マブラヴ オルタネイティヴ

提供: スーパーロボット大戦Wiki
2021年9月9日 (木) 09:11時点における忠犬キャット (トーク | 投稿記録)による版 (→‎BETA)
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マブラヴ オルタネイティヴ
外国語表記 Muv-Luv Alternative
開発元 アージュ
発売元 アージュ(PC版)
MAGES.(家庭用版)
対応機種 Windows
Xbox360
プレイステーション3
プレイステーション・ヴィータ
プロデューサー 吉宗鋼紀
シナリオ タシロハヤト、松永北斗、吉宗鋼紀
キャラクターデザイン Bou
メカニックデザイン 吉宗鋼紀、仁Niθ(ニトロプラス)、吉成鋼、星野秀輝
音楽 Lantis
主題歌 JAM Project
発売日 2006年2月24日(オリジナル版)
CERO区分 D(家庭用版)
コンテンツアイコン セクシャル・暴力
初登場SRW スーパーロボット大戦X-Ω
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マブラヴ オルタネイティヴ』はアージュ開発のゲーム作品

概要

アージュが制作したマブラヴシリーズ第1作『マブラヴ』の「UNLIMITED編」から繋がる続編にして本編にあたる作品で、宇宙生命体により侵略される地球を護るために戦う人々を描いたハードSF作品である。公称ジャンルは「あいとゆうきのおとぎばなし」。

また、『トータル・イクリプス』や『シュヴァルツェスマーケン』、『ユーロフロント』といった多数の派生作品や外伝が存在する。

2021年よりTVアニメ版が放送される予定。

世界観

本作の舞台は西暦2001年であるが、舞台となる時代の100年以上前から歴史が異なるパラレルワールドとなっている。

  • 1867年の大政奉還の際に将軍家と倒幕派が和解。首都機能を江戸から京都に移し「大日本帝国」ではなく「日本帝国」が誕生する。そのため、作中の時代でも征夷大将軍と武家の制度が残っている。
  • 第二次世界大戦において、日本は1944年に条件付き降伏。北方領土とサハリンを失わず、二発の原爆は広島と長崎ではなくベルリンに落とされた。
  • 東西冷戦が大戦中から既に深刻化。
  • 宇宙開発が早期に進行。1958年に火星で探査機がBETAとファーストコンタクト。1967年、月面で開戦。1973年、ウイグル自治区カシュガルにBETA降下。
  • 作中時点でソ連はBETAによる打撃を受けつつも崩壊していない。ただし、ウラル山脈より西は壊滅してしまい、首都機能はハバロフスクに移っている。
  • ヨーロッパは80年代後半にイギリス本土を除いて壊滅。東ドイツが一時防壁となっていたが、政権を握った秘密警察が暴虐の限りを尽くした事でクーデターが発生。政権は打倒されたが、対BETA戦線が崩壊してしまう。(『シュヴァルツェスマーケン』)
  • アメリカは本土に侵攻されていないので、世界中に武器や食糧を供給している。一方で国連軍を隠れ蓑にした強引な軍事介入やG弾の無差別投入で多数の犠牲者を出している事から、反米感情が世界的に広がっている。特に日本帝国とは、BETAの本州侵攻時に日本側がG弾の使用に反対していたことなどを理由に米国側が安保条約を一方的に破棄して在日米軍を撤退させた事、明星作戦(横浜ハイヴ攻略及び本州奪還)の際にG弾を事前通告無しで使用した事で両者間に大きな亀裂を生み出している。その結果、本土をBETAに蹂躙されている日本とソ連が緊密な関係となった。
  • 数十年に渡る過酷な総力戦で娯楽文化が衰退を始めており、「テレビゲーム」など近年のものは概念自体が存在しないものもある。
  • 同じく長過ぎる戦争により男性や年長者の人口が損耗。結果として作中時点では軍内の若い女性の割合が増加している。なお、作中開始時の世界人口は約10億人、日本の人口は7200万人前後となっている。

等が挙げられる。その多くはストーリーには影響しないが、深刻な東西冷戦による人類間の不和は作中の時代まで続いており、BETAの地球侵入を始めとして取り返しのつかない事態を繰り返し引き起こす結果となっている。

ストーリー

ある日、自分の家で目を覚ました白銀武は、自宅の周囲が壊滅した状態という惨状に愕然とする。生存者を探し、学校のあった場所に辿り着いた武が知らされたのは、この世界は武の住んでいた世界とは異なる平行次元に存在する異世界で、BETAと呼ばれる宇宙生物による侵略を受けているという衝撃の事実であった。

香月夕呼博士の計らいにより武は国連軍に入隊し、元いた世界の友人たちと似た仲間たちを得てチームとして戦っていく事になる。当初は貧弱な体力でチームのお荷物であったが、元いた世界の対戦型ロボットゲームによく似た「戦術機」と呼ばれるロボットの操縦で戦果を挙げたことで自己の立場を確立する。しかしその矢先、BETAの前に劣勢を強いられた人類は戦う事を諦め、地球脱出計画「オルタネイティヴV」を発動する。(ここまでUNLIMITED編)

そして3年後、再び家のベッドで目覚めた武は、3年前とまったく同じ光景を目にし、今度は兵士として鍛えられた肉体と精神、以前の記憶を武器にループする世界を救済すべく行動を起こしていく。

登場人物

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

主要人物

白銀武
主人公。平和な世界から異世界へ飛ばされ、世界救済の術を探す。
鑑純夏
ヒロイン。武の幼馴染と同じ姿を持つ「00ユニット」と呼ばれる人類救済の鍵。
御剣冥夜
207B分隊の訓練兵。日本帝国の政威大将軍家の娘。
榊千鶴
207B分隊の訓練兵。内閣総理大臣の娘。
彩峰慧
207B分隊の訓練兵。元帝国陸軍中将の娘。
珠瀬壬姫
207B分隊の訓練兵。国連事務次官の娘。
鎧衣美琴
207B分隊の訓練兵。情報省外務二課課長の娘。
社霞
香月博士と行動を共にする謎の少女。
香月夕呼
横浜基地副指令にして「オルタネイティヴIV」最高責任者。

帝国斯衛軍

月詠真那
冥夜の護衛を務める第19独立警備小隊隊長。
神代巽、巴雪乃戎美凪
月詠の部下達。

横浜基地関係者

イリーナ・ピアティフ
横浜基地通信士官。

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

吹雪
97式戦術歩行高等練習機。練習機とは言え、下手な第二世代機より高性能なので、実戦にも投入された。
不知火
94式戦術歩行戦闘機。日本帝国陸軍並びに本土防衛軍の主力機。世界初の実戦配備型第3世代戦術機かつ純国産機である。極東国連軍ではA-01連隊にのみ配備されている。
XG-70b 凄乃皇・弐型
00ユニット専用機。
XG-70d 凄乃皇・四型
「桜花作戦」における武と純夏の乗機。
TSF-Type00 武御雷
日本帝国斯衛軍専用の最新鋭戦術機。第3世代最強の戦術機と呼ばれるが、コストや整備性が度外視されている。身分によって機体カラーと仕様が異なっており高い方から紫、青、赤、黄、白、黒の順。
TSF-Type00A 武御雷
一般武家出身者に与えられるタイプ。カラーリングは白。
TSF-Type00F 武御雷
五摂家に近い有力武家出身者に与えられるタイプ。カラーリングは赤と黄。
TSF-Type00R 武御雷
五摂家専用に開発されたモデル。カラーリングは紫と青。なお紫は将軍専用である。

BETA

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race(人類に敵対的な地球外起源種)」。

本作の敵勢力となる宇宙生物で、多くの種類が存在しグロテスクな外見が特徴。その圧倒的な物量が最大の武器。一方で一体一体の性能は巨大ロボットものでも下から数えたほうが早く(例外あり)、高出力レーザーによる長距離射撃を得意とする光線級の出現までは1970年代レベル(ただし、現実よりも技術の進歩は早い)の航空兵器による空爆で何の問題もなく対処できていた。全体的に生理的嫌悪感を催しかねないような容姿で、それ以上に人命をいとも簡単に、そして残虐に奪い取る存在である。

最初に火星で発見され、建造物と共に確認された事から知的生命体であると期待され、人類はこれとコミュニケーションを取ろうとしたが、その後同種と思われる生物が月面でも発見され、月面探査チームがそれらに虐殺された事で、人類はこれを敵対種と認定、『BETA』と名付けた。 その後は友好を築くためではなく直接的な生態調査を目的として多大な犠牲を払いつつもBETAの生態解明を目論んだが、人類を含めた地球の生命と同じ炭素系生物ではあるものの、生殖をおこなうための器官が無いどころか食物を摂取・消化するような器官すら見受けられず、どういう生態なのかすら判明しなかった。

その正体はケイ素生物系の異星人によって産み出された資源採掘用の生体マシン、すなわち生きた土木工作機械ともいうべき存在で、各種BETAは作業用生体マシンが目的に合わせて変化したものである。創造主に組み込まれた命令として「生命体の存在する惑星で活動してはならない」というものがあるが、BETAにとっての生命体とは創造主と同じケイ素生物系のみで、地球人のような炭素生物系は生命体と認識しない。つまり地球は「生命体が存在しない星」と認識されている。

外敵を認識する能力も地球上の生物の例とは全く似つかず、少なくとも『色』では識別していない。 どういう方法で識別しているのかは不明だが、人類が用いる兵器に対して「より複雑・より高度なもの」を優先的に対処する傾向にある。単により巨大・より機動性が高いものを見分けるだけでなく、全く同じ無人機でも搭載されているコンピューターの性能が高い方を的確に見分ける。原作中では、途中から「人間が搭乗している兵器」を最優先対象と認識しており、同じ兵器でも人間が搭乗していないものより搭乗しているものに優先的に群がってくる。この対人探知能力は種別によって差があるようで、概ね小型の種の方が対人探知能力が高い。

なお人類を生命体として認識はしていないが、資源として研究・実験を行うような行動をしており、BETAとの戦闘を行う戦術機は基本的に自決用の爆弾が搭載されている。BETAとの戦闘で真っ当に死ねれば幸運な方で、運悪く生きたまま捕獲されてしまった場合、後述の兵士級の素材として再利用されたり、人体実験の素材にされる等、悲惨な目に遭う。

BETA 兵士(ソルジャー)級 ヴェナトル
全長1.2m。作中最終決戦以前に確認されている中で最小の種。1995年に確認された最新型。人間の数倍の腕力と強化装備を喰い破れるほどの強靭な顎を持つが、機械化強化歩兵(パワードスーツ)でも十分対処可能。…が、本当に恐ろしいのは戦闘中に捕獲・捕食した人類を再利用して製造されるという点。更には原作最悪のトラウマイベントの下手人でもある。
BETA 闘士(ウォリアー)級 バルルス・ナリス
全長1.7m。象の鼻のような一本腕を持ち、人間の頭程度なら簡単に引き抜ける。動きも俊敏で歩兵が相手をするのは困難だが、当たりさえすれば拳銃でも十分に殺傷できる程度の防御力。戦術機にとっては脅威にすらならない。原作では影が薄かったが、それでも十分以上にプレイヤーの感情をどん底に叩き落としている。
BETA 戦車(タンク)級 エクウス・ペディス
全長4.4m。小型種だが、厳密には中型。防御力は低く歩兵の重機関銃でも対処できる一方、その顎は戦術機の装甲を噛み砕けるほど強靭。そのため、多数の戦車級に取りつかれて機体諸共衛士が食い殺される例が後を絶たない「最も多くの衛士を殺したBETA」。アニメ版トータル・イクリプスのトラウマ担当。
BETA 突撃(デストロイヤー)級 ルイタウラ
全長18m。BETA群の先鋒を務める大型種。モース硬度15以上(ダイヤモンドが10)かつ再生能力を有する装甲殻を持ち、最高時速約170kmの体当たりを行う。反面、後方は脆弱で歩兵の対戦車ミサイルでも有効打になる程度。定常旋回能力も低く、ほぼ真っ直ぐにしか突進出来ない。また、対人感知能力も低い。実は頭が二つある。
BETA 要撃(グラップラー)級 メデューム
全長19m。群れの大型種の約6割を占める中核戦力。モース硬度15以上の硬度とカルボナード以上の靱性を併せ持つ強靭な二本の前肢での近接格闘を行う。定常旋回能力も高い。頭に見える部分は尾で、歯のような部分は感覚器官である。
伊隅大尉曰く「戦場で最も多く出会うお友達」。欧州方面では「タコ助」などと揶揄されているらしい。
BETA 光線(レーザー)級 ルクス
全長3m程。巨大な2つの単眼を持つBETA。
2つの眼球から発射される高出力光学レーザーは単純射程距離200~300㎞、距離380㎞・高度1万mの飛翔体を的確に捕捉する精度をもつ。すなわち航空兵器は地平線から顔を出した瞬間に撃墜されるようになり、完全に無力化されてしまった。
人型兵器が開発されることになった直接の要因。戦術機という人型兵器が開発された大きな理由の2つのうち一つが「縦穴を多く含むハイヴ内に少数で潜入して作戦を遂行できる機体であること」、もう一つが「光線級に撃墜される航空機に頼らず地上から進軍できる兵器であること」。
なお下記の重光線級を含め、決して味方誤射をしないという特性がある。射線上に他のBETAがいる場合はレーザー発射行動をぴたっと停止するため、光線級がいると思われる戦線では常に他のBETAの陰になるような位置で戦う事がセオリーとされている。
接近することは容易ではないが、接近さえすれば戦術機の手足による打撃でも十分に殺傷可能。
BETA 重光線級 マグヌス・ルクス
全高21m。光線級の強化型。単純射程距離1000km以上、高度500mで低空飛行しても100㎞以上が有効射程であり、レーザー出力は天候での減衰を期待できないほど高く、これが複数寄り集まっての一斉照射ともなれば、大気圏突入にすら余裕で耐えうる装甲艦が数秒で真っ二つに折れて爆散する程。一般的な戦術機であれば回避を考える間も無く蒸発して消える。照射粘膜は1つだけだが、その分巨大化している。光線属種にとって照射粘膜は弱点でもあるが、瞼のようなもので覆える構造となったことでそれを克服。本体の強度も高いが、量産性は悪化し、レーザー照射のインターバルも伸びている。
この他に超重光線級も存在するが、外伝作が出典かつ事実上ワンオフの決戦兵器のため割愛する。
BETA 要塞(フォート)級 グラヴィス
全長52m。作中最終決戦以前で最大の種。尾に収められた約50mの触手が武器。例によって先端はモース硬度15以上で、更に命中時には戦術機も瞬時に溶解する強酸を分泌する。小型種の兵員輸送車でもあり、光線級であれば6体まで搭載可能。その搭載方法というのが非常に特殊で、小型種はドロドロに溶けた状態で尾節に格納され、それが外部に排出される時に恰も3Dプリンターの如く小型種のボディを成形する(格納時にはまたドロドロの状態に戻す)。
BETA 頭脳(ブレイン)級
ハイヴの中枢となっている生体コンピューターで、反応路(リアクター)とも呼ばれる。各ハイヴに必ず1つ存在し、これが破壊されずに残っている限りは、そのハイヴはどれだけBETAが掃討されようとも他のBETAからは「まだ生きているハイヴ」だと認識される。
あらゆるBETAのコントロールシステム兼エネルギー源で、ハイヴに所属するBETAへのエネルギー供給などを担っている。最大の特徴として、全ての頭脳級がオリジナルハイヴの重頭脳級とネットワークで結ばれていることで、獲得した情報は重頭脳級に送られた後に対応策がフィードバックされていく。これ自体は自我や独立した思考能力を持っている訳ではなく、BETAの各個体からフィードバックされてきた情報を集積してアップロードすること、重頭脳級から下された対応策をBETA各個体に反映する中間管理サーバーのようなものである。
なお、原作では当初はこれらのサーバーコンピュータ的な役割が判明しておらず単なるエネルギー源だと思われていたため、「反応路」とだけ呼称されていた。
BETA 重頭脳級『あ号標的』
カシュガルのオリジナルハイヴ最深部に存在する全てのBETAの統括者。人類と唯一コミュニケーションが取れる個体で、自らを「上位存在」と称した。極めて高度な対応力を持っており、人類が打ち立てた対BETA戦術の多くに対応してきた。だが、対応力はあるものの根本的な学習能力は皆無に等しく、生命体と認識しているのは自身を創造したケイ素系生物のみで、自分自身や地球人類を含めた炭素系生物は単なる消耗品としか見なしていない。この為、接触した白銀武からは「馬鹿」と評された。最終的に武の手で破壊されるが、宇宙全体には10の37乗(10澗=10,000,000,000,000,000,000兆)体もの重頭脳級が存在すると語っている。

用語

戦術歩行戦闘機(Tactical Surface Fighter)
通称『戦術機』。本作における人型ロボット兵器の総称。現実における戦闘機をモチーフとした機体名とデザインが特徴。腰に装備された「跳躍(ジャンプ)ユニット」により立体的な動きで光線級のレーザーを回避する事を念頭に設計されている(一応、レーザーが命中した場合でも瞬時に気化することで機体を防護する対レーザー蒸散塗料が使用されているものの、あまりにも高出力なので数秒ともたないため、回避が前提である)。現在は第3世代までが開発・配備されている。元はハイヴ内に突入、反応炉を破壊するために人型兵器が最適であったために開発されたが、通常戦闘でも有用性が高いことが認められ、対BETA用機動兵器として発展を続けている。
BETAに撃破されたパイロットは即死できれば良いほうで、下手をすれば行動不能の機体ごと貪り喰われ、最悪は捕虜になって凄惨な人体実験が待っている。そのため、S-11というフェンリルが如き自爆装置が標準搭載されている(未搭載の機体でも、跳躍ユニットのエンジンを暴走させることで自爆可能)。
コクピットモジュールは国際規格が定められており、全ての機種で流用することが可能。このモジュールは脱出装置としても機能する他、シートはそれ自体が簡易型の強化外骨格(パワードスーツ)であり、緊急時には強化外骨格を起動させ、戦術機の装甲を破壊することによるベイルアウトも可能である。一方で、制御OSや機体の特性は各国ごとにまちまちで、日本製は「高性能だが、ピーキーで扱い難い」と評されている[1]
S-11
戦術機に搭載される高性能爆弾。高価な爆弾であり、前線国家でこそ標準装備だが、後方国家では装備しない例も多い。特に、ハイヴ攻略作戦時には必須の装備となる。
搭載目的は二つ。一つは「ハイヴ最深部の反応炉(頭脳級BETA)の破壊」。もう一つは「自爆装置」である。特に二つ目の目的は、最早BETAに抗う術を失った戦術機と衛士が悲惨な最期を迎えるのを阻止し、人類への最期の貢献として死ぬための、せめてもの手向けである。
反応炉破壊に使用する場合は、機体から取り出して反応炉に設置することで使用する。
衛士
戦術機のパイロットの名称。強化人間の域ではないが基本的に投薬や精神操作を受けている。
前線で戦う為に死亡率は極めて高く、新兵の7割が初陣で戦死する。さらに、その内の多くは戦闘開始から8分以内に戦死するとも。これを指して「死の8分」という。これを乗り越えられるか否かが、その後も衛士として戦っていけるかの基準の一つとなっている。
女性訓練兵用のパイロットスーツは極めて露出度の高いデザインとなっている。アダルトゲーム初出だからといってしまえばそれまでだが、一応作中設定としては軍で性差に配慮する余裕など無いので羞恥心を麻痺させるためなど、幾つかの真っ当な理由がある。
ハイヴ
BETAの前線基地とも言える巣窟。頭脳級を中心にした地下基地で、内部は数十万単位のBETAで溢れている。現状、地球上にはオリジナルハイヴを含めて29個のハイヴが存在する(内一つ、ヨコハマハイヴは殲滅済み)。
基本的に、既存のハイヴにてBETAの数が限界を超えた時に溢れて新たに建造される形で増えていく。ただしカシュガルにある「オリジナルハイヴ」と呼ばれるハイヴのみ別で、月から発射されたBETAの搭載された突入ユニットが落下した地点に建造されたものである。
なお原作ではカシュガル以前にカナダにBETAの突入ユニットが落下しているが、核兵器の集中運用により、カナダ国土の大半を焦土にする事と引き換えに早期対応に成功している。その後カシュガルに落下したユニットは、中国軍が資源の独占を狙って他国の介入を嫌い、かつ通常兵器で対処しようとしたためにBETAの定着を許してしまった。
G弾(五次元効果爆弾)
核兵器にすら耐性を付けたBETAに対抗する為に開発された、重力発生兵器。核兵器に代わる大量破壊兵器として、主にアメリカ軍によって使用されている。
元は戦略航空機動要塞の主機関として開発された「ムアコック・レヒテ型抗重力機関」であり、これそのものを兵器として転用した物。適切な量の減速材を搭載することで完全なるムアコック・レヒテ機関として機能し、ラザフォード・フィールドが発生することで光線属種の高出力レーザーを含むあらゆる攻撃を無効化してしまうことから、迎撃不可能の兵器と言われる。
BETA由来の未知の物質であるG元素、その内の一つである「グレイ・イレブン」を利用した兵器であるため、製造可能数は限られる。米国軍がG元素の確保に躍起になっているのもこのため。
使用された場所は放射能の代わりに重力異常が残留して不毛の大地になってしまう(物語の主な舞台である横浜基地がその実例)。ループから脱出できない場合、G弾の無差別投入によって地球は取り返しのつかない被害を被ることになる。
この兵器が作り出されたからこそ、本作の物語が始まったとさえ言える最重要ガジェットの一つ。
XM3
白銀武の世界に存在したゲーム「バルジャーノン」のような機動力、すなわち「キャンセル」や「コンボ」、「先行入力」といった格闘ゲームの動きを戦術機で再現出来ないか?というアイデアに基づいて開発された新型OS。オルタネイティヴIVの技術を流用して開発されたため、これも第4計画の成果の一つと言える。
機体の反応速度が劇的に向上するため、これまでのOSに慣れた衛士からすれば慣熟に時間がかかるが、これまで不可能と思われた柔軟でアクロバティックな機動力を発揮出来るようになるなど、戦術機の性能を大幅に向上させることに成功(第1世代機でさえ、XM3を搭載する他に少々手を加えるだけで第3世代機と互角に渡り合えるようになる)し、後には「衛士の死亡率を半減させた奇跡のOS」と呼ばれるようになる。
一見誰でも思いつきそう…というか実際に武でも思いついたわけであるが、今まで誰も思いつかなかったのは戦争に人類のリソースを奪われてゲームという娯楽が生まれなかったためである。
余談だが、搭載された戦術機には機械的なトラブル等の不具合が発生しなかったことから、従来のOSは戦術機の性能を完全に引き出せていなかったことが示唆されている。
神攻電脳VALGERN-ON
通称「バルジャーノン」。白銀武が元いた世界(EXTRA編)でやりこんでいた、3Dロボット対戦格闘ゲーム。武はこのゲームの経験を戦術機の操縦へと応用し、高い適性を示した(戦術機のシミュレーター訓練だけをみっちりやっていたも同然なので)。
また、上記の通りに新型OS・XM3の開発にも大きく貢献している。
桜花作戦
カシュガルにあるオリジナルハイヴ攻略を目指した、対BETA戦争の事実上の最終作戦。作戦発動時の演説は、本作屈指の名場面である。日本帝国と国連軍のほぼ全ての戦力が投入され、更に陽動作戦でソ連軍が他のハイヴに全面攻勢に出るなど、人類の総力を挙げた作戦となった。投入された戦力の大半と引き換えに凄乃皇・四型と207B分隊の武御雷5機がオリジナルハイヴに突入、苛烈な戦いの末に「あ号標的」こと重頭脳級の破壊に成功するが、生還したのは白銀武と社霞だけであった。
「桜花」とはかつて第二次世界大戦当時に日本帝国に存在した兵器で、人間魚雷である「回天」の航空機版とも言える兵器。高高度の母機から落下する形で発進し、そのまま真下の敵艦に体当たりするというもの。この作戦では衛星軌道上の輸送艦から降下ユニットに収納された状態の戦術機を投げ落として大気圏突入させるという方式でカシュガルハイヴへの突入を試みるため、この作戦名がつけられた。
オルタネイティヴ計画
タイトル名にもなっている計画。:全部でI~Vの5段階がある。
オルタネイティヴIは、「火星にて確認された知的生命体とコミュニケーションを取ること」。当初は「I」のようなナンバーは存在せず単にオルタネイティヴ計画とだけ呼ばれていたが、月面のサクロボスコ事件によって大きな方針変更を強いられたため、この事件より前を「I」と便宜上呼称している。
オルタネイティヴIIは、敵対的生命体=BETAを捕獲・解剖なども含めて直接的に調査すること。反対派によって「多大な犠牲を払いながら『BETAは炭素生命である』しか分からなかった」と喧伝される事があるが、実際には多数の副産物としての新技術を発見するなどの収穫を得ている。
オルタネイティヴIIIは、読心(リーディング)のESP能力を持つ超能力者を招集または人為的に誕生・育成し、その力を持ってBETAの思考を直接読み取る計画。投入された能力者の94%を失って「BETAには思考がある」事自体は分かったものの、あらゆるコミュニケーションはやはり不可能であると判断された。
オルタネイティヴIVは、00ユニットによる直接的な情報入手を目的とした計画。さらに、下記の「V」で開発されていたXG-70シリーズ兵器を接収して00ユニットと運用する計画に発展。あくまで情報収集・対話が目的であり、XG-70の接収も00ユニットの拡張機としてのものだったが、最終的には桜花作戦でBETAの撃破という結論に至る。
オルタネイティヴVは、G弾の集中運用によるBETAへの最終決戦。「IV」の予備案として用意されていたものであり、「IV」の最終段階である桜花作戦の失敗と同時に発動される事になっていた。なお対外的な表面上の計画として「選抜された10万人の人類を宇宙船で脱出させる」というものがあるが、計画の本体はG弾である。「オルタネイティヴ」では桜花作戦が成功したために発動しなかったが、前作の「UNLIMITED編」ではこちらが発動してしまっている。

楽曲

オープニングテーマ
「未来への咆哮」(18禁版)
作詞・作曲:影山ヒロノブ / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project[2]
アダルトゲームらしからぬ熱く悲壮感の漂う曲調と歌詞から現在でも絶大的な人気を誇っており、JAM Projectの楽曲としても人気が高い。
劇中ではオープニングの他に「桜花作戦」発動時の演説でも使用された。
『X-Ω』ではイベント「未来への選択」にて原曲がクエストBGMに採用。
「Name〜君の名は〜」(全年齢版)
作詞・作曲:影山ヒロノブ / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
「Metamorphose」(Xbox360版)
作詞:奥井雅美 / 作曲:きただにひろし / 編曲:須藤賢一 / 歌:JAM Project
「0-GRAVITY」 (PS3PS VitaSteam版)
作詞:谷山紀章 / 作曲・編曲:飯塚昌明 / 歌:GRANRODEO
エンディングテーマ
「マブラヴ」
作詞:江幡育子 / 作曲:SAGE KOIZUMI / 編曲:飯塚昌明 / 歌:栗林みな実
前作『マブラヴ』OPテーマの再録版。

登場作と扱われ方

単独作品

スーパーロボット大戦X-Ω
初参戦作品。2018年11月のイベント「未来への選択」期間限定参戦。207B分隊の6名がパイロットとして参戦し、全員にボイス付きPPが用意されている破格の待遇となっている[3]
イベントシナリオは甲21号作戦の直後に『勇者王ガオガイガー』『真ゲッターロボ 世界最後の日』『真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍』の面々が、異世界から『マブラヴ』世界にやってきたという設定でクロスオーバーが展開され、横浜基地防衛戦までのストーリーが描かれる。
シナリオ中のキャラクターのバストアップグラフィックは原作ゲームのものが使用されている。

余談

  • 前作にあたる『マブラヴ』は、普通の高校生の元に大金持ちのお嬢様が現れ、幼馴染や友人たちとの関係が変化していくという、よくある恋愛ADVであった。
    • が、これは序章(EXTRA編)に過ぎず、本編クリア後に解禁される「UNLIMITED編」から繋がる本作こそが本編となっている。そのため、当初は前作に含められる予定であった。
    • この関係から前作をプレイしておかないとストーリーに入り込みづらい作品となっている(とはいえ、延期が重なったためいきなりこの作品から入るユーザーはほぼ皆無であった)。
  • 現在のアドベンチャーゲームでは基本中の基本とも言える「会話の内容に応じてキャラの立ち絵が表情差分などを細かく変えて動く」システムだが、本作を皮切りに一気に普及したものである。
  • 元々アダルトゲームという仕様上、美少女キャラが非常に多いが、彼女たちが無残な最期を遂げるなどの非常にショッキングなシーンも多数存在し、発売当時に大きな物議を醸した。これを受けてシーンの残虐性を抑えるためのパッチが配布された。
  • 世界観設定などにプレイステーション用ゲーム『高機動幻想ガンパレード・マーチ(SRW未参戦)』との類似点が多く存在している。
  • 漫画『進撃の巨人』の作者である諫山創氏は本作に大きく影響を受けており、冗談交じりで「(『進撃の巨人』は)マブラヴをパクった」と公言している。
    • それを踏まえてか、DMMから配信されていた『マブラヴ オルタネイティヴ ストライク・フロンティア』(現在はサービス終了)では『進撃の巨人』とのコラボイベントが開催された。
  • 続編の『オルタネイティヴ2』の構想は企画段階で頓挫したされていたが、2019年に続編『マブラヴ インテグレート』(仮タイトル)の制作が発表された。
  • 『マブラヴ』EXTRA編とアージュの旧作品『君がいた季節』『君が望む永遠』は時系列こそ異なるが同一世界を舞台としており、それらのキャラクターも『オルタネイティヴ』に出演している。

商品情報

※全年齢版のみを取り扱う。


Steam マブラヴ オルタネイティブ

リンク

脚注

  1. 『トータル・イクリプス』作中では、アメリカ製戦術機に習熟した主人公が日本製戦術機に振り回されて操縦に四苦八苦する姿が描写されている。
  2. 「JAM Project feat. 影山ヒロノブ、遠藤正明、きただにひろし、福山芳樹」名義。18禁版である本作のみ男性メンバーのみの参加。
  3. ただしライブカットイン対応は武と冥夜のみ。