「キンケドゥ・ナウ」の版間の差分
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2013年10月14日 (月) 16:41時点における版
キンケドゥ・ナウ(Kinkedou Now)
- 登場作品:機動戦士クロスボーン・ガンダム
- 声優:辻谷耕史
- 本名:シーブック・アノー
- 種族:地球人(スペースノイド)
- 性別:男
- 年齢:28歳
- 所属:クロスボーン・バンガード
宇宙世紀0133年、地球侵攻を目論む木星帝国に対抗して再結成された、クロスボーン・バンガードのエースパイロットで、クロスボーン・ガンダムX1を駆る。その正体はかつてのコスモ・バビロニア建国戦争において活躍したレジスタンスのパイロット、「シーブック・アノー」である。名前の由来は「Kinkedou Now」=「今だけの気まぐれ」を意味している。また、「キンケドゥ」の前半3文字を入れ替えると「危険」になるため、「今は危険」と解釈する事も出来る。
クロスボーン・バンガード再結成を決めた恋人のセシリー・フェアチャイルドに、キンケドゥ・ナウと名乗ったものである。彼女はその真意を察しきることはできなかったようだが、作中の台詞からするにトビア・アロナクスの立てた予想通りといったところか。
シーブック=キンケドゥであるのはその容姿やベラとの関係はもちろん、「歴史の教科書にも載っていたレジスタンスのパイロット」という言及、F91部隊を見て「懐かしい」と発言(その他回想で何度かF91が登場している)等、物語の初めから細かく暗示されている。それにもかかわらず、彼自身は周りから徹底的に「キンケドゥ・ナウ」として扱われ、物語後半でベラが名前を叫ぶまで一度も「シーブック・アノー」とは明示されず、その名前を呼んだのも結局ベラだけであった。この辺りは、敵味方から「シャア・アズナブル」として扱われることが多かったクワトロ・バジーナとは対照的といえる。
かつての優等生も10年の時を経てワイルドな宇宙海賊の雰囲気とともに大人の男としての風格を身に付けたようで、全編を通して主人公・トビアを教え導く良き兄貴分として描かれた。あるいは『クロスボーンガンダム』のもう一人の主人公とも。潜入工作・白兵戦もこなすなど、生身で戦う術も一級品である上、MSの操縦技術にも更に磨きがかかり、不利な状況においても奇策を用いた戦法で敵を撃破していく。これはクロスボーン・ガンダムの特性を活かしたものが多く、キンケドゥによってクロスボーン・ガンダムはその真価を発揮したと言っても過言ではない。
物語後半、木星側に寝返ったザビーネとの激闘でコクピットをビームサーベルで貫かれてしまい(つまり、コクピットに風穴があいている)、その状態で地球に蹴り落とされるのだが、劇中で「コクピットを貫いたビームサーベルが僅かに機体中央から横にずれている」という描写がされており、右手を失うほどの重傷を負いながらも致命傷は避けることができた(とはいえ、横にずれているのもよく見ると若干程度のものであり、コックピットに直撃を喰らっていることには変わりはないのだが…)。更にビームシールドを用いて大気圏突入に成功、傷の治療と義手装着手術を受け(明確に描写されていないが、漂流する彼をサナリィが救出・治療したことが示唆されている)、意識不明の状態から目覚めて僅か5日足らずで戦線に復帰する、という奇跡を成し遂げる(さすがに無茶していたらしく、再会したトビアが驚きのあまり肩を掴んだ際に痛がっており、かなり疲労した様子を見せている)。
キンケドゥの行動理念の根幹を成しているのは「ベラ(あるいはセシリー)のため」という強い意志であり、そのためならば戦争に加担することも汚れ仕事を引き受けることも厭わず、また腕を失ったことすら受け入れてみせるなど、最後までその信念は揺らぐことはなかった。相当彼女にぞっこん、もしくは一途なのが見て取れる(しかしそのセシリーとは、彼女がベラ・ロナを名乗って艦長をやりだしてからは何もなかった辺り、相変わらず真面目でもある)。「愛する人のために自分の全てを懸ける」その生き方は弟分であるトビアに多大なる影響を与え、後の彼の人生の指針となった。
エピローグで「シーブック・アノー」に戻り、「セシリー・フェアチャイルド」に戻ったベラと共に地球の緑の中へ消えた。その後はセシリーと結婚、パン屋を開業し二児のパパになるなど幸福な人生を送っており、その姿を見たトビアは、復活した木星帝国との戦いに助っ人として来てもらうことを断念する。
余談ではあるが、作中でのベラのシャワーシーンにて、ベラはシャワーに潜り込んだ人物を勝手にキンケドゥと決めつけている(実際に潜り込んだのはベルナデット)。そう決めつけられるということは、過去にセシリーのシャワーを覗いたことがあったのだろうか? 映画はともかく、小説版『F91』では、シーブックは一応年齢相応にスケベな一面もあるということが描かれているので、あり得ないこともないような気はするのだが……
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦F完結編
- 「キンケドゥ」が参戦している訳ではないのだが、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』のエピソードであるジャガイモの皮むきシーンがシナリオデモにあったり、キンケドゥの名がシーブックのキャラクター事典に伏字で記されている。
- 第2次スーパーロボット大戦α
- キンケドゥとしては初参戦なのだが、αにてシーブックとして参戦したため、顔見知りには正体がバレバレ。作中の経過時間と設定年齢に凄まじい差が生じているが、「色々あって老けた」の一言で解決している。原作では徹底して「キンケドゥ=シーブック」という事は明言しなかったというのに、キャラ辞典では初っ端から正体を書かれていたりする。
なお、アイビスを主人公に選ぶと、第1話で登場以降、アイビスとの絡みが多い。また、原作を再現して、3種類も顔グラフィックとカットインが用意されている。ただし、負傷した顔を包帯で隠しているバージョンだけはキャラ辞典に登録されない。なお、「ノーマルスーツを着た」最終回verのキンケドゥは本作が初出である。ちなみに、αナンバーズの名付け親は彼である。
地球へ落下して奇跡の生還をした後にアムロから「よく無事だったな」との問いに「何も自分が初めてではない」と言っている。これは『機動戦士ガンダム』にてアムロも大気圏突入を体験している(もちろん、彼の場合は半壊した機体ではないが)からで、アムロも「そうだったな」と返している。ただ、元々大気圏突入の機能が備わっていたガンダムに対して、緊急避難的にビームシールドを代用して突入したあたりは流石である。 - 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 参戦作品の都合上名前こそ出てこないが、前作終了後に原作通りセシリーと共にパン屋になっていることが、居候をしていたアラドによって言及されている。また部隊名がαナンバーズなのに名付け親であった彼がいないため、封印戦争時の味方は時々彼のことを気にしている。
パイロットステータスの傾向
能力値
シーブックのものとは違い格闘重視の能力で、自軍でもトップクラスの高さ。ベテランエースという風格が出たせいか技量も高い。射撃、回避は初期値では高いのだが、成長タイプが格闘系・万能ということで伸び悩んでしまうのが難点。
精神コマンド
戦闘に便利な精神コマンドを取りそろえる。成長タイプにより回避が伸び悩むので、そこは集中でフォローしたいところ。
特殊技能(特殊スキル)
さすがに主人公格であるためニュータイプLvの伸びは良い。コックピットを刺された上に半壊したクロスボーン・ガンダムで大気圏突入してもなお生存したからか強運を覚える。
小隊長能力(隊長効果)
- クリティカル率+10%、命中率+10%
- 第2次αでの能力。
パイロットBGM
- 「クロスボーン・ガンダム」
人間関係
- ベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)
- 宇宙海賊クロスボーン・バンガードのリーダーで、キンケドゥの恋人。母艦となるマザー・バンガードの艦長でもある。
- トビア・アロナクス
- 弟分。キンケドゥの誘いに応じ、クロスボーン・バンガードのメンバーに名を連ねた。後にキンケドゥから『全て』を受け継ぐこととなる。
- ウモン・サモン
- 仲間。ハッタリも多いが、そのキャリアに裏打ちされた実力を持つベテランパイロット。
- ザビーネ・シャル
- 旧クロスボーン・バンガードのエース。最初は手を組んでいたが、後に決別して宿敵となり死闘を繰り広げる。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- ビルギット・ピリヨ
- かつての戦友。クロスボーン本編時にはビルギットが既に死亡していたが、第2次αでは再会することができた。
- ドレル・ロナ
- カロッゾの二の舞になろうとしている彼を説得した。
- シャア・アズナブル
- 第2次αでは他のガンダム系主人公らと同様に彼を否定し、戦闘中の特殊な台詞も用意されている。偽名を名乗って新たな活動を行い、後継者たるニュータイプを見出し、途中で行方不明になるという点で共通している二人であるが、復帰後に採った道は全くの正反対であり、シャア自身もそれを暗示した言葉を言っている。
バンプレストオリジナル
- アイビス・ダグラス
- 序盤から常に親身に彼女をサポートした。
- アラド・バランガ
- 第2次αのED後から第3次αの間まで、居候していた。
- イーグレット・イング
- 居候。
名台詞
- 「おまえのとるべき道は2つある。ひとつは何も聞かずに地球へ帰り、全てを忘れ、貝のように口をつぐむ事……。そしてもうひとつは、われらと共に……真実に立ち向かうことだ!」
- 木星帝国の真実を知り、殺されそうになったトビアを救った直後、トビアに投げかけた言葉。この言葉をきっかけに、トビアはクロスボーン・バンガードに参加した。第2次αではDVEで再現。
- 「おれはそんなベラの力になると決めた。それが独善でも偽善でも、おれには関係ない!たとえ自分のしていることで地獄に落ちようとも――おれは彼女を守り続ける!それだけだ!」
- 帝国基地への潜入中、木星圏、そして戦争の現実を目の当たりにしてしまい、それまで積み重ねてきた「敵を殺さないのはただの独善なのではないか」という疑問を爆発させてクロスボーン・バンガードのやり方を非難したトビアに対し、キンケドゥがベラの過去と、彼女が不殺を貫き闘い続けようとする理由を説明した上で、最後に返した言葉。ベラを庇うように自らの想いを切々と語る様は、トビアの心を動かし、認識を改めさせた。
- 「自分の命すら大事だと思えないから人の命を奪うっ!なぜ部下の命をすらたやすく切り捨てる男が、人類すべてのことを考えられると思う!死を強いる指導者のどこに真実があるっ!ねごとを言うな!」
- 帝国の基地に侵攻した際、基地自爆寸前になお、自爆阻止を阻もうとする木星の兵士達に向かって。
- 「マシンがよくても、パイロットが性能をひき出せなければ!」
- 連邦軍のF91部隊を相手取っての台詞。ゲームに登場した際もよく口にしている。
- 「あんたが初めてだぜ!おれにクロスボーンのシールドを使わせたのはっ!」
- そして上の直後の対ハリソン戦にて。キンケドゥ、そしてその相手をしたハリソン双方の腕の良さを如実に表した言葉。
- 「おれは――まだ、キンケドゥ・ナウだからな……。行かなくちゃ……。セシリー・フェアチャイルドを取り返さなくちゃいけない……おれに――とってははじめからそのための戦いだった。木星帝国なんかどうでもよかったのかもしれない――だけど、戦争は終わらせなくちゃいけない――彼女が戻ってこれないから……」
- 最終決戦前、「シーブック」に行かないでほしいと告げるベラに対して。
- 「おまえが――最も支配者にふさわしいと言った女性はな――支配など正しいとは思っていない!支配をよしとしない者が最も支配者にふさわしいのなら、それを望む者は支配にふさわしくはないことになる。貴族主義ははじめからまちがっていたんだよ……ザビーネ」
- ライバル、ザビーネ・シャルの今際の際にて。
- 「そうだな……俺は、山道を歩いて、雨露をすすって、好きな女を抱いて……もう一度じっくり考えてみるさ……。もともと人間が何だったのかを。そのための時間はいくらでもあるから」
- エピローグにて、トビアにこれからどうするのかと訊ねられて。
- 「……おかえり、セシリー」
- 最終話にて、「シーブック」と呼ぶベラに対して返す。本当の意味でF91の物語が終わったことを象徴する台詞。