リン・カイフン

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リン・カイフン
漢字表記 鈴 海皇
登場作品

マクロスシリーズ

声優 鈴置洋孝
デザイン 美樹本晴彦
初登場SRW スーパーロボット大戦α
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プロフィール
種族 地球人
性別
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リン・カイフンは『超時空要塞マクロス』及び『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の登場人物。

概要[編集 | ソースを編集]

リン・ミンメイの肉親にしてマネージャーであるが、TV版と劇場版では大きく設定や扱いが異なる。

TV版[編集 | ソースを編集]

TV版ではミンメイと従兄妹同士の関係。カンフーの達人。

中華料理店「娘々」を経営している夫妻の息子であるが、マクロスの存在する南アタリア島で商売を始めようとした事で口論の末に家出し、一人旅に出ていた。 その後は、ミンメイの両親の元で滞在していたが、帰郷してきたミンメイがマクロスでアイドル歌手活動をやっている事実を知り、彼女のお目付け役としてマクロスに乗り込む事になった。

徹底した反戦主義者(と言うよりも、むしろ「軍隊・軍人嫌い」と言った方が的確か)である為、一条輝をはじめとする軍関係者がミンメイと親しい間柄である事を不愉快に思っている。何かと彼ら軍属への批判を口にし、時には無責任極まりない独り善がりな行動をとる事もある。当然ながら、軍人達からもカイフンを嫌う者も少なくない。

後にミンメイと婚約するも、戦後の地方巡業を経て次第に関係が冷え切っていき、更には自分の境遇等を全て軍人の所為にして酒に逃避するようになった。 その身勝手さは、ミンメイの歌に対する情熱にも悪影響を及ぼしていってしまう事にもなり、ストレスの溜まっていた彼女はついに歌う事を拒否。最終的にミンメイの元を去り、消息を絶つ。

その後、メガロード-01にも乗船する事は無かったようである。

劇場版[編集 | ソースを編集]

劇場版ではミンメイの実兄であり恋愛関係は無く、カンフー等の身体能力に関する設定も排除されている。特徴的だったTV版のロングヘアーから短髪へと変更され、ビジネスマン然とした風貌を具えた事でTV版以上に「辣腕マネージャー」としての印象度が強くなった。また、TV版で見られた独善的な振る舞いは一切せず、むしろ勝手にミンメイを宇宙に連れ出した輝を批判する等、常識人として描かれている。

物語中盤でミンメイや輝らと共にゼントラーディ軍の捕虜となる。その際、ゼントラーディに命を奪われそうになったミンメイを救うために彼女とキスをするという、機転を利かせた行動を取っている。

その後[編集 | ソースを編集]

マクロス7』の時代にも芸能界に関わっており、FIRE BOMBERのコピーバンドのプロデュースを行っていた模様である。

総評[編集 | ソースを編集]

強大なゼントラーディ軍から純粋に市民を守るために戦っている主人公の一条輝ら地球統合軍の軍人達を「軍人だから」という理由だけで批判し、冷淡な態度で接してくるTV版のリン・カイフンは、視聴者からはあまり良い印象を持たれていないことが多い。

というのも、TV版のカイフンは戦争をしている地球統合軍およびその軍人に対して反感を抱いているのであるが、そもそも戦争を仕掛けてきたのは地球統合軍ではなくゼントラーディ軍である。それにも関わらず、TV版のカイフンは、自身の住む地球を侵略し、市民の生活を脅かすゼントラーディ軍を批判していない。戦争をする軍隊や軍人が嫌いなのであれば、地球統合軍はともかく侵略者のゼントラーディ軍に対してもそれと同様に嫌悪していないのは、やや不自然ではある。

また反戦主義者ならば、通常は「他国への侵略戦争を仕掛ける事や、その当事者」を批判するものであるが、TV版のカイフンの批判の矛先は侵略戦争を仕掛けて来たゼントラーディ軍ではなく、彼等から市民を守るために戦っている地球統合軍の軍人達であった。本来批判すべき侵略戦争を仕掛ける者を批判せず、彼等から市民を守るために戦っている主人公達を批判した点は主義云々以前に理解の欠如した行動と言わざるを得ないだろう。

さらにいえば、これらの一連の行動は市民を守る為に命懸けで戦う軍人達の心境や事情をまるで理解しない勝手な振る舞いであり、そうした行為が市民は軍への反抗を助長させていた。そしてこれが最悪の事態を発生させた事もあった[1]が、本人はその責任を全く感じていなかった。

以上のように視聴者からの大きな批判を受けてしまい、後年、制作者側は「TV版でカイフンを反戦主義者の設定にしたのは失敗だった」と述懐している。TV版の「反戦主義者」から、劇場版の「良識を持ったマネージャー」へとカイフンの設定が変更されたのは、この時の反省もあったからなのだろう。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

SRWでは劇場版の設定を採用しているが、TV版の設定も含まれている。

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦α
初登場作品。NPC。なお、民間人であるミンメイを危険な目に巻き込んだ自軍をカイフンが批判する一幕があるが、劇場版設定という事もありTV版のものと比較すると説得力がある内容のものになっている(後述)。
スーパーロボット大戦α外伝
『α』に続いて劇場版の設定で登場。ミンメイ達と共にティターンズの人質となり、その傲慢な態度に反発していた。『第3次α』には登場しないので、原作TV版同様メガロードには乗り込まなかったものと思われる。

Scramble Commanderシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd

人間関係[編集 | ソースを編集]

リン・ミンメイ
カイフンの従妹(TV版)または妹(劇場版)。TV版では横浜の地にて再会する。マネージャーになったカイフンと婚約するが、終戦後はミンメイから拒まれて、別れることになる。
なお、劇場版ではミンメイとは(兄妹という設定なので当たり前だが)恋愛関係にならず、あくまでも彼女のマネージャーとしての姿勢を貫いている。
一条輝
TV版では、輝が軍人であるという理由で嫌悪の対象である。一方、輝はカイフンのことを「軍人嫌いの男」と評している。
なお、劇場版では輝(および軍隊・軍人)を感情的に嫌悪する描写が全く無い。
早瀬未沙
TV版では軍属という事で、彼女からの気遣いも冷たく無碍にする。この時、カイフンが初恋の男性・ライバーと声が似ていた(声優も同じ)こともあって、未沙は衝撃を受ける。
なお、その後の描写によると、未沙は「カイフンはライバーと別人である」と割り切った模様。
ロイ・フォッカー
TV版では僅かしか会話を交わしていないが、その際にも軍属である彼に辛辣な言葉をぶつけている。
ちなみに、『α』では逆に、軍隊批判をしてきたカイフンに対して反論し、彼を沈黙させている。
ブルーノ・J・グローバル
TV版では、ゼントラーディ軍との和平交渉のためにミンメイと共に統合軍に呼び出された際彼を非難するが、グローバル艦長からは「ここは交渉の席であり、君の演説を聞くためにあるのではない」と、言葉を遮られてしまった。
エキセドル・フォルモ
TV版では映画『シャオパイロン』を鵜呑みにした彼らゼントラーディ人からは超能力者と勘違いされていた。

他作品との人間関係[編集 | ソースを編集]

ミュン・ファン・ローン
α』終盤では共に作詞選定作業に苦慮する。その際、何気なくミュンの歌手活動時代に関する話題を振っていた。
ジャマイカン・ダニンガン
α外伝』でティターンズの人質になった際、彼の傲慢な態度に不満を持った。

名台詞[編集 | ソースを編集]

TV版と劇場版では、輝ら軍人達に対して取る態度や言動が大きく異なっている。

TV版[編集 | ソースを編集]

「そうですか…軍人が民間人を助けるのは当然ですが。ま、感謝しておきましょう」
TV版第15話「チャイナ・タウン」でと初対面時に、ミンメイを助けたと聞いて。このように、相手が軍人だという理由だけで、冷淡な対応を取ることが多い。
「戦いは何も生み出しません。戦いが生み出すのは破壊だけです!」
TV版第16話「カンフー・ダンディ」で放ったカイフンの軍隊・軍人嫌いを象徴した台詞。
確かに正論ではあるものの、それ以前にカイフンは、侵略してくるゼントラーディ軍から市民を守るためにやむなく戦っている統合軍の軍人達の心情や事情を理解しようとしていないのが問題である。実際に、輝からは「俺だって、別に好きで軍隊やってるわけじゃない」と返されている。
なお、第19話「バースト・ポイント」での芸能インタビューにおいても、カイフンは上記の台詞と同様の発言をしているのだが、それをTVで視聴していたクローディア未沙からは顰蹙を買っている。
「歌が人を殺す兵器に負けてはならない! 続けよう諸君、このコンサートを!」
TV版第22話「ラブ・コンサート」より。ミンメイのコンサート中にゼントラーディがシティに侵入、戦火が広がり続ける中でミンメイのステージに立ってこう叫ぶ。TV版におけるリン・カイフン一世一代の見せ場であろう。
「何故こんな危険な方法で救出に来たんだ!? 他にやり方もあるだろうに!」
第32話「ブロークン・ハート」。カムジン一党に捕まり、自分たちを救出に来た未沙へ向けて。
「危険な方法」と言うが、敵が巨人であるゼントラーディである事やミンメイの歌が通じなかった事など、自分たちがどのような状況にあったかを理解していないとしか思えない。
「いつの日か、優しい歌をまた聴かせてくれ。身体だけは大切にな…」
第34話「プライベート・タイム」ラスト、ミンメイの元から去る際に。破局を迎えた二人だが、ミンメイの歌を楽しみにしていたのもカイフンだった。

劇場版[編集 | ソースを編集]

「一条君。今度の事がマスコミに発覚したら、ミンメイの歌手生命は終わりだ。軍のお偉方には手を打ったが、君に対しては容赦しないからな!」
劇場版にて。ミンメイを連れ出して訓練用バルキリーに乗せ、宇宙飛行する輝を咎めた。
なお、カイフンがミンメイのスキャンダル防止のために統合軍上層部と交渉した事実を考えると、TV版の彼とは異なり、軍隊・軍人嫌いの感情は全く無いようである。
「俺がキスする。降ろせ!」
「早く演技するんだ! 殺されるぞ」
劇場版にて。ゼントラーディ軍に囚われたミンメイの命を救うために、彼等が見守る前で彼女とキスをする。こうして、彼女の命を救うための機転を利かせた行動の結果、カイフン達はゼントラーディ軍の手に掛からずに済んだ。
このように、劇場版におけるカイフンの描写はTV版とは異なり、聡明さと良識性が前面に出ているのが特徴的である。

スパロボシリーズでの名台詞[編集 | ソースを編集]

「とんだ災難だ。民間人をこんな危険な目に遭わせるなんて…あなた達はそれでも軍人なのか!?」
「気休めはやめてくれ。君達もここへ来るまでに見ただろう、敵の大艦隊を!?」
「あんな連中に勝てるとでも思っているのか!?」
『α』第40話「ビッグ・エスケープ」にて、ブリタイ達に捕まった際に自軍へ向けての批判。上記TV版と比べて「大戦力を持つ敵との無謀に見える戦いに自分たちを巻きこんだ事」への非難となっている。
また、直後にフォッカーから「俺は何もせず奴らの手にかかって死にたくはないからな」と言われて口を噤むなど、軍人に対しての悪感情が無いのも印象的である。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 第31話で暴徒襲撃の危険性からマイクローン装置の接収を行おうとする輝への妨害をした結果、危惧通りカムジン率いる暴徒たちに装置を奪われてしまった。