扇要

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扇要(Kaname Oogi)

黒の騎士団の母体となったレジスタンスグループの2代目リーダー。
本編序盤、ゼロの誘いに乗って黒の騎士団結成に参加。母体となったレジスタンスグループのリーダーであった事からも、No.2である副指令の地位となる。

しかし、次第に募らせていくゼロへの不信感や、ブリタニア人であるヴィレッタとの関わりから、『R2』の中盤にて、自らの立場を使って「ある行動」に出る事になる(後述)。

人物

戦前は教師志望の大学生で、日本敗戦後はゲットー内に学校を私設したが立ち行かず、親友であるカレンの兄・紅月ナオトと共にレジスタンスとなった。

劇中の状況からして、どうにも外部から状況の転機が舞い込むタイプ。また、リーダーの素質が足りない事を自覚しているも、リーダーのゼロが合理性重視であるのに対し、扇の場合は温和で人柄の良い性格によってメンバー達の人望を集める事が出来る為、本人が思っている以上に組織において重要な存在となっている。
参謀格であるディートハルトからも、特別な物が無いと言う点に利用価値があると評価されているが、逆に指揮官としては価値が無いと見なされている。

来歴

無印編

当初は数々の奇跡を起こしていた事から、ゼロを信頼していたが、秘密が多すぎる上に、非情な策に出る事も多いゼロの行動から、次第に不信感を募らせていく。

物語の中盤にて、シャーリーの銃撃によって記憶を失っていたヴィレッタと出会い、彼女に「千草」という名前をつけて、共同生活をした事で、次第に彼女と惹かれ合っていき、肉体関係にまで至ったかの様な描写もある。彼女に対してはかなり入れ込みすぎていた感があり、事実扇は日本人ではない彼女と共にいたいという、公私混同な動機から、ユーフェミアの提案した行政特区日本への参加を騎士団のメンバー達に促している。
ブラックリベリオンの際に、彼女がブリタニア人としての記憶を取り戻してしまった事で銃撃を受けて負傷してしまい、終盤ではゼロの真意を確かめさせる為、カレンにゼロの後を追うよう言い渡す。

R2編

ブリタニアに捕らえられ処刑を待つ身となっていたが、ゼロとカレンの活躍によって助けられ、再び黒の騎士団に参加。黒の騎士団が大規模な組織になってからは、最高幹部の筆頭である「首席補佐官」へと任命され、複数の特務隊を率いて、騎士団の内務・立法を統括する。ただし、前作におけるゼロへの不信感は、未だに燻り続けていた。

物語の中盤でディートハルトに拘束されたヴィレッタと再会するも、自分を銃撃しても尚、彼女への好意を捨て切る事は出来ずにいた。そして、彼女の話したゼロがブリタニアの第11皇子・ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアであった事実やギアスに関する話を全て信じた結果、ゼロに関する真実をシュナイゼルから聞かされ戸惑う黒の騎士団のメンバー達を扇動。ゼロを引き渡す代わりに日本の返却させる裏取引を行って、それまで自分達に協力してくれたゼロを裏切る決意をする。しかし、ロロが、蜃気楼でルルーシュを命懸けで連れ出した結果、目論見は失敗に終わった。

ゼロ追放後、既に後戻りの許されなくなった扇は、事実上黒の騎士団の全権をほぼ掌握。どういう説明をしたのかは不明であるが、神楽耶星刻超合集国側の人間も自分の味方につけ、ジェレミアにはゼロが死んだと平気で嘘を吐き、カレンの説得にも一切耳を貸さない等、ゼロに関しては理不尽に等しい非情さを見せるようになっていった。しかし、元々指揮官としての能力に欠けている扇ではブリタニアに対抗しきる事など出来ず、黒の騎士団の指揮は総司令官に就任していた星刻にまかせっきりで、結局の所、その立ち位置は変わらない有様で、状況に流されるままであった。

自らが追放したルルーシュが新たなブリタニアの皇帝に就いた事に、内心恐れを抱いていたのか、アッシュフォード学園の会談では、護衛もつけずに一人で会談に出席したルルーシュを捕獲するという作戦に出る。が、ルルーシュには通じず、逆に枢木スザクに「皇帝救出」の名目を与えてしまい、ランスロット・アルビオンの突入、そして超合集国の代表が人質にとられる事態を招いてしまう。

完全に追い込まれた事で、フレイヤ弾頭を大量装備したシュナイゼル・エル・ブリタニアと同盟を結んでブリタニアと決戦を迎えるが、シュナイゼルが黒の騎士団とルルーシュの軍団を共倒れさせて、ダモクレスで世界を恐怖で支配しようとした事には全く気付けていなかった模様。
また、黒の騎士団にいた頃のルルーシュの身近にいながらその思考や策略を全く理解出来ておらず、更にはフレイヤを搭載したダモクレスやナイトオブラウンズの生き残りが戦力に加わって、確実にルルーシュに勝てると完全に油断した結果、サクラダイトの爆発によって放たれたフジサンの噴火に巻き込まれ、斑鳩を沈められてしまう結末となり、旗艦を失った黒の騎士団の戦力は、事実上の壊滅状態となってしまった。

キャラクターの総評

序盤は、頼り無さそうでも温厚で人柄の良さから皆に慕われている兄貴分と、良い印象のキャラクターであったが、『R2』中盤になってからの行動から、その印象は大きく変わる事になる。

  • 殆ど周りに流され自分から行動に出ようとしない身でありながら、手段を選ばないゼロに不信感を募らせている。
  • 一番最初に認めていて、処刑からも救ってもらいながら、それまでのゼロへの恩を仇で返す形で、一番真っ先に裏切っている。
  • 自分とヴィレッタの内通を棚上げして、ブリタニアの皇子でギアスを持っているのを理由にゼロを否定する。
  • シュナイゼルの告発によって、藤堂玉城達が動揺しているのをいい事に、彼等の主張が「真実」であると断じ、同盟を結んでいるはずの神楽耶星刻達には何の相談もせず、独断でゼロ引渡しの「取り引き」に持ち込む。
  • 普段さして行動力があるわけでもないくせに、上述したようなゼロへの裏切り行為やヴィレッタ絡みの時だけやたらに手を打つのが早い。
  • ゼロの放逐に成功して実権を掌握したにも拘らず、結局方針の決定等は藤堂や星刻にまかせっきりなままで、シュナイゼルに騎士団の指揮権をあっけなく奪われた挙句、ルルーシュの身近にいながら戦略を丸で読めなかった結果、黒の騎士団を壊滅させてしまう、最悪な失態を犯している。
  • 最終的な彼自身とルルーシュの結末があまりにも対照的(世界中の憎しみを一身に背負って死亡したルルーシュに対し、彼は最終的に黒の騎士団のメンバー達から祝福されてヴィレッタと結婚し、日本の首相となっている)。[1]

以上の事から、最終的に視聴者からは「自分からろくに行動を起こさないだけでなく、自分の非を棚上げして善人面で他者の悪行を非難する偽善者」として、手厳しい評価を受ける事が多いキャラである。

扇が最終的にゼロを裏切るよう黒の騎士団を扇動したのも、ゼロへの怒りというよりも、ディートハルトに拘束され危険な立場に置かれていたヴィレッタを守る為には、ディートハルトの後ろ盾であったゼロ(ルルーシュ)が邪魔な存在だったという、きわめて個人的な私情を挟んだ理由であった可能性が高い。事実、ゼロの追放後、後ろ盾を失いヴィレッタを解放されたディートハルトの顔には、扇から暴行を受けたかの様な痕があった。
そもそも、会談でシュナイゼルを中心としたブリタニア側の主張は、あまりにも荒唐無稽に等しい(事実とはいえオカルトじみている)内容である。資料は勿論、音声記録の会話でさえも一国家の力なら、十分捏造が可能な「状況証拠」ばかりで、証拠映像といった決定的な「物的証拠」は全く無かった。ユーフェミア高亥の唐突的過ぎる心変わりにゼロの持つギアスが関係しているという話でさえ、「こじつけ」と言ってしまえばそれまでで、会談直前の第二次トウキョウ決戦に起きたブリタニア側によるトウキョウ租界の壊滅の事も含めれば、少なくとも半信半疑で終わるはずであったが、黒の騎士団内でゼロに次いで権限を持っていた扇がそれを真実と認めてしまった事で、最終的に黒の騎士団はゼロの排除を決定するに至ったのである。そもそも、ゼロを信じないと言い出したのにゼロの独白を鵜呑みにしているなど(さらに扇はルルーシュの声はよく知らないはずである。シンジュク事変の際に通信機で会話をしているが、後に「声だけじゃ誰だかわからない」と自分で言っている。KMFに搭乗しているときはルルーシュは仮面を付けていない事が多いが、カレンが声に気付いていないのでおそらく通信システムにも変声機能は付いていると推測できる。)、上記のとおりゼロを放逐したいだけという可能性がより高くなっている。

また、視聴者だけでなく、ヴィレッタを担当した渡辺氏を始めとするコードギアスでの女性声優陣、果ては扇を演じた真殿氏自身からも、扇はあまり快く思われていない節がある(ただ、渡辺氏らの場合は、ヴィレッタとの一件が関わっている。詳しくはそちらを参照。)。

とはいえ、仮にギアスの話が真実となるならば、ルルーシュは日本解放の障害になるという理由で血のつながった妹に日本人をいとも容易く虐殺させた上に彼女を殺したことになり(視聴者は神の視点を持つ故にユフィがギアスにかかった理由を知っているが、劇中の人物からすればルルーシュが自分の意思でかけたようにしか見えない)、ルルーシュをすぐに裏切った行為こそ短慮であったものの、これまでの功績だけでゼロとギアスを信じ、何かの作戦の折に犠牲にされる可能性を抱えたまま従い続けることが出来たかどうかを考えると、難しい話でもあり、処刑寸前の自分達を救出したのも駒としての利用価値があったからとも考えられるので、疑い出せば切りが無かった。小説版では黒の騎士団が裏切ったのはギアスの力を恐れたためという指摘をC.C.もしているようにゼロの異能の力を恐れた結果として凡庸な人物ともいえる。また、仮にゼロを黒の騎士団のトップに置き続けた場合、日本人虐殺を行った張本人が日本解放を掲げる黒の騎士団を率いているという問題に発展してしまうのも事実ではある。
結局のところ、ゼロ(ルルーシュ)追放に関しては扇の行為の是非以前に、黒の騎士団とゼロとの間に強固な信頼関係が築かれなかったことが一番の原因ともいえる(ゼロはブラックリベリオンの際の戦線離脱で一時的に信頼を失っており、それが修復しきれなかったのが大きい。またゼロ(ルルーシュ)にしても、騎士団を『共に戦う仲間』と思っていたとは言い難く、例外は正体を知っているカレンだけといえる)。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
初登場作品。エリア11ルート第6話から戦闘にも参加するが、初期能力値が低いので突出させるのは危険。機体も本人も戦力にしづらいので、修理装置でレベル99にして資金調達をさせるのが最大の役目か。第16~18話で表部隊ルートを選択していた場合、合流時にジョブスに代わってニルヴァーシュのスペックを解説する見せ場がある。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
斑鳩の艦長として登場(ゼロが出撃した場合はメイン、出撃しない場合はサブパイロットとなる)。終盤では条件を満たしている場合、ゼロレクイエムルートに進むか、黒の騎士団ルートに進むかの選択権を握ることになる。
シュナイゼルとの対談で一度は原作通りゼロを糾弾するが、黒の騎士団ルートでゼロを信じた場合は、スメラギジェフリーを始めとする艦長や仲間達からの説得によって反発心を押さえ納得がいくまでゼロの真意を問う事を決意する。原作で真っ先にゼロを糾弾し追放した挙句にシュナイゼルに彼を売ろうとしたことで視聴者から嫌われたことを考えれば、彼もいい意味でスパロボ補正が働いたと言えるだろう。なお、原作での行動の反映からか、このイベント以降、扇の表情グラフィックに、どこか悪意にも満ちた険しい表情を見せる様になる。
原作ではヴィレッタの本名を呼んだ描写は無かったが、今作ではしっかりと呼んでおり、なお、黒の騎士団ルートでの結末はほぼ原作通りだが、ゼロレクイエムルートでは最終的にヴィレッタが教職に復帰するなど(姓が変わっているので扇と結婚はしている模様)、一部に漫画版が採用されている。黒の騎士団ルートでは玉城から結婚したことが明かされており、それでガムシャラに働いているらしく、ZEXIS解散パーティーには不参加となっている(他の欠席者はヴィレッタとブレラシャッコグレゴルーメンバー)。ある意味不遇であるが、原作では戦後のことが殆ど描写されなかったため、戦災後の復興を必死に頑張っているとも解釈出来る。
なお、扇は正式参入時にその時点でのゼロのレベル・撃墜数・PPが引き継がれるというバグ(もしくはゼロのサブパイロットでもあるが故の仕様)があるため、2周目以降は全く活躍させなくても物凄い量のPPと撃墜数を手にする事になる(このバグ自体は1周目でも発生し、「魔神が目覚める日」でゼロを無理矢理レベル99にしていると「百万のキセキ」でレベル99で仲間になる)。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
今回はNPC。漫画版のラストを反映してかスクールカウンセラーとなり、陣代高校などで顔を見せる。なお、かつてルルーシュがキリコに素顔を明かしていた事が劇中で語られているので、本作の扇は例の選択肢でゼロを信じなかった事になる…。
また、ヴィレッタとの間に子供を設けたようで「BEYOND THE TIME」ではもうすぐ生まれると思っている場面がある。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

玉城よりは全能力が上だが、それでも低い。再世篇ではゼロを一回り弱くしたような感じになった。

精神コマンド

第2次Z破界篇
根性信頼努力不屈友情激励
実に彼らしい精神だが、激励以外有用なものはない。せめて応援でもあれば良かったのだが。
第2次Z再世篇
根性努力不屈友情激励
メイン化することを考慮してか愛が追加されたが、差し替えられたのがよりによって信頼とは…。友情の下位互換なので、仕方ないといえばそれまでだが、どうしても「R2」での展開を意識してしまうのが何とも…。

特殊技能(特殊スキル)

第2次Z破界篇
ガード 援護防御L2 Bセーブ
持久戦向きでエースボーナスを活かせるスキルだが、機体がついてこない。
第2次Z再世篇
指揮官L3 援護防御L2 パーツ供給
指揮官はL3止まりで、カンストは57。ゼロはL4でカンスト37と、器の違いがはっきりと表れている。逆にゼロが初期習得していない援護防御は斑鳩の特性と上手く噛み合っている。

エースボーナス

第2次Z破界篇
援護防御の被ダメージ0.5倍。
機体を強化しないと安心して援護防御出来ない。
第2次Z再世篇
扇、玉城、ラクシャータの最大SP+20
玉城は貴重な「脱力」「期待」持ちなので、これは素直にありがたい。どちらかというとサブパイロット時に真価を発揮。前述の通り、ゼロの撃墜数が引き継がれる都合上、全く扇を使わなくても2周目以降は習得している事が多い。

パイロットBGM

「Previous Notice」
劇中BGM。

人間関係

紅月ナオト
亡き親友。グループの初代リーダー。スパロボ未登場。
紅月カレン
親友の妹であり、扇グループ時代からの仲間。その為、仲もそれなりに良かったが、さすがにゼロを一方的に追放した事は咎められている。が、ヴィレッタを守る事しか頭に無かった扇には、カレンの主張は聞く耳持たずな状態だった。
ゼロ
突然現れ勧誘するゼロの実績を信じチームを託す。が、自分からろくに行動も起こさない癖に、彼のやり方に不満を抱き続けているだけでなく、ブリタニアの皇子である事やギアスを持っていたという理由だけで、今までの実績や処刑から助けてもらった恩も全て仇で返す形で黒の騎士団を扇動し、追放処分に追い込んでいる。この行動が、コードギアスの登場キャラクターの中でも、1、2を争う程の嫌われキャラクターになる所以となっているが、敵対関係になっても結局は騎士団共々、ゼロの計略に踊らされてしまう事となった。[2]
『第2次Z再世篇』黒の騎士団ルートにおいてはスメラギやジェフリーに説得され、ゼロの真意を問うことを決意する。
南佳高
仲間の一人で、扇グループ時代からの付き合い。黒の騎士団拡大後は、斑鳩の艦長として直属の部下となっている。扇と同様、処刑から救出されても、ブラックリベリオン時に扇の存在を蔑ろにしたゼロに対する不信と嫌悪感を募らせ続けていた。
杉山賢人
仲間の一人で、扇グループ時代からの付き合い。黒の騎士団拡大後は、第一特務隊長として直属の部下となっている。扇や杉山と同様、処刑から救出されても、ゼロに対する不信と嫌悪感を募らせ続けており、ブラックリベリオンでの吉田や井上の死が全てゼロのせいだと、理不尽な形で恨んでいた。
玉城真一郎
仲間の一人で、扇グループ時代からの付き合い。黒の騎士団拡大後は、第二特務隊長として、直属の部下となっている。他の扇グループのメンバーと異なり、感情任せでゼロを追放してしまった事を内心では後悔していたらしく、一人泣いていた所を扇に厳しく釘刺されている。
ヴィレッタ・ヌゥ
第一期にて記憶喪失の彼女を拾い、「千草」の名を与えて同棲生活を送る事に。これが『R2』において因縁となる。
視聴者から見れば、扇がヴィレッタに入れ込み過ぎていたのは明らかで、ディートハルトが恐れていた通り、彼女の存在自体が扇の行動に悪い意味での影響を与え、遂には言い包められてしまうに等しい形でゼロを裏切るにまで至ってしまった。
ディートハルト・リート
ヴィレッタとの内通を知られ、彼女を人質にされる事になる。最も、これは騎士団への裏切りに近い行為を行っていた扇の方に、明らかに非があるのだが…。
ディートハルトの方は、扇の本来の人柄が黒の騎士団のメンバーの信頼を集める要素になると評価していたが、彼がゼロを追放して実権を掌握した際には、「守る」事こそが本質で指揮官としての価値は無いと、内心で手厳しく評価している。この事が黒の騎士団から離反してシュナイゼルについた所以になった。
なお、ヴィレッタの解放後、後ろ盾を失ったのを良い事に、扇から暴行を受けたかの様な痕がある。
ラクシャータ・チャウラー
裏切ったのは自分達の方であるのを、ゼロの方が裏切ったと偽られていた様である。もっともラクシャータは頭がいい上、胡散臭そうな表情をしていることからも、扇に都合の良すぎる主張を全て信じてはいないようだが。
皇神楽耶
ゼロ(ルルーシュ)の本質を良く理解しているが故に、ゼロ失踪後の扇にとって都合の良過ぎる主張を全面的に信じられてはおらず、むしろ追放の指揮を執った自身の行動に疑いを持たれていた。
漫画版では、なんと原作で扇が行ったゼロの暗殺計画を代役で担わされてしまっているという、最悪な割を食ってしまっており、ある意味で、神楽耶もまた、扇の被害者になってしまったといえる。
シュナイゼル・エル・ブリタニア
第二次トウキョウ決戦後の会談で、彼の荒唐無稽に等しい告発を「真実」であると認め、それが黒の騎士団によるゼロ追放の決定的原因となった。
ロロ・ランペルージ
彼にルルーシュの身柄を確保されたため、シュナイゼルとの取引は不成立に終わった。
第2次Z再世篇』でゼロを信じる選択を選ぶとロロは生き残るため、(間接的にではあるが)扇はロロを救ったと言える。
マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア
直接の関わりはないが、小説版ではシュナイゼルの誘導に乗せられてゼロを排除したことを馬鹿にされている。彼女は良くも悪くも常識はずれの感性の持ち主なので凡人の扇の行動は理解しても共感はできないようである。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ヒイロ・ユイ張五飛
ゼロレクイエムルートに進んだ場合、ゼロがブリタニアの皇子でギアスを持っているという理由で彼を追放に追い込んだ事を非難されている。
スメラギ・李・ノリエガ
第2次Z再世篇』黒の騎士団ルートでは、ゼロを追放しようとしたところを、彼女とジェフリーと共に説得される。

リアル系

マクロスシリーズ

ジェフリー・ワイルダー
『第2次Z再世篇』黒の騎士団ルートでは、ゼロを追放しようとしたところを、彼とスメラギに説得される。黒の騎士団ルートEDではゼロへの不信や反発を乗り越えて共に最後まで戦い抜いた扇の成長を認め、立派な指導者になれると期待される。
ボビー・マルゴ
『第2次Z再世篇』黒の騎士団ルートEDではいち早く扇が近々父親になるという彼の家庭事情を察知していた。

ボトムズシリーズ

キリコ・キュービィー
『第2次Z再世篇』では、普段は寡黙な傭兵のキリコが、黒の騎士団でゼロ追放の論議が出た際には「俺もお前達もゼロには借りがあるはずだ」と、扇達に再考を促している。

その他

A21
『第3次Z時獄篇』で彼らの顛末を聞かされてから教師としての自覚ができたらしく、忙しくなっている。

スーパー系

ロジャー・スミス
『第2次Z再世篇』では、ネゴシエイターだけあって、彼とスメラギに、ゼロの言い分も聞こうともせずに一方的に追放しようとしていた扇の行為をアンフェアなものとして、否定されている。
碇シンジ
『第3次Z時獄篇』ではスクールカウンセラーとして彼と関わり、カレンに彼を託すことに。
ジン・ムソウ
『第3次Z時獄篇』では、彼の偽名の「アクバルジン」を言う事が一回だけしかできなかった。

バンプレストオリジナル

クロウ・ブルースト
『第2次Z再世篇』では、ゼロレクイエムルートにてヴィレッタとの関係を怪しまれていたが、ゼロを追放してしまった今更、意味が無いと判断されたのか、深く追求はされなかった。

名台詞

第一期

「ナオト…やっぱり俺には無理だよ…」
リーダー時、自力で結果を出せない状況に弱音を漏らす。
「許さない…! みんなの気持ちを踏み躙って…ユーフェミア!!」
日本人虐殺を聞いた際の台詞でユーフェミアへの怒りを露にする。恋人関係になったブリタニア人の千草との将来を期待していただけに、怒りもひとしおである。
「そうか…千草、記憶が戻った…のか…」
最終回において記憶を取り戻したヴィレッタに撃たれた際の台詞。傷を負わされた相手を逆に気遣うお人好しぶりが伺え、ヴィレッタもとどめを刺さずに捨て置いた。

R2

「さらばだ、ブリタニアの人」
『百万のキセキ』。ゼロの服装をしつつ、中身を自分と看破したヴィレッタに対し。この時は二人の関係は悲恋的なニュアンスを帯びていたのだが…。
「証拠ならある!」
「彼が言ったとおりだ。ゼロの正体はブリタニアの元皇子、ルルーシュ! ギアスという力で人を操る…ペテン師だ!」
斑鳩シュナイゼルが乗り込んだ際に、ゼロの正体やギアスが語られ、戸惑う騎士団員たちの前に現れた際の台詞。
扇はヴィレッタから事の顛末を聞かされ激昂していた。そして扇のこの発言を後に、団員たちのゼロに対する不信感が頂点に達することとなった。
「日本を、返せ…!」
「信じてきた仲間を裏切るんだ…せめて日本くらい取り返さなくては、俺は自分を許せない!!」
シュナイゼルとの秘密会談の際にゼロを引き渡す条件として日本の解放を要求する。彼なりに良心の呵責があったことをうかがわせるが、この発言によって、黒の騎士団が超合集国所属の軍隊になり、自分達が超合集国に責任を負う軍人となった事も理解していないという事が露呈した。会談に参加していたコーネリアはこの発言に驚愕した。
なお、日本解放については直後にロロの乱入によりうやむやとなってしまうものの、皇帝ルルーシュ即位時に全エリアが解放されたために、なし崩し的に日本は元の名前を取り戻すこととなった。
「黒の騎士団に、もうゼロは必要ない!」
「皆を使い棄てたのはゼロの方だ! 彼は皆を騙していたんだ…ギアスなんて卑劣な力で!」
ゼロを使い捨てにしようとした事をカレンが咎めた際に言った台詞。
あくまでも自分の決定を半ば強引に正当化しているが、ブリタニアの軍人であるヴィレッタと内通している事を棚上げしてゼロを責め続けるあたり、総評の項と先の台詞も合わせて、彼がどういう人物なのかが分かる場面である。
「そうだ、人は…皆は…ゲームの駒じゃないんだ、生きているんだよ!」
上記の台詞の後、杉山玉城たちの台詞を挟んでの台詞。しかし、この後の彼らは紛れもない(シュナイゼルの)「駒」でしかなかった。
(ゼロ…皆の力を合わせれば、君を倒せる!)
いわゆる「正義の味方」が「悪」を倒す時に言う台詞だが、以前に裏切って騙し討ちまでした扇が言うには、滑稽と言える。
しかも、既に戦いに勝った気になって完全に油断しており、ルルーシュの戦術を全く読めていない事から、指揮官としても無能である事を証明してしまっている。この直後にフジサンの噴火という形でしっぺ返しを食らい、斑鳩の撃沈を招いてしまった。
再世篇ではゼロとの戦闘台詞に採用。

スパロボシリーズの名台詞

再世篇

(そうだ…! 千草のためにも俺は世界に平和を築かなければならないんだ!)
「だから、こんな所で負けてはいられないんだ!」
人造次元獣ルーク・アダモン(サイキック)戦で。愛する人との未来を掴もうとするなかなかに熱いセリフではあるが、第49話の選択でゼロを「信じるか、否か」によって「扇要」の印象は大きく変わる。
「わかっている、ヴィレッタ! 俺にだって守るべき人と世界がある!」
最終話におけるガイオウとの戦闘前会話にて。ヴィレッタを「千草」と呼んでいない事に注目。

ゼロ・レクイエムルート

「彼はみんなを騙していた。その事実は許し難い…」
ゼロレクイエムルートにてヒイロ五飛に黒の騎士団がゼロを追放した行動の浅はかさを指摘された際の反論。
確かにゼロが秘密を抱えていたことは事実だが、扇自らもヴィレッタと同棲生活を密かに送り、その関係で私情から追放処分にしているので、説得力は殆んどない。事実、この発言に追従したのは玉城だけであり、カレンはもとより他作品の人物たちもこの発言に誰も同意していない。
「ルルーシュ! お前は刺し違えても俺達が止める!」
「お前という存在がなくとも黒の騎士団は戦う! 一人一人の胸にある決意が、その力となる!」
「皇帝ルルーシュ! お前は俺達が倒す!」
ルルーシュとの戦闘前会話。台詞だけを見ると主人公しているが、ルルーシュをこのような形にした扇が言っているため、どうも説得力が伴わない。
「こうやって使い捨てるつもりだったのか! ゼロ!」
再世篇でゼロレクイエムルートでルルーシュからの攻撃を受けたときの戦闘台詞。
恨みがましく言っているが、先に使い捨てたのは扇であり、有り体に言えばただの逆恨みである。

黒の騎士団ルート

「俺は……」
「俺はゼロを……ゼロを信じ……たい……」
「最初にゼロにリーダーを頼んだ時から、俺はずっと彼を信じて来たんだ……」
「それでもだ……! ゼロと戦って来た日々の全てが嘘だったなんて俺は認めない!」
「馬鹿だ、お人よしだ、風見鶏だと言いたければ言え! だが、俺は納得がいくまでゼロと話をする!」
「それでもゼロが許せないなら、俺がこの手でゼロを倒す! それが副司令の……ゼロを最初に信じた俺の務めだ!」
再世篇第49話「ゼロとルルーシュ」にて黒の騎士団ルートに進んだ場合。原作では真っ先に糾弾していた扇だが、こちらの展開では周囲からの説得に応じ反発心を抑えつけ、ゼロの真意を問うことを選ぶ。この選択により、その後の彼らの運命は大きく変転することになる……。
なお、本作でも分岐前の共通パートでは、原作通りにルルーシュを「ペテン師」と糾弾している。こちらのルートで「風見鶏」という単語を使っているのは、それを自覚しての事なのかも知れない。
「玉城、お前の言いたいこともわかる」
「だが、ブリタニアによって世界が握られようとしている今、俺達にはゼロの力も必要なんだ」
「超合集国決議第壱号」のIMにて、ルルーシュの行動からどうにも不信感が捨てられない玉城に対して。真意を間近で知ったためか、現状とこれまでを照らし合わせてこれが最善だと説得する。この後ルルーシュからもしもの時の介錯を頼まれ、ついに玉城も折れることに。
「ルルーシュ…いや、ゼロ。その役は俺達全員でやらせてもらう」
上記の場面の後、玉城に介錯役を任せようとするルルーシュに対して、藤堂と共に。全てを知った上で、改めて、ゼロと共に戦う事を誓う。
「イカルガ、突撃だ!」
「決死のエンドゲーム」にて、ダモクレス攻略戦。ゼロとスザクの連携でフレイヤが停止した後、ブレイズ・ルミナスを展開しようとするダモクレスへ間髪入れずに突撃命令を下す。そして、障壁干渉でブレイズ・ルミナスを破り、ゼロの突破口を開いた。
これはゼロの指示ではなく扇の独断だったと思われるが[3]、ゼロも扇達の決死の行動に「感謝する」と言い残し、ダモクレスへ突入した。

搭乗機体

サザーランド無頼、MR-1
第一期での乗機。MR-1はスザク救出作戦時のもの。
グラスゴー
第2次Z破界篇にて一時的に搭乗。
斑鳩
『R2』では本艦で指揮をとる。ちなみにスパロボでは艦長の任に就くが本来の艦長はである。

余談

漫画版など他媒体ではヴィレッタとの恋愛は尽く排除されている。漫画版のラストも教職に復帰してアッシュフォード学園に赴任してくるというものになっており、ここで初めてヴィレッタと同僚になることで関わりが生まれた。第2次Z再世篇でも同様にアッシュフォード学園に赴任している。

脚注

  1. もっともルルーシュが本当に死んだかは不明瞭であり、扇の政権が無事に続くかどうかも疑問だが。
  2. ただ、前述のとおり日本人虐殺の件やそもそも信頼関係が希薄だったことを考えると、この展開はある種当然だったとも言える。
  3. 直後にスザクが驚いている上にそもそもダモクレスの存在が発覚したのはこの戦闘中である。

話題まとめ

資料リンク