オーラバトラー

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オーラバトラーとは、『バイストン・ウェルシリーズ』に登場する兵器。

概要[編集 | ソースを編集]

オーラマシンの内、人型の戦闘ロボットの総称。

聖戦士ダンバイン』のオーラバトラー[編集 | ソースを編集]

オーラマシンの一種であり、人型である機体がオーラバトラーに分類される。

地上人ショット・ウェポンが設計したオーラコンバーターを使用して動き、バイストン・ウェルに棲む怪獣のような生物・強獣の脳を生体コンピューターとして使用し[1]、強獣の甲羅や殻を装甲に使っているために、生物的な外見をしている。また、一部ではあるがショットが持ち込んだ技術で作ったICや機械[2]を積んでおり、異世界であるバイストン・ウェルでクリーンルームを作らせそこで精密機械を製造する様子を見たトッドは驚いていた。

胴体部分は強獣の殻を磨きマジックミラーのようになったキャノピーに覆われ、パイロットはそこから目視するのが基本になっている。いくら頑丈といえど直撃を受けるとヒビが入り視界が完全に塞がってしまうが、小型スクリーンに投影される頭部のカメラ映像で対応可能。

修理用のスペア素材も当然強獣なので、作中では戦闘以外に補給物資や新型オーラバトラー製作のためにダンバイン達を出撃させ、強獣狩りに勤しむ姿も見られた。

開発主任はショットであるが、設計と製作作業を行っていたのはゼット・ライトであり、実際はショットの提示した設計図をゼットが組み立てていた。その為、ゼット自身がテストパイロットを務めることも多かった。

地上ではバイストン・ウェルで使用する時よりも高い能力を発揮する。射撃武器は街が一つ吹っ飛ぶほどの大爆発を起こし、核兵器の直撃を受けてもオーラバリアで無傷という無敵ぶりで、地上の軍隊はオーラバトラー同士の戦いに殆ど介入できなかった。なお第38話にて核爆弾の爆風により多くのオーラバトラーが撃破され聖戦士であるマーベルダンバインがギリギリ生還するという場面も存在するためオーラバリアは絶対のものではない。

なお、『スーパーロボット大戦F』では姿勢制御用のバーニアを取り付ける事によって宇宙空間での活動も可能とされたが、原作では宇宙に出たことなどないのでそれだけで宇宙活動できるかどうかは不明である(ただし、大気の薄い成層圏でオーラシップが問題なく活動していたため、宇宙でも活動できる可能性はある)。『第4次スーパーロボット大戦』では気密性について改造を施し[3]、脱出装置を追加したことで宇宙戦闘でのサバイバビリティを上げている。

アニメ版『リーンの翼』のオーラバトラー[編集 | ソースを編集]

アニメ版『リーンの翼』にもオーラバトラーが登場するが、その成立史は『聖戦士ダンバイン』とは異なる設定になっている。

アニメ版の前日譚である小説版では、太平洋戦争時の大日本帝国海軍特攻隊員である迫水真次郎聖戦士としてバイストン・ウェルに召喚される物語であるが、このときに彼の愛機である旧日本軍の特攻機「桜花」も召喚されており、これを解析して作り出したのがオーラバトラーをはじめとしたオーラマシンということである。開発にはサコミズの後妻であるコドールの部族が大きな役割を果たした模様。

当時の最新鋭機とはいえ、特攻用の低コストな機体、材質は木製でエンジンも最初期のロケットエンジン…それを解析してオカルトな生体マシンができあがるという設定はさすがに飛躍しすぎな印象もあるが、コドールいわく「部族全体が血を吐くような苦労」をした成果ということである。完全版ではオーラマシンそのものに地上人が関わっていることが明かされている。

『聖戦士ダンバイン』のオーラバトラーと異なる点として「素材が強獣ではなく巨大な虫」「製造工程でオカルトを使用」の2点が設定上明記されている(明記されている、というだけで『ダンバイン』世界のオーラバトラーが同じ要素を持つ事を否定するものではない)。例えば人工部品と生体部品を繋げる際には、接合部に治癒力を高める布を巻いて文字通り融合させている。そのためかオーラコンバーターは存在せず、飛行の際に羽音をたてるなどより生物的な挙動も見られ、更には独自の意志のようなものをもつために操縦者との相性も存在する。

それぞれのオーラバトラーに固有の名前をつける文化もあり、いわば「サムライの愛馬」に近いような存在である。機体名が漢字に変換できるような日本的なものであったり、オーラソードが日本刀状であったり、装甲が日本甲冑に似た意匠であるなど、ホウジョウ軍のオーラバトラーは総じてホウジョウ国王たるサコミズからもたらされた日本文化の影響を多分に受けている。一方、反乱軍のギム・ゲネンは西洋刀状のオーラソードを所持しているなど『ダンバイン』のオーラバトラーに近い印象を受ける。

ブレンパワード』のアンチボディとはかなりの部分で類似点が見て取れる。

スーパーロボット大戦における特徴[編集 | ソースを編集]

大まかな特徴として「モビルスーツ系に分身とバリアを付与し武装を近接主体に変更、必殺技であるオーラ斬り系統が付与されたリアル系ロボット」となっている。

大半が特殊能力にオーラバリア分身[4]剣装備を有し、高い運動性に加えサイズSの為、非常に回避力に優れている。 また飛行可能で地形の影響を受けないので移動面も不自由しないが、原作で宇宙空間での活動がなかった事から、宇宙地形適応は抑え気味の傾向にある。 妖精(ミ・フェラリオ)の乗り換えサブパイロットを使い回せるのも特徴。

攻撃面ではオーラソードを使用した近接格闘戦を得意とし、特にオーラ斬り・ハイパーオーラ斬りはパイロットの聖戦士オーラ力)技能とも相まって非常に強力になる。これ以外にも聖戦士技能による強化点が大きい。反面、聖戦士(オーラ力)の技能レベルが低い、または持っていないとなると強力な武器が使用できずパンチ力不足な機体となる。 格闘武器主体でビルバインなどの一部例外を除いて射程の長い武器を持っておらず、敵陣に突っ込ませて反撃で削っていくという戦法はほとんど取れないという欠点も。 2010年代に入ってからはソード系武器もP1~3程度の射程を持つことが多く、パーツでの補強も可能になったため中距離でも戦えるようになったが、燃費は悪化する傾向にある。

初登場の『EX』では加えて装甲も高かったが、『第4次』でHPが低くなり(ただし逆に『EX』ではEN消費だったオーラ斬り系の武器が無消費で使用可能だった。『第4次S』で修正)、『F』で装甲も低くなって弱体化しつつも格闘戦型リアル系としての位置を固めていった。 装甲が高かったのは、原作でオーラバリアがあらゆる攻撃を防いだことの原作再現だった(装甲を高くすることで、現在のシリーズで言うところの全属性バリアを擬似的に再現していた)ようなのだが、『F』以降暫くの時代、装甲値を下げつつバリアは対ビーム用に据え置かれていた。

UX』では『ダンバイン』と『リーンの翼』のオーラバトラーはそれぞれ、『ダンバイン』側はオーラバリアを、『リーンの翼』側はHP・EN回復を所持しているという形で差別化されている。ただし、オウカオーは事実上両者の良い所取りの性能になっている。

その『UX』を境に、バリアはビームに限らず射撃兵器全般を防ぐよう是正され、オミット状態だった盾の装備機も増え、バランスを変えつつ防御力を高め直している。流石に原作ほど鉄壁ではないが、一時の違和感は和らいだと言える。

SRW登場の主な機体[編集 | ソースを編集]

SRW未登場の機体、オーラバトラー以外の機体はオーラマシンの項目も参照。

SRWに序盤の機体やオーラバトラー以前のオーラマシンが登場することは稀。ドレイク軍も機体を乗り換え済みである場合が大半。

聖戦士ダンバイン[編集 | ソースを編集]

ドラムロ
初の量産型オーラバトラー。初期の機体であるにも関わらず、生産性と操縦性の高さから終盤まで使われ続けた名機。
サーバイン
OVA版主役機。ダンバインのプロトタイプ。非常に高い性能を持つが、その操縦の難しさと危険性から封印された。
ダンバイン
前半の主役機。聖戦士のために作られた実験機。
ビランビー
ダンバインをベースに開発された改良発展機。オーラ増幅器を初めて搭載し、コモンでも操縦が可能なため主力として量産された。
バストール
新型オーラ増幅器を搭載した試作機。高い機動性を持つ。
レプラカーン
ビランビーをベースに開発された武装強化発展機。しかし性能バランスが悪くあまり量産されなかった。
ビアレス
ビランビーをベースにレプラカーンの技術を加えて作られた発展機。バランスの取れた性能を持ち、主力として量産された。
ライネック
バストールをベースに、ビアレスとレプラカーンの技術を取り入れた発展機。性能の高さと扱いやすさを兼ね備えた新型だったが、本格的な量産に至る前に戦いが終結した。
ズワァース
レプラカーンとビアレスを融合させたオーラバトラーの最終形。最高クラスのスペックを持つがコストも高い。
ズワウス
OVA版に登場したズワァースの発展機。ドラゴンや悪魔のような外見を持つ。
ダーナ・オシー
ギブン家が開発した機体。性能は低い。
ボゾン
ダーナ・オシーの発展機。
ボチューン
ボゾンをベースにダンバインも参考にして造られた発展機。空戦能力が高い。
ビルバイン
後半の主役機。ダンバインを参考に開発された完全なワンオフ機であり唯一の可変機。非常に高い性能を持ち、ショウとともに獅子奮迅の活躍をした。

リーンの翼[編集 | ソースを編集]

ギム・ゲネン
反乱軍の主力オーラバトラー。
ライデン
ホウジョウ国の主力オーラバトラー。
シンデン
ホウジョウ国の新型オーラバトラー。ライデンの後継機。
ナナジン
『リーンの翼』の主役機。トンボのような翼の名無しの高性能新型機。
アッカナナジン
ナナジンがオーラ力により強化された姿。
オウカオー
サコミズ王の専用機体。蝶のような翼と二刀流が特徴の高性能機。

オーラ・ファンタズム[編集 | ソースを編集]

ヴェルビン
ビルバインのリファイン機。

共通兵装・システム[編集 | ソースを編集]

オーラバトラーに関するもの、重要なものを挙げる。開発経緯やオーラマシン共通のものについては該当ページを参照。

オーラコンバーター
大気中のオーラを取り込んでエネルギーに変える。オーラバトラーのエンジンであり推進機関でもある。
オーラバリア
原作では地上に上がってから初めて発動している。ハイパー化はオーラバリアが肥大して巨大化したように見えている。
オーラソード
オーラバトラーの標準武装。オーラ力を込めて攻撃するとオーラの光で輝く。ボチューンのものには微弱ながらオーラ力を収束する機能がある。オーラ斬りの存在しない原作ではこれによる剣戟や各種火器による射撃戦が主な戦闘手段であった。
オーラ斬り、ハイパーオーラ斬り
オーラバトラーが標準的に持っている必殺攻撃。ゲームでは聖戦士のみが使える。
SRW定番の必殺技だが、実は原作には存在しないオリジナル設定の一つ。名前の元ネタについては原作でのチャム・ファウの名台詞「必殺のオーラ斬りだぁ~」からとられている。また、上述のボチューン用オーラソードの機能を拡大解釈したとも取れる。強力な聖戦士同士の戦いではオーラバリアのぶつかり合いも度々見られたため、これも元ネタの一つと思われる。
COMPACTシリーズではボチューン等一部の機体がハイパーオーラ斬りを使えず、最大火力で主役機とかなりの格差があったが、近年の作品では使えるようになり一定程度格差が解消されている。
人型でないガラバなどのオーラマシンはこれを持たなかったが、後にハイパーオーラキャノンなど同格の武器が追加されるようになった。
なお、真ゲッター1のゲッタートマホークやヒュッケバインのロシュセイバーにハイパーオーラ斬りのアニメが流用されていた作品がある。
フレイボム、オーラショット、ワイヤークロー
いずれもオーラバトラーのサブウエポン。それぞれ火炎弾、実弾や小型ミサイル、ワイヤー付きの鉤爪を発射。

関連用語[編集 | ソースを編集]

オーラマシン
オーラバトラーはオーラマシンの一種。
オーラ力(オーラちから)
あらゆる生物が持つ生体エネルギーで、オーラマシンの操縦に必要となる。直接エネルギーに変換できるのが特徴。
聖戦士
強いオーラ力を持つためバイストン・ウェルに召喚された地上人の称号。オーラバトラーのパイロットとなることが期待されている。
ハイパー化
怒りや憎しみなどの負の感情で増大したオーラ力が暴走して起こる現象。オーラバリアが巨大なオーラマシンの姿を象り、さも巨大化したように見える。
SRX計画/獣戦機
スーパーロボット大戦α』では、SRX計画に参加していたショット・ウェポンが、そのノウハウを応用して作り上げたのがオーラバトラーであり、Rシリーズや獣戦機とはある種の近似機であると設定されている。どの機体も「人間の精神力を力にする」という点で共通している。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. プラモデルのMGダンバインでこの強獣の脳が再現されており、装甲を剥がすと脳漿が見える。
  2. 28話でショウが破損したダンバインの眼を開き修理しているが、望遠鏡のような機械のカメラアイである。
  3. ただし、後にオーラバリアで気密性を保てる事が判明した。
  4. 作中では高速機動戦闘に加え、オーラ力の表現かパイロットの輝くシルエットが広がっては消えるという演出も多々見られる。