ラッシュバード

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ラッシュバード(Rushbird)

クラール・グライフ博士が開発したスーパーロボット。初戦闘後に一鷹達がLOTUSに配属されたため、本機もこの部隊の運用機となる。

その存在は後にパイロットになる一鷹・アリスにまで秘匿されていたが、アリスの搭乗がラッシュバードのプロテクトのキーとして登録されていたり、一鷹がラッシュバードのコクピットを模したシミュレータで普段から遊ばせて貰っていたりなど、一鷹&アリスが搭乗すること自体は当初から想定されていたと思われる。

両腕にエネルギー制御に関わる機構を搭載し、右腕は攻撃用のエネルギー放出機構、左腕は防御用のエネルギー吸収機構となっている。特に左腕の機構は「ラプラスウォール」という特殊なバリアを発生し、ビーム兵器をはじめとしたエネルギー兵器類の一切を吸収し、こうしたエネルギー兵器に対しては無類の防御力を発揮する。ただし、吸収できるエネルギー量には無論限界が存在する為、無敵とはいかない(具体例では第6の使徒の加粒子砲に対しては対策のしようがなかった。ただし、最終局面では詳細は不明ながらストレイバードとの連携により明らかにそれ以上の威力を持つガルトデウスの主砲を完全吸収している)。また、このエネルギーを機体駆動に回すことも可能なため、継戦能力も高い。なお、この二種の機構は次元干渉によってその機能を実現しているため、本機は非常に特殊かつ危険な機体とレディ・アンが言及している。

ラプラスウォールは戦闘におけるビーム兵器等に対する防御以外にも、様々な応用が可能。 大気圏突入時の大気との摩擦熱エネルギーを吸収・中和することで大気圏突入を可能としたり(ラッシュバードは飛行機能を持たないので、戦艦その他の大気圏内飛行能力を持つ機体のサポートが必要だが)、ビーム兵器を食らうと熱エネルギーと運動エネルギーの両方によってダメージを受けるところ、熱エネルギーのみを吸収し運動エネルギーのみを残す事により自身の加速力に転換することもできる。

開発目的は不明だが、グライフ博士の言動を見ると趣味で作っている可能性も否定できない。仮にそうだとするとスパロボでも稀な完全に個人的な理由で作られた主人公機といえる(この意味での同類をあげるとすればヴァルシオーネグランゾン、やや怪しいがアストラナガンや旧シリーズのグルンガストあたりが該当するかもしれない)。

物語中盤で悠はこの機体を手に入れるべく敵対していたが、正確な理由は最後まで不明。悠はラッシュバードの開発にも関わっており、アリスが起動キーとなっている事を知っているので、ストレイバード単機での限界を感じたためにラッシュバードを欲した…と言うのもあるだろうが、本音は一鷹を危険な「パイロット」という立場から下ろすことだったようである。もっとも、開発者なら起動キーのプロテクトを外したり、バラしてストレイバードの強化パーツにしてしまったりできてもおかしくはないが。

「走る鳥」という直訳から連想される通り、モチーフはダチョウ。

登場作品と操縦者

スーパーロボット大戦L
本作品の主人公機。スーパー寄りの性能でバランスが良く、二人乗りなので汎用性も高い。ラプラスウォールによりビーム兵器には無類の強さを発揮し、継戦能力が高いのも特徴。また、スーパーロボットながら序盤の必殺技が3~7であり、射程の穴がない。
弱点は飛行不能で移動力も低く、移動後攻撃の射程も短いこと。ただし前者は一鷹が加速を持ち、5段階・10段階改造で移動力が増加するので次第に解消されていく。後者も必殺技の追加によって解消される。
また、近年のバンプレストオリジナル機体では珍しく、2つの武装追加以外に機体のパワーアップが存在しない。逆に言えば最初から武装以外は後継機並に強い。最大強化時のHPはボーナス込みで12200。

装備・機能

武装・必殺武器

どの武器を使ってもアリスのカットインが用意されている。

メーザーアイ
機体頭部の鳥型の目(カメラアイとは別)からビームを発射。威力は高くなく、最低限の反撃用。
元より威力が一番低い武器である事に加えて唯一の射撃武器なので、殆どの人がパイロットを格闘中心で育成をするであろう本機においては相対的に弱い。ただ、それでもフル改造+ガンファイトL9まで伸ばせば大抵のMSなら一撃で破壊できるので、反撃時の大幅なEN節約になる。そこまでやるのは周回プレイのみだろうが…。
ライトニングフィスト
右腕部にフィールドを展開し、崖の上から飛び掛って殴りつける。さらに地面に埋まった敵を引き摺り出し、もう一撃殴って弾き飛ばす。他の移動後攻撃が終盤追加かつEN消費が激しくあまり連発できないディメンションストームしか無いため、必然的によく使う武器。
唯一のコンボ属性持ち武器でもあるため、アタックコンボを養成してシングル運用している場合、まずは加速で近寄ってこれで殴るというのが常套手段になる。セレブレイドアロンダイトクビキリのような指折りの強コンボ武器には流石に敵わないが、それでもコンボ武器としては攻撃力は高めなので、しっかり強化すればラッシュバードの移動力の伸びも合わせて、開幕直後の雑魚狩りには大活躍する。
ライトブレイザー
右腕部のエネルギー放出機構からありったけのエネルギーを飛ばす遠距離技。
序盤の必殺技であり、援護にも最適。反撃に多く使うことになるが、消費はライトニングフィストの倍なので節制が必要。メーザーアイよりも長い射程を持ちながら、格闘扱い。
ディメンションストーム
中盤にイベントを経て追加される必殺技。ストレイバードに追い詰められた際に、アリスが博士や一鷹が好きだったヒーロー番組の技を参考にして思いついた。「ディメンションストーム」という名称は後に一鷹が付けたもの。
両腕の入出力機構をある比率で稼働させることで次元の壁を取り払い亜空間から直接純エネルギーを獲得、両腕を合わせて前方へ解放する。エネルギーの調節が非常に難解・高度なオペレーションを必要とし、シミュレーターでは10回以上連続で失敗し、実際に技を使うとアリスもAIの過稼動で有機パーツ(髪の毛)が変化するほど。また、制御に失敗すると辺り一帯が消し飛ぶと言われており、難度と合わせて極めて危険な技である。後述の経験を元にしている都合上、戦闘AIに特化したハルノにはできないらしい。
なお、別次元からエネルギーを取り込んで放つという点、及び胸元に両拳を合わせる発射ポーズなど天のゼオライマーの必殺武器「メイオウ攻撃」と共通点が多い。演出では地表から光の柱が立っているのが宇宙空間から確認出来るというバンプレオリジナルの主人公の中でも派手な描写がなされている(こちらもJ烈メイオウの演出に近い)。
ラッシュバード単体では最強の必殺技。射程が3なので移動後攻撃・反撃・援護など全てで使える便利な技である。消費ENは50なので撃ち過ぎに注意。

合体攻撃

モード・アーキオーニス
ストレイバードとの特殊合体攻撃。ストレイバードの翼を借り、二機分の膨大なエネルギーをまとって突撃する。その際の次元コンバーターは通常の5倍以上の出力を叩き出しており、一鷹とアリスのコンビ以外に実現するのはほぼ不可能。また、速度も翼を得て格段に上昇している。
なんとも凄まじい形態で威力は最強クラスだが、追加されるのが最終話の一話前。追加されるラス前の第40話はシナリオの都合上、ラッシュバード+ストレイバードと言うかみ合わない上に合体攻撃としては無駄のあるPUを強制的に組まされているので、しっかり活用できるのは事実上最終話のみ。いくらなんでも遅すぎて活躍の場が少ない。ガルトデウスにトドメを刺す時はこれを使うのも一興。
合体攻撃の常として、PUを組んでいるユニットが合体攻撃を使うと、そのサブは合体攻撃に参加していなくても、合体攻撃をしたメインと一緒に行動終了になってしまう。ラッシュバードをSU運用している場合はいいが、そうでない場合はPUで個別に必殺技を撃った方がダメージ効率は高い。
ちなみに「アーキオーニス」というのは「始祖鳥」のコト。

特殊能力

シールド装備
左腕がシールド。ラプラスウォール起動時にはエネルギーシールドが展開する。
ラプラスウォール
ビーム属性などのダメージを2000軽減。発動時にENを10消費するが、ダメージを0にすればENが15回復。結果的には無効化した上ENを5回復するので大抵のモビルスーツ相手なら無敵。ただしデストロイガンダムクラスの攻撃を無効化するのはかなり厳しい。
なおビーム属性「など」となっている通り、ビーム兵器そのもの以外にも非実弾兵器ならば殆ど吸い取れる。システム的には「PS装甲無効」属性のついている武器であり、邪魔大王国やバジュラに対してはかなり有利に戦える。極端な例を挙げれば、第6の使徒の加粒子砲、ドボルザークの「デスファイヤー」、果ては核ミサイルコンクェストボムの「自爆」やイクサー2の「イクサー2フルパワー」、ネオスゴールドの「突撃」などのような近接攻撃に対しても効果を発揮する。反面、魔獣ビトラ魔獣ドメガの「炎弾」には無効。
設定上はどの程度まで吸えるのかは不明。第6の使徒のビームは許容量を大きく超えていて吸収しきれない、と言うアリスの台詞がある(しかし実際の戦闘では改造や強化が十分なら防ぎきれる)が、ストレイバードの協力があったとはいえ辺り一帯を焦土に変える超出力ビームすら吸収するという離れ業を終盤にやってのけている。

移動タイプ

空が飛べず、足が遅いのが難点だが、一鷹が「加速」を持つためある程度は解消できる。また5段階及び10段階改造することで移動力がそれぞれ+1される。最終的には加速込みで移動力11にも及び、かなり足が速い方になる。

サイズ

M
40メートル級だがMサイズ。55メートルのコン・バトラーVがLサイズなので、ギリギリでMサイズの側に分類された感がある。
ラッシュバードは耐えて殴るスーパー系なので、サイズ差補正によって被ダメージが大きくなる事、地形適応・陸Sを獲得した後は運動性の改造次第では意外なところで避けてしまってラプラスウォールが発動しなくなるので、サイズが小さいことは損をした事になるか?

機体ボーナス

無改造:装甲値+150 HP+1000 地形適応:陸A
ハーフ改造:装甲値+200 HP+1500 地形適応:陸A 移動力+1
フル改造:装甲値+250 HP+2000 地形適応:陸S 移動力+2

機体BGM

「青空へ向かって歩け」
基本戦闘BGM。
「新しい扉の先に」
ディメンションストーム使用時BGM。
「刻の翼」
モード・アーキオーニス使用時BGM。

対決・名場面など

ストレイバード(1戦目)
初対決時、追い詰められた悠が確実にラッシュバードを倒すため一撃離脱戦法を取る。隙は攻撃前のエネルギーチャージ時のみだが、ラッシュバードの機動性能では追いつけない。北小介ラインバレルのエグゼキューターをバリアで受け止めて加速する以外方法がないと言う。さらに、バリア出力が強すぎれば速度が出ず弱すぎれば直撃してしまうという高難易度のプランである。アリスはこの離れ業のオペレートを 料理の火加減をイメージして成し遂げ、一鷹は自分の戦いへの覚悟を悠に示した。
対ストレイバード(2戦目)
先走ったジーグを連れ戻すために単独行動をしている所をストレイバードに狙われ、仲間のサポートが無い状況で追い詰められる。諦めかけた一鷹を叱咤したアリスは両腕のエネルギー入出力機構の利用法を思いつき、髪の色が変わるほどのオーバーヒートを起こしながらもディメンションストームを発動させる。
魔炎超魔竜ドボルザーク
ガイキングの真龍ハイドロブレイザー発射の時間を稼ぐため、先んじて仕掛ける。ここで初めてディメンションストームを完全に習得し命名している。その際エネルギー制御を、酔っ払った博士に二人で肩を貸した経験を活かして成功させている。
刻の翼
ダンナーベースでの戦闘にて。LOTUSに追い詰められたHL-1は、最後の悪あがきと言わんばかりに意図的な暴走による自爆でダンナーベースごとLOTUSを巻き込もうとした。なんとしても阻止しようとするがこの機体はこれまでの戦闘データを反映させており、手も足も出ない状況に陥った。残された方法として、悠が一鷹に2機の次元コンバータの同時制御を提案したが、それは過去に制御不可能と判断され、失敗すればラッシュバードのみならずこの一帯を消し飛ばしてしまう無謀といってもいい作戦でもあった。これにはアリスも不安を抱いてしまうが一鷹は今までの戦いと努力を経てその発動を促した。そして「ぶっつけ本番」でストレイバードのウイングユニットとラッシュバードに合体したその時、次元コンバーターの出力は一気に跳ね上がった。「モード・アーキオーニス」と呼ばれた姿となったラッシュバードは暴走したインペリアルヴァレイに突撃し破壊に成功、これで自爆を止める事が出来たのであった。

関連機体

ストレイバード
本機の兄弟機であり、ライバル機。本機と相反する性能をしており、こちらは高機動・長距離の戦闘を得意とする。本機と連動する機能も持っている。

余談

  • 多くのスパロボユーザーはお気づきだろうが、本機は初期から天のゼオライマーとの類似点が指摘されている。これはシリーズ恒例の版権作品からのモデルかと思われる。
    • 具体的には「異空間からエネルギーを取り出す運用方式」「腕のクリスタル状の部分からエネルギーを放つ」「女性型アンドロイドがサポートとして搭乗している」「手持ちの武器がなく、内蔵武器と格闘で戦う」「必殺技の構えが同じ」「革新的な技術やシステムを導入していながら、一人の天才によって造り上げられた純地球製のワンオフ機」と非常に多い。更には敵組織が取った世界征服の手段までが木原マサキの取った手段を模倣しているなど、モチーフとなっている部分が多岐に渡る。
    • 他にも、左腕の防御機構、右腕に攻撃機構がある点はガオガイガーと、「ヒーロー番組から思いついた」と言うディメンションストーム絡みでは、温度差で装甲にヒビを入れる必殺技を使用するダイモスや、左右で別々のフォルムと戦闘スタイルを持つ『仮面ライダーW』などとの関係も疑われている(これに関してはエフェクトの色が緑(サイクロン)と紫(ジョーカー)という所から来ているのだろう)。
  • また、バードと付いているのに飛行機能がない「飛べない鳥」であることを冗談交じりに皮肉られ、「ペンギン」などという可愛らしい愛称で呼ばれる事がある。
  • 上述のゼオライマーとの関連も併せて「冥王ペンギン」と呼ばれることもある。

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