「クトゥルフ神話」の版間の差分

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== クトゥルフ神話 (Cthulhu Mythos) ==
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'''クトゥルフ神話'''は、パルプマガジン連載小説を元にした神話大系のひとつ。
パルプマガジン連載小説を元にした神話大系のひとつ。<br/>20世紀前半にアメリカ合衆国の作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトと彼の友人たちによって作り上げられた所謂創作神話で、一般的に[[神話]]と呼ばれているものとは根本的に性質が異なる。
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== 概要 ==
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20世紀前半にアメリカ合衆国の作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトと彼の友人たちによって作り上げられた所謂創作神話で、一般的に[[神話]]と呼ばれているものとは根本的に性質が異なる。一般的な「神話」は(クトゥルフ神話のそれ以上に様々な概念・解釈が存在するため、一概には言い切れないが)往々にして歴史は古く神聖なものとされているが、クトゥルフ神話は大元を辿れば大衆小説家たちが1900年台初頭に発表したシェアワールド的なホラー[[小説]]に過ぎない。
  
 
太古の地球は旧支配者と呼ばれる異形の神々によって支配されており、その姿は常人には名状し難い物に見え不安や孤独、絶望などを煽らせる……と、されるなど全体的にスケールは宇宙規模でホラー色が非常に強い。
 
太古の地球は旧支配者と呼ばれる異形の神々によって支配されており、その姿は常人には名状し難い物に見え不安や孤独、絶望などを煽らせる……と、されるなど全体的にスケールは宇宙規模でホラー色が非常に強い。
  
旧支配者の名前である「Cthulhu」は人間には発音できない音を英語っぽく表記したものという設定であり、音節文字であるカナ文字でどのように表記するかは翻訳者のセンス次第である。「クトゥルフ」以外でも「クトゥルー」「ク・リトル・リトル」「クルウルウ」などと訳されることがある。クトゥルフ神話を体系化したオーガスト・ダーレスは、口にするときは「クトゥルー」に近い発音をしていた模様。他に「発音不可能」と明言されているのはルルイエ(R'lyeh)。
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旧支配者の名前である「Cthulhu」は人間には発音できない音を[[英語]]っぽく表記したものという設定であり、音節文字であるカナ文字でどのように表記するかは翻訳者のセンス次第である。「クトゥルフ」以外でも「クトゥルー」「ク・リトル・リトル」「クルウルウ」などと訳されることがある。クトゥルフ神話を体系化したオーガスト・ダーレスは、口にするときは「クトゥルー」に近い発音をしていた模様。他に「発音不可能」と明言されているのはルルイエ(R'lyeh)。
  
クトゥルフ神話は作家毎に解釈が異なり、また後の作家によって付け加えられた概念や神格なども多いため「これが正しい」という定説は存在しないと言える。<br/>
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'''クトゥルフ神話は作家毎に解釈が異なり、また後の作家によって付け加えられた概念や神格なども多いため「これが正しい」という定説は存在しない'''と言える。元々がラヴクラフトとその仲間たちが骨子を作り、そこに数えきれないほどの(それこそ有名作家によって書かれた世界的名作から、そこらの多感な年頃の学生がノートに書いた落書きまで)設定やエピソードが骨組みに粘土を貼り付けるが如く次々と付け加えられているため、その世界観は現在進行形で変化し続けていると言って良い。ゆえに、以下の解説も「比較的良く聞かれる解釈」にすぎない事に留意されたし。
以下の解説も「比較的良く聞かれる解釈」にすぎない事に留意されたし。
 
  
=== クトゥルフ神話が取り入れられている作品 ===
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== クトゥルフ神話が取り入れられている作品 ==
 
;[[機神咆吼デモンベイン]]
 
;[[機神咆吼デモンベイン]]
 
:作品そのものがクトゥルフ神話のオマージュと呼べる。数多くの舞台や用語がクトゥルフ神話発祥となっている。
 
:作品そのものがクトゥルフ神話のオマージュと呼べる。数多くの舞台や用語がクトゥルフ神話発祥となっている。
 
;[[戦え!! イクサー1]]
 
;[[戦え!! イクサー1]]
:敵組織の名前に「[[クトゥルフ]]」と名前を借りている程度。但し前日譚である「黄金の戦士」には下記クトゥルフと酷似した生物が登場する。
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:敵組織の名前に「[[クトゥルフ]]」と名前を借りている程度。但し前日譚である[[漫画]]作品『黄金の戦士』には下記クトゥルフと酷似した生物が登場する。
 
;[[THE ビッグオー]]
 
;[[THE ビッグオー]]
:Act:07「The Call from The Past」がクトゥルフ作品『THE SHADOW OVER INNSMOUTH(インスマウスを覆う影)』のオマージュ。
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:Act:07「The Call from The Past」がクトゥルフ作品『THE SHADOW OVER INNSMOUTH(インスマウスを覆う影)』のオマージュ。
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;[[ポプテピピック]]
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:サブキャラでクトゥルフが登場。
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;[[バンプレストオリジナル]]
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:[[ルイーナ]]の面々がクトゥルフ神話をモチーフにしてデザインされている。
  
 
== 神々 ==
 
== 神々 ==
 
=== 外なる神々(Outer Gods) ===
 
=== 外なる神々(Outer Gods) ===
主に外宇宙に存在する超越的存在。その認識と思考は通常の生物で理解できる物ではない。<br/>
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主に外宇宙に存在する超越的存在。その認識と思考は通常の生物で理解できる物ではない。彼らほどのレベルになるともはや人類や地球には何の興味もなく、人類からの崇拝の対象となることも稀である。ただし、ナイアルラトホテップのみは例外で人類に対し時折干渉を行うことがある。
彼らほどのレベルになるともはや人類や地球には何の興味もなく、人類からの崇拝の対象となることも稀である。<br/>
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ただし、ナイアルラトホテップのみは例外で人類に対し時折干渉を行うことがある。<br/>
 
 
;アザトース(Azathoth)
 
;アザトース(Azathoth)
:クトゥルフ神話の主神にして創造神。「沸騰する混沌の核」の異名を持つ盲目白痴の神。
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:クトゥルフ神話の主神にして創造神。「沸騰する混沌の核」の異名を持つ盲目白痴の神。下劣な太鼓とかぼそく単調なフルートの音色が響く[[宇宙]]の中心に位置する玉座にて、冒涜的な言葉を吐き散らしながら、狂ったように身もだえしている。また、宇宙の全てはアザトースの見る泡沫の夢であるらしい。
:下劣な太鼓とかぼそく単調なフルートの音色がひびく宇宙の中心に位置する玉座にて、冒涜的な言葉を吐き散らしながら、狂ったように身もだえしている。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では魔力粒子が'''字祷子'''と当て字で漢字表記されている。
:『デモンベイン』では魔力粒子が字祷子と当て字で漢字表記されている。また、宇宙の全てはアザトースの見る泡沫の夢であるらしい。
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;ナイアルラトホテップ(Nyarlathotep)
 
 
;[[ナイア|ナイアルラトホテップ]](Nyarlathotep)
 
 
:「ニャルラトホテプ」とも。
 
:「ニャルラトホテプ」とも。
:アザトースの息子にして神々の従者。「這い寄る混沌」の異名を持つ、千の顔を持つ無貌の神。
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:アザトースの息子にして神々の従者。「這い寄る混沌」の異名を持つ、千の顔を持つ無貌の神。無数の化身を持ち、世界に狂気と混乱をもたらすために暗躍する。邪神の中では珍しく人間的な知性を持ち、人間はもちろん主である神々さえも嘲笑うトリックスター。
:無数の化身を持ち、世界に狂気と混乱をもたらすために暗躍する。
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:火の邪神クトゥグアのことだけは一貫して苦手としており、ある作品に至っては追い詰めた人間に反撃として召喚されたクトゥグアにホームグラウンドたる「ンガイの森」をなす術もなく完膚無きまでに焼き尽くされるという、大黒星がついてしまった。また、人間を嘲笑うために自ら人間と同じ舞台に上がることがあり、それを逆手に取られる場合もある。
:邪神の中では珍しく人間的な知性を持ち、人間はもちろん主である神々さえも嘲笑うトリックスター。
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:その設定や立ち位置、化身の多さ、動かしやすさ、フットワークの軽さからクトゥルフ神話に登場するキャラクターの中でも特に創作作品に登場させやすいキャラクターとしても有名で、クトゥルフ神話の原作シリーズ以外でも、ライトノベル作品『這いよれ! ニャル子さん』や、ライアーソフトのスチームパンクシリーズの『漆黒のシャルノス』や『紫影のソナーニル』、アトラスのゲーム作品『女神転生シリーズ』とその派生作品の『ペルソナシリーズ』など、日本のオリジナル作品にも多数登場しており、クトゥルフ神話は知らなくてもナイアルラトホテップの事は知っている人も多い。その役どころも様々で、『デモンベイン』や『ペルソナ2』などのように物語の全ての黒幕で元凶であり、究極の悪意の化身そのものといえる邪悪極まりないキャラクターとして登場することもあれば、『這いよれ!ニャル子さん』のように憎めない性格をした愛らしい(?)メインヒロインとして登場することもあるなど、その活躍は多岐にわたる。当然ながらクトゥルフ神話内で千の顔全てが登場したわけではなく、複数の作者による「架空の神話体系」であるがゆえに、'''上記の面々が本家のニャルラトホテプの顔の一つではないとは言い切れない'''。
 
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では化身の1つ、[[ナイア]]及び[[アウグストゥス]]が登場する。また、[[レガシー・オブ・ゴールド]]の由来にもなったと思われる。
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:*『[[スパロボ学園]]』では[[サブキャラクターリスト/学園#人外|サブキャラクター「ニャルラト星人」]]の名前の由来となっている。
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:*『[[スーパーロボット大戦X-Ω|X-Ω]]』では[[ナイアーラ]]、並びに[[ハウラー・イン・ザ・ダーク]]の由来になったと思われる。
 
;ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)
 
;ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)
:アザトースの息子にして時間と空間の神。「全にして一、一にして全なる者」「門にして鍵」の異名を持つ。
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:アザトースの孫にして時間と空間の神。「全にして一、一にして全なる者」「門にして鍵」の異名を持つ。分裂と融合を繰り返す不定形の玉虫色の球体の集積物であるとされる。全ての時と共存し、あらゆる空間に接している神であり、魔術師達はこの神の力を借りる事で[[タイムスリップ|タイムトラベル]]やワープを行うことが出来る。また、人間の女性との間に異形の子を成すこともできる。
:分裂と融合を繰り返す不定形の玉虫色の球体の集積物であるとされる。
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[ヨグ=ソトース]]が登場する。
:全ての時と共存し、あらゆる空間に接している神であり、魔術師達はこの神の力を借りる事でタイムトラベルやワープを行うことが出来る。
 
:また、人間の女性との間に異形の子をなすこともできる。
 
  
 
=== 旧支配者(Great Old Ones) ===
 
=== 旧支配者(Great Old Ones) ===
太古の地球(一部に例外も存在する)に存在していた極めて強力な生物。<br/>
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太古の[[地球]](一部に例外も存在する)に存在していた極めて強力な生物。生物とはいえ人類を遥かに凌ぐ(そして人類には決して理解できない)知性と超自然的能力を持ち、事実上「神」と言っても差し支えない存在である。旧神との争いに敗れ、現在そのほとんどは世界の各地で封印されて眠りに就いており、彼らが(一時的にせよ)目覚める時には様々な災害が起こる。
生物とはいえ人類を遥かに凌ぐ(そして人類には決して理解できない)知性と超自然的能力を持ち、事実上「神」と言っても差し支えない存在である。<br/>
 
現在そのほとんどは世界の各地で眠りに就いており、彼らが(一時的にせよ)目覚める時には様々な災害が起こる。<br/>
 
 
 
;クトゥルー(Cthulhu)
 
:「クトゥルフ」「ク・リトル・リトル」とも。
 
:海底都市ルルイエに眠る旧支配者。タコのような触手を持ち、コウモリのような翼を持つ。
 
:強力なテレパシー能力を持ち、ルルイエが一時的に浮上した際には世界中に精神的ショックを及ぼすという。
 
:[[ダゴン]]や水棲種族「深き者ども」を配下に持つ。
 
:その名前から「クトゥルフ神話」の主神格のように思えるかもしれないが、実際はそこまで力のある神格ではない。後に「クトゥルフ神話」と纏められる事になる創作神話大系の要素が初めて用いられた小説のタイトルが『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』であったことが、この創作神話体系が「クトゥルフ神話」と呼ばれるようになった由来である。
 
  
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;クトゥルフ(Cthulhu)
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:「クトゥルー」「ク・リトル・リトル」とも呼ばれ、「九頭龍」と同一視されることも。
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:海底都市「ルルイエ」に眠る旧支配者。タコのような触手を持ち、コウモリのような翼を持つ。強力なテレパシー能力を持ち、ルルイエが一時的に浮上した際には世界中に精神的ショックを及ぼすという。
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:後に『クトゥルフ神話』と纏められる事になる創作神話大系の要素が初めて用いられた小説のタイトルが『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』であったことが、この創作神話体系が『クトゥルフ神話』と呼ばれるようになった由来である。その名前から『クトゥルフ神話』の主神格のように思えるかもしれないが、上述の通り神話体系の由来となったのは「登場作品」の方であり、クトゥルフ自体は他の神格に比べてそこまで力があるというわけでもなく、唯一実際に登場したラヴクラフト作品である『クトゥルフの呼び声』では普通の人間がクトゥルフの頭部に全速力の船をぶつけることで撃退することができた(ただしその直後にあっさり復活しており、倒したというよりは「殺しても死なない」という描写に近い)。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[クトゥルー]]が[[ブラックロッジ]]の要塞を依代として召喚される。『[[UX]]』ではマップ背景としてその姿を見せている。
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:*『[[ポプテピピック]]』では上記の通りサブキャラとして登場。その時々で立ち位置は様々だが、'''基本的に温厚なイジられ役'''。[[ポプ子]]に殴り飛ばされた事もある。
 
;ハスター(Hastur)
 
;ハスター(Hastur)
:「名状しがたきもの」の異名を持つ旧支配者。どの様な姿かは諸説あるが不明であり、異名の通りに名状しがたい神。
+
:「ハストゥール」とも。
:風の神性の首領にして、クトゥルフとは兄弟であるが対立しているという。
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:ヒアデス星団の古代都市カルコサの「ハリ湖」に住む旧支配者。「名状しがたきもの」の異名を持つ。どの様な姿かは諸説あるが不明であり、異名の通りに名状しがたい神。風の神性の首領にして、クトゥルフとは兄弟であるが対立しているという。
:『デモンベイン』では魔導書「セラエノ断章」がこの神の力を使う。
+
:「黄衣の王」などのいくつかの存在はハスターの化身だと見なされることがあり、ハスターの化身という設定で登場する創作キャラクターもいる。
 
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[魔導書]]「セラエノ断章」がこの神の力を使う。
;[[クトゥグア]](Cthugha)
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;クトゥグア(Cthugha)
:地球から25光年離れた星「フォーマルハウト」に住む旧支配者。生ける炎の姿を持つ。
+
:恒星「フォーマルハウト」に住む旧支配者。生ける炎の姿を持つ。ナイアルラトホテップにとって唯一の天敵とされており、かつてクトゥグァが地球上に召喚された際には地球上の拠点である「ンガイの森」を焼き尽くした。封印されて後に生み出した息子にあたるアフーム=ザーは、復権のために旧支配者たちの封印を解く役目を担っているとされている。
:ナイアルラトホテップにとって唯一の天敵とされており、かつてクトゥグァが地球上に召喚された際には地球上の拠点である「ンガイの森」を焼き尽くした。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[アル・アジフ]]の[[クトゥグア]]のページがキャラとして登場。
:『デモンベイン』ではアル・アジフの断片及び武装にこの神の力が使われている。
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;イタクァ(Ithaqua)
 
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:[[北極]]圏に住むハスターの眷属である旧支配者。「風に乗りて歩むもの」の異名を持つ。人間を思わせる巨体に人間を落書きにしたような顔と2つの赤い目を持つ。「眼のある紫の煙と緑の雲」とも。運悪くイタクァに遭遇した人間は空に連れ去られ、生贄として数ヶ月に渡って地球外の遠方の地を引き回されてしまう。
;[[イタクァ]](Ithaqua)
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[アル・アジフ]]の[[イタクァ]]のページがキャラとして登場。
:ハスターの眷属である旧支配者。「風に乗りて歩むもの」の異名を持つ
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;ダゴン(Dagon)
:人間を思わせる巨体に人間を落書きにしたような顔と2つの赤い目を持つ。「眼のある紫の煙と緑の雲」とも。
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:クトゥルーの眷属である旧支配者、もしくは小神。インスマウスなどで「深きものども」に信仰されている。何万年も生きており、巨大な魚人のような姿をしている。一説によると「深きものども」が長い年月をかけて成長した姿がダゴンであるらしい。妻に「ヒュドラ」(「ハイドラ」とも)がいる。クトゥルフ神話での知名度がもっとも高い邪神であるが、元は古代パレスチナにおいてペリシテ人が信奉していた神。
:運悪くイタクァに遭遇した人間は空に連れ去られ、生贄として数ヶ月に渡って地球外の遠方の地を引き回されてしまう。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』ではフナムシのような姿の邪神として[[ダゴン]]が中盤で登場。終盤では無数に現れた。
:『デモンベイン』ではアル・アジフの断片及び武装にこの神の力が使われている。
 
 
 
;[[ダゴン]](Dagon)
 
:クトゥルーの眷属である旧支配者。
 
:何万年も生きており、その姿は巨大で下半身は退化して魚のような鰭があると描かれる事が多い。
 
:クトゥルフ神話での知名度がもっとも高い邪神であるが、元は古代パレスチナにおいてペリシテ人が信奉していた神。
 
 
 
 
;アトラック=ナチャ(Atlach-Nacha)
 
;アトラック=ナチャ(Atlach-Nacha)
 
:「アトラク=ナクア」とも。
 
:「アトラク=ナクア」とも。
:蜘蛛の旧支配者。人間と同等の大きさと、昆虫の器官を多数もっている。真紅の目と黒檀色の毛で覆われた体、丸太のような脚を持つ。
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:古の大陸ハイパーボリアの大洞窟に住む蜘蛛の神。人間の言葉を使用して意志疎通をすることも可能。底無しの深遠に糸で橋をかける仕事を永遠にし続けている。
:人間の言葉を使用して意志疎通をすることも可能だが、その声は人間の精神に悪影響を及ぼすほどの甲高いものである。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[アル・アジフ]]の断片アトラック=ナチャが登場。髪や蜘蛛の巣状のビーム髪で敵の動きを封じる。
:何時、何処でこの神が生まれたのかは不明であるが、ツァトゥグァと共に幽閉された。ン・カイの中、もしくは下に棲み、広大な深淵に巨大な巣を張りつつ、無限の幽閉期間を送っている。
 
:「灰色の織り手」と呼ばれる眷属とともに自らの糸を橋のように織り紡いでいるが、その理由は定かではない(一説ではそれが完成すれば'''世界が滅ぶ'''とも言われている)。
 
  
 
=== 旧神(Elder Gods) ===
 
=== 旧神(Elder Gods) ===
外なる神々や旧支配者と敵対する存在で、人類に対しては比較的友好的とされる事もあれば、人類を顧みずに邪神と戦うだけの存在とされる事もある。<br/>
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外なる神々や旧支配者と敵対する存在で、人類に対しては比較的友好的とされる事もあれば、人類を顧みずに邪神と戦うだけの存在とされる事もある。ラヴクラフトは名称だけを設定し、それは後にオーガスト・ダーレスによって「外なる神々(邪神)と対をなす善なる神々」と再定義され、『[[機神咆吼デモンベイン]]』の[[大十字九郎]]の元ネタであるブライアン・ラムレイの『タイタス・クロウ』シリーズでその再定義された概念が一気に広まった。作家によって細かい解釈に差異があり、海神ノーデンスや炎神ヴォルヴァドスといった地球古来の神々を旧神のカテゴリーに分類する作家もいる。旧神の眷属「星の戦士」が、「M78という星雲のあるオリオン座からやって来た光線を放って巨大な化け物と戦う光の巨人」であるためか、'''[[ULTRAMAN|ウルトラマン]]'''も旧神とする作家も……。
ラブクラフトの現設定には存在せず、弟子のオーガスト・ダーレスによって追加された存在…と長年認識されていた。<br/>
+
 
しかし近年ではラブクラフト自身もその存在を認めており、それどころか設定に一枚噛んでいたことが判明している。<br/>
+
ちなみに『[[ULTRAMAN (アニメ)|ウルトラシリーズ]]』の制作元にクトゥルフ神話ファンがいて「星の戦士」を元ネタにした…なんて話は一切なく、そもそもウルトラマンの故郷は'''元々はM87星雲という設定だったのが[[誤字|誤記]]でM78星雲になった'''という経緯があるため、M78星雲が被ったのは奇跡的な偶然の一致である。ただし、『ウルトラマンティガ』についてはクトゥルフ神話の設定が意識的に盛り込まれている。太平洋上に浮上したルルイエがクライマックスの舞台となり、旧支配者のガタノゾーア(Ghatanothoa)から地球を守るために戦うため、本当にウルトラマンが旧神の眷属のような立ち位置となっている。
作家によって細かい解釈に差異があり、海神ノーデンスや炎神ヴォルヴァドスといった地球古来の神々を旧神のカテゴリーに分類する作家もいる。<br/>
+
*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では本編とは別の運命を辿った[[大十字九郎]]と[[アル・アジフ]]が旧神として登場している。
中には'''[[アダマトロン|某M78星雲の光の巨人]]や某亀型怪獣'''を入れる作家も……
 
  
 
== 生物 ==
 
== 生物 ==
 
;ビヤーキー(Byakhee)
 
;ビヤーキー(Byakhee)
 
:「バイアクヘー」とも。
 
:「バイアクヘー」とも。
:ハスターの眷属。2-3mもある巨体に驚異的な速さを誇る(地上で時速70キロメートル、宇宙では光速の10分の1)。
+
:ハスターの眷属。コウモリの翼を持ち、トカゲの頭のハチのような姿をした大きさ2-3mの怪物。宇宙空間を超光速飛行する能力を持ち、ハスターと契約した魔術師の便利な移動手段として使役されることが多い。
:さらに腰に「フーン」といわれる磁気を操る力を持つ器官を持ち、その力を解放すれば'''光速の400倍'''という読んで字の如く桁違いの速度を出せる(そのため、一種のワープ航法として使われることも)。
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[クラウディウス]]が召喚する[[鬼械神]][[ロードビヤーキー]]の名前元となっている。「ビヤーキーの主」という意味なら、ハスターのほうが由来であるが。
:『デモンベイン』では[[クラウディウス]]が召喚する[[鬼械神]][[ロードビヤーキー]]がある。
 
 
 
 
;シャンタク(Shantak)
 
;シャンタク(Shantak)
:鳥と類似した姿をしているが、その体躯は象をも凌駕する大きさとそれを覆う爬虫類じみた鱗が特徴。
+
:ナイアルラトホテップに仕える怪物。鳥と類似した姿をしているが、その体躯は象をも凌駕する大きさとそれを覆う爬虫類じみた鱗が特徴。生息地である幻夢郷(ドリームランド)のみならず宇宙空間までも飛行できるという極めて高い飛行能力を誇るが、乗り心地は最悪である。
:生息地である幻夢郷(ドリームランド)のみならず宇宙空間までも飛行できるという極めて高い飛行能力を誇るが、乗り心地は最悪である。
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[アル・アジフ]]の断片シャンタクが登場。
 
 
 
;星の精(Star Vampire)
 
;星の精(Star Vampire)
:その名前が示すとおり、星間宇宙に住む地球外生命体。普段は透明で不可視となっているが、犠牲者の血液をすするときに、多数ある触手のような吸入口と大きな鳥の如き鉤爪を持った球体の姿を表している。
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:その名前が示すとおり、星間宇宙に住む[[地球外生命体]]。普段は透明で不可視となっているが、犠牲者の血液をすするときに、多数ある触手のような吸入口と大きな鳥の如き鉤爪を持った球体の姿を表している。『妖蛆の秘密』に記された呪文によって召喚することができるが、その人間は例外なくこの生物に吸血されることとなる。
:『妖蛆の秘密』に記された呪文によって召喚することができるが、その人間は例外なくこの生物に吸血されることとなる。
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[ティベリウス]]が召喚する[[鬼械神]][[ベルゼビュート]]が持つ武装のひとつ「スターヴァンパイア」の名前の元となっている。
:『デモンベイン』では[[ティベリウス]]が召喚する鬼械神[[ベルゼビュート]]の武装に「スターヴァンパイア」がある。
 
 
 
 
;深きものども(Deep Ones)
 
;深きものども(Deep Ones)
 
+
:宇宙から飛来した旧支配者の眷属。所謂「インスマス面」といわれるカエルのような顔が特徴で、外見も人間離れしたものとなっている。人間と交配して同族を増やしているが、その醜い容姿のせいで人間から忌避されている。
;ナイトゴーント(Night-gaunts)
+
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では「深きものども」が登場。ブラックロッジと共謀するも、彼らに利用された末に切り捨てられる。『[[UX]]』では第26話IMで存在のみ言及。
 +
;ナイトゴーント(Night-Gaunts)
 +
:多くの旧支配者に使役される夜鬼。幻夢郷にあるングラネク山にコロニーを作って生息している。外見は顔は無く黒い皮膚に蝙蝠の羽と長い尻尾が特徴。
 +
:*『[[UX]]』では[[ユニオン (00)|ユニオン]]ルート第43話のIMで名前が登場、[[アルティメット・クロス|UX]]の[[バルキリー]]部隊を迎え撃っている。
  
 
== 人物、組織 ==
 
== 人物、組織 ==
 +
;タイタス・クロウ(Titus Crow)
 +
:壮年の私立探偵。数秘術やクトゥルフ神話の知識等を駆使して旧支配者と戦っている。
 +
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[主人公]]「[[大十字九郎]]」の名前の元ネタ。
 +
:
 +
;ハーバート・ウェスト(Herbert West) 
 +
:小柄で金髪蒼眼の医者。死んだ人間を生き返らせるという人道から逸れた実験を行っているため、周囲の人間は彼を忌避している。 
 +
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では登場人物「[[ドクター・ウェスト]]」の名前の元ネタ。
  
== 書物 ==
+
== 魔法 ==
;ネクロノミコン([[アル・アジフ]]
+
;ギアス(Geass)
 
+
:クラーク・アシュトン・スミスの小説『七つの呪い』に登場す[[魔法]]であり呪い。魔術師・エズダゴルの儀式を邪魔してしまった主人公・ラリバル・ウーズがエズダゴルによってかけられてしまった呪いがこれに該当し、ラリバルは旧支配者の一人・ツァトゥグァへ捧げる生贄を強制されてしまう事になる。
;ナコト写本
 
  
;妖蛆の秘密
+
*『[[コードギアス 反逆のルルーシュ]]』に登場する特殊能力『[[ギアス]]』(特に、主人公・[[ルルーシュ・ランペルージ|ルルーシュ]]の使う「絶対尊守」の能力)の由来になったと思われる。
 +
*また、『[[魔装機神]]』の設定で登場した強制魔法「ゲアス」の由来や英語の綴りも同じと思われる。
  
;水神クタアト
+
== 書物 ==
 +
通常のクトゥルー神話においては重要なのは「記載されている内容」の方で(水神クアタトやルルイエ異本のように異様な特性を持つものもあるが)書物自体は「ただの本」に過ぎない。もっとも、常人なら正気を失いかねない「知らないほうが良い知識」について記されているため、並の人間の手に余る危険な品であることに変わりは無いが。
  
;セラエノ断章
+
詳細は「[[魔導書]]」を参照。
  
;エイボンの書
+
*『[[機神咆吼デモンベイン]]』ではこれらの書物を強力なマジックアイテム[[魔導書]]として扱っている。
  
;屍食教典儀
+
== 地名 ==
 +
;アーカム
 +
:クトゥルフ神話関連作品に度々登場するマサチューセッツ州の都市。
 +
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[アーカムシティ]]が登場。
 +
:*『[[スーパーロボット大戦X-Ω|X-Ω]]』では、[[ハウラー・イン・ザ・ダーク]]の攻撃名の由来になったと思われる。
 +
:
 +
;インスマウス
 +
:ニューベリーポートから車でアーカムへ向かう途中にある港町。ダゴン秘密教団を信仰する深きものどもとその混血「インスマウス面」たちの街。かつては普通の人間の街であったが、ある時、街の有力者により深きものどもが招かれ、ほぼ全ての住人が半強制的に混血種となった。表面上はゴーストタウンだが、陸上に住んでいるのは肉体が変異の過程にある一部の住人に過ぎず、海中にはおびただしい数の深きものどもや「インスマウス面」が生息している。
 +
:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では都市[[インスマウス]]が登場。
 +
:
 +
;ミスカトニック大学(Miskatonic University)
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:アメリカ合衆国マサチューセッツ州アーカムにある総合大学で、1797年に創立された。専攻科目として考古学部、人類学部、歴史学部、副専攻科目として医学部があり、大学院も設置している。大学にある図書館には、世界に数冊しかないネクロノミコンの[[ラテン語]]版や、稀覯書、魔道書が多く収蔵されているが、何者かによって悪用されないように本は厳重に管理されており、それらを簡単に閲覧することはできない(…はずだが、作品によっては簡単に貸し出されている事がある)。
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;ルルイエ
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:クトゥルフとその眷属たちが眠る孤島の都。南緯47度9分 西経126度43分の海底に沈んでいるが、星と地球が正しき位置につくと浮上し、クトゥルフが目覚めるとされている。地表は緑の泥土で覆われ、人間の知覚では認識が困難な異形の建造物が立ち並ぶ。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では海底都市[[ルルイエ]]が登場。
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;サイクラノーシュ(Cykranosh)
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:ハイパーボリア時代における[[土星]]の呼称。ツァトゥグァとアトラック=ナチャはこの星から来訪している。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[ウェスパシアヌス]]が召喚する[[鬼械神]]サイクラノーシュの名前元となっている。
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;ハイパーボリア(Hyperborea)
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:北極海と北大西洋の間のグリーンランド近辺にあったとされる大陸。
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:文明が栄えた都市であるが、ツァトゥグァ等の旧支配者や恐るべき生物がこの地に生息している。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[リベル・レギス]]の必殺技「ハイパーボリア・ゼロドライブ」の名前元となっている。
  
;無銘祭祀書
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== 道具 ==
 
 
;ルルイエ異本
 
 
 
== アイテム ==
 
 
;輝くトラペゾヘドロン(Shining Trapezohedron)
 
;輝くトラペゾヘドロン(Shining Trapezohedron)
:本体であるところどころ赤い線が入っている輝く黒い多面体と、それを収める金属製の小箱からなる道具。
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:本体であるところどころ赤い線が入っている輝く黒い多面体と、それを収める金属製の小箱からなる道具。金属の箱は不均整な形状をしており、地球では存在しえない生命体を象った奇怪な装飾が施されている。多面体は直径約10cm(4インチ)程の球形の結晶体で、不揃いな大きさの切子面を数多く備えている。内面に触れることなく金属製の帯と奇妙な形をした七つの支柱によって箱の中に吊り下げられている。輝くトラペゾヘドロンを見続けた者の心に異界の光景を浮かび上がらせ、混沌の彼方より「闇をさまようもの」と呼ばれる存在(ナイアルラトホテップの化身の一つ)を召喚できる。
:金属の箱は不均整な形状をしており、地球では存在しえない生命体を象った奇怪な装飾が施されている。多面体は直径約10cm(4インチ)程の球形の結晶体で、不揃いな大きさの切子面を数多く備えている。内面に触れることなく金属製の帯と奇妙な形をした七つの支柱によって箱の中に吊り下げられている。輝くトラペゾヘドロンを見続けた者の心に異界の光景を浮かび上がらせ、混沌の彼方より「闇をさまようもの」と呼ばれる存在を召喚できる。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では邪神が封じられた宇宙の集合体で、[[デモンベイン]]と[[リベル・レギス]]の武装の1つとして登場。
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;バルザイの偃月刀(Scimitar Of Barzai)
 
;バルザイの偃月刀(Scimitar Of Barzai)
 
:青銅製の偃月刀。原典では専ら旧支配者ヨグ=ソトースの召喚などに用いる儀式的な道具として使われることが多い。
 
:青銅製の偃月刀。原典では専ら旧支配者ヨグ=ソトースの召喚などに用いる儀式的な道具として使われることが多い。
:『デモンベイン』ではアル・アジフの記述の一つで、九郎やデモンベインの武装の一つとして登場。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』では[[アル・アジフ]]の記述の1つで、デモンベインの武装の1つとして登場。偃月刀の現物も存在し、実際に九郎らが魔術の媒体および武器として使用。
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;ニトクリスの鏡(The Mirror of Nitocris)
 
;ニトクリスの鏡(The Mirror of Nitocris)
:悪鬼や食屍鬼の姿が鋳込まれた青銅製の枠にはめ込まれている鏡。この鏡を通じて地獄めいた暗黒の世界を覗けるが、逆に鏡から出現するショゴスを初めとする魔物に襲われる危険がある。
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:悪鬼や食屍鬼の姿が鋳込まれた青銅製の枠にはめ込まれている鏡。この鏡を通じて地獄めいた暗黒の世界を覗けるが、逆に鏡から出現するショゴスを始めとする魔物に襲われる危険がある。名の由来は古代エジプト第6王朝の[[女王]]ニトクリスがこの道具を用いたとされることから。
:名の由来は古代エジプト第6王朝の女王ニトクリスがこの道具を用いたとされることから。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』ではアル・アジフの記述の1つで、幻影を操る魔術。
:『デモンベイン』ではアル・アジフの記述の一つで、幻影を操る魔術。
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;銀の鍵(The Silver Key)
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:銀製の鍵。表面が奇妙な幾何学模様に覆われているのが特徴で、長さが5インチ近くと鍵としては大きなものである。古代地球に存在したハイパーボリアで作成されている。
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:*『[[機神咆吼デモンベイン]]』[[デモンベイン]]の動力炉「銀鍵守護神機関」の名前の元ネタ。
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== 余談 ==
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*神話に登場する邪神達は基本的に人間に太刀打ち出来る存在ではないのだが、日本では、いわゆるホラー物として邪神の恐怖に脅えるタイプの作品以外に'''邪神に匹敵するパワーを手に入れて、正面から粉砕する'''というタイプの作品も数多く生まれた(『デモンベイン』もその1つ)。その中にはアザトースですら'''たった一振りの剣で'''滅ぼされた例もある。
 +
**中には神話の神々が美少女として登場する小説『這いよれ!ニャル子さん』のようなトンデモ異色作まで存在するほどである。
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**こういった作品は原典作品群の好事家からは難色を示されることも多いが、実のところ海外でも邪神を正面からぶちのめすタイプの作品は書かれており、中には、アザトースを越える超邪神とでもいうべき存在をただの人間が食べてしまうという荒唐無稽な作品すらある。
 +
***そういった作品の走りとも言えるのが、九郎の名前の元ネタになった『タイタス・クロウ・サーガ』。その戦闘力は凄まじく、旧支配者相手に殴り合いのマジバトルを繰り広げている。
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*誤解される事も多いが、H・P・ラヴクラフト、オーガスト・ダーレス、C・A・スミスを始めとする神話作品を執筆した作者の、'''著作全てが神話作品のシェアワールドという訳では無い'''。ただし、後年執筆された別作家の作品による後付けで、神話作品とは無関係だったホラーやファンタジー作品がクトゥルフ神話の世界観に組み込まれる事となった事例は比較的多い。
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**ドクター・ウェストの元ネタであるハーバード・ウェストが登場する一篇も、神話体系の地名などが出てくるものの、作風自体はコズミックホラーの類ではなくむしろ純粋なホラー小説の系統である。
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**特にクトゥルフ神話を題材としたTRPG界隈ではその傾向が顕著で、ラヴクラフトの作家活動以前に発表された著名作家のホラー小説までもが、シナリオで取り扱う手本としてルールブックで紹介されている。
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*矢野健太郎氏のクトゥルフ漫画『邪神伝説シリーズ』では、クトゥルフ神話に登場する爬虫人類達が描かれたコマの端に[[帝王ゴール]]と[[ゲッター1]]が描かれている。
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2024年3月2日 (土) 07:05時点における最新版

クトゥルフ神話は、パルプマガジン連載小説を元にした神話大系のひとつ。

概要[編集 | ソースを編集]

20世紀前半にアメリカ合衆国の作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトと彼の友人たちによって作り上げられた所謂創作神話で、一般的に神話と呼ばれているものとは根本的に性質が異なる。一般的な「神話」は(クトゥルフ神話のそれ以上に様々な概念・解釈が存在するため、一概には言い切れないが)往々にして歴史は古く神聖なものとされているが、クトゥルフ神話は大元を辿れば大衆小説家たちが1900年台初頭に発表したシェアワールド的なホラー小説に過ぎない。

太古の地球は旧支配者と呼ばれる異形の神々によって支配されており、その姿は常人には名状し難い物に見え不安や孤独、絶望などを煽らせる……と、されるなど全体的にスケールは宇宙規模でホラー色が非常に強い。

旧支配者の名前である「Cthulhu」は人間には発音できない音を英語っぽく表記したものという設定であり、音節文字であるカナ文字でどのように表記するかは翻訳者のセンス次第である。「クトゥルフ」以外でも「クトゥルー」「ク・リトル・リトル」「クルウルウ」などと訳されることがある。クトゥルフ神話を体系化したオーガスト・ダーレスは、口にするときは「クトゥルー」に近い発音をしていた模様。他に「発音不可能」と明言されているのはルルイエ(R'lyeh)。

クトゥルフ神話は作家毎に解釈が異なり、また後の作家によって付け加えられた概念や神格なども多いため「これが正しい」という定説は存在しないと言える。元々がラヴクラフトとその仲間たちが骨子を作り、そこに数えきれないほどの(それこそ有名作家によって書かれた世界的名作から、そこらの多感な年頃の学生がノートに書いた落書きまで)設定やエピソードが骨組みに粘土を貼り付けるが如く次々と付け加えられているため、その世界観は現在進行形で変化し続けていると言って良い。ゆえに、以下の解説も「比較的良く聞かれる解釈」にすぎない事に留意されたし。

クトゥルフ神話が取り入れられている作品[編集 | ソースを編集]

機神咆吼デモンベイン
作品そのものがクトゥルフ神話のオマージュと呼べる。数多くの舞台や用語がクトゥルフ神話発祥となっている。
戦え!! イクサー1
敵組織の名前に「クトゥルフ」と名前を借りている程度。但し前日譚である漫画作品『黄金の戦士』には下記クトゥルフと酷似した生物が登場する。
THE ビッグオー
Act:07「The Call from The Past」がクトゥルフ作品『THE SHADOW OVER INNSMOUTH(インスマウスを覆う影)』のオマージュ。
ポプテピピック
サブキャラでクトゥルフが登場。
バンプレストオリジナル
ルイーナの面々がクトゥルフ神話をモチーフにしてデザインされている。

神々[編集 | ソースを編集]

外なる神々(Outer Gods)[編集 | ソースを編集]

主に外宇宙に存在する超越的存在。その認識と思考は通常の生物で理解できる物ではない。彼らほどのレベルになるともはや人類や地球には何の興味もなく、人類からの崇拝の対象となることも稀である。ただし、ナイアルラトホテップのみは例外で人類に対し時折干渉を行うことがある。

アザトース(Azathoth)
クトゥルフ神話の主神にして創造神。「沸騰する混沌の核」の異名を持つ盲目白痴の神。下劣な太鼓とかぼそく単調なフルートの音色が響く宇宙の中心に位置する玉座にて、冒涜的な言葉を吐き散らしながら、狂ったように身もだえしている。また、宇宙の全てはアザトースの見る泡沫の夢であるらしい。
ナイアルラトホテップ(Nyarlathotep)
「ニャルラトホテプ」とも。
アザトースの息子にして神々の従者。「這い寄る混沌」の異名を持つ、千の顔を持つ無貌の神。無数の化身を持ち、世界に狂気と混乱をもたらすために暗躍する。邪神の中では珍しく人間的な知性を持ち、人間はもちろん主である神々さえも嘲笑うトリックスター。
火の邪神クトゥグアのことだけは一貫して苦手としており、ある作品に至っては追い詰めた人間に反撃として召喚されたクトゥグアにホームグラウンドたる「ンガイの森」をなす術もなく完膚無きまでに焼き尽くされるという、大黒星がついてしまった。また、人間を嘲笑うために自ら人間と同じ舞台に上がることがあり、それを逆手に取られる場合もある。
その設定や立ち位置、化身の多さ、動かしやすさ、フットワークの軽さからクトゥルフ神話に登場するキャラクターの中でも特に創作作品に登場させやすいキャラクターとしても有名で、クトゥルフ神話の原作シリーズ以外でも、ライトノベル作品『這いよれ! ニャル子さん』や、ライアーソフトのスチームパンクシリーズの『漆黒のシャルノス』や『紫影のソナーニル』、アトラスのゲーム作品『女神転生シリーズ』とその派生作品の『ペルソナシリーズ』など、日本のオリジナル作品にも多数登場しており、クトゥルフ神話は知らなくてもナイアルラトホテップの事は知っている人も多い。その役どころも様々で、『デモンベイン』や『ペルソナ2』などのように物語の全ての黒幕で元凶であり、究極の悪意の化身そのものといえる邪悪極まりないキャラクターとして登場することもあれば、『這いよれ!ニャル子さん』のように憎めない性格をした愛らしい(?)メインヒロインとして登場することもあるなど、その活躍は多岐にわたる。当然ながらクトゥルフ神話内で千の顔全てが登場したわけではなく、複数の作者による「架空の神話体系」であるがゆえに、上記の面々が本家のニャルラトホテプの顔の一つではないとは言い切れない
ヨグ=ソトース(Yog-Sothoth)
アザトースの孫にして時間と空間の神。「全にして一、一にして全なる者」「門にして鍵」の異名を持つ。分裂と融合を繰り返す不定形の玉虫色の球体の集積物であるとされる。全ての時と共存し、あらゆる空間に接している神であり、魔術師達はこの神の力を借りる事でタイムトラベルやワープを行うことが出来る。また、人間の女性との間に異形の子を成すこともできる。

旧支配者(Great Old Ones)[編集 | ソースを編集]

太古の地球(一部に例外も存在する)に存在していた極めて強力な生物。生物とはいえ人類を遥かに凌ぐ(そして人類には決して理解できない)知性と超自然的能力を持ち、事実上「神」と言っても差し支えない存在である。旧神との争いに敗れ、現在そのほとんどは世界の各地で封印されて眠りに就いており、彼らが(一時的にせよ)目覚める時には様々な災害が起こる。

クトゥルフ(Cthulhu)
「クトゥルー」「ク・リトル・リトル」とも呼ばれ、「九頭龍」と同一視されることも。
海底都市「ルルイエ」に眠る旧支配者。タコのような触手を持ち、コウモリのような翼を持つ。強力なテレパシー能力を持ち、ルルイエが一時的に浮上した際には世界中に精神的ショックを及ぼすという。
後に『クトゥルフ神話』と纏められる事になる創作神話大系の要素が初めて用いられた小説のタイトルが『Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声)』であったことが、この創作神話体系が『クトゥルフ神話』と呼ばれるようになった由来である。その名前から『クトゥルフ神話』の主神格のように思えるかもしれないが、上述の通り神話体系の由来となったのは「登場作品」の方であり、クトゥルフ自体は他の神格に比べてそこまで力があるというわけでもなく、唯一実際に登場したラヴクラフト作品である『クトゥルフの呼び声』では普通の人間がクトゥルフの頭部に全速力の船をぶつけることで撃退することができた(ただしその直後にあっさり復活しており、倒したというよりは「殺しても死なない」という描写に近い)。
ハスター(Hastur)
「ハストゥール」とも。
ヒアデス星団の古代都市カルコサの「ハリ湖」に住む旧支配者。「名状しがたきもの」の異名を持つ。どの様な姿かは諸説あるが不明であり、異名の通りに名状しがたい神。風の神性の首領にして、クトゥルフとは兄弟であるが対立しているという。
「黄衣の王」などのいくつかの存在はハスターの化身だと見なされることがあり、ハスターの化身という設定で登場する創作キャラクターもいる。
クトゥグア(Cthugha)
恒星「フォーマルハウト」に住む旧支配者。生ける炎の姿を持つ。ナイアルラトホテップにとって唯一の天敵とされており、かつてクトゥグァが地球上に召喚された際には地球上の拠点である「ンガイの森」を焼き尽くした。封印されて後に生み出した息子にあたるアフーム=ザーは、復権のために旧支配者たちの封印を解く役目を担っているとされている。
イタクァ(Ithaqua)
北極圏に住むハスターの眷属である旧支配者。「風に乗りて歩むもの」の異名を持つ。人間を思わせる巨体に人間を落書きにしたような顔と2つの赤い目を持つ。「眼のある紫の煙と緑の雲」とも。運悪くイタクァに遭遇した人間は空に連れ去られ、生贄として数ヶ月に渡って地球外の遠方の地を引き回されてしまう。
ダゴン(Dagon)
クトゥルーの眷属である旧支配者、もしくは小神。インスマウスなどで「深きものども」に信仰されている。何万年も生きており、巨大な魚人のような姿をしている。一説によると「深きものども」が長い年月をかけて成長した姿がダゴンであるらしい。妻に「ヒュドラ」(「ハイドラ」とも)がいる。クトゥルフ神話での知名度がもっとも高い邪神であるが、元は古代パレスチナにおいてペリシテ人が信奉していた神。
アトラック=ナチャ(Atlach-Nacha)
「アトラク=ナクア」とも。
古の大陸ハイパーボリアの大洞窟に住む蜘蛛の神。人間の言葉を使用して意志疎通をすることも可能。底無しの深遠に糸で橋をかける仕事を永遠にし続けている。

旧神(Elder Gods)[編集 | ソースを編集]

外なる神々や旧支配者と敵対する存在で、人類に対しては比較的友好的とされる事もあれば、人類を顧みずに邪神と戦うだけの存在とされる事もある。ラヴクラフトは名称だけを設定し、それは後にオーガスト・ダーレスによって「外なる神々(邪神)と対をなす善なる神々」と再定義され、『機神咆吼デモンベイン』の大十字九郎の元ネタであるブライアン・ラムレイの『タイタス・クロウ』シリーズでその再定義された概念が一気に広まった。作家によって細かい解釈に差異があり、海神ノーデンスや炎神ヴォルヴァドスといった地球古来の神々を旧神のカテゴリーに分類する作家もいる。旧神の眷属「星の戦士」が、「M78という星雲のあるオリオン座からやって来た光線を放って巨大な化け物と戦う光の巨人」であるためか、ウルトラマンも旧神とする作家も……。

ちなみに『ウルトラシリーズ』の制作元にクトゥルフ神話ファンがいて「星の戦士」を元ネタにした…なんて話は一切なく、そもそもウルトラマンの故郷は元々はM87星雲という設定だったのが誤記でM78星雲になったという経緯があるため、M78星雲が被ったのは奇跡的な偶然の一致である。ただし、『ウルトラマンティガ』についてはクトゥルフ神話の設定が意識的に盛り込まれている。太平洋上に浮上したルルイエがクライマックスの舞台となり、旧支配者のガタノゾーア(Ghatanothoa)から地球を守るために戦うため、本当にウルトラマンが旧神の眷属のような立ち位置となっている。

生物[編集 | ソースを編集]

ビヤーキー(Byakhee)
「バイアクヘー」とも。
ハスターの眷属。コウモリの翼を持ち、トカゲの頭のハチのような姿をした大きさ2-3mの怪物。宇宙空間を超光速飛行する能力を持ち、ハスターと契約した魔術師の便利な移動手段として使役されることが多い。
シャンタク(Shantak)
ナイアルラトホテップに仕える怪物。鳥と類似した姿をしているが、その体躯は象をも凌駕する大きさとそれを覆う爬虫類じみた鱗が特徴。生息地である幻夢郷(ドリームランド)のみならず宇宙空間までも飛行できるという極めて高い飛行能力を誇るが、乗り心地は最悪である。
星の精(Star Vampire)
その名前が示すとおり、星間宇宙に住む地球外生命体。普段は透明で不可視となっているが、犠牲者の血液をすするときに、多数ある触手のような吸入口と大きな鳥の如き鉤爪を持った球体の姿を表している。『妖蛆の秘密』に記された呪文によって召喚することができるが、その人間は例外なくこの生物に吸血されることとなる。
深きものども(Deep Ones)
宇宙から飛来した旧支配者の眷属。所謂「インスマス面」といわれるカエルのような顔が特徴で、外見も人間離れしたものとなっている。人間と交配して同族を増やしているが、その醜い容姿のせいで人間から忌避されている。
  • 機神咆吼デモンベイン』では「深きものども」が登場。ブラックロッジと共謀するも、彼らに利用された末に切り捨てられる。『UX』では第26話IMで存在のみ言及。
ナイトゴーント(Night-Gaunts)
多くの旧支配者に使役される夜鬼。幻夢郷にあるングラネク山にコロニーを作って生息している。外見は顔は無く黒い皮膚に蝙蝠の羽と長い尻尾が特徴。

人物、組織[編集 | ソースを編集]

タイタス・クロウ(Titus Crow)
壮年の私立探偵。数秘術やクトゥルフ神話の知識等を駆使して旧支配者と戦っている。
ハーバート・ウェスト(Herbert West)
小柄で金髪蒼眼の医者。死んだ人間を生き返らせるという人道から逸れた実験を行っているため、周囲の人間は彼を忌避している。

魔法[編集 | ソースを編集]

ギアス(Geass)
クラーク・アシュトン・スミスの小説『七つの呪い』に登場す魔法であり呪い。魔術師・エズダゴルの儀式を邪魔してしまった主人公・ラリバル・ウーズがエズダゴルによってかけられてしまった呪いがこれに該当し、ラリバルは旧支配者の一人・ツァトゥグァへ捧げる生贄を強制されてしまう事になる。

書物[編集 | ソースを編集]

通常のクトゥルー神話においては重要なのは「記載されている内容」の方で(水神クアタトやルルイエ異本のように異様な特性を持つものもあるが)書物自体は「ただの本」に過ぎない。もっとも、常人なら正気を失いかねない「知らないほうが良い知識」について記されているため、並の人間の手に余る危険な品であることに変わりは無いが。

詳細は「魔導書」を参照。

地名[編集 | ソースを編集]

アーカム
クトゥルフ神話関連作品に度々登場するマサチューセッツ州の都市。
インスマウス
ニューベリーポートから車でアーカムへ向かう途中にある港町。ダゴン秘密教団を信仰する深きものどもとその混血「インスマウス面」たちの街。かつては普通の人間の街であったが、ある時、街の有力者により深きものどもが招かれ、ほぼ全ての住人が半強制的に混血種となった。表面上はゴーストタウンだが、陸上に住んでいるのは肉体が変異の過程にある一部の住人に過ぎず、海中にはおびただしい数の深きものどもや「インスマウス面」が生息している。
ミスカトニック大学(Miskatonic University)
アメリカ合衆国マサチューセッツ州アーカムにある総合大学で、1797年に創立された。専攻科目として考古学部、人類学部、歴史学部、副専攻科目として医学部があり、大学院も設置している。大学にある図書館には、世界に数冊しかないネクロノミコンのラテン語版や、稀覯書、魔道書が多く収蔵されているが、何者かによって悪用されないように本は厳重に管理されており、それらを簡単に閲覧することはできない(…はずだが、作品によっては簡単に貸し出されている事がある)。
ルルイエ
クトゥルフとその眷属たちが眠る孤島の都。南緯47度9分 西経126度43分の海底に沈んでいるが、星と地球が正しき位置につくと浮上し、クトゥルフが目覚めるとされている。地表は緑の泥土で覆われ、人間の知覚では認識が困難な異形の建造物が立ち並ぶ。
サイクラノーシュ(Cykranosh)
ハイパーボリア時代における土星の呼称。ツァトゥグァとアトラック=ナチャはこの星から来訪している。
ハイパーボリア(Hyperborea)
北極海と北大西洋の間のグリーンランド近辺にあったとされる大陸。
文明が栄えた都市であるが、ツァトゥグァ等の旧支配者や恐るべき生物がこの地に生息している。

道具[編集 | ソースを編集]

輝くトラペゾヘドロン(Shining Trapezohedron)
本体であるところどころ赤い線が入っている輝く黒い多面体と、それを収める金属製の小箱からなる道具。金属の箱は不均整な形状をしており、地球では存在しえない生命体を象った奇怪な装飾が施されている。多面体は直径約10cm(4インチ)程の球形の結晶体で、不揃いな大きさの切子面を数多く備えている。内面に触れることなく金属製の帯と奇妙な形をした七つの支柱によって箱の中に吊り下げられている。輝くトラペゾヘドロンを見続けた者の心に異界の光景を浮かび上がらせ、混沌の彼方より「闇をさまようもの」と呼ばれる存在(ナイアルラトホテップの化身の一つ)を召喚できる。
バルザイの偃月刀(Scimitar Of Barzai)
青銅製の偃月刀。原典では専ら旧支配者ヨグ=ソトースの召喚などに用いる儀式的な道具として使われることが多い。
ニトクリスの鏡(The Mirror of Nitocris)
悪鬼や食屍鬼の姿が鋳込まれた青銅製の枠にはめ込まれている鏡。この鏡を通じて地獄めいた暗黒の世界を覗けるが、逆に鏡から出現するショゴスを始めとする魔物に襲われる危険がある。名の由来は古代エジプト第6王朝の女王ニトクリスがこの道具を用いたとされることから。
銀の鍵(The Silver Key)
銀製の鍵。表面が奇妙な幾何学模様に覆われているのが特徴で、長さが5インチ近くと鍵としては大きなものである。古代地球に存在したハイパーボリアで作成されている。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 神話に登場する邪神達は基本的に人間に太刀打ち出来る存在ではないのだが、日本では、いわゆるホラー物として邪神の恐怖に脅えるタイプの作品以外に邪神に匹敵するパワーを手に入れて、正面から粉砕するというタイプの作品も数多く生まれた(『デモンベイン』もその1つ)。その中にはアザトースですらたった一振りの剣で滅ぼされた例もある。
    • 中には神話の神々が美少女として登場する小説『這いよれ!ニャル子さん』のようなトンデモ異色作まで存在するほどである。
    • こういった作品は原典作品群の好事家からは難色を示されることも多いが、実のところ海外でも邪神を正面からぶちのめすタイプの作品は書かれており、中には、アザトースを越える超邪神とでもいうべき存在をただの人間が食べてしまうという荒唐無稽な作品すらある。
      • そういった作品の走りとも言えるのが、九郎の名前の元ネタになった『タイタス・クロウ・サーガ』。その戦闘力は凄まじく、旧支配者相手に殴り合いのマジバトルを繰り広げている。
  • 誤解される事も多いが、H・P・ラヴクラフト、オーガスト・ダーレス、C・A・スミスを始めとする神話作品を執筆した作者の、著作全てが神話作品のシェアワールドという訳では無い。ただし、後年執筆された別作家の作品による後付けで、神話作品とは無関係だったホラーやファンタジー作品がクトゥルフ神話の世界観に組み込まれる事となった事例は比較的多い。
    • ドクター・ウェストの元ネタであるハーバード・ウェストが登場する一篇も、神話体系の地名などが出てくるものの、作風自体はコズミックホラーの類ではなくむしろ純粋なホラー小説の系統である。
    • 特にクトゥルフ神話を題材としたTRPG界隈ではその傾向が顕著で、ラヴクラフトの作家活動以前に発表された著名作家のホラー小説までもが、シナリオで取り扱う手本としてルールブックで紹介されている。
  • 矢野健太郎氏のクトゥルフ漫画『邪神伝説シリーズ』では、クトゥルフ神話に登場する爬虫人類達が描かれたコマの端に帝王ゴールゲッター1が描かれている。