ジェームス・C・ダグラス
ジェームス・C・ダグラス(James C Douglas)
地球連合軍の軍人。
ケーン達の教官で、本来のドラグナー1型の正式パイロット候補。
パイロットの座をケーン達に取られてしまった為、主にケーン達の指導や作戦の立案という役割が多く、10話ではキャバリアーを利用した作戦を立案してマイヨとプラクティーズを退けさせる戦果を上げ、自身も戦闘ポッドで出撃してプラクティーズのゲルフ三機を足止めする等、軍人としては確かな実力を持っていた。
反面、上官の命令等の軍規を重視する融通の利かない軍人としての側面も強く、どちらかといえば感情的になりやすい性格もあってケーン達の独断行動にはしばしば頭を悩ませ、ストーリー後半はドラグナー遊撃隊の隊長となるが、ケーンのギガノスへの投降に対して強く批判する憎まれ役を担う等、特にそういったマイナス面が強く描かれるようになり、45話では念願のドラグーンに搭乗しながらもケーン相手とはいえドラグーンの両腕をあっさり切られて命乞いする等、情けない場面も目立った(ただし、マイヨの身を案ずるプラート博士の心情を察したり、アオイが救出された際には安堵した表情を見せていたりと決して冷徹な人物と言う訳では無い)。
終盤まで要所で見せ場のあった部下のベンとは全く対照的で、最終回でもベンとダイアンとの結婚式のシーンで一人しょぼくれた表情をする等、最後まで冴えなかった。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦MX
- 原作と同じで自軍の会議において出番が多い。重慶到着後は同基地に留まり、暫く出番が無いが後半で再度、マグネイト・テンとの合流を果たす。ケーンがギガノス帝国に投降した時は原作同様の態度であったが、カミーユの怒りを買うのが印象に残る。ただし、原作のように感情的ではなく、SRWではクワトロからカミーユも親を失っていると諭されて考えを改めるなど、キャラ付けが多少改善されている。ただし、原作の様にドラグーンには乗らず、後ろから命令するだけなので、プレイヤーの見方によっては「口うるさいだけの大人」と認識されてしまうことも…。
- EDでケーン達との別れ際に見せた寂しげな笑顔の顔グラは、何気にレアなのかも知れない。
人間関係
- ケーン・ワカバ
- 部下。本来自分が乗るはずだったドラグナーを彼に取られる事になり、教官として彼に対し色々な指導をするが、彼を含めた三人の行動に振り回される事も。終盤では彼がギガノスに投降した事を徹底的に批難した。
- ベン・ルーニー
- 部下。Dチームに振り回されるダグラスの理解者でもあるが、後半は感情的に怒鳴り散らすだけのダグラスの言動に呆れたり、ケーンの母親の救出に反対したダグラスを批難したりした。
- タップ・オセアノ
- 部下。ケーンを含め、彼にも振り回されている。
- ライト・ニューマン
- 部下。ケーン、タップと同じく彼にも振り回されており、29話でダグラスが無意味に怒鳴り散らしていた際にはキャンキャン吠えるだけのスピッツ大尉と陰口を叩いた。
- ダイアン・ランス
- 最終回の表情等から彼女に気があった可能性があるが、結局は部下であるベン軍曹が彼女の相手であった。
- ラング・プラート
- 後半では共に行動する事もあり、マイヨの行方不明の一件に悩む彼の感情を察したりとそれなりに良好な関係である。
- リンダ・プラート
- 部下。
- ローズ・パテントン
- 部下。ケーンの母親が救出された際は喜びのあまり抱き合うが、直後にこれまでの行動を彼女に突っ込まれる事に。
他作品との人間関係
- ブライト・ノア
- MXでは重慶到着まで彼の指揮下に入り、サポートを行う。
- カミーユ・ビダン
- MX終盤では彼がケーンへの同情を示す度に「軍属としての責務」を口にし、激しい口論となる。しかし、かつてカミーユの母親がティターンズの人質として殺害された事実をクワトロから聞かされてカミーユの怒りの理由を知る事になる。
- クワトロ・バジーナ
- MXでは再度勃発したカミーユとの論争の際に、クワトロからカミーユの境遇を聞かされた事で我を通すのを止める。
- ホシノ・ルリ
- MX序盤、「電子の聖獣」と「電子の妖精」を混同した銀河へ彼女についての説明を行うが、その事でDチームをはじめとする周囲から弄られまくる。わざわざ「美少女」と付けて解説しているところから、周囲が怪しむのも無理は無いが、本当にダグラスがルリに興味を抱いているか否か、真相は藪の中。
- デューク・フリード
- MX序盤で実情を知らないとは言え、ベガ星連合軍との和平を望んだり、D兵器の輸送任務を重視する余り、ギルギルガンへの対応を「無駄な時間」と無配慮な発言をした事で、彼を激怒させる。
- ヒューゴ・メディオ
- MXのEDで彼にパイロット候補生の教官として、軍に留まるよう頼んでいた事が明かされる。
関連機体
- 戦闘ポッド
- ドラグーン登場前の地球連合軍の宇宙における主力兵器。立ち位置は『機動戦士ガンダム』のボールに近く、当然ギガノスのMAに歯が立たないやられ役的扱いであるのだが、10話ではプラクティーズのゲルフ三機と渡り合っており、他に戦闘ポッドでギガノスのMAと渡り合えたのが4話のギニール少尉のみと考えるとダグラスの技量の高さが窺える。
- 戦闘ジェット機
- 15話で搭乗。戦友を撃墜された怒りからマイヨのファルゲンを攻撃したが、流石に命中する事は無かった。
- ドラグーン
- 45話にて初めて搭乗。しかし、敵側に回ったケーンのドラグナーを撃墜しようとするも、あっけなくドラグーンの両腕を切り落とされて命乞いをする羽目に。
名台詞
- 「いいか!もう一度だけ言っておく!貴様らがどう思おうと貴様らは軍人でここは戦場だ!その上、貴様らはこいつを地球へ持ち帰るという重大な任務を引き継いだんだ。自分と自分の死んだ仲間からな…」
「従って貴様らにはそう簡単に死んで貰っては困る!俺の言ってる事が分かるな?」 - 3話より。Dチームの三人を整列させて自分らの軍人として成すべき目的を彼らに語った台詞。この辺りではまだ厳しくも良き軍人としての雰囲気が出ていたのだが…
- 「本来なら…! 自分もパイロットの一人となるべきだったんだぞ! いいか!何故だったという過去形になったかわかるな!」
- 第4話でパイロットスーツの支給に喜ぶケーン達への台詞。ケーン達がチャラチャラしていたのは事実だが、ダグラスの方も私情丸出しで大人気ない。
- 「どうだ! 勝利我らにありだ! よくやった、戦闘空域を離脱するぞ!フルスロットル!」
- 10話で自らが発案したキャバリアーを利用しての連携作戦でマイヨとプラクティーズに勝利した際の台詞。この話でのダグラスの隊長としての指揮能力、旧式の戦闘ポッドでプラクティーズのゲルフを足止めした実力は流石に本来のドラグナーのパイロット候補である事を感じさせ、29話や46話の惨状とは対照的である。
- 「何を言うか。お前達は立派に役目を果たしてくれた。三機のドラグナーを無事地球へ運ぶ事が出来たのはお前達の健闘の賜物だと思っている」
- 13話でケーン達のドラグナーのパイロット登録が解かれる事が決まり、ケーン達がダグラスに別れを挨拶をして正規パイロットの座を奪ってしまった事を一応は詫びた際の返答。この答えにケーン達は本当かと疑っていたが、翌14話でパイロット登録解除が出来なくなった事を知ると機嫌を悪くしており、ケーン達の疑いの方が正しかった。
- 「わかるか!え!?貴族のおぼっちゃんよ!田舎の家ではな、お袋が俺の昇進を待っているんだ!だが!よくやった…よくやった…!ありがとう…」
- 13話の送別会で酔いに酔い、ライトに絡んだ際の台詞で、ライトも流石に苦慮する。一応、翌14話で大尉に昇進したので目的は達成されている。
- 「軍曹!元はと言えば貴様らが三人を甘やかすから、毎回毎回このような失態を演じるんだぞ、あいつらは!!」
「貴様らのお陰で、俺は大尉止まりなんだ!!」
「貴様らさえいなければ、少佐か、あるいは中佐、いや大佐まで昇進していたかも知れないんだぞ!!」 - 21話。ギガノス軍の極東基地から敵メタルアーマーを奪取するための作戦が行われた。陸空から強襲を行う非常に大規模な作戦だったが、ケーン達の勝手な行動のお陰で任務は失敗する。ケーン達の上司であるダグラスは、艦隊司令に冷たい視線を向けられ、嫌味を言われてしまった。この作戦ではダグラスはケーン達に身代わりにされ悲惨な目に遭っていたこともあり、この怒りはもっともである。
- 「そう、そうなんだよ。それだけが救いなんだ。もう小悪魔共に振り回されんで済む…私は…私は…ウウウッ…」
- 25話でベンがケーン達の除隊について話題を出した際の台詞。実際、21話ではケーン達に振り回されてさんざんな目に遭っており、中間管理職の悲哀が現れている。
- 「これが正規のパイロットというものだよ」
- 27話でケーン達Dチームとヤム少佐率いるドラグーン隊が訓練を行った際、カスタム化したD兵器に慣れないケーン達とは対照的に目標物をドラグーン一機で的確に撃破していくドラグーン隊の実力にベンが驚いた際の台詞。どこか皮肉めいた言い回しに聞こえる台詞で、まだ正規パイロットの座を奪われたことを根に持っているのが分かる。
- 「作戦とはそんなに簡単な物ではない! もしこの救出作戦に失敗した物ならば、隊長である私は完全なる降格物だ!」
- 29話でリンダ救出作戦が煮詰まる中、ドラグーン二機で救出作戦を行うしかないと言うベンの意見に徹底的に反対し、ライトから大尉は何か作戦はあるのかと問われた際の台詞。この保身も入ったあまりにも情けない対応にベン、タップ、ライトの三人が完全に呆れた表情になっているのが印象深く、タップとライトからはキャンキャン吠えるだけのスピッツ大尉と陰口を叩かれる羽目に。
- 「動くな! 軍では命令が全てなのだ!」
- ギガノスに投降したケーンと機動要塞を偵察しに来たマイヨが戦っている中、二人を巻き込む形で電磁波によりギガノスの機動要塞を攻撃する連合軍の決定に反発したタップを制しての台詞。確かに正論ではあるのだが、心証はかなり悪い。
- 「貴様らに任せればこうなると解っていた! 部下の不始末は上官の私がケリをつける!どけい!」
- タップとライトが司令官の許しを得て二人のみでギガノス側のケーンと対峙する中、ドラグーンで勝手に割って入ってきた際の台詞。
- 「も、もう解った、よせ! 来るな!」
「こ、殺そうというのか、私を!私は貴様の上官だぞ!?よせ!よせぇー!」 - 上の台詞の後、ケーンのD-1に自身が乗るドラグーンの両腕で斬られ、さらにD-1が向かってきた際の台詞。多くの激戦を乗り越えてきたケーンに圧倒されるのは仕方ないが、ケーンをさんざん反逆者呼ばわりしながらピンチの時は上官だと言う辺りヘタレ極まりない。
- 「か…仮にそうだとしても、大事の前の小事だ! 感傷は捨てろぉ!」
- ケーンの母親を救出し、ケーンとD-1を再び連合軍側に取り戻そうとする事を司令官に進言したベン軍曹に反発した際の台詞。ここまで来ると彼の言動もどこかコミカルに描かれている。
スパロボシリーズの名台詞
- 「いいか、この戦いは我々の部隊だけでやっている訳じゃない」
「各々が任務の優先順位を履き違えれば、全体の戦況に影響を及ぼす事になる」 - MXでギルギルガンへの対策を「無駄な時間」と一蹴した上で、立腹するデュークへ発した台詞。至極正論で、軍人としては当然の判断なのだろうが、「通常戦力が通じない相手によって上海が蹂躙されている」という報告を受けた上での発言としては、配慮を欠いている感が否めない。
- 「…俺も今までの戦いで、肉親同様だった仲間や部下達を何人も失ってきた」
「だが、そういう感情さえ押し流してしまうのが戦争なんだぞ」 - MX終盤でのカミーユからの批判に対する反論。デュークの時と同様「軍人としては」正論なのだろうが、この言葉は「助けられるかも知れない人を見殺しにするのか?」というカミーユの更なる怒りを招く結果に。
ただ、軍人としての正論を述べながらも感情的になっていた感のある原作と比べるとまだ冷静な面を保っている。