ファントム

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ファントム(Phantom)

無限のフロンティアシリーズに登場する機体で、アーベントナハトと同じくダウンサイジングされたパーソナルトルーパーの一機。

第一作の開始時点で既にエンドレス・フロンティアの各所を跳梁跋扈しており、「ファントム」とはその神出鬼没ぶりから設定された一種の愛称である。

出現が集中した神楽天原では「黒き亡霊」の名で恐れられており、その戦闘力は裏玄武の部隊を壊滅させるほど。神夜がロストエレンシアにいたのは、城を抜け出してファントムを追っていたため。あまりの暴れぶりから危険視する声が高まり、ロストエレンシアでは賞金首となっていた。
その目的は「本来のメモリー」を取り戻すことだったのだが、それはオリジナル機由来のものであり、ファントムが生みだされたそもそもの目的はフォルミッドヘイムにある。10年戦争終結後、アインストの影響で暴走したナハト・アーベントが同国の制御を離れて消息を絶ったため、その討伐のために制作・出撃させられたのである。しかし、その途中でファントムは原因不明の機能不全を起こし、ブラックボックス内に存在したとあるプログラムによって世界中を彷徨っていた。
最終的にはマイティエーラで敗北した際、ハーケンの口走った「逃げるな!」という叫びに反応してカルディアの撤退命令を無視、そのまま限界を迎えて機能を停止。運び込まれたツァイトで鞠音による分解調整を受け、一行の支援メカとして同行することとなった。それに伴い賞金首としての手配は解除された模様。6人の中でも特にハーケンの言葉によく反応していたが、それにはある理由が……。
ちなみに加入時、ハーケンによって連携戦闘パターン「究極!ゲシュペンストキック」が考案されている。

ゲシュペンストシリーズとの関連

本機のフォルムはスパロボシリーズでもお馴染みとなった機体「ゲシュペンストシリーズ」そのものであり、ユーザーの間では公開された当初から強い関連性を有する機体と考えられていた。しかしその関連性についての明確なアナウンスは無く、一貫して「ファントム」の表記で紹介されていた。

「無限のフロンティア」本編でも、素性が明らかになっていない状態での敵対時には一貫して「ファントム」名義での登場となっていたが、中盤以降には本機がゲシュペンストのダウンサイジングモデルであることが正式に判明。更に作品終盤、マイティエーラの最深部に秘匿されていた情報により、本機の原型となった機体はW00ことハーケン・ブロウニングのために設計された専用機「ゲシュペンスト・ハーケン」である事が明らかとなった。

ゲシュペンストという名称が明らかになった後は、キャラクター達もゲシュペンストの元来の意味である「亡霊」等の愛称で呼ぶことが多くなっている。特にハーケンは本機を呼びだす際に「コール・ゲシュペンスト!」というギリアムばりの決め台詞を愛用し、また本機を呼び出して攻撃する特殊技の名称も「究極!ゲシュペンストキック」となっているなど、ゲシュペンストという名称の方を用いる場合が多い。後発の情報媒体である攻略本等でも、本機の名称として「ゲシュペンスト・ハーケン」の方を用いて紹介しているものもあった。

しかし続編の「無限のフロンティアEXCEED」においては、本機とゲシュペンストの関連をキャラクター達があまり意識しなくなってきているのか、専ら「ファントム」の名称が用いられることが多くなっている(そもそもはこちらの名前で呼ばれていたことも大きいと思われる)。支援機設定時の名称や敵としての登場時も「ファントム」表記が使用されているほか、ハーケンの使用技においてもファントムの名称が使われるようになった(新必殺技「ファントム・ホールデム」)。但しハーケン自身は引き続き「コール~」の掛け声を愛用するなど、ゲシュペンストとしての本機に強い愛着を抱いているようである。

ハーケンとの関連

前述の通り、本機の原型はハーケン専用に設計されたパーソナルトルーパー「ゲシュペンスト・ハーケン」であり、それゆえナハトやアーベント以上にハーケンとの結びつきが強い機体として描かれている。

ファントムは初代「無限のフロンティア」作中では人型機動兵器の中で最初に加入を果たした機体である他、次作「EXCEED」においてはピート・ペインの策謀により他の機動兵器が次々と彼の手に落ちる中、ファントムだけはハーケンの呼び掛けに応じて、ピートの命令を無視してハーケンの下へ駆けつけた。

ピートはファントムについても他機と同様指揮下に入れるべくプログラムの書き換えを試み、それ自体は成功したもののハーケンから制御を奪い取ることには失敗している。彼はその原因を「自身の命令より優先順位の高い任務(コード)の存在」ではないかと推測している(原型機が元々ハーケンの専用機であるが故に施されていた、彼優先のプログラムがファントムにも再現されていた事に関しては、一作目でも一部語られている)。ただ、或いはフェイクライド等と同様、開発者であるレモンの想いをベースとした自身の意思(所謂「マシン・ソウル」)を宿した機体となっている可能性も否定はできない。少なくとも主であるハーケンは、ファントムが自分の命令を最優先で行動する事を知った際に「イイ奴だな、ミスター」と嘯くなど、自我を持った存在であるように考え、EXCEEDの終盤では大切な自分のファミリーであると発言するなど、兵器の域を超えた存在として愛着を持っているようである。

オリジナル機は実存せず、ファントム自体もハーケンと接触する機会は皆無だったため、いつ彼の声を最優先として登録したのかは定かではない。強引に考えるならば、エルフェテイルで遭遇した際、オリジナル機に設定されていたPBS反応を手掛かりに登録したと思われる。

登場作品と役柄

無限のフロンティア スーパーロボット大戦OGサーガ
役回りは概ね上述の通り。
無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ
前作に引き続き登場。上記の通り、ナハトやアーベントがピートの手に落ちる中、ファントムだけはハーケンの呼びかけに応じてピートの制御を無視して馳せ参じる。そのあまりの忠犬っぷりからプレイヤーからは「忠犬ゲッシー」と評されたりもしている。
PROJECT X ZONE
ドロシーが付けたパーツのせいで暴走し、敵として戦うことに。暴走が止まった後はハーケン&神夜の複数技「月鱗(がちりん)ゴースト」にて召喚ユニット扱いで登場する。また他作品の機械に関わるキャラクター達に興味を抱かれる。

装備・機能

基本的には初代ゲシュペンストを踏襲したものとなっている。腹部のニュートロン・ブラスターの装備やゲシュペンストキックを身につけていることなどから、同シリーズの中でもStrengthタイプが原型になっているのではないかと推測されている。一方でファントム・ホールデムではプラズマ・ステークに類似した武器が装備されているのが確認でき、量産型ゲシュペンストMk-II、ひいてはその原型となったRapidityタイプの影響も見受けられる。また、ハッキングを仕掛ける電子戦装備も搭載しており、オリジナルモデルの高性能さがわかる。

武装・攻撃手段

グラン・プラズマカッター
左腕プラズマ・ステーク3本のうち外側のステークを引き抜いて使用するビーム剣。柄から真っ直ぐ細いビーム剣が伸びるオリジナルに対して、こちらは鍔が付いていて鍔から伸びる幅広なビーム剣。
プラズマサイズ
左腕プラズマ・ステーク3本のうち内側2本に搭載された武器。ビーム刃を横に出力、2本の小さなビーム鎌を投擲する。ところで、固定式なプラズマ・ステークと引き抜き式なプラズマカッター系武器は普通なら両立出来ないはずなのだが……シャドウミラーの技術力の高さが窺える。
グラン・スラッシュリッパー
背部ウェポンラックに装着された回転刃。オリジナルと異なり、スプリットミサイルのラックにある。
ニュートロン・ブラスター
胸部内蔵のビーム砲。タイプSの「ブラスターキャノン」でタイプRの「ニュートロンビーム」を撃つ。名前はEXCEEDで判明。
ジェット・マグナム
ファントム・ホールデムの開幕時に放つ一撃。左腕プラズマ・ステーク3本を帯電させて殴りつける。

関連技

究極!ゲシュペンストキック
ある種本機の代名詞とも言えるのがこれ。オリジナルと違い、蹴り飛ばした後にニュートロン・ブラスターで追撃する。またキックそのものはファントムのメイン攻撃らしく、登場する技ではやたらと使用している。
ファントム・ホールデム
ハーケンとの合体技。ジェット・マグナムで殴り込み、挟み撃ちにした後ハーケンがカード爆弾・ナイトファウルと共に打ち上げた敵をグラン・スラッシュリッパーで切り刻み、彼の命令に合わせて究極!ゲシュペンストキックで撃ち落とし、最後にハーケンがロングトゥーム・スペシャルのビームで集団ごと撃ち抜いてトドメ。
ニュートロン・ブラスター(必殺技)
敵対時に使用して来る。プラズマカッターで切り付けた相手をスラッシュリッパーで吹き飛ばし、ニュートロン・ブラスターで追撃してトドメ。

特殊能力

援護攻撃(無限のフロンティア)

援護技「グラン・スラッシュリッパー」を使用。詳細は下記記事を参照。

支援効果(無限のフロンティアEXCEED)

詳細は下記記事を参照。

関連機体

ゲシュペンストゲシュペンストシリーズ
本機もここに属する。
アーベント
ナハト
同系列機。
アインストファントム
ヴァールシャイン・リヒカイトが手駒とするために生み出した本機の複製。オリジナルと違い再生能力がある。
ファントム(レプリカ)
EXCEEDでは、ピートの手により複数体の複製が製造される。

機体BGM

TIME TO COME
F時代からの名曲。イントロ部分がアレンジされている。

余談

エンターブレイン出版の攻略本には「HPを自動回復する」と書かれているが、実際にはそのような機能はない。恐らくナハト・アーベントがそうであったことから筆者が勘違いしたか、あるいはアインストファントムと混同したと思われる(どっちにしても間違いであるが)。