「饕餮王」の版間の差分

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2014年3月29日 (土) 19:45時点における版

饕餮王(Toutetsuou/とうてつおう)

バラルに属する超機人の一体。古代中国の伝承に在る神獣「饕餮」を象った、人の顔に獣の体、そして虎の牙という姿をしている。

超機人の中でもとくに凶悪な「四凶」の一体であり、四神や応龍皇と異なり非常に生物的な姿をしている。また、四凶の共通点として、操者の肉体を喰らって稼働するというとんでもない特徴がある。そのため、一応操縦座は存在しているのだが、危なすぎて乗ることが出来ない。ことに饕餮王は常に飢え、餓えており、生命体と見ると見境なく襲いかかって喰らうという、もはや超機人の名が相応しからざるほどの暴悪さを持つ。挙げ句の果てに、最悪の場合己の身すら喰らうという貪欲ぶりを誇る上、並の人間では姿を見ただけで命を食われてしまう。さらに、喰われた者の魂は腹の中に封じられるため、輪廻転生から外れてまつろわぬ霊と化してしまう。

あまりの凶悪さから創造者ですら制御することが出来ず、かつては窮奇王・渾沌王・檮机王共々バラルを離反し敵対していたが、激戦の末に敗北。夏喃達によって枷をつけられ、使役されている。かつては黄帝獄という場所に封じられていた。この封印はよほど過酷だったのか、半ば暴走状態であっても再封印をちらつかされるということを聞くほど。なお、黄帝とは中国の神話で応龍を従えて蚩尤を封じたとされる帝王で、皇帝という単語の由来とされる『三皇五帝』の一人にも数えられる。

窮奇王もそうなのだが、己の欲求の導くままに暴れ回る存在ゆえ、「百邪と戦い、人界を守る」という超機人本来の役目からはあまりにも逸脱した存在であり、どちらかというと「最上位の妖機人」と呼んだ方が相応しい。

登場作品と操縦者

OGシリーズ

第2次スーパーロボット大戦OG
40話「蒼炎の逆鱗」で初登場。ほぼすべての武器が特殊効果持ちという厄介極まりない敵。窮奇王はR系なのに対しこちらはP系。なお、初登場時は防衛隊を片っ端から食い殺す(しかもこの場面はコクピット目線で演出)というトラウマものの場面が展開されている。最終話では追い詰めると窮奇王共々毎ターン「必中」「加速」「熱血」を使ってくる。よってリアル系で挑むのは単なる自爆と変わらないため、タフでブロックのあるソウルゲイングランゾン辺りで対処すべし。出来れば窮奇王諸共マップ兵器で倒すのが好ましい。

装備・機能

武装・必殺武器

餓眼光(ががんこう)
目玉から光線を放つ全体攻撃。これだけ特殊効果がない。
餓魂球(がこんきゅう)
口から吐き出した球体妖機人で敵機を爆砕する。気力ダウン効果があり、特にハードルートの終盤戦でこれが邪魔になる。
餓貪牙(がとんが)
殴り飛ばした敵を追撃してラッシュをかけ、巨大化させた右手で地面に叩きつける。しかる後、その敵機を暴走初号機よろしく食い尽くす。終いには斜め後ろに視点が移動して、ひとしきり食い終わった饕餮王が振り向いて赤い目を光らせた後に逃げ去る、という嫌悪感を煽る演出になっている。ENダウンの効果。
餓弩貪牙(がととんが)
終盤で追加される最強攻撃。面の外周部から無数のツノを枝の如く生やし、伸ばし、敵機を絡め取る。しかる後、大樹のような姿になるまでツノを伸ばし続け、最後に捕獲した敵を文字通り噛み砕いて抹殺する。SP吸収の効果がある上にP兵器で射程4の全体攻撃、と厄介極まりない。パイロットブロック持ちを当てたい。

特殊能力

EN回復(中)
フルブロック
四凶邪視
ターン開始時、自分の周囲3マスの相手ユニットの気力-3。ファートゥムの「パッシーオ」と似たような能力。窮奇王も近くにいる状態で手番を回すと気力が一気に下げられてしまうので、迂闊に寄らないように。

サイズ

L

移動タイプ

窮奇王と違い空が飛べない。

パイロットステータス設定の傾向

能力

窮奇王より少し下で、相方に比べると回避で劣るが防御で勝る。中盤はともかく最終局面で登場すると非常にうっとうしいことになる。

精神コマンド

第2次OG
ド根性必中鉄壁気迫
スーパー系の典型。

特殊技能

第2次OG
底力L5、ガード
補正の強化された底力とガードで、コンスタントにダメージを削ってくる。「古の忌憶」では、多少リソースを切り崩してでも速めに仕留めるべし。

固有エースボーナス

反撃時に与えるダメージ+5%
第2次OGでのボーナス。
補正こそ低いが地味に厄介。

専用BGM

「暴虐の超機人」
専用曲。

対決・名場面など

VS龍虎王

関連機体

窮奇王
同じ四凶の超機人。

話題まとめ

元になった「饕餮」は中国の魔獣であり、富や食べ物を貪り食うとされている。中国第2の王朝である殷王朝では何でも喰らう姿が魔をも喰らう=魔除けになるという考えが起こり、この時代の青銅器には「饕餮文」と呼ばれる複雑で精緻な模様が描かれている事が多い。

ただし、この「饕餮文」という名称自体が後代になって名付けられたもので、本当に饕餮を描いたものなのかはよく判っていないらしい。

饕餮を四凶としたのは、春秋戦国時代の歴史書『春秋左氏伝』と言われており、渾沌、檮杌、窮奇も同書では四凶とされている。この中で饕餮は羊身人面(つまり、身体は羊で頭が人間)で、目は腋の下にあり、人間を好んで喰らう人食いの怪物となっている。

その他、明王朝では「竜生九子」と呼ばれる竜の子供となっていたり、はたまた中国神話の軍神「蚩尤」の頭が変化した姿であるとされるなど、時代によってその姿や役割が度々変化しており、この点が超機人として選ばれた理由なのかもしれない。ただ、どの書物でも饕餮は食欲旺盛な姿を見せている。