「シンジロウ・サコミズ」の版間の差分

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== 余談 ==
 
== 余談 ==

2013年8月16日 (金) 19:37時点における版

シンジロウ・サコミズ/迫水真次郎 (Shinjirou Sakomizu)

  • 登場作品リーンの翼
  • 声優:小山力也
  • 種族:地球人(日本人)
  • 性別:男
  • 所属:日本海軍特攻隊→ホウジョウ国
  • 階級:大日本帝国海軍二等飛行兵曹⇒聖戦士⇒ホウジョウ国当主
  • キャラクターデザイン
    • 小説:湖川友謙(カドカワノベルス版)、大森英敏(角川文庫版)、寺田克也(完全版表紙)
    • アニメ:工藤昌史

ホウジョウ国の王。
かつて太平洋戦争時の大日本帝国海軍特攻隊(小説版では階級は二等飛行兵曹)に所属しており、戦いの最中にバイストン・ウェルへと召喚され、リーンの翼を持つ靴を履いた聖戦士として戦った経緯を持つ。

バイストン・ウェルは地上と時間の流れが違うためか、それとも聖戦士の持つオーラ力によるものなのか、地上では70年以上の歳月が流れた中、サコミズ自身は壮年程度の歳となっている。

原作小説版『リーンの翼』の主人公でもあり、OVA版でも一応の主人公であるエイサップ・鈴木を食ってしまうほどの存在感を放っている。また、完全版小説では全編を通して主人公となっている。

小説版

第二次世界大戦中、沖縄の上空付近で特攻の最中に米軍機コルセアに撃破された瞬間、突如オーラロードが開きバイストン・ウェルに召喚される。その後、直心陰流剣術を奮い見知らぬ土地で「聖戦士」として活躍する。そして戦い続ける中で彼のオーラ力が「リーンの翼」として顕現した。
いつかは無事に地上に戻れるものと期待していたが、同胞であったアマルガンに裏切られて死亡。彼の意思はリーンの翼と融合して地上界に戻り、小倉に落とされるはずだった第三の原爆を防いだ。

OVA発表後に刊行された完全版では大幅に修正が入り、アマルガン共々死亡せずに原爆を防ぎ、バイストン・ウェルに生きて帰還するという結末に変更され、OVA版のノベライズ分に繋がる形となっている(全4巻中、前半が原作小説の加筆、後半がOVA版ベースの新規執筆)。

アニメ版

小説(完全版以前)のラストとは違った運命を辿っており、リュクスが語った中ではアマルガンらと対立し自分に従っている兵を引き連れてホウジョウ国を作り上げたと語っている。
再び地上界に戻った際、現在の日本の有り様を見て絶望し東京の崩壊を行おうとした。その際、急激な老化とオーラ力の暴走でハイパー化したが、エイサップの説得と特攻前に残していった特攻人形へ託された想いに触れ改心、核弾頭アッカナナジンから取り上げリーンの翼とオウカオーのオーラ力を使い、核爆発を吸収。祖国を救い、その波乱の生涯に幕を下ろす……

なお、実は『聖戦士ダンバイン』の世界にもかつて存在していた。彼がアマルガンに討たれた場合の物語は『ダンバイン』に続き、残された桜花はビルバインのブースターの参考として使われる。一方生き残った場合はOVA版『リーンの翼』に繋がることになる。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。今作では世界観が未来寄りになっている都合上、時間の流れが原作以上に激しいものとなっており、バイストン・ウェルで70年ものの時間が経過し、地上では200年も経過したという設定になっている。
現実であった戦争の生き残りというキャラクター性もほぼ余すところなく再現され、その強烈なキャラクター故、物語の中でも強烈な存在感を誇り、物語を時には熱く、時には悲しく盛り上げる。基本的に原作通りの結末を辿るが、特定のフラグを成立させるとリーンの翼の導きで生還、第3部のヒトマキナとの戦いに味方援軍として登場し、仲間に加わる。最終決戦時でのフラグはやや特殊で、任意の3人で説得し、キャラごとに設定されたポイントの和が7以上になると説得成功となる。は3で、2は。これら以外の外れ(1)を二人以上含めると確実に失敗する。なお、これにより、各参戦作品の主人公キャラから説得可能(それどころか、一部ライバルキャラやヒロイン格まで説得できる)というイルイ以来の豪華な仕様となっている(版権キャラとしてはL張五飛宗美への説得が前例として挙げられる)。
日本の有り様を見て絶望する理由の1つは「自分と同じ目線に立てる人間がいなくなってしまった」ことではないかと解釈されているようで、自分と同じく大日本帝国軍に所属していた加藤久嵩とのやり取りにおいては穏やかな一面を見せていた。原作のラストで過去の怨念や妄執から解放されていることもあり、仲間になる際にはそういった「憑き物」が落ち、UXの面々に対して毅然としつつも穏やかな態度を見せている。
本作においては彼もまた「時空を超える意思」の持ち主らしく、生存時に呂布のフラグが成立していると同時出現、それを示すフレーズを口にする他、リーンの翼によってオーラロードに消えた際はエイサップと共に「(『ラインバレル』の)前世の地球」を見ている。
なお、『聖戦士ダンバイン』が前世の地球での出来事であり、ビルバインの補助ロケットがサコミズがかつて乗っていた桜花を参考にしている事、『ダンバイン』のバイストン・ウェルにはサコミズが存在しない事と合わせると、前世の地球におけるサコミズは初期小説版の展開でアマルガンに殺害されていたと解釈できるかもしれない。

ACEシリーズ

Another Century's Episode 2
OVA本編に先駆けてサプライズ参戦。
Another Century's Episode 3 THE FINAL
中盤から本格的にシナリオに絡んでくるが、ルート選択によっては一度も戦わないことも。最期はフィフス・ルナを相手にリーンの翼を発動させて、自らの命と引き換えにフィフス・ルナの落下を阻止する。最期の流れも併せて、フィフス・ルナが原作において朗利と金本によってアメリカ軍から奪取されて東京に投下された核弾頭の代わりも兼ねている。

パイロットステータスの傾向

能力値

版権ボスだけあって全体的に高い。特に搭乗するオウカオーが格闘専用なのもあって格闘が最も高く設定されている。

精神コマンド

直感気迫直撃理想
UXのもの。エイサップと違い「集中」がないため単機での切りこみは厳しいが、「魂」があるため一発の火力で勝る。PUを組ませるなら雑魚はエイサップで刈り落とし、サコミズはボス相手に「魂」+ツインオーラアタックを叩き込むのがいいだろう。

特殊技能(特殊スキル)

オーラ力L9、聖戦士底力L9、援護攻撃L2、見切り全体攻撃L1、指揮L3
味方仕様の先天成長限界。例によって援護攻撃、全体攻撃と指揮のレベルは敵より低いが、それでも豪華なラインアップである。指揮は曹操やと艦長達は同じくL3まで成長できる。

戦術指揮

格闘武器の攻撃力10%上昇、CRT率30%上昇、サイズ差無効
格闘機向けの非常に強力な指揮。サイズ差無効がある為、オーラバトラーは勿論サイズの小さな三国伝とも相性が良い。

パイロットBGM

「MY FATE」

人間関係

リュクス・サコミズ
二人目の妻であるエミヤ・スッカ(SRW未登場)との実の娘。
コドール・サコミズ
三人目の妻である「後添え様」。
コットウ・ヒン
フガクの艦長を務める部下。同部族のコドールと共謀してサコミズを討とうとしたが……
アマルガン・ルドル
かつて共に戦った同志だが、現在は反乱軍の頭目。初期小説版では彼に反逆され、両者共に落命していた。
エイサップ・鈴木
偶然から出会った若き聖戦士。彼をリュクスの婿にさせようとした。劇中では意見がとにかくぶつかり合うが、サコミズとエイサップでは生きた時代も価値観も視点もまるで違うため、目指すところとその前提、という根本の部分から食い違っている。
ハロウ・ロイ
サコミズをバイストン・ウェルに召喚したエ・フェラリオ。

他作品との人間関係

バイストン・ウェル関連

ショット・ウェポン
サコミズたちの住まうバイストン・ウェルとは別のバイストン・ウェルでオーラバトラーを開発した男。UXでは『ダンバイン』の世界から転移してきた彼を部下とし、ホウジョウ軍のオーラバトラーの開発を任せる。
ホウジョウ軍が地上から放逐された後は人類軍へと参加する為、サコミズが生存した場合は敵対する事に。
ショウ・ザマチャム・ファウマーベル・フローズン
別のバイストン・ウェルの聖戦士達。サコミズの頑なさと強すぎる信念から徐々にハイパー化への懸念を募らせていたが、最終戦でそれが現実となってしまう。

ガンダムシリーズ

曹操ガンダム
UXにおける最大のライバルといえる侠。同じ「王」として、互いの信念と誇りをかけて激突する。
孫尚香ガーベラ陸遜ゼータプラス
UXの序盤、ホウジョウ軍に捕らえられた彼らを地上人だと勘違いしてショット共々驚愕する。
呂布トールギス貂蝉キュベレイ
UXでは共にフラグを満たしている場合、第45話にて共に参戦し、UXの活路を開くべくヒトマキナを相手に奮戦する。
余談だがサコミズを演じる小山氏は、三国志漫画の一つ『蒼天航路』のアニメ版にて呂布を演じている。
孔明リ・ガズィ
UXではアブタ・ブラスを焼き討ちしようとした際、彼が立案したアル・アジフの魔術による陽動作戦に引っかかって作戦が失敗している。
刹那・F・セイエイ
UXにおいて、ダブルオークアンタの初陣の相手となる。サコミズ自身もまた初戦闘の時から刹那を「聖戦士の素養がある」と評価し、説得された際はエイサップやショウと並ぶ大きな効果がある。
シャア・アズナブル
直接関わる事は無かったが、ACE3では彼の作戦を結果的には阻止する。
ギム・ギンガナム
同じく富野作品の熱く濃すぎる漢で、色々と似たような点が多い人物。ACE3では合体攻撃が存在する。

リアル系

小楯衛
UXでは彼の様な少年までもが戦いに出ている事に大きなショックを受ける。大切なものを守る為に戦う彼の信念を認めるも、直後の悲劇にサコミズも激しい怒りと悲しみを露わにする。

スーパー系

海動剣
UXの序盤、城に単身乗り込んできた彼と白兵戦を展開する。血気盛んな彼を「ガロウ・ラン気質の地上人」と見、自らにサムライとして仕えるよう勧誘する。
加藤久嵩
UXでは地上に出た後、彼ら加藤機関と一時的に同盟を結ぶ。サコミズ自身は第二次世界大戦当時、大日本帝国軍の少将だった加藤と対面した事がある。現在でも彼を「加藤少将」と呼び、敬意を表している。加藤もまさかサコミズが生きていたとは思いもしなかったようで懇意に接しており、負けると分かっていて太平洋戦争に加担していたにも関わらずサコミズが敬意を表してくれる事には負い目を感じていた節がある。EDでは、エイサップやリュクス、ショウ達と共に、サコミズの墓参りに訪れている。
なお、明言されないが時間軸の関係上、石神(当時海軍中尉)とも会っていた可能性はあるが、回想場面で加藤と石神が「小倉への原爆投下を阻止した若い特攻隊員の噂」について話している様子を見る限り、2人ともサコミズと会っていたとしてもそこまで親しかったわけではなさそうである。
ジョセフ・カーター・ジョーンズ
UXではサコミズが仲間になった後、同じアメリカ人であるマーベルと共にかつて太平洋戦争にてアメリカを敵国として戦い、現代でもアメリカへの敵愾心を露わにしていたサコミズの想いを心配されるが、そんな彼とマーベルに対し、自身が憎悪と妄執を既に捨て去ったことを穏やかに伝える。
ハザード・パシャ
UXにおいて最も憎んだ人物の一人。軍人でありながら醜悪な欲望のために非道の限りを尽くす彼に激怒する。

名台詞

OVA版

「鈴木君!」
エイサップに対して。単に苗字で呼んでいるだけなのだが、鈴木というありふれた姓をくどいまでに何度も何度も呼んでいることから妙に印象に残る台詞となっている。
「ヤエェェェェッ!!」
白兵戦時の掛け声。直心陰流剣術独特の気合である。
「今は昭和の何年だ?」
エイサップが地上から来た事を知り、こう返す。この台詞からサコミズが長い間地上の状況を何一つ知らない事が解る。
エイサップ「姫様にこの名無しの操作を教えてもらっているだけです!」
サコミズ「ナナジンと名付けたか! 七福神の!」
思いっきり聞き間違えた挙句、名前の由来まで決めてしまう。バイストン・ウェルの言語に慣れすぎたらしい。
なお、現実に「ナナジン」という名前が付けられた経緯も「名無し」からの連想であることが明かされている。
サコミズ「鈴木君には政治を司る新しい聖戦士をやってくれ!」
エイサップ「そんな事を言って、隙を作らせるのか!」
サコミズ「そうでもあるがぁぁぁぁ!!」
サコミズの代名詞とも言える会話で、富野節全開である。漫画版では「フ……そうでもあるがぁぁぁぁ!!」となっており、UXではこちらがDVEで取り入れられている。ついでにエイサップの台詞の方は汎用の回避台詞に採用。
「見事だよエイサップ君。キャノピーを閉じ、ナナジンの角も折らなかった」
「聖戦士の資格があると見た!ホウジョウの城の婿殿にならんか!」
上記の台詞と共にナナジンに背負い投げをかました後で。UXでは中断メッセージにこれが使われる。
エイサップ「こ、こんな……こんなことが現実に日本で!」
サコミズ「あったのだ! この凄惨な記憶達は、紛れもない過去の現実! 目を背けてはならぬと、リーンの翼が語っておるのだ!」
オーラロードを彷徨う中、沖縄戦の映像を垣間見て。かつて国のためと信じて戦争に身を投じた憂国の志士、在りし日の聖戦士は、それこそが現実なのだと若き聖戦士に叫ぶ。
そして、忘れてはならないのは、リーンの翼が彼らに見せたこれら惨劇は、サコミズが言うように「紛れもない過去の現実」であるということである。サコミズだけではなく我々プレイヤーにとっても
初参戦のUXでも忠実に再現され、現実であった戦争をストーリー中で取り扱ったのは史上初である。
「この苦しみ……この悲しさ、無念さ! 東京にいる俗物どもにもわからせるッ!」
「我が意思に力を貸せ! リーンの翼よォォォーッ!!!」
「さすらいの歌」が響く中、ホウジョウの王は叫ぶ。戦争の悲惨さ、奪われた命の叫びを知らぬ俗物にそれを知らしめると、そのための道を開けと。強すぎるその意志はリーンの翼をすら御し、彼らを元いた時へと送り返した。
サコミズ「コドールの、しとねは暖かいよなぁ…!?」
コットウ「へ、へへへへ、へへへぇ…」
サコミズ「死ねやぁぁぁぁ!」
「桜花嵐」にて、自らを謀ったコドールとコットウに詰め寄って。あまりの剣幕にコットウは失禁してしまう。小山氏演じるサコミズの怒り滲む凄味の効きまくった演技と、対するコットウのサコミズの剣幕に飲まれてビビリまくる醜態を演じる三木氏の演技は必聴。小説完全版ではスパロボではそのまま使用することはできなさそうな更に「踏み込んだ」遣り取りになっている。UXではなんとDVE。
サコミズ「…うぅ!? これは……私の桜花に残した、文金高島田の特攻人形……!?」
エイサップ「この人形は、あなたたちを特攻に出すしかなかった、少女たちの哀しみと、感謝の印だったのでしょう!?」
特攻人形『生き神様でした…』
サコミズ「そ、そう言って……そう言って哀れんでくれたぁぁぁぁ!!」
ジャコバの力を借りたエレボスの祈りによって「命の手紙」はサコミズ王に届けられた。東京大空襲・沖縄戦・原爆投下の記憶を目の当たりにし、欧米化した日本を見せられて、自分を見失って自暴となったところに、エイサップ達が「命の手紙」として特攻人形を届けてくれた。自分を想ってくれた無垢なる願いがあったことを思い出し「守りたかった」という初心に帰ったサコミズ王は、若々しいそれでなく、歳相応の老人の顔となっていた。そう、憑き物が落ちたかのように…。
「ナナジンにはリーンの翼はないぞ」
水爆を抱えて上昇するアッカナナジンに肉薄して。瞬間、リーンの翼が羽ばたき……。
「リーンの翼が聖戦士のモノなら……我が想いを守れ…!!!」
最期。アッカナナジンから水爆を奪い、ハイパー化したオウカオーでその爆発を吸収しながら叫ぶ。その姿は妄執に取り付かれた王ではなく、紛れもない聖戦士のものだった……。UXではDVEで収録。
敷島の 大和心を 人問わば 朝日に匂ふ 山桜花
特攻時に残した辞世の句。UXでは第40話ラストにてホワイトバックに浮かび上がる演出がある。また、EDにおいて彼(と言うよりは迫水家)の墓前で加藤がこの句を読んでいる。
なお、元ネタ(『引用元』と言うべきか)は江戸時代の国学者である本居宣長の詠んだ句であり、後年、太平洋戦争末期には海軍中将の大西瀧治郎によって創設された神風特別攻撃隊(所謂カミカゼ特攻隊)が、この句をモチーフに小隊名を名付けている(敷島隊・大和隊・朝日隊・山桜隊)。
「桜花達……」
迫水家の墓前で……。UXではDVEで収録。

漫画版

(リーンの翼よ……
 翼が聖戦士のものなら
 我が想いを
 守れ…
 リュクス
 リュクス……もう一度……)
漫画版における最期。サコミズが思い浮かべたのは、幼い頃の愛娘だった。

スパロボシリーズの名台詞

「核を動力源にするなど…あってはならん!」
「核を恐れる私ではないぞ!」
ストライクフリーダム等の核が動力源の機体に対する特殊台詞。
ちなみにスパロボではガンダム以外にも小型核融合エンジンである熱核タービンエンジンを使うバルキリーや原子力エンジンから発生させる超電磁エネルギーを利用するコン・バトラーVボルテスV、原子炉を持つジャイアント・ロボメカンダーロボなど核動力の機体は意外にあったりする。
「対話の道など、祖国に原爆を落とした奴らを滅ぼすまでありえん!」
刹那の特殊セリフ。
「米国人は滅びよ! 我が無念晴らしてくれる!」
グラハム等のアメリカ人に対する特殊セリフ。上のセリフからも分かるように、アメリカへの深い憎しみを抱いていることがよく伝わる。
とはいえアニメ版でのサコミズはエイサップを気に入り、マキャベル指令たちもホウジョウ軍に編入しようとしているなど、各個人としてのアメリカ人への差別意識はそこまで強くはない。
また、UXではサコミズに仕えているショットもアメリカ人だが差別している様子はないため、アメリカ人キャラクター全体にこのような戦闘セリフが使われるのは少々過激な改変と言える。なのだが、40話にて日本人キャラクターで戦闘すると……。
「滅びよ! 21世紀の日本人!!」
「天皇のいない東京天国など消せばいい!」
「あんなコンクリートの街で! 日本人は窒息しておらんのか!? 答えろよぉっ!!」
40話「桜花嵐」でのエイサップや浩一など、日本人に対する戦闘台詞。過去の妄執に囚われ、今や進むべき道を見失いつつあるホウジョウの王……その刃はいつしか向けるべき相手を誤り、己の知る故国を取り戻そうと「未来の今」に振り下ろされる。
「威勢が良いな。自らの渇きのままに戦いを求める者……ガロウ・ラン気質の地上人と見た!」
UXで、自らの首を取りに来たと吼える海動の言葉を受けて。ちなみにガロウ・ランとはバイストン・ウェルに存在する蛮族――というより種族――のことで、ガンダムのパイロットではない
「………」
「敷島の、大和心を人問わば、朝日に匂ふ、山桜花……」
「いずれ、先に散った桜たちと、春のこずえで……」
38話「防人たち」のIMにて、久嵩との別れ際に。
「フン、小賢しい! いかに言葉を弄しようと…!」
「今を生きるすべてのものが堕落しているわけではないことは認めよう!」
UXでの説得に対するリアクション。前者は失敗、後者は成功時のもの。それぞれもう少しセリフが続くが、割愛する。
ちなみに失敗するとがかかる。ペナルティ搭載の説得と言うのも珍しい。
「諦めてはならんッ!」
「わだつみたちの声が、私に生きる力と…掴むべき運命を与えてくれたッ!」
「今の私に、もはや迷いはないッ!」
「加藤少将! あの時の誓い…今こそ果たす時!」
UX第45話でのサコミズ生存フラグ成立時限定の台詞。襲来したヒトマキナの圧倒的な力に苦戦するUXの前に、桜花と共に散ったはずだった憂国の士が、再び姿を現した。今度は、頼もしき味方として――。
「さあ、集え! 始まりのもとにッ!」
呂布が生存していると代わりにこの台詞が出る。サコミズもまた、アーニー達同様「時空を超える意思」を持つ者の一人であり、生還出来たのはその意志にリーンの翼が応えたためらしい。
「過去に囚われた亡霊は、未来を生きる若者たちにすべてを託すと決めた…」
「だが、今一度! 若者たちの未来を守るため、この亡霊の力を振るってくれよう!」
同じくUX第45話より、初戦闘時。過去の妄執に囚われたホウジョウの王は、もうそこにはいない。
「心配するな。今の私にとってはもはや日本も米国も関係ない」
「我々は共にこの星に生きる民…いや、この宇宙に生まれた同じ命ではないか」
「それを教えてくれたのは、君たちアルティメット・クロスだ」
UXで自軍入りしたときジョーイマーベルから自分たちの事を憎んでいるのでは、と懸念されてこう諭した。
彼もまた過去の妄執を乗り越え、日本や米国という括りではなく、地球に生きる命を守り抜こうという意志を以ってUXの旗のもとに参じた。これものいうところの「憑き物が落ちた」と呼ぶべきだろうか。
「こ、これが…! これが人間のすることかァァッ!!」
UX第47話より。第2次蒼穹作戦の後、ハザードが人間特攻兵器にしたを自軍に向けて特攻させている残虐極まりない凶行にホウジョウの王は激しい怒号をあげた。
かつて特攻隊に所属したこと、太平洋戦争を初めとする凄惨な光景を身をもって知った彼にとっては、己の醜悪な欲望のために脱獄した囚人を無理やり特攻兵器に仕立て上げて平然と特攻させるハザードに怒りを抑えられるはずがなかった。
ちなみにサコミズを仲間に出来なかった場合関羽がこの台詞を言い放つ。
エイサップ「俺とサコミズ王が力を合わせれば、やれるはずです!」
サコミズ「君がそう言うのならばそうなのであろう!」
ツインオーラアタック使用時、エイサップから始動した場合の掛け合い。心底エイサップを信頼しているらしい。
「いざ、往かん! 我らは今、新たな神話となる!」
最終話の特殊IMの〆。数え切れないほどの輪廻の末、一つに集った「可能性」達……決戦に向けて闘志を燃やす彼らを鼓舞するがごとく、ホウジョウの王は号令する。

スパロボシリーズの迷台詞

「日本は…地上は一体どうなってしまったというのだ!」
『UX』にて、兵士が連れてきた孫尚香陸遜を見て漏らした言葉。彼女らは地上とも日本とも全く関係ない三璃紗の人間なのだが、まがりなりにも地上から転移してきた者がこんな姿だったら驚くのも致し方ない。
サコミズ「鈴木君、決めて見せよっ!」
エイサップ「本当はご自身で決めたいんでしょうが!」
サコミズ「そうでもあるがぁぁぁっ!!」
ツインオーラアタックの〆。こんなところで名台詞を使わなくても。
「見事だよプレイヤー。途中セーブをし、正規の手順でゲームも終わらせた。聖戦士の資格があると見た!」
「ホウジョウの城の婿殿にならんか!」
中断メッセージにて。そんな理由で聖戦士&ホウジョウの城の婿殿になれるのはどうかと思う。そしてエイサップからは「プレイヤーが女だったらどうするんですか」と突っ込まれる。

搭乗機体

桜花
実在したロケット特攻機で、これに乗った状態でバイストン・ウェルに召還された。UXでもイベントシーンでエイサップ達に見せている。
数ある特攻兵器の中でも、航続距離が短すぎる、重すぎて母機がまともに飛べない、ロケット機なのに当時の米軍戦闘機と大差ない速度など多数の欠陥を抱えており、連合軍からは『バカ爆弾』という酷いコードネームで呼ばれた。
なお、『リーンの翼』のパラレルワールドにあたる『聖戦士ダンバイン』ではビルバインの脚部補助ロケットの参考にされたという設定が存在する。
OGシリーズに登場するオウカ・ナギサの名前の由来でもある。
オウカオー
専用オーラバトラー。名前の由来はサコミズが搭乗した特攻機、桜花から。
ドハツオウカオー
オウカオーがハイパー化した姿。

余談

  • 実は、最初に召喚された切っ掛けとなった桜花の撃墜の時点で肉体的には死亡している。OVA版でも描写された過去の沖縄上空における、迫水の手の上で消えた意味深な赤い命の羽根は、その時散っていた迫水自身の命の羽である。
  • サコミズのキャラクター性は、昔も今も伝統的となっている「異世界漂流もの」の成れの果てだったりする。何かしらの手段で主人公は元の生活に戻るものだが、サコミズは周囲から望まれて王になり、不老の王政が次第に民から疎まれていく、という非常にリアリティのある設定。
    • 例え同胞に裏切られたとしても、若き聖戦士のまま死した初期小説版設定のままだった方が本人にとっては幸せだったのかも知れない。
    • ある意味、似たような境遇のマサキ・アンドーのあり得るかもしれない末路と言えなくもない。