ウォーダン・ユミル

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ウォーダン・ユミル
登場作品

バンプレストオリジナルOGシリーズ

声優 小野健一
デザイン 安藤弘[1]
河野さち子[1]
初登場SRW スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
異名 メイガスの剣
種族 Wシリーズ
性別
所属 シャドウミラー
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ウォーダン・ユミルは『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2』の登場キャラクター。

概要

ノイエDCの先兵として戦場に姿を現した、機動兵器スレードゲルミルを駆る仮面の男

斬艦刀を自在に操り敵をなぎ倒す戦闘スタイル、そして「我はウォーダン…ウォーダン・ユミル! メイガスの剣なり!!」という名乗りなど、その立ち居振る舞いはあらゆる面でゼンガー・ゾンボルトを思わせるものであり、登場当初はL5戦役後に表舞台から姿を消した彼が、仮面を被って敵方に寝返った姿であると思われていた。しかし、彼を知る一部の人物はウォーダンの行動に疑念を抱いており、やがてゼンガー本人とウォーダンが同時に現れたことで、ゼンガーとは別の存在であることと、彼がゼンガーに対し強いライバル心を持っていることが明らかとなる。

その正体はレモン・ブロウニングにより開発されたWシリーズの一体「W15」(ダブルー・ワン・ファイブ)である。W15はW16W17といった後発のタイプとは異なり、他者の人格を移植することを前提としている。素体となった人物は勿論、シャドウミラーの存在する平行世界におけるゼンガーであり、同じく向こう側のベーオウルフ(アインスト化したキョウスケ)に対抗するために生み出された、いわばゼンガーの瓜二つのコピーと呼ぶべき存在であった。なお、向こう側のオリジナルのゼンガーは、アースクレイドルの内乱後行方不明になっている。

任務を「強敵との戦闘」1つに特化されており、W16やW17のような潜入任務などは考えられていない。

当初は定番の口上以外ではあまり言葉を発することもなく、感情や仮面の裏の表情を読み取ることは困難であった。人格移植を前提としたW15は他のWシリーズよりも安定した情緒を持つ点が特徴だが、その自我を維持するためにはアースクレイドルの自律コンピュータ「メイガス」との定期リンクが不可欠であるなど、技術的に不完全と思われる部分も見られた。言い換えれば、自律思考をしているようで、創造主の意図の通りにしか動いていないため、当初のウォーダンはいうなれば「Wシリーズとしての機械の判断の上に、ゼンガーの立ち居振る舞いを被せただけの人形」でしかなかった。

しかしゼンガーとの接触を経て、彼と剣を交えるうち、感情が徐々に形成されていくようになる。また彼は目的意識の醸成のため「ゼンガーを倒すことで、真のメイガスの剣となれる」と吹き込まれており、それ故にゼンガーを倒すことに執拗に拘っていたが、イーグレット・フェフがメイガスの機能を高めるためにソフィア・ネートの自意識を繋げる措置をとったことで、メイガスとのリンクを継続的に行っている彼の中に、元々ゼンガーが持っていたソフィアを想う心情が芽生えることになる。それにより、ゼンガーを倒して自身が唯一無二のメイガス=ソフィアを守る剣となることを目指すという「意思」を抱くに至り、ラミアと同様に一個人、つまり「武人ウォーダン・ユミル」としての人格を形成することに成功した。

その後、ウォーダンはアースクレイドルの前でクロガネ一行と対峙、彼らを先へ進ませるために一人残ったゼンガーのダイゼンガーと一騎打ちを繰り広げ、敗北する。その時損壊した仮面の下から現れた素顔は、まさしくゼンガーそのものであった。その後ゼンガーは一人アースクレイドルへと突入を試み、フェフ及びイーグレット・ウルズに率いられたマシンナリー・チルドレンの軍団に取り囲まれ、窮地に陥るが、完全に武人としての人格を確立していたウォーダンは、ゼンガーを救うべく最後の力を振り絞って特攻。フェフらのベルゲルミルらを一掃し、壮絶な最期を遂げた。

髪の色はα外伝時代のゼンガーの紫色に近い青色だった。

彼の名前は乗機のスレードゲルミル同様に北欧神話に因んだもので、主神のオーディンに由来している。(オーディンのドイツ語読みがウ(ヴ)ォーダン)キャラクターとしては、α外伝における「アンセスターに操られたゼンガー」に近い存在とも言える。

なお、本来の存在意義は「向こう側のキョウスケ」、つまりベーオウルフへの対抗力であるが、搭乗機のスレードゲルミルは「こちら側」で生み出された機体である。そのため、「向こう側」で何に乗っていたのかは不明。恐らく、グルンガスト系列の機体であるのだろうが…。

『第2次α』では『OG1』に登場したエルザム・V・ブランシュタインレーツェル・ファインシュメッカーと姿を変えて登場しており、その後発売された『OG2』のPVでは、キャラクターが立て続けに表示される演出で、レーツェルの後にウォーダンの姿が表示されていた。このように『OG2』発売前にはプレイヤー側にも「ウォーダンはゼンガーが変装した姿である」とのミスリードを誘発させる演出がとられていた。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦X-Ω
シナリオNPC。

OGシリーズ

スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
初登場作品。OGシリーズでは主なライバル関係がなく、武人キャラとしてのイメージが定着しており今更敵対させる事も困難なゼンガーの代わりにスレードゲルミルの新たなパイロットとして登場した。寺田P曰く「ゼンガーとは勝負させるしかないと思った」とのこと。このため、α外伝時代のゼンガーとの対決は実現されなかった。なお、この時点ではウェンドロ同様カットインがある。
スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS
音声初収録。リメイク版では初登場シーンやゼンガーとの対決がCGで実現した。イーグレット・フェフと量産型のマシンナリー・チルドレンを、OGSで新録された必殺技「斬艦刀・星薙の太刀」で一掃するイベントが組まれた。
戦闘デモは派手になり、台詞も増えたが、カットインはなくなっている。ただし、表情パターンに関しては、設定画のみとなっていた「仮面の砕けて素顔が半分露になったグラフィック」が追加されており、ストーリー中にてゼンガーのコピーである事が明確に分かるようになっている。

パイロットステータス

能力値

ゼンガーの写し身だけあって格闘・技量に優れる。迂闊に近づくと、その圧倒的能力から繰り出される斬艦刀によって一刀両断されてしまう。しかし、彼と戦うシナリオには殆ど何らかのイベントが仕込まれているので、ゼンガーと搭乗機を強化していれば最終決戦時に限り十分に撃破可能だ。

精神コマンド

OGs
必中気迫鉄壁加速熱血ひらめき戦慄(ツイン)
ゼンガーに近いラインナップだが、彼の不屈に対してこちらはひらめきを覚える。ちなみに『α外伝』の味方加入時のゼンガーもひらめきを習得する。一種のオマージュでもあるのだろう。

特殊技能(特殊スキル)

OG2
底力L9カウンターL9、インファイトL9、アタッカー連続攻撃L4、見切り
見事なまでに攻撃一辺倒。アタッカーと連続攻撃以外はゼンガ―と同一。下手に手を出せば一撃で真っ二つにされる恐れがあるので、やり込むのでなければ手出しせずにお引き取り願った方がいい。ドリルブーストナックルがコンボ武器に対応しているため、固まっていると纏めて貫かれてしまう恐れも。
OGs
底力L9、カウンターL9、インファイトL9、アタッカー気力限界突破見切り
『OGS』ではこちら。「連続攻撃」が無くなり代わりに「気力限界突破」が追加。これによってただでさえ高かった火力が更に上がり、下手をすれば防御の上からでも真っ二つにされる。どれも有用な技能なのでゼンガーもこれを参考に養成してやると戦闘能力が高くなりやすい。

エースボーナス

格闘武器の与えるダメージ+10%
EXハードだと終盤でこれを持って現れる。さらに攻撃面に磨きがかかる。

パイロットBGM

「THE GATE OF MAGUS」
戦闘BGM。OGsではウォーダンの専用BGM。なお、OGsのあるMAPでスポット参戦した時にスレードゲルミルのBGMを変えておくと、これ以降彼との戦闘は全てこの時変更したBGMになってしまう。雰囲気を大事にしたい人はBGMを変更しないほうがいい。

人間関係

ゼンガー・ゾンボルト
平行世界の彼が自身のオリジナルであり、こちら側の世界の彼も倒すべき存在と教えられていた。彼との邂逅により「武人」としての感情が芽生え、遂に自我を持つようになった。彼との決着の後、ウォーダンは彼とソフィアを救うために残り僅かとなった命を燃やした。
レモン・ブロウニング
ウォーダンを創造した産みの親。ゼンガーという漢の再現を試みて創造されたのだが、彼の影響が強く出てはいるものの、ウォーダンもまたラミアと同様に彼自身の感情を確立するに至る。ウォーダンが彼女の事をどう呼んでいるのかは不明。
アクセル・アルマー
上官。OG2では独断行動を全否定し「命令が実行できなければ欠陥品として処分する」と発言したが、OGsでは自分本位な行動を諌めただけで正々堂々とゼンガーを倒すことには理解を示した。
エキドナ・イーサッキ
W16。自身とは対照的に、あくまでも『Wシリーズの1体』として任務に殉ずることを望んだ。
イーグレット・フェフ
レモンと共にウォーダンを調整するのだが、その過程でメイガスにソフィアを組み込んだことが、フェフにとって誤算となる。そして彼に倒されてしまう。
ギムノス・バシレウス
ウォーダンのプロトタイプに当たる初期型Wシリーズの一体。後にエンドレス・フロンティアに漂着したギムノスのボディは、アグラッドヘイムの王、ガグン・ラウズに利用されることになる。

名台詞

「我はウォーダン…ウォーダン・ユミル! メイガスの剣なり!!」
名乗り口上。
親分を模したWナンバーズだけに、ウォーダンと言えばまずコレ。
ちなみに、「メイガスの剣」発言の初出はオリジナルの方だったりする。
「俺の名はウォーダン…ウォーダン・ユミル。 ゼンガー・ゾンボルトなどではない」
あまりにもゼンガーそっくりの立ち居振る舞いゆえに当然の疑問が投げかけられたが、彼は即座に否定した。
ただしこの時点ではゼンガー本人が消息不明だったため、自軍側では「洗脳された、あるいは離反したゼンガー本人である」という見方で一貫していた。
「破壊命令を実行する!」
「敵対する者は全て破壊する!」
攻撃時の汎用台詞(前者はGBA版のみ)。
当初のウォーダンはあくまでも人形でしかなかったため、このように「機械的な行動パターンをゼンガーのような立ち振る舞いで実行する」という齟齬が目立っていた。
「受け取るのだ、ゼンガー! 貴様の斬艦刀を……参式斬艦刀をッ!!」
OG2「武神装攻ダイゼンガー」において起動直後に機能不全となったダイゼンガーに、グルンガスト参式の斬艦刀を投げ渡した際のセリフ。
斬艦刀と共にダイゼンガーは真の目覚めを果たす。
「奴と、互角の勝負をするためだ…」
同話にて、指令を無視する行為と知りながらゼンガーを援護した理由をアクセルに問われた際の返答。兵器ではなく武人としてのウォーダンの在り方が伺える。
前述通りOG2とOGSではアクセルの評価が分かれているが、独断で命令違反を働いた点を諫められた点は共通している。
「W15ではなく、真のメイガスの剣、ウォーダン・ユミルとなるのが俺自身の意思だ」
「俺の名はウォーダン・ユミル。……W15ではない」
同じく「武神装攻ダイゼンガー」において。
ソフィアに一方ならぬ想いを抱くゼンガーに対し、自身が真のメイガスを守る剣となることを宣言。
この時点で、彼もまたラミア同様、感情を得たWシリーズとなったことが明らかとなる。:後者は援軍で現れたラミアに対して。
「フッ……フフフ……やはり、今の俺はお前の写し身……守るべきものも同じか」
OG2「メイガスの門」より。ゼンガーがDC戦争時のソフィアとの約束を果たすためにアースクレイドルに来たことを聞かされ、立場と目的までもゼンガーと似通う自身を嘲笑する。
己自身を求め戦うウォーダンだったが、目の前にある現実は彼がどこまでも「ゼンガー・ゾンボルトを写した人形」という枠を抜け出せていないことを突き付けていた……。
「そうだ。貴様と俺は相容れぬ存在……並び立つことはありえん。そして、我らの勝負の行く末は斬艦刀のみが知っている」
メイガスの門近くにて、仲間を先行させ一人残ったゼンガーに最後の一騎打ちを挑む。
「不要だ、メイガス……!」
「俺は……己の全てを懸けてゼンガーと戦い、敗れた……」
「もはや……悔いはない……せめて……朽ちる時は……W15ではなく……ウォーダン・ユミルとして……」
フェフの命令でスレードの修復を行おうとしたメイガスに対して。
他人に利用される人形として形だけの勝利を得るのではなく、戦い敗れた一人の人間として死に逝くことを選び、再生を拒否。
その直後、突如としてメイガス・ゲボが機能を停止する。
「何をしている、ゼンガー! 早く行け! 行ってメイガスを……いや、ソフィアを助けるのだ!」
「行け、行くのだ! それが俺との勝負に勝った貴様の……貴様の役目!!」
メイガス・ゲボに命令を下そうとするフェフを抑え込み、ゼンガーにソフィアを救い出すよう叫ぶ。
一騎打ちに敗れたその時、W15という人形は死んだ。
そこにいたのはゼンガーの影ではなく、ウォーダン・ユミルという人間になった一人の男だった……。
「見よ、ゼンガー……そして、イーグレット・フェフ! 我が最期にして、最大の奥義をッ!!」
OGSで追加された台詞。
致命傷を受けつつも、最後の力で大破したスレードゲルミルを駆り、己が命を賭した最終奥義「斬艦刀・星薙の太刀」にてフェフの妄執に引導を渡した。
結果的にフェフはこの時点では死んでいなかったわけだが、彼の手からソフィアを解放する決め手に繋がった。
「ゼンガー……貴様に……ソフィアを……託す……!」
散り際の台詞。
もう一人の自分に後の全てを託し、ウォーダンは地の底に姿を消した……。

搭乗機体

スレードゲルミル
グルンガスト参式マシンセルの力で変貌を遂げた機体。

余談

  • 鹿児島テレビで放送されていた特撮「薩摩剣士隼人」の主人公・隼人はウォーダンをモデルに造形されたと推察されている。特に仮面の造形や全体のフォルムが立ち絵とそっくりであり、大張監督も隼人の仮面を見てウォーダンと間違えたほどである。

脚注 

  1. 1.0 1.1 電撃スパロボ魂!』2013年冬号、35頁。