ダイ・ガード

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概要

ヘテロダイン用に国連安全保障軍が建造した巨大ロボット……なのだが、肝心のヘテロダインが一向に出現しなかった為、ヘテロダイン対策事業は民営化される事となり、安保軍が大株主となって設立された半官半民の企業・株式会社21世紀警備保障が所有する事となった。

その後建造されてから10年近くは、21世紀警備保障のマスコットとして広報活動に使われるのがせいぜいで、金食い虫として会社からも疎まれる存在だった。だが、10年以上の月日を経てヘテロダインが再度出現した事で状況が一変し、本来の用途へと使用される事になっていく。警備保障会社なので、顧客の物件に被害が及ぶと多額の違約金を払わなければいけなくなる為、これらを守らなければならない。

本機と言えば「掴まれただけでベコベコに凹む装甲」「耐久性が低く腕がもげる」「凄まじく鈍重」「パワーが無い」「エネルギーが直ぐ切れる」「移動に輸送機と組み立て人員が必要」「(歩く広告塔なので)中身がスッカスカな状態」といった、主人公メカにあるまじき凄まじい低スペック(下手をすればボスボロット以下の性能)が話題に上る事が多い。

これは上記の金食い虫へ落ちぶれる折、装甲やパワーに関する性能をデチューンされた結果で、第3話以降は装甲が換装されて大分マシになっている。その他の機能についても毎話強化が図られており、物語開始時点では歩くのがやっとであったが、最終的には分離・合体、さらにジャンプなども可能となっている(厳密にはパワーアップしたのではなく性能が元に戻っただけ)。この成長過程も本機の見所の一つであると言えよう。

起動及び出撃には、会社の重役会議による可決が必要。とは言え、そんなものを待っていられる時間はないので独断先行的な出撃も多い。一番の敵は、稼動・整備代と違約金と始末書。つまり、財政。起動・出撃に必要なプロセスと併せて、実にリアルなスーパーロボットである。

パイロット達と4人5脚で成長していったロボットであり、ノットパニッシャー登場以降は主役ロボらしい活躍も増え、スペックも上昇。また、その膨大な電力がヘテロダインを引き付けることも判明し、自然災害・ヘテロダインに対して存在そのものが文字通りの「切り札」となっていった。

小説版第2巻にて、第1巻ラスト(TV最終話)での無理が祟り、まともに稼働させることが難しくなっていたため引退。切り札役をダイ・ガードII世に譲ることとなる。また、漫画版では世界各国で建造されている。

登場作品と操縦者

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初登場作品。劇中の演出や戦闘アニメでは、輸送・組立などの本機独特の現実的過ぎる描写はあまり見られないが、OPムービーではきっちり再現されており、力を入れられていることが伝わる。
本編では日本ルート第4話で登場。ファンの期待を裏切らぬ前代未聞の200という低装甲値を有している。これは、前作『スーパーロボット大戦Z』のTFO(初期装甲値900)やボスボロット(初期装甲値1100)、本作に登場するスコープドッグ(初期装甲値800)を遥かに下回る凄まじい低さであり、歴代ワースト3である。ちなみにワースト1は『F完結編』のバルーンダミー(装甲10)。
初登場以降は、原作同様実戦用に改装が行われ性能がマシになり、何故か補給装置まで積まれる。ただ、それでもまだ「スーパー系の運動性にリアル系の装甲」レベルなのは御愛嬌。また、地形適応が極端に悪く、赤木の劣悪な適応と合わせて陸以外ではまともに戦えない。しかし、使い方次第では前線に出しても十分な攻撃力とステータスを持った最強の補給機として活躍することもできる。いずれにしても、最後は最強の武器「勇気」で乗り切るべし。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
前作ではジーベック枠である故にパッケージに描かれていたが、本作は創通枠に総合されたせいかパッケージ集合絵に登場しない。カレン見送りルート(極東ルート)で参戦。原作再現は終了しているが、ルート次第でヘテロダインとの戦いがある。今作では唯一のカタログ武器「勇気」を形にした「ダイ・ガード最大出力」が追加。今回のMSKMFは空戦タイプが増えたせいか、それらの相手はかなり辛くなっている。移動力が落ちていることもあり、本気で使い倒すならアダプターと赤木の養成及び機体のケアが必須。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
再びパッケージイラストに登場。『第2次Z』の時とは違い、常時グレートノットパニッシャーが換装された状態となっている。但し、相変わらず地形適応がボロボロのままでしかも最大射程3であり(第2次Zでも最大射程4であるが…)、前述の仕様変更の影響でEN消費武器が中心となっている為、『第2次Z』までの運用方法は通用しないので注意。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
参戦は共通ルート第15話。新たに振動地雷が武装に追加されたものの、相変わらずのズタボロな地形適応と射程なのでフォローは必須。
第36話「帰ることなき故郷」にて百目鬼らの手でパワーアップが施されるが、改修に際してトライダー用の資材である希少金属「ガバールニウム」を百目鬼が勝手に流用したり(注:犯罪である)、改修費用の請求が2課に回されたりと、世知辛いパワーアップと相成った。

装備・機能

武装・必殺武器

勇気
カタログスペックとして記されている唯一の固定武装。早い話、「武装は無い」という事を端的に示唆している。
武装の貧弱さは財政上だけの話ではなく「民間警備会社が危険な兵装をもってはいけない」という(作中での)日本の法律上の問題も大きい。それゆえにダイ・ガードは銃火器や刃剣に類する武装を最後までもたず、ドリルや杭打ち機、フライホイールなど“武器ではなく作業用の道具”と言い訳できる武装が中心となる[1]。またこれを体現したのが、後述の攻撃「ダイ・ガード最大出力」である。
体当たり
名前の通り強烈なタックルを見舞う。第3次Zではアシスト武器。
パンチ
ダイ・ガードの格闘攻撃。ややぎこちない動きで正拳を3発放つ。パンチ1発を放つだけでもバランサー、各部モーターの制御が必要になり、パーツが衝撃で疲労する。『第2次Z』では、特筆すべき点が無く威力も大した事が無い武器なのにENを15も消費する。同作は全体的に燃費が悪めだが、それでも多い部類。原作の燃費の悪さを再現したものと思われる。『第3次Z』では後述のフライホイールに取って代わられる形で削除された。
投擲
乗用車や脱出用パラシュート等、その辺にあったさまざまな物を投げつける、ダイ・ガードの貴重な遠距離攻撃手段。
当たり前だが、使うたびに大量の始末書を要求される。
SRWでは未実装。
ロケットパンチ
第3話において、赤木の思いつきで生まれた技。腕を引きちぎり、それを投げつけるという捨て身の攻撃。3話に登場した飛行ヘテロダインを撃破した(当然始末書を書く羽目に遭う)。妙に軽い音がするのがポイントで、持った時に明らかに中身が入って無い事が分かる。
『第2次Z』では『破界篇』OPムービー及びドリルアームの地対空演出内で使用される。
余談だが、右腕で左腕を引きちぎって投げているのに作画ミスで投げられた腕が右腕になっており、律儀なことに『第2次Z』の戦闘アニメでも再現されている。

武装

ドリルアーム
その名の通り巨大なドリルの付いた腕。当初は回転によるトルクを抑えきれずまともに武器として機能していなかったが、ダイ・ガード本体が強化されたためか後の戦闘では問題なく使用している。
第1話、第2話に登場したヘテロダインを「フラクタルノット」という概念が判明する前にだが偶然撃退した。第19話では両手に装備して使用した。『第2次Z』では地対空時に上記のロケットパンチで相手を地面に叩き落としてから攻撃するという、整備班泣かせの演出が入る。
『第3次Z』では両腕をドリルアームに換装したダブルドリラー仕様。有射程武器(1~2)となり、燃費や気力制限も緩和されている。
フィンガーネットアーム
指に収納されたネットを発射する。1発限りの使いきりで、4話に登場したグローブ(ボールヘテロダイン)の足止めに使用した。運動性ダウンの効果つき。
『第3次Z』では後述のガード・アタックへ組み込まれる形で削除。
振動地雷
本来は高周波振動で地盤を液状化させ、敵戦車等の足止めに使用する安保軍の兵装なのだが、何度か手に持ってヘテロダインに突き刺す形で使用しており、第2次Zにてダイ・ガード最大出力のトドメ演出で再現されている。
『第3次Z』ではダイ・ガード最大出力が削除され、代わりに後述のガード・アタックで2つ使用。『天獄篇』では単独武装となり、その演出は横沢達の乗ったトラックが現れて振動地雷を大量に設置、そこへ敵を投げ込んで最後の一つを叩きつける、というもの。
ノットバスター
ヘテロダインの核であるフラクタルノットを破壊する為の炸薬式巨大杭打機。第9話で登場し、風船ヘテロダインを撃退。ダイ・ガードを勝利へと導く切り札になる…はずだったが、何の契約もせず下請けに製造させ、支払いで揉めていた所を安保軍が正式に契約、支払いも現金で済ませてしまう。
その結果、安保軍の所有物となりコクボウガーに装備される。このような経緯があって、原作のダイ・ガードが使用したのは実は一回きりである。
『第2次Z』ではZEXISが下請けに支払ったのか、そのまま後のシナリオでも引き続き使用出来る。ちなみにコクボウガーも装備。また、ダイ・ガードのものは使うたびに横沢がヘリで運んでくる。
ノットパニッシャー
ノットバスターの改良型のモーター式巨大杭打機。ノットバスターより大型化しており、左手のフライホイールを右手に撃ち込む事で杭を射出する。この事から、使用回数が緩和されたが電力は消費する。左手のフライホイールは武器としても使える。
原作ではインセクト-Rとの戦闘で破壊され、以降登場していない。
フライホイール
上述の通り、ノットパニッシャーを射出する為の装置だが、接近戦用の攻撃手段としても使用可能。実際グレートノットパニッシャーの戦闘アニメにてその演出がみられる。
『第3次Z』では独立した武装として登場。
グレートノットパニッシャー
ノットパニッシャーにマニピュレーターを追加したもの。精密な作業が可能になった。『再世篇』では終盤まで未装備だが、ZEUTHのような整備不良やパーツ不足ではなく、「コストが割高なので上層部が許可を渋っていた」という実にリアルな事情であった。トドメ演出ではまるで求人広告のような構図で赤木達3人のカットインが入る。
第3次Zでは最初から装備している状態で使用可能。
要するに装着したまま作業が出来るように手が付いただけなのだが第2次Zでノットパニッシャーより威力が高くなっているのはご愛嬌である。
アサルト・ノットパニッシャー
小説版にのみ登場した武装。リニア部を伸縮式にした事で加速距離が増加した。SRW未実装。

必殺技

ダイ・ガード最大出力
『第2次Z再世篇』で追加された格闘攻撃。敵に向かって前進し、ラッシュの後に投げ飛ばす。接続部からの排熱が動作に挟まる為、動きが若干ぎこちないのがポイント。トドメ演出で振動地雷を打ち付ける。
グレートノットパニッシャーが追加されるまでは最強武器なのだが、射程1固定・EN消費100・おまけに空適応が悪い為、序盤の内は使い勝手が最悪である。『第3次Z』では削除。
ガード・アタック
『第3次Z』で追加された攻撃。全体攻撃属性で、1体を振動地雷とネット砲で封じ、そこへもう1体をぶつけるという演出のコンビネーション技。前述の最大出力より燃費は良くなったが対して空適応が「無い」。
中盤、オーバーホールを受けた際に射程が+1され空適応が追加。特に適応面はダイ・ガード唯一の空A武器となり一気に使い勝手が増す。

特殊能力

補給装置
SRW恒例の弱機体救済装備(墨田ら整備班が常時スタンバイしているのだろうか?)だがそこは腐っても主役機、ダイ・ガードは武器の攻撃力も高いので、運用と改造次第では高威力の武器を持つ最強クラスの補給機になりうる可能性も十分に秘めている。真価はこれによるレベルの上げやすさ(いわゆる「補給上げ」)にある。

移動タイプ

序盤は満足に坂を登る事すらできない。ゲーム本編には関係ないが、『第2次Z破界篇』のOPムービーでは再現されている。加えて移動力がかなり低いため、青山の加速の使用や移動力関係の強化パーツ装備、パイロットである赤木のダッシュの取得といった改善策は必須である。
ちなみにフライトモジュール装備時や宇宙では背中からのジェット噴射で移動するが、これは番組後半、巨大氷山型ヘテロダイン(SRW未登場)の上部に飛び乗った時のアレンジ。この回ではダイ・ガードの変形合体も描かれ、序盤の低スペックから大きく進歩していることが示された。

サイズ

M

カスタムボーナス

対フラクタル・ノット兵器(ノットバスター、ノットパニッシャー、グレートノットパニッシャー)の弾数+1
『第2次Z』で採用。継戦能力が上昇する。赤木を主力としたいなら、併せてBセーブも取得したい。
グレートノットパニッシャーの攻撃力+200、弾数+1
『第3次Z時獄篇』ではこちら。攻撃力が上がった。

機体BGM

「路地裏の宇宙少年」
OP。第2次Zで採用。

対決・名場面

12年ぶりの来襲
株式会社21世紀警備保障の展示会が盛り上がる最中、前触れもなく姿を現すヘテロダイン赤木駿介は逃げ遅れた人々の逃げ道を確保するため、同僚・上司の制止をよそにダイ・ガードへ乗り込む。

関連機体

ガードファイター、ガードストライカー、ガードビークル
物語後半、分離しての運用も可能となったダイ・ガードの構成機体。ファイターは頭部と腕部、ストライカーは胴体、ビークルは両脚がそれぞれ変形している。物語初期は分割した各パーツにそのまま地上走行ユニットを外付けして輸送などに使われる程度であったが、この改修により単機での長距離移動や整備班の手を借りない現地での合体が可能になっている。
コクボウガー
国連軍の同型機。赤木の恩師・飯塚が搭乗。
ダイ・ガードII世
小説版における後継機。

スパロボでの関連機

ステルバー
『第2次Z再世篇』では「直立型重機」のカテゴリーに入っている。

商品情報

脚注

  1. ただ、描写や使用方法は変則的ではあるものの、ラインナップ自体はロケットパンチドリル投網パイルバンカーなど往年のスーパーロボットやリアルロボットのオマージュが入っている。