ワイズマン
ワイズマン | |
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外国語表記 | Wiseman |
登場作品 | |
声優 | 柴田秀勝 |
種族 | 古代クエント人の意識集合体 |
役職 | アストラギウス銀河の「神」 |
ワイズマンは「ボトムズシリーズ」の登場キャラクター。
概要
アストラギウス銀河の戦乱を陰で操っていた、謎の存在。
元々は古代クエント人の中に突如出現した、「異能者」と呼ばれる
一方、追放された異能者たちは、流された星系の文明を発展させるという気の遠くなるような手段と年月をかけてクエント星へ帰還を果たすが、その頃には彼等の肉体は限界に達しており、生き永らえるべく地底に眠る巨大コンピュータシステムに自らの意識を転送・集積させた。こうして自我を持った巨大コンピューターシステムは、自らを「
後に彼らは、自らの力と知識を受け継ぐ後継者として異能生存体たるキリコを選んだのだが、当初の彼は戦うことしか知らない兵士だった。そこでワイズマンは、生死の境をさまよったキリコの脳にいくつかの処置を施した上で、プロトワンと邂逅させた。それによってキリコは人を想うということと、生きることに対する意味を見出した(ワイズマンいわく「当たり前の人間になった」)。
だが、キリコの中ではそれ以上に支配に対する意識が強まり、結果として現在の「支配を徹底的に拒む」という人格が出来上がった。そのため、後継者として迎え入れたキリコに完全に欺かれたワイズマンは、中枢部を破壊され消滅することとなった[1]。
端的に言ってしまえば、キリコの運命をコントロールしようとした時点で末路は決定していたといえる。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 初登場作品。物語中盤より行動を開始。ヴェーダのプロテクトを突破し、ホワイトファングの宣戦布告を全国中継させる、アロウズの隠蔽していた虐殺行為を暴露し「ワイズマン・ショック」を引き起こす、地球のネットワークを混乱させる等、原作と比べると大々的に活動している。彼もまた黒の英知に触れた一人であり、これらの混乱を引き起こしたのも、いずれ訪れる「絶望」に備え、「神」である自らが戦争をコントロールすることで地球全体の発展を促すためであった。その思想はある意味ではヴィンデル・マウザーに近い。最期は原作通りキリコに欺かれ、消滅したと思われるが…。NPCではあるが、「修羅」の後半ステージで無人のブラッドサッカーを操作しているため、戦闘すると喋る(邪真ドラゴンの早乙女博士と同じ)。ちなみに原形質保存中枢のシステムはアーカーシャの剣と同様の産物らしい。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 未登場だが、C.C.やシャッコから「神」という名で語られている。また、モンテウェルズに対して「神託」を与えた際の効果音が再世篇で尖兵と会話した際のSEと同じであり、存在が示唆されている。そして天獄篇予告では、マーティアル教団にてキリコと対面したと思しき場面が……。
- 原作を知っていれば予想するのはたやすい展開であるが、「黒の英知」に触れたクエントの神は、「触れ得ざる者」に何を語るのだろうか?
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 中盤にて再登場、自らの力を以ってアストラギウス銀河の人間を地球へ転移させた事をその目的とともに告白。
- さらに時獄篇で力尽きたフィアナを蘇生させ、彼女を使いキリコを従わせようとするが結局はフィアナを奪い返される結果に終わった。
- 結局は再世篇同様、彼を従属させることは出来なかったものの、結果だけ見ればキリコにとって、前作で誰もが(それこそプレイヤーですら)死んだと思われたフィアナを蘇生させた恩人なのも事実ではある。
単独作品
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 『ボトムズ』の原作再現が『ザ・ラストレッドショルダー』までであるため直接登場はしないが、惑星モナドでの戦いにおいてアムロやカミーユ、ヴァサージらが何かを感じ取っており、短距離転移させられたバーコフが「あれは何だ」と何かを見て怯えていた事から、干渉していた事が伺える。
人間関係
- キリコ・キュービィー
- 彼に様々な形で「試練」を与え、自らの後継者に相応しいかどうか見定めていた。最終的に彼を後継者に指名、キリコもこれを受諾するがそれは演技であり、最終的には彼によって3000年の時間をすべて無に帰される。
- フィアナ
- 彼女とキリコを遇わせた事が、ワイズマンの唯一にして最大の誤算であった。天獄篇ではキリコを従わせるために、死んでしまった彼女を自身の力で蘇生させたが、結局これも失敗に終わった。
- アルベルト・キリィ
- 彼に秘密結社を作らせ、「神の手足」として動かしていた。
- ジャン・ポール・ロッチナ
- 彼には「神の目」としての役割を与え、キリコを監視させていた。
他作品との人間関係
- リボンズ・アルマーク
- 『第2次Z再世篇』において、「ワイズマン・ショック」によって彼の計画を狂わせる。変革の導き手であるはずの彼をワイズマンは「これからの過酷な未来を知らず、自分が支配する箱庭に満足してるだけの存在」と的確に評している。
- アロウズ
- 『第2次Z再世篇』では、ヴェーダのプロテクトを突破して、これまでの非人道的行為を全世界に向けて暴露する「ワイズマン・ショック」を引き起こし、崩壊の一因となる。
- ズール皇帝、ロージェノム
- 『第2次Z破界篇』でのキリコとの戦闘前会話にて、ワイズマンと面識があることを示唆する発言をしている。ワイズマンの捜し求めている力のことも知っているようである。
- シャルル・ジ・ブリタニア、V.V.
- 『第2次Z』では、彼らもワイズマンと同様、黒の英知を知る者の1人である。また、ワイズマンの存在を知っており黒の英知を聞き出したアイムに黒の英知を知る者の1人として、その存在を教えた。
- D.O.M.E.
- 『第3次Z天獄篇』ではワイズマンと同質の、機械に精神を移し永遠を得た存在とされている。
名台詞
TV本編
- ワイズマン「かつてお前が戦場で生死をさまよっていた時、私はいくつかの操作をお前に施した。意識の底に…」
例えばフィアナもその一つだ。彼女との出逢いは、私によって運命付けられていたのだ」
キリコ「嘘だ!」
ワイズマン「では何故フィアナの名を知っていたのだ。希望の無かったお前に初めて生きる意味が生まれ、愛と共に力と支配に対する認識が芽生えた。私はお前をまず、当たり前の『人間』にしてやったのだ」
キリコ「嘘だ!」
ワイズマン「いや、思った以上にお前は変わった。愛よりも支配に対する欲求が強まり、今はこの私をさえ殺そうとしている。考えられぬことではない、お前はフィアナを撃ったのだから。お前は全てを思い出せ。犯した罪の呵責に苦しみ悶えるのだ、永遠に。キリコ! 罪に堪えることは無い、誇るべきなのだ。私の後を継ぎ、戦争を司れ。罪を超越できるのは、完全な支配だ。キリコよ、例え殺しても神は罪を犯したことにはならない。神だけは」
キリコ「やめろ!」 - クエント遺跡の最深部で自分を裏切ったキリコに対し、彼のトラウマ曲である「レッドショルダーマーチ」を流しながら。悪足掻きと言ってはそれまでの台詞ではあるが、反応からも分かるようにそれなりの効果があった。しかし、それでもキリコは抗い続ける。
- 再世篇でも再現されたものの、原作のように仲間を失わず原作に存在しない仲間を得たキリコはほとんど意に介さなかった。
- 「や…め…ろ…キ…リ…コ…」
「わ…た…し…は…こ…わ…い…」 - キリコの破壊工作を受けたワイズマンは次第に言葉が不明瞭になり、同じ台詞を繰り返すだけの「壊れた機械」そのものとなって、やがて機能を停止した。
幻影篇
- ワイズマン「キリコ、待っていたぞ。30年間、お前と再び会える時を待っていた」
キリコ「ワイズマンか。お前は死んだはずではなかったのか」
ワイズマン「完全な死ではない。爆発の最後の一瞬に、この星にシステムと我が民を転移させたのだ。私の跡を継ぐ者の誕生を予感したからだ」
「キリコよ、お前はここで我が後継者の養育をするのだ。そして、アストラギウス銀河の統治のシステムを復活させる」
「キリコよ、30年の歳月は復活にとっては十分過ぎるほどの時間だ。だが、それはシステムとしての復活に過ぎない」
「真の後継者の誕生は、やはり私を補完するにはお前が必要だ。私はこの子に、アストラギウス銀河の未来を託す」
「それまではキリコ、お前が銀河の秩序となるがよい」 - 幻影篇の最終局面で再びキリコと対峙して。当然のごとくキリコはこの申し出を蹴り、ワイズマンは再び消える。しかし、「神の子」は紛れもない赤ん坊であったため、さすがのキリコも放っておくことは出来ず、引き取ることになる。キリコの選択如何に関わらず「神の子」を押し付けるというその在り様を、ロッチナは「神はサイコロを振らず。強かだ」と評した。
スパロボシリーズの名台詞
再世篇
- 「我等の文明は時空さえも超える。お前もその力の一端を見たはずだ、惑星モナドで」
「あの星を消滅させたのは我等の文明の力…」
「あの時の次元境界線の歪曲がアストラギウス銀河の一部をこの世界に転移させる契機となったのだ」 - 星団ルート第43話「修羅」にて、ワイズマンが語ったアストラギウス銀河の人間が第2次Zの世界に転移した真相。
- 「その力を受け継ぐ事になるお前は世界を導く…。戦争という手段によって」
「それは人に絶え間ない緊張と欲望の渇きを与え、それによって人類は未来へと進む…。進化と言う名の道を通り」
「誤解なき相互理解、進化の光、螺旋の力…。いずれは全てをねじ伏せ、原理の力すら使いこなす日が来る」
「その日が人類の夜明け。黒の英知に記された絶望を越える時なのだ」 - 黒の英知に記録された絶望を越える為に、アストラギウスの神は時空をも超える力をキリコに受け継ごうとした。だが…。
- 「キリコ… お前は…私にとっての夢だった」
「わずか3000年前に始まったささやかな支配も遥かな時の彼方にいつしか人智を超えた人生を、絶対と永遠を獲得できるのではないかと思った…だが、悲しい事にそこへ到達するのは私ではない…」
「私は…不完全な神だった…。だから、お前に全てを託そうとした」
「黒の英知の語る絶望の未来を超えるために」
「終末の時を知り、バアル共ももうすぐ動き始める…」
「それを超えるためには人間は進化しなければならなかった」
「その萌芽を、私はこの世界で感じ…かねてからの計画…お前への全ての継承を実行に移そうとした」
「世界に私という影の支配者の存在を明かす事で人類は恐怖と不安に苛まれる。そして、それは戦争へとつながっていく」
「絶え間ない戦争は人類の進化を促す…。それが奴等の襲来とどちらが速いかは私にとっても賭けだった」
「たとえ間に合わなかったとしても私の知識と力はお前が受け継ぐ…」
「因果律を超えた不死の力を持つ異能生存体であるお前ならば…きっと…生き残ってくれる…」 - 「修羅」クリア時。バアル及び「根源の災厄」に対する対抗策として、戦争による人類の進化を促し、それでも間に合わなかった時のためにキリコを後継者としようとしたらしい。だが、その男にはそんなものよりもよほど大切なものがあったことを、アストラギウスの神は知らなかったのだ。
- 「全ては黒の英知が示す絶望の未来から人間と我が意思を生き残らせるため…」
「神を気取る変革の導き手達がその過酷な未来を知らず、箱庭の世界に満足しつつある今…世界は焔に包まれる必要がある…」
「生き…残るために…生きる…。それが…黒の…英知の…継承者に…課せられた…使命…」
「キリコ…。愚か…で…小さな…生命よ…。お前は…取り返しの…つかない…罪を…」
「わた……し……は……こわ………い………こ……わ………い………」 - 「継承者」達について。「黒の英知」は時空を超えて存在する知恵であり、「根源の災厄」を示すもの。それを持つ、あるいは知る者達は生きなければならない……それは果たして何を意味するのか。全てを語ることなくワイズマンはキリコによって討たれたが、「その時」がやって来るのは、決して遠い未来の話ではなかった……。
天獄篇
- 「概念としての神は、既に遥か過去に滅んだ。今、この宇宙で神を名乗る者は、高次元生命体と呼ばれる存在だ」
「それは、かつては人と呼ばれていたかも知れない。彼等は様々な過程を経て、宇宙の真理に触れ、永遠を手に入れた。そして、自らを神と名乗るに至った」
「だが神は、他の神の存在を許さない。故に神は神と戦うのが宿命…。それこそが宇宙の真の戦い…それに勝利するためにも私は高みに上がらなければならない。お前という因果を越えた存在を取り込む事で」 - 第38話「幻影」より。マーティアルの神殿でキリコと対峙して。「触れ得ざる者」「神殺しの男」……かつて後継者にと望んだ男に、クエントの神が「根源の災厄」と呼ぶべき神の存在を語り始めた。
- 「そうだ、キリコ。それがお前の抗えない運命なのだ」
「もう一度言うぞ、キリコ。私は運命さえも支配する存在だ」 - 神と戦う使命に従わせるために蘇生されたフィアナに動揺したキリコに対して。
- 前半の台詞は天獄篇予告で先行公開されている。
- 「何故だ!? 何故、お前も私に従わない!私にお前の力が加われば、真戦に勝利し、絶望の未来を越える事も夢ではないのだぞ!」
- キリコに反抗されただけでなく、神の目として利用してきたロッチナからも自身の限界を指摘されて狼狽した時の台詞。
搭乗機体・関連機体
余談
- ワイズマンとは、英語で「賢者・魔法使い」を意味する。
脚注
- ↑ なおその破壊方法だが、巨大コンピュータの部品を素手で引き出しか何かのようにいくつも引っ張り出すという、どことなくシュールな光景であった(更にキリコを追って来たフィアナも途中から参加している)。更に余談であるが、これの元ネタは名作SF映画『21世紀宇宙の旅』におけるHAL9000である。