「オーラマシン」の版間の差分
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2018年7月8日 (日) 12:18時点における版
オーラマシン(Aura Machine)とは、『聖戦士ダンバイン』『New Story of Aura Battler DUNBINE』『リーンの翼』に登場する兵器。
オーラマシンはバイストン・ウェル・サーガの各作品において若干の違いがあり、本項ではTV版『聖戦士ダンバイン』のものを中心に扱っている。
概要
バイストン・ウェルに生息する生物の血肉を使用した一種の生体兵器。
『聖戦士ダンバイン』において、バイストン・ウェルに召喚されたショット・ウェポンが中心となって開発を進めたオーラ力(オーラちから)を動力として動く機械類の総称。実際はショットが開発を行い、設計および製作ならびにインターフェイス関連はゼット・ライトが担当していたため正確にはショットと二人による開発である。しかし、技術者ではあるものの政治には疎かったゼットは、ショットによってそれらの栄光を掠め取られてしまう事となった。
オーラマシンを代表するものは、バイストン・ウェル特有の有翼生物である強獣の組織を使用した昆虫人型ロボット兵器であるオーラバトラーであるが、他にも様々なバリエーションが存在する。『聖戦士ダンバイン』におけるオーラマシンは、一部パーツを地上製の機械部品で代用可能な構造となっている点が特徴といえる(他の作品では不明)。
スーパーロボット大戦における特徴
原作では一度も宇宙に出なかったため、その手の他の作品同様、旧シリーズを中心に宇宙適性が低めに設定される場合が多め。シナリオ上でも地上に残ることが多い。オーラバトラーの場合、宇宙での初出撃の際にはインターミッションで改修が行われるのがお約束だが、その際はオーラバリアが気密性を保ってくれるという展開がよく見られる。原作では核も防いでいたので納得の解釈といえる。
開発史
ドレイク・ルフトによりバイストン・ウェルに召喚されたショットは、彼から「機械の館」を与えられ、地上で培ったロボット工学の知識を生かしてオーラ・マシンの開発研究を開始。その鍵となったのがミ・フェラリオや飛翔型の強獣といったバイストン・ウェル特有の有翼生物であり、その生体調査から生体エネルギー、すなわち「オーラ力」の存在を確信し制御のヒントも得る。
数年でオーラバトラーの開発まで至ったショットだが、その開発は当初はなかなか進まず、後半で一気に進むという経緯を辿っている(最初のピグシーの開発までに地上換算で2年かかっている)。これはバイストン・ウェルの文明レベルでは試験管すらロクに手に入らなかったのが原因。そのため数年の大部分は研究を始めるための研究や部下への技術指導に割かれている。この技術指導の際、アメリカ出身のショットの指示書が英語交じりだったことが後に地上に浮上した際に功を奏している。
基本構造
中世レベルの文明しかないバイストン・ウェルで機械兵器を作るに辺り、その部品の殆どが独特な生体パーツとなっている。
- オーラ・セイバー・リキッド
- 強獣の生体組織から精製した溶液。オーラ力を吸収・転換する役割を持つオーラコンバーターの中核となる最重要パーツであり、オーラマシンのオーラマシンたる所以。
- オーラ・マルス
- 同じく強獣の筋繊維を素材とした人工筋肉。駆動系に相当する。こちらもオーラコンバーターの製造に欠かせない。
- オーラ・コンバーター
- ショットとドレイクの野望の集大成にして真の出発点。
- 一種の生体ジェットエンジンであり、羽に塗布されたオーラ・セイバー・リキッドで大気中のオーラ力を吸収・転換することで推進力を得、オーラマルスで羽を動かすことで推進方向を制御している。地上のジェットエンジンを参考にしているが、ミ・フェラリオや飛翔型の強獣は同様の器官を生まれながらに持ち合わせている。
- 下記の初期オーラマシンはパイロットの体力とオーラ力を酷く消耗していたが、このオーラ・コンバーターの登場により「点火」に必要な最低限のオーラ力のみでオーラマシンを動かせるようになり、パイロットの負担が大きく軽減された。この最低限のオーラ力がスペック表の「必要オーラ力」である。オーラコンバーターの登場によって、以降は本格的な戦闘用オーラマシンの開発が加速してゆく。
- 制御系(名称不明)
- こちらも同じく生体部品を使用しているが、バイストン・ウェルではコンピュータなど作りようがないため強獣とは別の生物の脳と三半規管を移植して製造した。
- マジック・ミラー
- キマイ・ラグの甲殻を磨いて作った、視界確保のためのコクピット構造材。乱獲によって他の強獣を使用するようになってからも、この部分にはキマイ・ラグが使われ続けた。
機体分類
初期オーラマシン
ショットはここまでたどり着くのに4年(地上換算で2年)の歳月を要した。後の本格的なオーラマシンには色々な面で及ばないが、ゲド同様にドレイクの野心を隠すための政治的駆け引きに使われたり、後方支援に活躍した。
- ピグシー
- バイストン・ウェル史上初のオーラマシン。本格的なオーラマシンの登場以降も移動手段や物資の運搬に使用された。三脚式だが、高速移動の際には二脚となる。
- シュット、ミュー
- グライ・ウィングと呼ばれる一人乗りの小型グライダー。飛行機械ではあるが実際は滑空に近い。オーラボム以降も伝令や偵察、脱出装置の一種として使われ続けた。
オーラ・ボム
オーラマシンの基礎技術の確立後にショットが開発した、初の軍用オーラマシン。「オーラコンバーター」を初めて搭載したのが特徴で、見た目は空飛ぶ円盤のような形状をしている。
オーラ・バトラー
同じくショットが開発したオーラマシンの傑作機で、彼がロボット工学の本領を発揮して造り上げた人型の機体。また、ショットと同じく召喚された地上人ゼット・ライトが齎した集積回路作成技術により、運動プログラムを制御できるようになったことも開発成功の大きな要因。
オーラバトラーの完成はバイストン・ウェルの軍事力のバランスに決定的な変革をもたらし、ドレイク陣営・反ドレイク陣営を問わずオーラバトラーの開発競争は激化し、様々なバリエーションが生まれた。
機体の一覧は「オーラバトラー」を参照。
ウイング・キャリバー
ショットがオーラバトラーの運用支援用として開発した高速輸送用機で、戦闘機としての役割も兼ねる。スパロボではビルバインの戦闘機形態がウイング・キャリバー名義で登場しているが、元来はガンダムシリーズにおける「サブフライトシステム」と同種の用語である。
高機動型ハイブリッドオーラ・マシン
ズワァースやライネックの完成で技術的にほぼ限界に到達したオーラバトラーに代わり、ショットとゼットは新たに大型化・高機動化かつ複合化(ハイブリッド)の進展による多機能オーラマシンを開発。投入は地上戦での終盤になってしまったが、いずれも強力な戦闘能力を発揮した。
- スプリガン
- 準オーラ・シップ級の規模を誇るショットの専用艦。「オーラ・クルーザー」と呼ばれる。
- ガラバ
- 「オーラ・ファイター」と呼ばれるタイプの重戦闘機型オーラ・マシン。
- ブブリィ
- 「オーラ・ボンバー」と呼ばれるタイプの重戦闘爆撃機型オーラ・マシン。オーラ・マシンの最終到達点とされる機体。
オーラ・シップ
オーラバトラーの開発と並行し、同機の運用拠点として開発が進められた、オーラマシン版戦艦兼母艦。城塞や砦といった拠点重視のバイストン・ウェルの従来戦術に併せ、前線で着地して移動砦とするような用途でも用いられた。
オーラ・バトルシップ
バイストン・ウェルにおける四つの大国(アの国、クの国、ナの国、ラウの国)が、軍拡競争の最終到達点として建造した超弩級戦艦。その巨大な艦体を航行させるために「擬似オーラ力発生器」が開発・搭載されており、乗艦者のオーラ力を必要としなくなっている(この為、オーラ・バトルシップのスペックには「必要オーラ力」の項目がない)。就役後間もなくオーラ・マシンの全ては地上へ排除されることとなるが、その後は各国の拠点として以上に、各国そのものを象徴する存在として地上を転戦する。
地上放逐後のオーラマシン
「魂の安息地」から離れたことでパイロットのオーラ力が活性化し、オーラマシンは想定以上の性能や不可解な現象を発揮するようになる。火力の異常増大とオーラバリアの発現である。射撃武器は街一つを吹き飛ばす火力を得、オーラバリアは核すらも防ぐ防御力を得て地上の兵器では基本的に太刀打ち出来ない存在と化した。
特に一部のオーラマシンは、パイロットのオーラ力の異常肥大によりオーラバリアを膨らませる形で巨大化。あたかも超巨大なオーラ・バトラーとでも呼ぶべき存在となった。但しこれは技術的に開発されたものではなく、むしろオーラ力の暴走に近い。詳細は「ハイパー化」を参照。
また、ハイパー化による自滅以外にも、強獣のいない地上へ放逐されてしまったことで部品の補給が不可能になるといった問題も起きた。そのため、非生体部品で代用可能なパーツは地上の部品で賄われることになる。制御系ならば生体脳から電子部品、外装ならば甲殻からFRP(繊維強化プラスチック。現実の素材)と言った具合に代用され、オーラ力の作用を考慮しなければバイストン・ウェル時代よりも性能が向上した部分もあった。ドレイク側においてはかつてアメリカ人のショットから技術指導を受けていたこともあり、アルファベットで書かれた地上の技術書を紐解くのも早かったようである。