劇中劇
文芸作品などで演出手段の一つとして用いられる、「作品の中で描かれた」創作作品の事で、いわば「フィクションの中のフィクション」である。「作中作」とも呼ばれる。代表的な書法として「漫画家の主人公が、漫画を書く」などがある。
現実世界における視聴者がアニメの登場キャラクターに影響を受けることがある様に、劇中のキャラクターも劇中劇に影響を受けることもある。特に、『機動戦艦ナデシコ』のダイゴウジ・ガイが『熱血ロボ ゲキ・ガンガー3』に、『蒼穹のファフナー』の小楯衛が『機動侍ゴウバイン』に強く影響を受けてロボットに乗っている。
スパロボに登場する劇中劇作品
- キングスカッシャー(NG騎士ラムネ&40)
- 馬場ラムネが大安売りで購入し、クリアしたゲーム。
- 超電導カンタム・ロボ(クレヨンしんちゃん)
- アクション仮面と並ぶ、野原しんのすけの好きなロボットアニメ。玩具も多数販売されている。
- リン・ミンメイ物語(マクロス7)
- 「伝説の歌姫」リン・ミンメイを描いた伝記ドラマ。
- 熱血ロボ ゲキ・ガンガー3(機動戦艦ナデシコ)
- 1970年代のアニメ作品の熱血要素を取り入れ、2096年に制作されたロボットアニメ。
- メトロポリス(THE ビッグオー)
- ゴードン・ローズウォーターが記した小説作品。劇中時点で未完。
- 機動侍ゴウバイン(蒼穹のファフナー)
- 小楯衛の愛読書である漫画作品。作者は大粒あんこ。
- 超機合神バーンブレイド3(バンプレストオリジナル)
- 新西暦185年から186年にかけて日本で放映されたロボットアニメ。
- BIRD HUMAN -鳥の人-(マクロスF)
- 「マヤン島事変」から50年経った事で機密解除を受けて発表された手記を元に作られた映画作品。劇中ではVF-25で撮影した映像をCG合成でVF-0に描き換えるシーンも存在する。
- ソレスタルビーイング(劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-)
- 西暦2314年に公開されたソレスタルビーイングのガンダムマイスターの活躍を描いた映画作品。
- 無尽合体キサラギ(THE IDOLM@STER)
- 2011年冬公開予定の映画作品。正式なタイトルは『劇場版 無尽合体キサラギ 〜宇宙の果てまでイッテきM@S〜』。
- アクエリアの舞う空(アクエリオンEVOL)
- 本編から1万2千年前にあった人類と堕天翅族との戦いを元にして制作された映画作品。
- 鋼鉄公演きらりんロボ -襲来!コスメティア帝国-(アイドルマスター シンデレラガールズ)
- 端々の台詞から、また「公演」と冠されている通り演劇の類であると思われるが、そのあたりはハッキリと描写されない。
余談
- マクロスシリーズは全て「マクロス世界の後世の人間が、実際にあった出来事を元にして作った歴史ドラマ」という設定なので、「作品そのものが劇中劇」であるとも言える。それを示すかのように『愛・おぼえていますか』ではキャラクターによる制作発表会が開かれ、更に『マクロス7』で「戦勝20周年記念映画」と設定され、バサラ達も観たとされた。したがって、マクロスシリーズ劇中において展開される劇中劇は「劇中劇の中の劇中劇」という二重構造であるとも言えよう。
- 『マシンロボ クロノスの大逆襲』もOVA『レイナの休日』ではクロノス星で作られたドラマだとされている(正史扱いかは不明)。逆に言えばクロノス星やクロノス星生まれのマシンロボ自体は実在する設定となる。余談だが『マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ』(スパロボ未参戦)では「伝説の勇者ロム・ストール」は地球の軍事産業(『バトルハッカーズ』に登場するマシンロボは地球製)による捏造だとされた(ただし『クロノスの大逆襲』と『バトルハッカーズ』は別世界扱いだと思われる)。
- 『勇者特急マイトガイン』では劇中で(パイロットをぼかしつつ)『勇者特急マイトガイン』自体がアニメ放映されているという設定で、サリーがセル画に彩色するバイトをする場面も存在する。本編がメタ要素に溢れた作品故の劇中劇と言える。
- 『サクラ大戦』は1912年に鈴野十浪が自費出版した小説『サクラ』を広井王子氏が実家の蔵から見つけてそれに脚色を加えてゲームにした、という設定がある。プロジェクト発表当時のゲーム雑誌には、この設定があたかも事実であるかのように掲載された[1]。また、米田一基が書き残した『米田日記』の記録を基に現代の視点から太正時代を振り返った物語、という設定もある。どちらもメタフィクション的要素な為にゲーム中では触れられた事はないが、『サクラ』は小説『サクラ大戦 前夜』1巻の序章、『米田日記』は同じく『前夜』2巻の第五話冒頭でその存在が語られている。
- 『アイドルマスター シンデレラガールズ』の『OGシリーズ』とのコラボイベント、『スーパーロボット大戦CG 奏鳴の銀河へ』のエンディングにおいて、三好紗南が「ずーっと遊んできたスパロボシリーズに出られるなんて、もう最高♪」と発言しており、外部作品とは言えスパロボが劇中劇として扱われた初めての事例となっている。
脚注
- ↑ ソフトバンク出版事業部『セガサターンマガジン』1995年11月号 P87より。