前会話。
「ふふふ……所詮凡人の愚行!ポゼッションを使っておらずとも、精霊の力を露わにしてはな!」
「逃げる?吾輩が?有り得んな!貴様らごときに!さあ、ガッデス。貴様の力、もらい受けるぞ!!」
アンティラス隊に一度は追いつめられるがテュッティがヅボルバ達を救った隙をついて精霊を取り込もうとする。しかし、強制ポゼッションについて話し過ぎた事とヅボルバの魔術師としての才能を侮っていた事が仇となり失敗してしまう。
「おのれ……おのれ、おのれ、おのれ!!このままでは済まさぬ!吾輩を愚弄するとは!!」
「要塞の全エネルギーを、このガッツォーΣに集中させた!これ以上の狼藉、決して赦さん!我が叡智の全てを以って、吾輩に刃を向けた罪を罰する!!」
「貴様らのような愚民と心中するつもりはない!ガッツォーΣは、この程度ではビクともせん!吾輩は天命を受けているのだ!死ぬ道理があろうか!」
精霊の吸収に失敗した彼は暴走し始め、ガッツォーΣにオーラータ要塞の全エネルギーを集中させアンティラス隊を倒そうとする。要塞が落ちれば彼もただでは済まないはずだが妄想が膨らみすぎて現実を認識できなくなっている。
「お、おのれ……! これだけの力を注ぎ込んでもなお、勝てぬとは……!」
「しかし、吾輩の叡智は、こんなところで終わりはしない! ここで得たデータを糧に再び……」
アンティラス隊に撃墜されて。この戦いで得た戦闘データをもとに再び立て直そうとするが……。テュッティで撃墜した場合は彼女に敗因を突き付けられる件が追加される。
「なっ……何が!? 光……それに……声だと……!?」
「この力は……!? よせ、やめろ! 吾輩は、このようなところで……!!」
「……死ぬ? 吾輩が? 有り得ん! 吾輩は永年の命を約束された存在、神をも超えたのだ!」
「たかが精霊ごときに……やめろ! よるな! 触れるな! 吾輩は……吾輩はっ!」
「は、放せえええええええっ! ぬがあああああああああああっ!!」
最期の台詞。野望のために人の思いと命、果てには精霊をも食い物にした男は自身の犯した業、そして叡知の結晶たるガッツォーΣとともに師が待つ地獄へ堕ちていくのだった。

搭乗機体

ガッツォー+
ガッツォーの後継機。ニューロカートリッジと呼ばれる機構を持つ。
ガッツォーΣ
ガッツォーの最終形態とも呼ぶべきもの。強制的に精霊と契約することで強力な力を発揮する。