「新世紀エヴァンゲリオン 劇場版」の版間の差分
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== 概要 == | == 概要 == | ||
− | テレビアニメ『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』から派生した劇場用作品。スパロボにおいてエヴァ劇場版といった場合は以下の二作を指す(より厳密に言えば後者のみ)。なお後に公開された『[[ヱヴァンゲリヲン新劇場版]] | + | テレビアニメ『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』から派生した劇場用作品。スパロボにおいてエヴァ劇場版といった場合は以下の二作を指す(より厳密に言えば後者のみ)。なお後に公開された『[[ヱヴァンゲリヲン新劇場版]]』は一般的にも『新劇場版』『新訳』等の表現が用いられており、本項の劇場版とは区別されている。 |
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TV版クライマックスである第弐拾伍話と最終話はそれまでの作劇から一転、突如シンジ達の精神世界の描写となり、ある種の「現実逃避」に等しい結末から、賛否を巻き起こした(その原因・解釈については諸説ある)。 | TV版クライマックスである第弐拾伍話と最終話はそれまでの作劇から一転、突如シンジ達の精神世界の描写となり、ある種の「現実逃避」に等しい結末から、賛否を巻き起こした(その原因・解釈については諸説ある)。 | ||
− | + | 映画版は批判的意見も多かったこの二話に対して「もう一つの最終話」として製作されたものであったが、製作の遅れから二部に分けての公開となり、前者は第1話~第24話の再編集と第25話(Air)冒頭のみ、後者において新たなる最終話としての第25話・第26話(まごころを、君に)が公開される事となった。 | |
− | + | 第25話・第26話の基本プロットはTV版と同じものから起こされ、ほぼ同じものを示した内容を描き方を大きく変えたものとなっている。しかし、登場キャラクターの殆どが死亡する等の[[トラウマイベント|壮絶極まる展開]]で、殆ど救われない結末ながらも、現在でもなお多くのエヴァファンから高評価されている作品であるのも確かで、ファンの多くからは「劇場版の本作こそがエヴァンゲリオンの真の完結編に相応しい」と支持されている<ref>劇場版の上映当時、放送されたラジオ『オールナイトニッポン』特別版において「この結末に満足しているか?」というアンケート集計を行い、リスナーからは実に一万票以上ものアンケート投票が寄せられている。結果は98%以上が肯定という極めて高いものであった。</ref>。 | |
『Air/まごころを、君に』は、興行成績24.7億円(当時は「配給収入」表記で14.5億円)で、SRWに参戦しているロボットアニメ劇場用作品において史上最高記録をマークしていたが、それを大きく上回る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の参戦に伴い取って代わられる事となった。 | 『Air/まごころを、君に』は、興行成績24.7億円(当時は「配給収入」表記で14.5億円)で、SRWに参戦しているロボットアニメ劇場用作品において史上最高記録をマークしていたが、それを大きく上回る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の参戦に伴い取って代わられる事となった。 | ||
− | + | 内容があまりにも生々しく過激である為に(冒頭の病室でのシンジの行為、戦略自衛隊によるNERV職員の虐殺etc.)、地上波では放送されず、WOWOWの衛星放送ぐらいでしかTV放映されていなかった。テレビ東京ローカルで深夜に放送された際には、殆どの過激描写がカットないし黒塗りの編集が成されていた。また、2014年に日本テレビにおいて深夜帯で放送された際<ref>[[碇シンジ]]役を演じた[[声優:緒方恵美|緒方恵美]]氏は自身のTwitterアカウント上にて、旧劇場版が地上波で放送されるという話を聞いてかなり焦ったらしく、最初は[[ヱヴァンゲリヲン新劇場版|新劇場版]]と同様に『金曜ロードSHOW!』の放送枠でやるのかと戦慄していたが、直後に内容が内容だけに深夜帯での放送だと知ってホッとした事を明かしている。</ref>も同様で、その編集に対して「深夜放送にした意味が無い」等の不満がネット上で飛び出していた。過激な描写がある一方で本作品にはレーティングは設定されておらず、現在の映画作品に規定されるレーティングでいうならば、R-15+未相当と推測される。 | |
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::作詞:Hideaki ANNO(庵野秀明) Mike WYZGOWSKI、作曲:Shiro SAGISU(鷺巣詩郎) 歌:ARIANNE | ::作詞:Hideaki ANNO(庵野秀明) Mike WYZGOWSKI、作曲:Shiro SAGISU(鷺巣詩郎) 歌:ARIANNE | ||
::『第3次α』で採用。 | ::『第3次α』で採用。 | ||
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== 余談 == | == 余談 == | ||
− | * | + | *劇場版第一部のサブタイトルの一部「シト」は、「死と」および「[[使徒]]」のダブルミーニングになっている。 |
− | **なお、このシーンはスパロボでは再現されていない('''むしろできない''' | + | *この旧劇場版では、シンジがある「最低」な行為によって自己嫌悪に陥るシーンがあるのだが(おおよそ直接の描写ではない)、シンジ役である[[声優:緒方恵美|緒方恵美]]氏はこのシーンを演じるにあたって、男性であるシンジの心情が女性の視点からはイマイチわかりづらく演技が難しかったため、シンジの父・ゲンドウ役の[[声優:立木文彦|立木文彦]]氏からアドバイスを受けて臨んだという逸話が有る。 |
− | + | **なお、このシーンはスパロボでは再現されていない('''むしろできない''')。また、[[漫画|漫画版]]には存在しない。 | |
− | * | + | *TV版のビデオソフトにはTV版の第弐拾伍話・最終話と劇場版第25話・第26話(本作)を併録しているものがあるが、そのバージョンではラストの「終劇」が「完」になっている等、劇場公開されたものとの差異がある。 |
*『DEATH & REBIRTH シト新生』公開時、一部の劇場で上映前に『[[スーパーロボット大戦F]]』のCMスポットが流されている。 | *『DEATH & REBIRTH シト新生』公開時、一部の劇場で上映前に『[[スーパーロボット大戦F]]』のCMスポットが流されている。 | ||
− | **『スーパーロボット大戦F』に[[EVA量産機]]が登場しない理由として、[[スタッフ:寺田貴信|寺田貴信]] | + | **『スーパーロボット大戦F』に[[EVA量産機]]が登場しない理由として、[[スタッフ:寺田貴信|寺田貴信]]Pからテレビ版とは版権が分かれている事が語られている<ref>ケイブンシャ『セガサターン必勝法スペシャル スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本』82頁。</ref>。 |
− | * | + | *[[NINTENDO64]]用[[コンピュータゲーム|ソフト]]『新世紀エヴァンゲリオン』では、難易度を難しくした際にこの劇場版を再現したシナリオが最終シナリオとして出現するが、量産機再起動から劇場版と異なる展開で9体のEVAシリーズをロンギヌスの槍を持った初号機が殲滅していくものとなっている。スタッフロール後のラストも劇場版とシチュエーションは同じだが、シンジとアスカの行動の描写が異なる。いわゆる「気持ち悪い」ではなくラストカットは二人の手がアップになり手を取り合うカットで幕をおろす。 |
*[[小説|小説作品]]『[[エヴァンゲリオン ANIMA]]』には本作の場面が登場するが、ヨリシロにされたのは[[EVA初号機|初号機]]ではなく[[EVA弐号機|弐号機]]になっており、祭儀に割って入った[[EVA初号機 (F型装備)]]に量産型が軒並み撃退されることで[[人類補完計画]]が防がれた形になっている。 | *[[小説|小説作品]]『[[エヴァンゲリオン ANIMA]]』には本作の場面が登場するが、ヨリシロにされたのは[[EVA初号機|初号機]]ではなく[[EVA弐号機|弐号機]]になっており、祭儀に割って入った[[EVA初号機 (F型装備)]]に量産型が軒並み撃退されることで[[人類補完計画]]が防がれた形になっている。 | ||
2020年10月4日 (日) 17:56時点における版
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 | |
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原作 |
ガイナックス 庵野秀明 |
総監督 | 庵野秀明 |
脚本 |
庵野秀明 薩川昭夫(DEATH、庵野と共同) |
キャラクターデザイン | 貞本義行 |
メカニックデザイン |
山下いくと 庵野秀明 |
制作 |
Production I.G ガイナックス |
発表期間 | 1997年 |
シリーズ | エヴァンゲリオンシリーズ |
前作 | 新世紀エヴァンゲリオン |
初登場SRW | スーパーロボット大戦α |
『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』はProduction I.Gおよびガイナックス制作の劇場アニメ作品。
概要
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』から派生した劇場用作品。スパロボにおいてエヴァ劇場版といった場合は以下の二作を指す(より厳密に言えば後者のみ)。なお後に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は一般的にも『新劇場版』『新訳』等の表現が用いられており、本項の劇場版とは区別されている。
作品名 | 上映日 |
---|---|
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 DEATH & REBIRTH シト新生 | 1997年3月15日 |
新世紀エヴァンゲリオン 劇場版 THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に | 1997年7月19日 |
TV版クライマックスである第弐拾伍話と最終話はそれまでの作劇から一転、突如シンジ達の精神世界の描写となり、ある種の「現実逃避」に等しい結末から、賛否を巻き起こした(その原因・解釈については諸説ある)。
映画版は批判的意見も多かったこの二話に対して「もう一つの最終話」として製作されたものであったが、製作の遅れから二部に分けての公開となり、前者は第1話~第24話の再編集と第25話(Air)冒頭のみ、後者において新たなる最終話としての第25話・第26話(まごころを、君に)が公開される事となった。
第25話・第26話の基本プロットはTV版と同じものから起こされ、ほぼ同じものを示した内容を描き方を大きく変えたものとなっている。しかし、登場キャラクターの殆どが死亡する等の壮絶極まる展開で、殆ど救われない結末ながらも、現在でもなお多くのエヴァファンから高評価されている作品であるのも確かで、ファンの多くからは「劇場版の本作こそがエヴァンゲリオンの真の完結編に相応しい」と支持されている[1]。
『Air/まごころを、君に』は、興行成績24.7億円(当時は「配給収入」表記で14.5億円)で、SRWに参戦しているロボットアニメ劇場用作品において史上最高記録をマークしていたが、それを大きく上回る『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の参戦に伴い取って代わられる事となった。
内容があまりにも生々しく過激である為に(冒頭の病室でのシンジの行為、戦略自衛隊によるNERV職員の虐殺etc.)、地上波では放送されず、WOWOWの衛星放送ぐらいでしかTV放映されていなかった。テレビ東京ローカルで深夜に放送された際には、殆どの過激描写がカットないし黒塗りの編集が成されていた。また、2014年に日本テレビにおいて深夜帯で放送された際[2]も同様で、その編集に対して「深夜放送にした意味が無い」等の不満がネット上で飛び出していた。過激な描写がある一方で本作品にはレーティングは設定されておらず、現在の映画作品に規定されるレーティングでいうならば、R-15+未相当と推測される。
登場人物
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
- 綾波レイ (巨大化)
- 第2使徒リリスと融合し、巨大化した綾波。スパロボ劇中では判り難いが、原作ではゲンドウの手に移植された第1使徒アダムも取り込んでいるため、既にアダムとリリスの「禁断の融合」は果たされた形となっている。そして純粋にシンジの願いを叶えるモノへと成り得ていた。
その他は基本的に『新世紀エヴァンゲリオン』の登場人物と同様。当然ながら、『新世紀エヴァンゲリオン』第24話までに死亡した人物は登場しない。
登場メカ
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
楽曲
- 『DEATH & REBIRTH シト新生』主題歌
-
- 「魂のルフラン」
- 作詞:及川眠子、作曲・編曲:大森俊之、歌:高橋洋子
- 『α』『MX』で採用。
- 『THE END OF EVANGELION Air/まごころを、君に』挿入歌
-
- 「Komm,susser Tod/甘き死よ,来たれ」[3]
- 作詞:Hideaki ANNO(庵野秀明) Mike WYZGOWSKI、作曲:Shiro SAGISU(鷺巣詩郎) 歌:ARIANNE
- 『第3次α』で採用。
登場作と扱われ方
スパロボにおいて量産機はαシリーズでは兜甲児に、『MX』ではケーン・ワカバに、「ウナギ」と言われている。いずれの作品でも最終的には補完計画を「逃避」としてメンバーに阻止すべき物として扱うため、原作が再現されるシナリオでは量産機の扱いはともかくスパロボ登場作品の中でも屈指の熱い展開となる。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 初参戦作品。『THE END OF EVANGELION』表記。
- 作品終盤で丸2話(第63話「終わりの始まり」・第64話「Air」)を割いて『Air』の展開が再現される。特に本作ではEVAが物語の中核に据えられていたこともあり、真ゲッターやライディーン、マジンカイザーが駆けつけるなどを交えての豪華な演出がなされる。なお、これ以降量産機はスパロボに登場する度にろくな目にあっていない。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 『まごころを、君に』をほぼ完全な形で再現。初号機が生命の樹に還元され、A.T.フィールドが消滅する直前の段階にまで至った。今回の量産機はかなりいい扱い。
- なお、補完シーンに使われた楽曲「Komm susser Tod」[3]が初めてスパロボで採用された。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander
- EVA量産機が敵として登場。ソーディアンが巡った並行世界の中に、量産機が既に配備されていた世界が存在した模様。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 『α』でも再現が見られた『Air』の他、本作で中核を占める『ラーゼフォン』のクライマックスシーンと絡んで『まごころを、君に』のエピソードも再現。巨大綾波が初登場し、弐神譲二には2体の真聖ラーゼフォンと共に「羽の生えた神様が3人」と称された。今回はロム・ストールの口上が入る、ドラグナー強制出撃とまた豪華な演出がなされた。やはり量産機はろくな目にあってない。
余談
- 劇場版第一部のサブタイトルの一部「シト」は、「死と」および「使徒」のダブルミーニングになっている。
- この旧劇場版では、シンジがある「最低」な行為によって自己嫌悪に陥るシーンがあるのだが(おおよそ直接の描写ではない)、シンジ役である緒方恵美氏はこのシーンを演じるにあたって、男性であるシンジの心情が女性の視点からはイマイチわかりづらく演技が難しかったため、シンジの父・ゲンドウ役の立木文彦氏からアドバイスを受けて臨んだという逸話が有る。
- なお、このシーンはスパロボでは再現されていない(むしろできない)。また、漫画版には存在しない。
- TV版のビデオソフトにはTV版の第弐拾伍話・最終話と劇場版第25話・第26話(本作)を併録しているものがあるが、そのバージョンではラストの「終劇」が「完」になっている等、劇場公開されたものとの差異がある。
- 『DEATH & REBIRTH シト新生』公開時、一部の劇場で上映前に『スーパーロボット大戦F』のCMスポットが流されている。
- NINTENDO64用ソフト『新世紀エヴァンゲリオン』では、難易度を難しくした際にこの劇場版を再現したシナリオが最終シナリオとして出現するが、量産機再起動から劇場版と異なる展開で9体のEVAシリーズをロンギヌスの槍を持った初号機が殲滅していくものとなっている。スタッフロール後のラストも劇場版とシチュエーションは同じだが、シンジとアスカの行動の描写が異なる。いわゆる「気持ち悪い」ではなくラストカットは二人の手がアップになり手を取り合うカットで幕をおろす。
- 小説作品『エヴァンゲリオン ANIMA』には本作の場面が登場するが、ヨリシロにされたのは初号機ではなく弐号機になっており、祭儀に割って入ったEVA初号機 (F型装備)に量産型が軒並み撃退されることで人類補完計画が防がれた形になっている。
商品情報
脚注
- ↑ 劇場版の上映当時、放送されたラジオ『オールナイトニッポン』特別版において「この結末に満足しているか?」というアンケート集計を行い、リスナーからは実に一万票以上ものアンケート投票が寄せられている。結果は98%以上が肯定という極めて高いものであった。
- ↑ 碇シンジ役を演じた緒方恵美氏は自身のTwitterアカウント上にて、旧劇場版が地上波で放送されるという話を聞いてかなり焦ったらしく、最初は新劇場版と同様に『金曜ロードSHOW!』の放送枠でやるのかと戦慄していたが、直後に内容が内容だけに深夜帯での放送だと知ってホッとした事を明かしている。
- ↑ 3.0 3.1 susserの「u」の部分はアルファベットの「u」ではないが、ここでは代用とした。
- ↑ ケイブンシャ『セガサターン必勝法スペシャル スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本』82頁。