新世紀エヴァンゲリオン 劇場版
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 | |
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原作 |
ガイナックス 庵野秀明 |
総監督 | 庵野秀明 |
脚本 |
庵野秀明 薩川昭夫(DEATH、庵野と共同) |
キャラクターデザイン | 貞本義行 |
メカニックデザイン |
山下いくと 庵野秀明 |
制作 |
Production I.G ガイナックス |
発表期間 | 1997年 |
シリーズ | エヴァンゲリオンシリーズ |
前作 | 新世紀エヴァンゲリオン |
初登場SRW | スーパーロボット大戦α |
『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』はProduction I.Gおよびガイナックス制作の劇場アニメ作品。
概要
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』から派生した劇場用作品。スパロボにおいてエヴァ劇場版といった場合は以下の二作を指す(より厳密に言えば後者のみ)。なお後に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は一般的にも『新劇場版』『新訳』等の表現が用いられており、本項の劇場版とは区別されている。
TV版クライマックスである第弐拾伍話と最終話はそれまでの作劇から一転、突如シンジ達の精神世界の描写となり、ある種の「現実逃避」に等しい結末から、賛否を巻き起こした(その原因・解釈については諸説ある)。映画版は批判的意見も多かったこの二話に対して「もう一つの最終話」として製作されたものとなる。
作品名 | 上映日 |
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新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生 | 1997年3月15日 |
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に | 1997年7月19日 |
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に | 1998年3月7日 |
- シト新生
- TV版の再編集作品である『DEATH』編と、第25・26話のリメイクとなる『REBIRTH』編から構成される。当初は本作1本でストーリーが完結し、さらにテレビシリーズとは別の完全新作(マクロスの劇場版のようにテレビシリーズとは切り離した新たな物語)を製作する予定だったが、制作が間に合わなかったため、『REBIRTH』編は制作途中のまま公開され、完全新作部分はお蔵入りとなり後に完全版が制作されることになる。
- 『DEATH』編はWOWOWでのオンエア時には一部修正された『DEATH (TRUE)』となった。
- Air/まごころを、君に
- 未完成だった『REBIRTH』編を完成させたもの。既に公開されていた『REBIRTH』編と重複する部分に関しても手が加えられている。第25話「Air」と第26話「まごころを、君に」の2編から成る。
- REVIVAL OF EVANGELION
DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に
- 『DEATH』編の改善版「DEATH (TRUE)2」と、『Air/まごころを、君に』の同時上映。映画としては当初予定されていた形となるが、上映時間は160分に及び、「DEATH (TRUE)2」終了時に休憩が入る。
- 公開時の正確なタイトルは『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 REVIVAL OF EVANGELION DEATH (TRUE)2 / Air / まごころを、君に』[1]。
第25話・第26話の基本プロットはTV版と同じものから起こされ、ほぼ同じものを示した内容を描き方を大きく変えたものとなっている。しかし、登場キャラクターの殆どが死亡する等の壮絶極まる展開で、殆ど救われない結末ながらも、現在でもなお多くのエヴァファンから高評価されている作品であるのも確かで、ファンの多くからは「劇場版の本作こそがエヴァンゲリオンの真の完結編に相応しい」と支持されている[2]。
『Air/まごころを、君に』は、興行成績24.7億円(当時は「配給収入」表記で14.5億円)で、SRWに参戦しているロボットアニメ劇場用作品において長らく史上最高記録をマークしていたが、『スーパーロボット大戦L』において同じく庵野監督自らが手掛けた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の参戦に伴い、取って代わられる事となった。
内容があまりにも生々しく過激である為に(冒頭の病室でのシンジの行為、戦略自衛隊によるNERV職員の虐殺etc.)、地上波では放送されず、WOWOWの衛星放送ぐらいでしかTV放映されていなかった。テレビ東京ローカルで深夜に放送された際には、殆どの過激描写がカットないし黒塗りの編集が成されていた。また、2014年に日本テレビにおいて深夜帯で放送された際[3]も同様で、その編集に対して「深夜放送にした意味が無い」等の不満がネット上で飛び出していた。2017年にNHKBSプレミアムで放送された際はノーカットで修正もぼかしで3カ所のみと極僅かに編集された程度で放送された。過激な描写がある一方で本作品にはレーティングは設定されておらず、現在の映画作品に規定されるレーティングでいうならば、R-15+未相当と推測される。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
その他は基本的に『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物と同様。当然ながら、『新世紀エヴァンゲリオン』第24話までに死亡した人物は登場しない。
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
楽曲
- 主題歌
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- 「魂のルフラン」
- 作詞:及川眠子、作曲・編曲:大森俊之、歌:高橋洋子
- 『DEATH & REBIRTH シト新生』の主題歌。
- 『α』『MX』で採用。
- サビをほぼアカペラで丸ごと歌い上げるイントロが特徴的だが、どちらもノーカットで採用されている。さらに『MX』では戦闘BGM用にイントロが短く編曲されたバージョンも併せて収録されているが、サウンドテストで聞けるのはフルバージョンのみとなっている。
- 挿入歌
登場作と扱われ方
スパロボにおいて量産機はαシリーズでは兜甲児に、『MX』ではケーン・ワカバに、「ウナギ」と言われている。いずれの作品でも最終的には補完計画を「逃避」としてメンバーに阻止すべき物として扱うため、原作が再現されるシナリオでは量産機の扱いはともかくスパロボ登場作品の中でも屈指の熱い展開となる。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 初参戦作品。『THE END OF EVANGELION』表記。
- 作品終盤で丸2話(第63話「終わりの始まり」・第64話「Air」)を割いて『Air』の展開が再現される。特に本作ではEVAが物語の中核に据えられていたこともあり、真ゲッターやライディーン、マジンカイザーが駆けつけるなどを交えての豪華な演出がなされる。なお、これ以降量産機はスパロボに登場する度にろくな目にあっていない。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 『まごころを、君に』をほぼ完全な形で再現。初号機が生命の樹に還元され、A.T.フィールドが消滅する直前の段階にまで至った。今回の量産機はかなりいい扱い。
- なお、補完シーンに使われた楽曲「Komm susser Tod」[4]が初めてスパロボで採用された。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander
- EVA量産機が敵として登場。ソーディアンが巡った並行世界の中に、量産機が既に配備されていた世界が存在した模様。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 『α』でも再現が見られた『Air』の他、本作で中核を占める『ラーゼフォン』のクライマックスシーンと絡んで『まごころを、君に』のエピソードも再現。巨大綾波が初登場し、弐神譲二には2体の真聖ラーゼフォンと共に「羽の生えた神様が3人」と称された。今回はロム・ストールの口上が入る、ドラグナー強制出撃とまた豪華な演出がなされた。やはり量産機はろくな目にあってない。
余談
- 劇場版第一部のサブタイトルの一部「シト」は、「死と」および「使徒」のダブルミーニングになっている。
- この旧劇場版では、シンジがある「最低」な行為によって自己嫌悪に陥るシーンがあるのだが(おおよそ直接の描写ではない)、シンジ役である緒方恵美氏はこのシーンを演じるにあたって、男性であるシンジの心情が女性の視点からはイマイチわかりづらく演技が難しかったため、シンジの父・ゲンドウ役の立木文彦氏からアドバイスを受けて臨んだという逸話が有る。この話はのちに緒方氏本人が否定している。
- なお、このシーンはスパロボでは再現されていない(むしろできない)。また、漫画版には存在しない。
- TV版のビデオソフトにはTV版の第弐拾伍話・最終話と劇場版第25話・第26話(本作)を併録しているものがあるが、そのバージョンではラストの「終劇」が「完」になっている等、劇場公開されたものとの差異がある。
- 『DEATH & REBIRTH シト新生』公開時、一部の劇場で上映前に『スーパーロボット大戦F』のCMスポットが流されている。
- NINTENDO64用ソフト『新世紀エヴァンゲリオン』では、難易度を難しくした際にこの劇場版を再現したシナリオが最終シナリオとして出現するが、量産機再起動から劇場版と異なる展開で9体のEVAシリーズをロンギヌスの槍を持った初号機が殲滅していくものとなっている。スタッフロール後のラストも劇場版とシチュエーションは同じだが、シンジとアスカの行動の描写が異なる。いわゆる「気持ち悪い」ではなくラストカットは二人の手がアップになり手を取り合うカットで幕をおろす。
- 小説作品『エヴァンゲリオン ANIMA』には本作の場面が登場するが、ヨリシロにされたのは初号機ではなく弐号機になっており、祭儀に割って入ったEVA初号機 (F型装備)に量産型が軒並み撃退されることで人類補完計画が防がれた形になっている。
- お蔵入りとなったシト新生の完全新作部分はプロットのみ完成していた。それは「人類がほとんど死滅し、人間を捕食する使徒が闊歩する世界」「人類はA.Tフィールドに守られた一部地域にこもり、外の世界とは橋一本で繋がっている」「エヴァに搭乗する際にはエヴァの体内に直接埋め込まれ、降りるためには摘出の手術をする」「一定時間エヴァの体内にいると肉体がエヴァと同化してしまう」というもの。庵野秀明曰く、「今読み返すと『進撃の巨人』に似ている」という。特に人間を捕食する描写にはかなり力を入れる予定だったのだとか。
商品情報
脚注
- ↑ 日本映画製作者連盟データベースの作品情報より。
- ↑ 劇場版の上映当時、放送されたラジオ『オールナイトニッポン』特別版において「この結末に満足しているか?」というアンケート集計を行い、リスナーからは実に一万票以上ものアンケート投票が寄せられている。結果は98%以上が肯定という極めて高いものであった。
- ↑ 碇シンジ役を演じた緒方恵美氏は自身のTwitterアカウント上にて、旧劇場版が地上波で放送されるという話を聞いてかなり焦ったらしく、最初は新劇場版と同様に『金曜ロードSHOW!』の放送枠でやるのかと戦慄していたが、直後に内容が内容だけに深夜帯での放送だと知ってホッとした事を明かしている。
- ↑ 4.0 4.1 susserの「u」の部分は基本アルファベットの「u」ではなくてウムラウト記号が付いた「ü」だが、ここでは代用とした。
- ↑ ケイブンシャ『セガサターン必勝法スペシャル スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本』82頁。