「ジョナサン・グレーン」の版間の差分

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{{登場人物概要
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[[ノヴィス・ノア]]の初代艦長[[アノーア・マコーミック]]の実子([[デザイナーベビー|試験管ベイビー]])だが、多感な幼少期にないがしろにされたという想いから、母親に対して愛憎入り混じった強烈なマザーコンプレックスを抱く。本名はジョナサン・マコーミックだが[[クインシィ・イッサー]]と同様に家族との決別のため捨てた。
 
[[ノヴィス・ノア]]の初代艦長[[アノーア・マコーミック]]の実子([[デザイナーベビー|試験管ベイビー]])だが、多感な幼少期にないがしろにされたという想いから、母親に対して愛憎入り混じった強烈なマザーコンプレックスを抱く。本名はジョナサン・マコーミックだが[[クインシィ・イッサー]]と同様に家族との決別のため捨てた。
  
前述の境遇のせいか性格もかなり不安定で、普段は計算高く立ち回りクールな振舞いが目立つが、戦闘に際しては激昂して周りが見えなくなり狂気を帯びる。[[伊佐未勇|勇]]からはクインシィ同様に[[グランチャー]]に取り憑かれているとみなされていた。人との会話中に「腕をカマキリのように折りたたみ、結んで開いてを繰り返す」癖(精神的に不安定な者にみられるチック(トゥレット障害)と類推)を持つ。それ以外にも上着の胸ポケットに親指を引っかけるように突っ込んでいたり、頭の上にヘルメットを載せる等、他にもいろいろ独特な行動が見受けられる。
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前述の境遇のせいか性格もかなり不安定で、普段は計算高く立ち回りクールな振舞いが目立つが、戦闘に際しては激昂して周りが見えなくなり狂気を帯びる。[[伊佐未勇|勇]]からはクインシィ同様に[[グランチャー]]に取り憑かれているとみなされていた。人との会話中に「腕をカマキリのように折りたたみ、結んで開いてを繰り返す」癖(精神的に不安定な者にみられるチック(トゥレット障害)と類推)を持つ。それ以外にも上着の胸ポケットに親指を引っかけるように突っ込んでいたり、頭の上にヘルメットを載せる等、他にもいろいろ独特な仕草が見受けられる。
  
 
勇や母へのこだわりから数々の失態を演じたが、正体を知らずに師事した[[バロン・マクシミリアン]]の協力で愛機[[バロンズゥ]]を手に入れてからは再び強力なライバルとして返り咲く。クインシィとの戦いで損傷し消耗していた[[ユウ・ブレン]]を半壊させ、勇に死を覚悟させるまで追い詰める。それを庇った[[ネリー・キム]]と三度激闘を繰り広げ、最後は勝利したが、再リバイバルにより後半の主役機[[ネリー・ブレン]]が生まれるきっかけを生む。
 
勇や母へのこだわりから数々の失態を演じたが、正体を知らずに師事した[[バロン・マクシミリアン]]の協力で愛機[[バロンズゥ]]を手に入れてからは再び強力なライバルとして返り咲く。クインシィとの戦いで損傷し消耗していた[[ユウ・ブレン]]を半壊させ、勇に死を覚悟させるまで追い詰める。それを庇った[[ネリー・キム]]と三度激闘を繰り広げ、最後は勝利したが、再リバイバルにより後半の主役機[[ネリー・ブレン]]が生まれるきっかけを生む。
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その後も勇と死闘を繰り広げるが、最終話で信頼するバロンに愛機を持ち出されてしまう。シラーと共に駆け付けた際には決着がついており、バロンの正体が母親と判明。母に愛憎入り混じった胸の内をぶつけて共に戦場から去り、最後はバロンズゥにエナジーを吸われたことで衰弱した母を胸に抱いてオルファンの飛翔を見届けた。
 
その後も勇と死闘を繰り広げるが、最終話で信頼するバロンに愛機を持ち出されてしまう。シラーと共に駆け付けた際には決着がついており、バロンの正体が母親と判明。母に愛憎入り混じった胸の内をぶつけて共に戦場から去り、最後はバロンズゥにエナジーを吸われたことで衰弱した母を胸に抱いてオルファンの飛翔を見届けた。
  
勇の姉であるクインシィ、更には勇の母である[[伊佐未翠]]の両方と肉体関係を結ぶ、所謂「'''親子どんぶり'''」をかましたと称し、その事実を勇に暴露して「'''犬畜生'''」と罵られる。しかし[[小説|小説版]]によるとクインシィの方ははったりで実際に関係を持っていたのは翠だけだったらしい。
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特筆すべき点として、その歪んだ精神性のためか、人を貶し侮辱し負の感情を煽り立てる話術に長けている。勇が肉親の情を捨て切れていないことを暴露するために、勇の姉であるクインシィ、更には勇の母である[[伊佐未翠]]の両方と肉体関係を結ぶ、所謂「'''親子どんぶり'''」をかましたと称した。このえげつない事実を巧みに演出することで勇の怒りを最大限に引き出し、その所業は「犬畜生以下」「鬼」「外道の極み」と勇からも罵られた。
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[[小説|小説版]]によるとクインシィの方ははったりで実際に関係を持っていたのは翠だけだったらしいが、勇の反応からしてどの道罵られていたと推測される。
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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=== [[αシリーズ]] ===
 
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;[[第2次スーパーロボット大戦α]]
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;{{参戦作品 (人物)|第2次スーパーロボット大戦α}}
 
:初登場作品。原作通りの扱いで敵として何度も現れる。
 
:初登場作品。原作通りの扱いで敵として何度も現れる。
 
:[[隠し要素/第2次α|隠し要素]]のフラグを立てる事で最終話で[[スポット参戦]]……なぜか[[グランチャー]]で。
 
:[[隠し要素/第2次α|隠し要素]]のフラグを立てる事で最終話で[[スポット参戦]]……なぜか[[グランチャー]]で。
  
 
=== 携帯機シリーズ ===
 
=== 携帯機シリーズ ===
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;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦J}}
 
:無条件で[[バロンズゥ]]に乗って仲間に。[[伊佐未勇|勇]]あるいは[[クインシィ・イッサー|クインシィ]]と[[合体攻撃]]チャクラ・エクステンションが撃てる。ストーリー上は基本的に原作通りだが、終盤で'''ミケーネ七大将軍のうち4人を倒す'''という大活躍を見せる。
 
:無条件で[[バロンズゥ]]に乗って仲間に。[[伊佐未勇|勇]]あるいは[[クインシィ・イッサー|クインシィ]]と[[合体攻撃]]チャクラ・エクステンションが撃てる。ストーリー上は基本的に原作通りだが、終盤で'''ミケーネ七大将軍のうち4人を倒す'''という大活躍を見せる。
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=== 関連作品 ===
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;[[Another Century's Episode]]
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== パイロットステータス ==
 
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:'''[[集中]]、[[ひらめき]]、[[闘志]]、[[熱血]]、[[気合]]、[[かく乱]]'''
 
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;[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]
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;命中率+20%、回避率+20%
:'''命中率+20%、回避率+20%'''
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:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』で採用。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
 
;[[アノーア・マコーミック]]
 
;[[アノーア・マコーミック]]
:母親。
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:母親だが、幼少期にはないがしろにされていた。その事をジョナサンに指摘され精神を病み、行方不明となる。
;[[バロン・マクシミリアン]]
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:その後は仮面を被り「バロン・マクシミリアン」として正体を隠し、ジョナサンに協力する。
:師匠で尊敬する人物。しかし、その正体は……
 
 
;[[クインシィ・イッサー]]
 
;[[クインシィ・イッサー]]
 
:女王と崇めつつ、実権を握ろうと画策。
 
:女王と崇めつつ、実権を握ろうと画策。
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== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
;「死ねよやぁー!」
+
;「死ィねよやぁー!」
:ジョナサンを形容すると言ってもいい台詞。ある人物もこの台詞を発する。
+
:ジョナサンの特徴的な台詞の1つ。「死ねよー!」でも「死ねやー!」でもなく「死ねよやー!」である。
;「8歳と9歳と10歳と、12歳と13歳との時も、僕はずっと、待ってた!」<br />「クリスマスプレゼントだろ!!カードもだ!ママンのクリスマス休暇だって待ってた!あんたはクリスマスプレゼントの代わりに、そのピストルの弾を息子にくれるのか!?」
+
:奇しくもある人物もこの台詞を発し、結局は似た者同士であることを匂わせていた。
:母親に銃を向けられた時、思わずコンプレックスを爆発させてしまった時のもの。詳しくは語られなかった彼の生い立ちの一端が垣間見える。「11歳」のみが抜けている理由については視聴者の間でも様々な推察が交わされている。
+
;「な、なんだと…?ブレンパワードのやつがソードエクステンションを使えるというのか…!?」
:視聴者の間ではジョナサンのネタ性を象徴する名台詞として愛され、『第2次α』では何と[[DVE]]で再現されている。
+
;「勇、貴様は私の手を切った…!勇がぁ…!!」
 +
:富野作品にありがちな妙に説明的なリアクション。余程衝撃的だったのか涙ぐみながらこの台詞を発している。
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:なお「手を切った」というのは「ジョナサンのグランチャーの左手を斬った」のと、慣用句としての「手を切った」の2つを表しており、一種の言葉遊びになっている。
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;「ぬぅ…っ!な、なんだ、この、げっっそりする感覚は!?」
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:ブレンの一撃を受け止めた際のセリフ。この時の特徴的なイントネーションは「っ」を重ねて表現されることが多い。
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;「たった今、ノヴィス・ノアの究極の指揮権を持った者だ!」
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:銃と爆弾を持ち込みノヴィス・ノアのブリッジに侵入。「何です?」と尋ねる副長に対して名乗る。'''究極の指揮権'''という表現が印象的だが、これは直前のミスター・モハマドの発言を踏まえたものであり、ジョナサンなりの皮肉である。
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;「まだこんなもの持っていたのかぁ!」「あんたみたいな女が、これを持つ資格は無い!!」
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;アノーア「母親が、子供のカードを持っていて…」
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;「あんたはこれを持つ資格は無い!!」
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;アノーア「お前が10の時にプレゼントしてくれたのに…」
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;「よく覚えているから怒ってんだ、あの時だってママンは、家にいてくれなかった!あんたにはカードを持って見せるような見せかけの愛しかない!」
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;「こんなことやられたって、子供には分からない!伝わらないんだ!!」
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:武装して乗り込んだノヴィス・ノアにて母親との再会を果たしたジョナサンは、かつて自分が贈ったクリスマスカードを見るなり激昂。それを握り潰しながら彼女に向かって激しい怒りをぶつける。幼い頃のジョナサンが母に向けて伝えた気持ちは、自分に返ってはこなかったのである。
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:しかし、母親が自分を想ってくれていたこともまた事実であり、ジョナサンの心には密かな歓喜があったこともまた確かだった。
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;「勝手に想っているだけの想いなど、子供に伝わる訳がないだろぉ!」
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:アノーア艦長は日頃からジョナサンのことを愛していたと、ゲイブリッジから伝えられた時の返答。母がジョナサンへの直接的な愛情表現を怠ったばかりに哀しいすれ違いを招いてしまったことを改めて糾弾している。
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;「走るんじゃない!…おしっこならその辺でしちまえよ。チンチン出してやるから、壁際でな」
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:ノヴィス・ノア掌握のために計器を弄っている間に(救出作戦のために)トイレに行きたいと申し出たクマゾーへの対応。意外と優しい。本人も親からの愛情に飢えていた過去があり、オルファンではアニキ分的な立場であったためだろうか。もっともその直後に…
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;「き、き、貴様ぁ!ふざけんな!」
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:「お兄ちゃん、お母ちゃんのおっぱい欲しいんだも」「ママのおっぱいが欲しいんで、ここ会いに来たんだも?」と発言したクマゾーに激昂して平手打ちで頬を張り飛ばす。大人気ないシーンだが、クマゾーの煽りがあまりにも的確すぎたとしか言いようがない。
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;「8歳と9歳と10歳と、12歳と13歳との時も、僕はずっと、待ってた!」<br />アノーア「な、何を…?」
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;「クリスマスプレゼントだろ!!カードもだ!ママンのクリスマス休暇だって待ってた!あんたはクリスマスプレゼントの代わりに、そのピストルの弾を息子にくれるのか!?」
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:母親に銃を向けられた時、遂にコンプレックスを爆発させてしまった時のもの。詳しくは語られなかった彼の生い立ちの一端、母親から満足な愛情を受けられなかった孤独な少年時代が垣間見える。「'''11歳'''」のみが抜けている理由については視聴者の間でも様々な推察が交わされている。
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:親子の関係性を崩さず、どこか上から目線でありジョナサンに対して命令口調であったアノーア艦長だったが、明らかに動揺し呆然となってしまった。親子が共に過ごす時間を用意できなかったことを、忘れていたことすら忘れていたのである。
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:余談ながら、日本人の感覚からすると「たかがクリスマスプレゼントをもらえなかっただけで…」と思われがちではあるが、欧米では「親が[[クリスマス]]を子供と一緒に過ごさない」事は'''育児放棄とみなされかねない虐待に等しい行為'''とされている。英語吹替版では声優陣が絶句したという噂も存在している。
 +
:視聴者の間でもジョナサンを象徴する名台詞として愛されており、『第2次α』では[[DVE]]で再現されている。
 
;「君は立派だったよ。尊敬に値する坊やだ。フフフ…」
 
;「君は立派だったよ。尊敬に値する坊やだ。フフフ…」
:[[クマゾー]]に対しての台詞。
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:[[クマゾー]]に対しての台詞。自分よりはるかに年下の幼いクマゾーであったが、武器を持った自分に対して堂々と物を言い、あまつさえ自分のコンプレックスを見抜いて見せた。その場では激昂し頬を張り飛ばしたジョナサンではあったが、後からそんなクマゾーを称える度量も見せている。
 +
:なお、ノヴィス・ノアの大人たちはみなアノーア艦長を擁護する態度を取っていたため、ジョナサンがこうして人柄を認めた人物はクマゾーだけであった。
 
;「俺さぁ、クインシィ・イッサーと愛し合ったなぁ…。粉をかけたらすぐに寄ってきたんだ」<br />「ドクター翠・伊佐未もなんだ…。いやさぁ、ババァなんて馬鹿にしてたさ。…がね?いや味わい深かったって感動したぁ…」<br />「ハハハッ! 怒れよ!」<br/>「普通こういう話は面白がるんだぜ? 怒るっていうことの意味は解るよなぁ?  お前にはオルファンを沈めることはできない!」<br/>「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。情熱を秘めた肉体…」
 
;「俺さぁ、クインシィ・イッサーと愛し合ったなぁ…。粉をかけたらすぐに寄ってきたんだ」<br />「ドクター翠・伊佐未もなんだ…。いやさぁ、ババァなんて馬鹿にしてたさ。…がね?いや味わい深かったって感動したぁ…」<br />「ハハハッ! 怒れよ!」<br/>「普通こういう話は面白がるんだぜ? 怒るっていうことの意味は解るよなぁ?  お前にはオルファンを沈めることはできない!」<br/>「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。情熱を秘めた肉体…」
:衝撃の'''親子丼'''発言。しかし、小説版によるとクインシィのほうはブラフだったらしい。
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:衝撃の'''親子丼'''発言。本当に親子の情を断ち切れているならばなんとかスルーできただろうが、内心では未練があった勇は大きく動揺した。この直前に「勇は肉親の情があるからオルファンを沈めることはできない」という旨の論争を行っていたが、この怒りによって「両親などオルファンもろとも消えてなくなればいい」とする勇の発言はただの強がりであることが暴かれてしまった。
;「済まない、言い過ぎた」<br/>「しかしもう一つ現状報告をしておくと、女房の態度が変わってもそれに気付かないのがお前のお父ちゃんってことだ! お前はそういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」<br/>「可哀そうになぁ!生きてたって辛いだろう?楽にしてやるよ!心配するな、クインシィだってたっぷり可愛がってやる…。俺、包容力ってのあるつもりだからさ」
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:小説版によるとクインシィのほうはブラフだったようだが、それでもえげつない内容には変わりない。
:で、1度謝っておきながら、このいいようである。当初は動揺と怒りを抑えていた勇も最後にはジョナサンの所業を「'''犬畜生以下'''」「'''鬼'''」「'''外道の極み'''」として激昂していた。この何段にも構えられた周到かつ見事な煽り術は、視聴者の間でもネタとして親しまれた。
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;「済まない。言い過ぎたな」<br />「しかしもう一つ現状報告をしておくと、女房の態度が変わってもそれに気付かないのがお前のお父ちゃんってことだ! お前はそういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」<br />「可哀そうになぁ!生きてたって辛いだろう?楽にしてやるよ!心配するな、クインシィだってたっぷり可愛がってやる…。俺、包容力ってのあるつもりだからさ」
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:散々勇の姉と母親の悪口を言っておきながら、急に謝るジョナサン。実際に言い過ぎなのでもっともらしい謝罪ではある。
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:だが、1度謝っておきながら今度は父親に対しても侮辱を始める。'''頭に血が上った勇を一旦クールダウンさせるためにあえて謝って見せた'''ところにジョナサンの煽りの腕前が伺える。重ね重ね肉親を貶され、生々しい現実を突き付けられた勇の精神は完全にボロボロとなっていた。
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:当初は動揺を抑えていた勇も殴りかかるまでに怒り、最後にはジョナサンの所業を「'''犬畜生以下'''」「'''鬼'''」「'''外道の極み'''」として激昂していた。この何段にも構えられた周到かつ見事な煽り術は、視聴者の間でもネタとして親しまれた。
 
;「残念だったな勇。本物なんだよ! お前の頭がおかしくなったわけではないことは、この俺が保証してやる!」
 
;「残念だったな勇。本物なんだよ! お前の頭がおかしくなったわけではないことは、この俺が保証してやる!」
 
:バイタルネットで飛ばされた先で都合良く現れたのを幻覚と勘違いした勇に。
 
:バイタルネットで飛ばされた先で都合良く現れたのを幻覚と勘違いした勇に。
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;「親子の間に入るな!!」
 
;「親子の間に入るな!!」
 
:上記の台詞の直後、「お袋さんを許してやれ」と声をかけた勇に対して。ようやくジョナサンと母の間に、親子の時間が戻ってきた。
 
:上記の台詞の直後、「お袋さんを許してやれ」と声をかけた勇に対して。ようやくジョナサンと母の間に、親子の時間が戻ってきた。
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:彼がこう言うのももっともではあるが、以前の彼の所業を考えると'''お前が言うな'''とも言える。
  
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
;「はぁっはっはっは! やるぞぉ! クインシィ・イッサー!」
 
;「はぁっはっはっは! やるぞぉ! クインシィ・イッサー!」
 
:『J』でのチャクラ・エクステンション(クインシィ)使用時。やたらハイテンションである。
 
:『J』でのチャクラ・エクステンション(クインシィ)使用時。やたらハイテンションである。
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;「行けよや、バロンズゥ!オルファンが見ている、ここでお前の力を証明できるぞ!はああっ!」<br />「貴様等ごときに出来てたまるか!オルファンの何たるかも知らない輩が、ここで力を出せるはずがないんだよ!」<br />「俺が相手にしたいのはお前らじゃない!俺が戦いたいのは…」
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:『J』第48話「飛翔」にて。'''これらの台詞と共にミケーネ七大将軍のうち4人を撃破していく。'''しかも台詞の内容からして勇と戦う前のウォームアップ扱いである。
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:メタ的には七大将軍全員の戦闘アニメを用意するのが難しかったのだろうが、敵キャラクターが違う版権作品の幹部格をここまで蹂躙する大活躍を見せるのはスパロボにおいても極めて珍しい。
  
 
== 搭乗機体・関連機体 ==
 
== 搭乗機体・関連機体 ==
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*前述の行動など、『[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]』の作中でもその強烈な個性から印象に残りやすいキャラクター。また、彼を演じた青羽剛氏は富野監督が次に制作した『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』において[[グエン・サード・ラインフォード]]というこれまた強烈なキャラを演じている。
 
*前述の行動など、『[[ブレンパワード (TV)|ブレンパワード]]』の作中でもその強烈な個性から印象に残りやすいキャラクター。また、彼を演じた青羽剛氏は富野監督が次に制作した『[[∀ガンダム (TV)|∀ガンダム]]』において[[グエン・サード・ラインフォード]]というこれまた強烈なキャラを演じている。
 
*女性を頂点に置いて、自らは騎士として仕える理想を掲げており、同じ富野作品の[[パプテマス・シロッコ|シロッコの思想]]や[[フォンセ・カガチ|マリア主義]]に通じるところがある。また、独特の台詞回しをする事が多く、いわゆる富野節を堪能できるキャラクターでもある。
 
*女性を頂点に置いて、自らは騎士として仕える理想を掲げており、同じ富野作品の[[パプテマス・シロッコ|シロッコの思想]]や[[フォンセ・カガチ|マリア主義]]に通じるところがある。また、独特の台詞回しをする事が多く、いわゆる富野節を堪能できるキャラクターでもある。
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== 脚注 ==
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<references />
 
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[[category:登場人物さ行]]
 
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[[category:ブレンパワード]]
 
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2024年2月23日 (金) 17:51時点における最新版

ジョナサン・グレーン
外国語表記 Jonathan Grenn[1]
登場作品 ブレンパワード
声優 青羽剛
デザイン いのまたむつみ
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦α
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
本名 ジョナサン・マコーミック
種族 地球人
性別
年齢 24歳
所属 リクレイマー
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ジョナサン・グレーンは『ブレンパワード』の登場人物。

概要

オルファングランチャー乗り。

リクレイマーの攻撃部隊の実質的リーダーであり、部隊の先頭に立つと同時に、伊佐未ファミリーからリクレイマーの実権を奪う隙をうかがっている。また、リクレイマー時代の伊佐未勇にとってはアニキ分的な立場であり、勇にグランチャーの扱いを教えたのも彼である。

ノヴィス・ノアの初代艦長アノーア・マコーミックの実子(試験管ベイビー)だが、多感な幼少期にないがしろにされたという想いから、母親に対して愛憎入り混じった強烈なマザーコンプレックスを抱く。本名はジョナサン・マコーミックだがクインシィ・イッサーと同様に家族との決別のため捨てた。

前述の境遇のせいか性格もかなり不安定で、普段は計算高く立ち回りクールな振舞いが目立つが、戦闘に際しては激昂して周りが見えなくなり狂気を帯びる。からはクインシィ同様にグランチャーに取り憑かれているとみなされていた。人との会話中に「腕をカマキリのように折りたたみ、結んで開いてを繰り返す」癖(精神的に不安定な者にみられるチック(トゥレット障害)と類推)を持つ。それ以外にも上着の胸ポケットに親指を引っかけるように突っ込んでいたり、頭の上にヘルメットを載せる等、他にもいろいろ独特な仕草が見受けられる。

勇や母へのこだわりから数々の失態を演じたが、正体を知らずに師事したバロン・マクシミリアンの協力で愛機バロンズゥを手に入れてからは再び強力なライバルとして返り咲く。クインシィとの戦いで損傷し消耗していたユウ・ブレンを半壊させ、勇に死を覚悟させるまで追い詰める。それを庇ったネリー・キムと三度激闘を繰り広げ、最後は勝利したが、再リバイバルにより後半の主役機ネリー・ブレンが生まれるきっかけを生む。

ウィンストン・ゲイブリッジの陰謀でノヴィス・ノアに放たれた多数の核ミサイルが跳ね返されてオルファンを襲った際には、クインシィ、シラー・グラスと共に直前まで戦っていた勇たちと協力してこれを防いだ。

その後も勇と死闘を繰り広げるが、最終話で信頼するバロンに愛機を持ち出されてしまう。シラーと共に駆け付けた際には決着がついており、バロンの正体が母親と判明。母に愛憎入り混じった胸の内をぶつけて共に戦場から去り、最後はバロンズゥにエナジーを吸われたことで衰弱した母を胸に抱いてオルファンの飛翔を見届けた。

特筆すべき点として、その歪んだ精神性のためか、人を貶し侮辱し負の感情を煽り立てる話術に長けている。勇が肉親の情を捨て切れていないことを暴露するために、勇の姉であるクインシィ、更には勇の母である伊佐未翠の両方と肉体関係を結ぶ、所謂「親子どんぶり」をかましたと称した。このえげつない事実を巧みに演出することで勇の怒りを最大限に引き出し、その所業は「犬畜生以下」「鬼」「外道の極み」と勇からも罵られた。

小説版によるとクインシィの方ははったりで実際に関係を持っていたのは翠だけだったらしいが、勇の反応からしてどの道罵られていたと推測される。

登場作品と役柄

原作で一度とは言え勇たちと協力して核ミサイルを防いだエピソードから、スパロボでは自軍加入やスポット参戦の機会が用意されている。

αシリーズ

第2次スーパーロボット大戦α
初登場作品。原作通りの扱いで敵として何度も現れる。
隠し要素のフラグを立てる事で最終話でスポット参戦……なぜかグランチャーで。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
無条件でバロンズゥに乗って仲間に。あるいはクインシィ合体攻撃チャクラ・エクステンションが撃てる。ストーリー上は基本的に原作通りだが、終盤でミケーネ七大将軍のうち4人を倒すという大活躍を見せる。

関連作品

Another Century's Episode
Another Century's Episode Portable

パイロットステータス

能力値

ライバルだけあって能力は高い。『第2次α』では如何せん機体がついてきていないが、『J』では分身HP回復バリアを全て備えたバロンズゥがとんでもない脅威となる。

精神コマンド

第2次α
集中ひらめき根性かく乱直撃
J
集中ひらめき闘志熱血気合かく乱

特殊技能

第2次α
敵対時
抗体反応L9、戦意高揚気力+ (ダメージ)ガード援護攻撃L2、底力L9
味方時
抗体反応L9、戦意高揚気力+ (回避)援護攻撃L2、支援攻撃Eセーブ
J
敵対時
斬り払い撃ち落しカウンター抗体反応L9、底力L9、援護攻撃L4、指揮L3、コンボL4
味方時
斬り払い撃ち落しカウンター抗体反応L9、援護攻撃L2、援護防御L2、コンボL2

小隊長能力

命中率+20%、回避率+20%
第2次α』で採用。

人間関係

アノーア・マコーミック
母親だが、幼少期にはないがしろにされていた。その事をジョナサンに指摘され精神を病み、行方不明となる。
その後は仮面を被り「バロン・マクシミリアン」として正体を隠し、ジョナサンに協力する。
クインシィ・イッサー
女王と崇めつつ、実権を握ろうと画策。
伊佐未勇
ライバル。貶め追い詰めるためには手段を選ばない。
伊佐未翠
不倫相手。
クマゾー
ノヴィス・ノアへ潜入した際に出会った。意外にも彼に対しては優しく接している。自分に面と向かって意見した勇気に敬意を表し、(グランチャーで釣ってまで)スカウトするも失敗。潔く諦めている。

他作品との人間関係

浪花十三
第2次α』にてクマゾーを人質にとった際、彼の銃撃で持っていた拳銃を弾き飛ばされる事に。
北条真吾
『第2次α』では主人公のルート次第で彼もクマゾー救出に加わり、十三が拳銃を狙撃した直後、ジョナサンの体に巻きついている爆弾の信管コードを撃ち抜いて起爆不能にした。
超人将軍ユリシーザー大昆虫将軍スカラベス魔魚将軍アンゴラス猛獣将軍ライガーン
J』では彼らを葬り去った。
ゼンガー・ゾンボルト
『第2次α』にてクマゾーを人質にとった際、ゼンガーが主人公の場合は彼の奇襲で拳銃を手放す事に。
アラド・バランガ
『第2次α』にてクマゾーを人質にとった際、アラドが主人公の場合は彼の奇襲でクマゾーを奪還される。……が、アラドが逆に人質になってしまうので全く状況は改善しなかった。
紫雲統夜カルヴィナ・クーランジュ
『J』ではネリーを襲撃した際に対決する。バロンズゥで主人公機を飛行不能にし、追い詰めた。

名台詞

「死ィねよやぁー!」
ジョナサンの特徴的な台詞の1つ。「死ねよー!」でも「死ねやー!」でもなく「死ねよやー!」である。
奇しくもある人物もこの台詞を発し、結局は似た者同士であることを匂わせていた。
「な、なんだと…?ブレンパワードのやつがソードエクステンションを使えるというのか…!?」
「勇、貴様は私の手を切った…!勇がぁ…!!」
富野作品にありがちな妙に説明的なリアクション。余程衝撃的だったのか涙ぐみながらこの台詞を発している。
なお「手を切った」というのは「ジョナサンのグランチャーの左手を斬った」のと、慣用句としての「手を切った」の2つを表しており、一種の言葉遊びになっている。
「ぬぅ…っ!な、なんだ、この、げっっそりする感覚は!?」
ブレンの一撃を受け止めた際のセリフ。この時の特徴的なイントネーションは「っ」を重ねて表現されることが多い。
「たった今、ノヴィス・ノアの究極の指揮権を持った者だ!」
銃と爆弾を持ち込みノヴィス・ノアのブリッジに侵入。「何です?」と尋ねる副長に対して名乗る。究極の指揮権という表現が印象的だが、これは直前のミスター・モハマドの発言を踏まえたものであり、ジョナサンなりの皮肉である。
「まだこんなもの持っていたのかぁ!」「あんたみたいな女が、これを持つ資格は無い!!」
アノーア「母親が、子供のカードを持っていて…」
「あんたはこれを持つ資格は無い!!」
アノーア「お前が10の時にプレゼントしてくれたのに…」
「よく覚えているから怒ってんだ、あの時だってママンは、家にいてくれなかった!あんたにはカードを持って見せるような見せかけの愛しかない!」
「こんなことやられたって、子供には分からない!伝わらないんだ!!」
武装して乗り込んだノヴィス・ノアにて母親との再会を果たしたジョナサンは、かつて自分が贈ったクリスマスカードを見るなり激昂。それを握り潰しながら彼女に向かって激しい怒りをぶつける。幼い頃のジョナサンが母に向けて伝えた気持ちは、自分に返ってはこなかったのである。
しかし、母親が自分を想ってくれていたこともまた事実であり、ジョナサンの心には密かな歓喜があったこともまた確かだった。
「勝手に想っているだけの想いなど、子供に伝わる訳がないだろぉ!」
アノーア艦長は日頃からジョナサンのことを愛していたと、ゲイブリッジから伝えられた時の返答。母がジョナサンへの直接的な愛情表現を怠ったばかりに哀しいすれ違いを招いてしまったことを改めて糾弾している。
「走るんじゃない!…おしっこならその辺でしちまえよ。チンチン出してやるから、壁際でな」
ノヴィス・ノア掌握のために計器を弄っている間に(救出作戦のために)トイレに行きたいと申し出たクマゾーへの対応。意外と優しい。本人も親からの愛情に飢えていた過去があり、オルファンではアニキ分的な立場であったためだろうか。もっともその直後に…
「き、き、貴様ぁ!ふざけんな!」
「お兄ちゃん、お母ちゃんのおっぱい欲しいんだも」「ママのおっぱいが欲しいんで、ここ会いに来たんだも?」と発言したクマゾーに激昂して平手打ちで頬を張り飛ばす。大人気ないシーンだが、クマゾーの煽りがあまりにも的確すぎたとしか言いようがない。
「8歳と9歳と10歳と、12歳と13歳との時も、僕はずっと、待ってた!」
アノーア「な、何を…?」
「クリスマスプレゼントだろ!!カードもだ!ママンのクリスマス休暇だって待ってた!あんたはクリスマスプレゼントの代わりに、そのピストルの弾を息子にくれるのか!?」
母親に銃を向けられた時、遂にコンプレックスを爆発させてしまった時のもの。詳しくは語られなかった彼の生い立ちの一端、母親から満足な愛情を受けられなかった孤独な少年時代が垣間見える。「11歳」のみが抜けている理由については視聴者の間でも様々な推察が交わされている。
親子の関係性を崩さず、どこか上から目線でありジョナサンに対して命令口調であったアノーア艦長だったが、明らかに動揺し呆然となってしまった。親子が共に過ごす時間を用意できなかったことを、忘れていたことすら忘れていたのである。
余談ながら、日本人の感覚からすると「たかがクリスマスプレゼントをもらえなかっただけで…」と思われがちではあるが、欧米では「親がクリスマスを子供と一緒に過ごさない」事は育児放棄とみなされかねない虐待に等しい行為とされている。英語吹替版では声優陣が絶句したという噂も存在している。
視聴者の間でもジョナサンを象徴する名台詞として愛されており、『第2次α』ではDVEで再現されている。
「君は立派だったよ。尊敬に値する坊やだ。フフフ…」
クマゾーに対しての台詞。自分よりはるかに年下の幼いクマゾーであったが、武器を持った自分に対して堂々と物を言い、あまつさえ自分のコンプレックスを見抜いて見せた。その場では激昂し頬を張り飛ばしたジョナサンではあったが、後からそんなクマゾーを称える度量も見せている。
なお、ノヴィス・ノアの大人たちはみなアノーア艦長を擁護する態度を取っていたため、ジョナサンがこうして人柄を認めた人物はクマゾーだけであった。
「俺さぁ、クインシィ・イッサーと愛し合ったなぁ…。粉をかけたらすぐに寄ってきたんだ」
「ドクター翠・伊佐未もなんだ…。いやさぁ、ババァなんて馬鹿にしてたさ。…がね?いや味わい深かったって感動したぁ…」
「ハハハッ! 怒れよ!」
「普通こういう話は面白がるんだぜ? 怒るっていうことの意味は解るよなぁ?  お前にはオルファンを沈めることはできない!」
「ならお母ちゃんに聞いてみなよ。情熱を秘めた肉体…」
衝撃の親子丼発言。本当に親子の情を断ち切れているならばなんとかスルーできただろうが、内心では未練があった勇は大きく動揺した。この直前に「勇は肉親の情があるからオルファンを沈めることはできない」という旨の論争を行っていたが、この怒りによって「両親などオルファンもろとも消えてなくなればいい」とする勇の発言はただの強がりであることが暴かれてしまった。
小説版によるとクインシィのほうはブラフだったようだが、それでもえげつない内容には変わりない。
「済まない。言い過ぎたな」
「しかしもう一つ現状報告をしておくと、女房の態度が変わってもそれに気付かないのがお前のお父ちゃんってことだ! お前はそういう男と女の間に生まれた子供なんだ!」
「可哀そうになぁ!生きてたって辛いだろう?楽にしてやるよ!心配するな、クインシィだってたっぷり可愛がってやる…。俺、包容力ってのあるつもりだからさ」
散々勇の姉と母親の悪口を言っておきながら、急に謝るジョナサン。実際に言い過ぎなのでもっともらしい謝罪ではある。
だが、1度謝っておきながら今度は父親に対しても侮辱を始める。頭に血が上った勇を一旦クールダウンさせるためにあえて謝って見せたところにジョナサンの煽りの腕前が伺える。重ね重ね肉親を貶され、生々しい現実を突き付けられた勇の精神は完全にボロボロとなっていた。
当初は動揺を抑えていた勇も殴りかかるまでに怒り、最後にはジョナサンの所業を「犬畜生以下」「」「外道の極み」として激昂していた。この何段にも構えられた周到かつ見事な煽り術は、視聴者の間でもネタとして親しまれた。
「残念だったな勇。本物なんだよ! お前の頭がおかしくなったわけではないことは、この俺が保証してやる!」
バイタルネットで飛ばされた先で都合良く現れたのを幻覚と勘違いした勇に。
「…くくっ……はは……あははは! なんで、あんたがバロンなんだぁ!?」
「遅いんだよ! 俺をだまして裏切ったんだぞ!」
「起きろよ! あんたにはまだ言いたいことがいっぱいあるんだ!」
最終局面においてバロンの正体を知り、唖然としながらの台詞。そして、ようやく親子の想いが通じ合った感動の場面でもある。こちらも『第2次α』にて、DVEで再現されている。
「親子の間に入るな!!」
上記の台詞の直後、「お袋さんを許してやれ」と声をかけた勇に対して。ようやくジョナサンと母の間に、親子の時間が戻ってきた。
彼がこう言うのももっともではあるが、以前の彼の所業を考えるとお前が言うなとも言える。

スパロボシリーズの名台詞

「はぁっはっはっは! やるぞぉ! クインシィ・イッサー!」
『J』でのチャクラ・エクステンション(クインシィ)使用時。やたらハイテンションである。
「行けよや、バロンズゥ!オルファンが見ている、ここでお前の力を証明できるぞ!はああっ!」
「貴様等ごときに出来てたまるか!オルファンの何たるかも知らない輩が、ここで力を出せるはずがないんだよ!」
「俺が相手にしたいのはお前らじゃない!俺が戦いたいのは…」
『J』第48話「飛翔」にて。これらの台詞と共にミケーネ七大将軍のうち4人を撃破していく。しかも台詞の内容からして勇と戦う前のウォームアップ扱いである。
メタ的には七大将軍全員の戦闘アニメを用意するのが難しかったのだろうが、敵キャラクターが違う版権作品の幹部格をここまで蹂躙する大活躍を見せるのはスパロボにおいても極めて珍しい。

搭乗機体・関連機体

ジョナサン・グランチャー
バロンズゥ

余談

  • 前述の行動など、『ブレンパワード』の作中でもその強烈な個性から印象に残りやすいキャラクター。また、彼を演じた青羽剛氏は富野監督が次に制作した『∀ガンダム』においてグエン・サード・ラインフォードというこれまた強烈なキャラを演じている。
  • 女性を頂点に置いて、自らは騎士として仕える理想を掲げており、同じ富野作品のシロッコの思想マリア主義に通じるところがある。また、独特の台詞回しをする事が多く、いわゆる富野節を堪能できるキャラクターでもある。

脚注

  1. キャラクター、ブレンパワード アニメ公式サイト、2022年3月3日閲覧。