ODEシステム
ODEシステムは、『バンプレストオリジナル』に登場する技術。「Omni Dendro Encephalon System」の略称。
概要[編集 | ソースを編集]
元EOTI機関所属、後にディバイン・クルセイダーズ(DC)に移った科学者ヴィルヘルム・V・ユルゲンが提唱した機動兵器管理システム。
元々は人命の損失を減らすために考案されたシステムであったが、実戦で機能させるためにはある重大な欠陥を抱えていた。後に機動兵器「バルトール」等に搭載され、その戦闘能力面での脅威と戦闘能力維持のための活動に伴う脅威、二重の意味で地球圏に大きな災いをもたらすことになる。
本システムにおける機動兵器管理の基本的なコンセプトは「一つの機体が得た敵機の戦闘データを即座に処理して僚機へ伝達、戦闘に直結させることで、相手の戦闘パターンに対し部隊レベルで即座に最適な対応を取ることを可能とする」というものである。ODEシステムを組み込んだ各機はこのコンセプト通りの結果を発揮し、大幅な戦闘能力の向上に成功。特に、行動パターンの先読みにより回避性能は際立って上昇した。
情報伝達する間を与えず複数機を一度に撃破可能なMAPW(マップ兵器)がODEシステムを運用する上での唯一の弱点とされている他、広域ジャミングを展開されると情報の伝達・共有に時間がかかる。特に自機中心型MAPW──つまりサイバスターのサイフラッシュ、ヴァルシオーネのサイコブラスター、グランゾンのグラビトロンカノンなどが天敵となり、FDXチームのように広域ジャミングを主軸とする部隊にも弱い。
このシステムの詳細についてはOVA・OG2.5・OG外伝のいずれにおいても中盤まで不明であったが、ギリアムからの情報により上記のシステム上のコンセプトが判明。更に、彼の調査からもたらされた情報により、その実現方法は「人間を植物状態にした上で液体の満たされたタンク内に設置、システム運用のための一パーツ『生体コア』として用いる」という非人道的なものであることが明らかとなる。その実体は撃墜・鹵獲したバルトールの解体によって裏付けられ、一部品と化した搭乗者の姿を目の当たりにした鋼龍戦隊所属の面々は、ODEシステムに大きな怒りと危惧を抱くこととなった。
開発史[編集 | ソースを編集]
ODEシステムに先立ち、ユルゲンはAMNシステム(Armord Module Network System)を提唱。これは人命の損耗を最小限にするために多数の無人機を少数の人員で制御することを目指したもので、1機の機体から得られた戦闘データを各機体へと即時に伝達、リンクすることで機体に高い戦闘能力を発揮させるシステムであった。しかし、膨大な戦闘データを扱う機体スペックの問題、それに加え膨大な情報伝達が搭乗者の脳に重大な負荷をかけ、普通の人間ではまともに制御できないという重大な欠点を抱えていた。この欠点を改善するためには、無人機側に情報の媒介・処理用として人間の脳を組み込むという方法を取らざるを得ず、それゆえ本システムは「戦闘による人命の損耗を最小限に抑えるという目的のために、生命体としての活動を放棄した大量の生体コアが必要となる」という矛盾を孕んでおり、この点に気づいていたシュウ・シラカワやビアン・ゾルダークからはシステムとして不適格と見做されていた(シュウはこの点を指摘して「良心を捨て去らない限り問題の解決は不可能」と評した)。
それに加え、同種の脳波制御システムを開発していたアードラー・コッホの妨害もあり、AMNシステムがDCにおいて日の目を見ることはなかった。
AMNシステムの開発が中止となったことでユルゲンはDCを去るが、L5戦役で家族を失ったことをきっかけにシステム開発の再開を決意。DC時代の同僚ジジ・ルーやカイル・ビーン、そしてデュミナス一派の秘密裏の協力によりODEシステムを完成させ、ウォン重工業の機動兵器「ゲシュタルトシリーズ」にこのシステムを搭載した。生体コアという手法を採用した結果、AMNシステムを上回る情報処理の短縮化に成功し、表面的には大幅に性能が向上。ウォン重工業の親会社であるイスルギ重工にとってもリオンシリーズの新型を開発するまでの時間を稼ぎたいという思惑があり、地球連邦軍の次期主力機として採用されるように働きかけ、採用実現の見込みとなった。
だが、やがてこのシステムが大きな戦乱の引き金になろうとは誰も予想してはいなかった。その後の顛末は、『バルトール事件』を参照。
特殊能力「ODEシステム」[編集 | ソースを編集]
『OG2.5』および『OG外伝』では特殊能力として採用されておりミロンガ(味方仕様には搭載されない)、バルトール、ユルゲン搭乗のヴァルシオン改・タイプCFが所持。ラミア搭乗のヴァルシオン改には装備されていないが、彼女が「規格外」であることがODEシステム変調の原因であることが『OG外伝』15話で判明しているため、その対処のためであろうと思われる。
戦闘の学習・対策という設定はあくまでも物語の設定であり、本当にプレイヤーの思考や戦法をCPUが学習するわけではない。しかし、この能力の最も恐ろしい所は最終命中・回避率に補正がかかること。たとえ1機だけでも毎ターン最終命中・回避率が2%加算される。
序盤でさえ、一部のシナリオにこの能力を搭載した機体が大量に出てくる。速攻で撃破していかないと、計算式に能力保有機体の数が関係する性質上2ターン目にはとんでもない補正がかかってしまう。難所によくある「一体倒せば楽になる」なんてことは全く無いどころか、逆にキツくなっていく仕様である。
この能力の恩恵を最も受けているユニットは恐らくユルゲンのヴァルシオン改・タイプCFだろう。高いHP、高い装甲、豊富な特殊能力でただでさえ撃破が難しいのにODEシステムのせいで命中率が徐々に上がっていくのだから、非常に厄介。時間との勝負になる。
効果 |
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・同能力を持つユニット中、最も高い気力を共有できる。判定はフェイズ開始時。 ・「ターン数×2 + 能力所持ユニット数」分だけ、最終命中率・最終回避率に補正がかかる。 |
関連用語 [編集 | ソースを編集]
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