ガウルン

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ガウルン(九龍 / Gaurun)

9つの国籍を持つとされるテロリスト。中国語で九龍と書くが、祖国は日本。これまでに30人以上の要人を暗殺し、航空機の爆破も最低2回は行っているが、西側の対テロ組織にはほとんど知られていない。ASの操縦技能にも優れ、複数存在するコダールの搭乗兵の中で、最もその性能を引き出していた人物でもある。カリーニン曰く「知能の高い野獣」。実は膵臓癌を患っている身であり、その事もあってか生に対する執着が希薄である。そのため、死ぬ事をほとんど恐れていない。病を患う前は逆に「自分の命は地球より重い」と嘯いていた事も。

色々とアクが強く、その強烈なキャラクター故に、一部ファンの間でも人気が高いキャラクターである。作者自身もお気に入りのキャラと称し、退場させた事を後々後悔したそうである。

登場作品と役柄

スパロボでもかなりの強敵として扱われ、その強さは多くの版権キャラの中でも屈指のもの。更にテロリストの狡猾さを表現する為か、分岐やイベントで自軍戦力が分散・孤立している時に登場することが多く、一層厄介さを際立たせている。また、彼が登場するステージは宗介(アーバレスト)の撃墜が敗北条件になっている場合が殆どな上、基本的に宗介ばかりを執拗に攻撃するためアーバレストを早期改造しておかないと初見のプレイヤーは苦労するであろう。

スーパーロボット大戦J
初登場作品。全体的にステータスが高く、特に防御値は全パイロット中でもトップクラス。搭乗機ヴェノムの性能も高く、ラムダ・ドライバECSなど特殊能力に恵まれており、かなりの強敵。本作ではプラン1056 コダールに乗った彼とは、イベントやツメスパロボでのみ戦闘する。
スーパーロボット大戦W
1部序盤から登場。今回は分岐次第でプラン1056 コダールと通常戦闘可能。ヴェノムはプラン1058 コダールiに名称変更された。今回もパイロット・乗機とも優れたパラメータを誇り、更に多くのシナリオで精神コマンドを無制限に毎ターン使うJに続いて強敵である。2部では高確率である版権キャラをボコボコにする。原作とは異なり、最期はボロボロの身体を引き摺って宗介との一騎打ちに臨み、彼の手にかかって最期を遂げる。比較的難易度が易しいWにおいては危険な存在。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

スパロボでは事実上「フルメタ」最強の敵だけあり、全ての能力が嫌になるほど高い。特に防御・射撃に優れ、ヴェノムの性能を無駄なく発揮して来る。なお、W後半に出てくるゲイツより強い。

特殊技能

切り払い 底力L9 カウンター 援護攻撃L4 ヒット&アウェイ 指揮官L4 気力限界突破 コンボL4
精神コマンドとのコンボでガンガン寄って来る。おまけに限界突破持ちのため、ラムダ・ドライバの力を十二分に発揮して来るのが痛い。

人間関係

レナード・テスタロッサ
幹部。本人曰く「いけ好かないガキだが、面白い」との事。
ゲイツ
幹部。本人曰く「イカレ野郎」との事。
ザイード
部下。アニメ版オリジナルエピソード『故郷に舞う風』に登場。
夏玉芳夏玉蘭
養女。
相良宗介
昔からの因縁の相手。彼を「カシム」と呼び、執着し、彼とは幾度となく激しい死闘を繰り広げる。なんだかんだ言って彼のことを気に入っている様子。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ジェラード・ガルシア
Wでは序盤に彼に雇われる。
リリーナ・ドーリアン
Wではかなめ共々彼女も拉致しようとする。だが、それを例の男が許す訳も無く…。
張五飛
Wではハイジャック戦で共闘。
トロワ・バートン
Wではハイジャック戦で共闘。後にダナンで彼を銃撃し重症を負わせる。ガウルン自身は仕留めたと思っており、一緒に撃たれたゲイルは死亡したというのに、彼は命に別状はなかった。ストーリーの都合とはいえトロワ恐るべしである。
ヒイロ・ユイ
Wではハイジャック戦で対決。お互いの素性を知っていた。彼を「プリベンターの告死天使」と称する。
カガリ・ユラ・アスハ
Wにてスカイグラスパーで自身に挑む彼女を「自殺願望の塊」と称して嘲笑した。確かにスカイグラスパーラムダ・ドライバを発動させたプラン1058 コダールiに挑むなど、無謀極まりない。

リアル系

タカスギ・サブロウタ
Wではガウルンの移送の際「知能を持った野獣」として扱うように言われていたが、その凄まじい暴れっぷりに、「野獣と言うより悪魔」と評した。

スーパー系

Dr.ヘル
Jでは彼に招聘され、手を組む。
あしゅら男爵
Jでは何度も共闘。異形な彼のことを化け物と陰口を叩いている場面も。
塞臥
Jで共闘する。
兜甲児 (OVA)弓さやか
Jにてかなめ共々彼らを拉致する。その縁もあり、ちょっとした因縁ができる。
獅子王凱
Wでは彼の事を皮肉交じりに「キング」と呼ぶ。彼からはラムダ・ドライバの力を「Gストーン」と同等とされ、危険視される。
天海護
Wでは彼を「緑色の子供」と呼ぶ。同ステージで登場するの中の人とは特に関係ない。
ユミ・フランソワナターシャ・パブロチワダービット・クリューゲル
Wでは戦いにまだ馴染みきっていない彼らにその圧倒的な強さを見せつけ、一気に彼らを不安な心境に落としこんだ。
モロトフ
Wの第2部で大抵ガウルンに突っ込んではボコボコにされてしまう哀れな人。ガウルンにとって彼は「カシムとのデートを邪魔する無粋な奴」である。

バンプレストオリジナル

カズマ・アーディガン
彼に「まさに外道!」と言われる。でも、そう言われて嬉しそうだった。

名台詞

「愛してるぜぇ~、カぁシムぅ~」
ガウルンを象徴する台詞といえばやっぱりこれである。
「やれやれ。あんた五月蝿いな……」
かなめを拉致するのを神楽坂恵里先生が咎めた際に彼女を射殺しようとした寸前の台詞。この後に宗介が彼の気を引いて阻止する。
「う~ん、どっちかって言うと、コイツの嫌がる顔が見たいだけだった。何だかんだで付き合い長いしねぇ」
TSRのおまけドラマCDでの迷言。突如として陣代高校に現国教師として襲来し、無茶苦茶な問題を宗介に出題しまくった際、かなめに「ガウルンさんってホモなんですか?」と問われて、ぶっちゃけた台詞。果たして本音なのかどうなのか…。このドラマCDでの宗介とのやり取りはとにかく爆笑もので、色々と必聴である。
「そうだ、俺が殺した!! さぁ憎め!!」
漫画版最期の台詞。かなめの死を示唆して宗介を挑発、直後に銃殺された。もっともガウルンはこの時点で既に自分だけ死ぬことを見越しており、自爆装置を仕掛けてはいたが宗介が脱出することも想定していた。宗介の読みでは「俺は死ぬが、お前は生きて苦しめ」らしい。
「いいか?弱者は強者に寄生するんだ。優しい仲間だの信頼だのをチラつかせて強者の力を骨の髄まで吸い取るのさ」
彼の弱者観
「女だよカシム。まだ知らせが来てないかな?俺は一部始終を聴いたぜ。あの可愛い制服姿がグッチャグチャだとさ。気丈なことに命乞いはしなかったそうだ。最期の言葉は「ゴメン…」だと。これは誰に言ったのかな?泣けるね~。」
早晩死ぬ自分の道連れに宗介を堕落させた最大の癌の殺害を命じたと語り始める。だが嘘だと信じない宗介に
「ほぉんとうさ。その写真をここで見せて絶望するお前の顔を見たかったが、まっそれは我慢するとしよう。だってなぁカシムってば結構、ダメージ見え見ぇ?」
と続け
「東京の女~もう間に合わない♪。あ~かわいそカナメちゃん。イイ娘だったのに~♪」
と節をつけて歌い上げ宗介の殺意を煽る。

スパロボシリーズの名台詞

「よ~、カシム!」「踊れよ! カシム!」
対宗介。
「クククッ、やれるのか? やってみろよ、カブト・コウジくーん。ハハハハッ!」
Jの地獄城での戦いで甲児に対して。最強の魔神・カイザーを前にしても、ガウルンの自信にはいささかの揺らぎもない。
「はぁ? バカかお前。俺がやりたいからに決まってんだろうが。ハハハッ! あいにくと俺もあんまり時間が残っちゃいないんでねぇ。さぁ楽しもうぜぇ、カシムのお友達くんよぉっ!」
統夜に「あんたはいったいなんなんだよ! オルファンが浮上した。異星人たちも攻めてきてる。なんでこんな状況で、あんたはこんなことをやってる!」と言われた際に返した台詞。後先短いガウルンにとって未来は必要なものではなく、大事な事は目の前の戦い、そして宗介との戦いだけだった。
「結構な褒め言葉をありがとうよ」
Wの第2部にてザイードが宗介の昔の知り合いであることを知りながら彼をけしかけ、その事をカズマに「まさに外道!」と言われて。
「これはお笑いだ! このお嬢ちゃんはまるで自殺願望の塊だぜ!」
Wの第2部にて、無謀にもスカイグラスパーで意気揚々と自身に挑むカガリに対して。
「最初で最後の意気投合がまさかこんな事だとはな……来な、カシム!」
Wの第2部にて。月面ゲイツを倒した後、宗介がノイ・ヴェルターの面々を先に帰還させた後、彼の前に現れ、ボロボロの自身の身体を引き摺ってまで宗介にAS同士の一騎打ちを所望するガウルン。やはり最期は因縁の宿敵である彼の手にかかって死ぬ事を望んだのだろう…。
「楽しかったぜ、カシム…」
Wでの最期の台詞。人間味が出てきた宗介の姿を嘆き、嫌悪し、嘲笑しながら自爆して果てた原作とはかなり異なり、正統派の好敵手らしい、「敵ながら天晴れ」とも言うべき見事な散り様である。どこか彼らしかぬ安らかさを感じられる台詞である。この展開には、多くのファンも驚き、普段の意地悪さとは異なり、潔くどこか安らかさすらある彼のその最期の姿を、「綺麗なガウルン」と称するファンもいる。

余談

  • フルメタル・パニックシリーズ』も手掛けたアニメ制作会社によるアニメ作品『らき☆すた』のとあるエピソードに、彼と宗介のカップリングの(架空の)女性向け同人誌が登場し、それを読んだ登場人物の一人がおもいっきり赤面する場面がある。尚、その回の脚本を担当したのは他ならぬフルメタの原作者である賀東氏本人である。
  • フルメタの原作者である賀東氏はスパロボファンとしても知られるが、実際にJやWをプレイした際はガウルンのあまりの極悪な強さに「俺には接待してくれ」と嘆いたらしい。

資料リンク

リンク