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しかし、アマルガムは成立した当初から、ただ欲望で裏から世界を牛耳っている訳ではない。その誕生は1948年の夏、じきに訪れるであろう冷戦構造に憂慮する主義も主張もイデオロギーも異なる五人の人間(アメリカ人の石油王、ロシア人の[[科学者・技術者|科学者]]、ドイツ人の元SS将校、日本人の[[企業|貿易商]]、そして不動産王で暗号学者のイギリス人)が、人類の未来を望み結束した組織として結成された。アマルガムは確かに成果を上げていたが、時が過ぎゆくうちに創設者達は引退し、新しい構成員が入り、徐々にその性質は変貌を遂げていった。そしてそれがもはや修復不可能な状況になったのが、成立から20年になる1960年代も終わりのベトナム戦争の頃であった。気付かぬうちに組織内部においては戦争が終わると不利益を被る人間が増えていき、そしてこの頃からアマルガムの行動は各自の既得権益を守るため迷走を始めてしまう。 | しかし、アマルガムは成立した当初から、ただ欲望で裏から世界を牛耳っている訳ではない。その誕生は1948年の夏、じきに訪れるであろう冷戦構造に憂慮する主義も主張もイデオロギーも異なる五人の人間(アメリカ人の石油王、ロシア人の[[科学者・技術者|科学者]]、ドイツ人の元SS将校、日本人の[[企業|貿易商]]、そして不動産王で暗号学者のイギリス人)が、人類の未来を望み結束した組織として結成された。アマルガムは確かに成果を上げていたが、時が過ぎゆくうちに創設者達は引退し、新しい構成員が入り、徐々にその性質は変貌を遂げていった。そしてそれがもはや修復不可能な状況になったのが、成立から20年になる1960年代も終わりのベトナム戦争の頃であった。気付かぬうちに組織内部においては戦争が終わると不利益を被る人間が増えていき、そしてこの頃からアマルガムの行動は各自の既得権益を守るため迷走を始めてしまう。 | ||
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== 登場作品 == | == 登場作品 == |
2015年8月28日 (金) 17:21時点における版
アマルガム(Amalgam)
『フルメタル・パニックシリーズ』に登場する組織で、世界を裏から操る秘密結社とでも呼ぶべき存在。組織としての目的は一意とは言えないが、その行為の大半はテロリストや独裁政権などへの援助・兵器提供などであり、世界各地で勃発している紛争の実質的な原因となっている。このため、世界の紛争を鎮圧することを目的とする軍事結社『ミスリル』とは敵対関係にある。
水銀とその他の金属からなる合金の総称である「アマルガム」を語源とする。架空の銀である「ミスリル」と異なり、こちらは現実に存在する。
組織概要
アマルガムの組織としての特徴は「実質的なトップが存在しない」という点であり、各種金属の名を冠する複数の幹部達による、いわば「網の目状のネットワークそれ自体」がアマルガムという組織の本質である。幹部は互いの素性を知ることはなく、また各人にそれぞれ同等の権力が与えられており、組織としての方針はオンラインでの議論を通じて民主的に決定される。
その一方、場合によっては無秩序となりかねないこのような運営形態での集会を組織として成り立たせるために、自分の意志は一切表に出さず管理運営にのみ徹する「Hg(マーキュリー:水銀)」と呼ばれる人物が、上記の幹部達とは別に存在している。元々アマルガムとは水銀と他の金属元素との合金を指す語(また、広義には混合物全般を指す言葉としても用いられる)であり、管理者及び幹部に与えられているコードネームと一体的なネーミングであると言える。また、架空の金属を冠したミスリルとは対になっている。
もう一点の特徴としては、『フルメタル・パニック!』の世界ではアマルガムの決定により世界を意のままに操るシステムが既に完成している点である(類例を挙げるとすれば、世界の経済を裏から支配し尽くしているという設定のドクーガがやや近い)。しかし前述のように拠点らしい拠点やリーダーと呼ぶべき存在もいないため実態が見えにくく、その存在は世間には全く知られていない。このため、『ミスリル』等のごく少数の例外のみが、アマルガムに対抗すべく様々な形で活動しているというのが実情である。
しかし、アマルガムは成立した当初から、ただ欲望で裏から世界を牛耳っている訳ではない。その誕生は1948年の夏、じきに訪れるであろう冷戦構造に憂慮する主義も主張もイデオロギーも異なる五人の人間(アメリカ人の石油王、ロシア人の科学者、ドイツ人の元SS将校、日本人の貿易商、そして不動産王で暗号学者のイギリス人)が、人類の未来を望み結束した組織として結成された。アマルガムは確かに成果を上げていたが、時が過ぎゆくうちに創設者達は引退し、新しい構成員が入り、徐々にその性質は変貌を遂げていった。そしてそれがもはや修復不可能な状況になったのが、成立から20年になる1960年代も終わりのベトナム戦争の頃であった。気付かぬうちに組織内部においては戦争が終わると不利益を被る人間が増えていき、そしてこの頃からアマルガムの行動は各自の既得権益を守るため迷走を始めてしまう。
この迷走状態を憂い、これを打破し対抗する為に元アマルガムの構成員ジェローム・ボーダによって作られた組織がミスリルである。よって、アマルガムと言う名はミスリルに対抗して名づけられたのではなく、ミスリルがアマルガムに対抗して付けられた名である。
登場作品
原作では「世界を影から動かす黒幕」といった位置付けであったのに対し、アニメ版は原作の初期のエピソードしか扱っていないため(アマルガムがミスリルのライバルとして表だって活動しだすのは「つづくオン・マイ・オウン」からである)、F完結編におけるゼーレのような「単なる謎めいた組織」どまりの状況であった。現時点では、本格的な組織としての活動や顛末が描写されているのは第3次Z天獄篇のみ。また、「死の商人」あるいは「戦争屋」に近い組織の性質上、ほとんどの作品で他の勢力に尻尾を振ったり、影で手を組んだりしている為に「地球の組織でありながら早々に敵に寝返った裏切り者」あるいは「より長いものに巻かれる日和見組織」というイメージが拭えない。
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 「アマルガム」名義の兵士が登場。また、ジェミニスやネオ・ジオンともつながるなど、今までに比べて活発に活動している。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 原作小説版の参戦に伴い、遂にミスリル及び自軍部隊と本格的に敵対する。レナードをはじめとするこれまで姿を見せていなかった幹部も登場する。
- 組織としては初のスパロボ本格参戦ということもあり、メインで敵対するシナリオも少なくないが、本作では中盤であっさりと組織をレナード(とカリーニンに)掌握され、そのレナードが原作以上に小者臭く描かれていることも相まって、小粒なイメージが拭えない。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 組織の全貌が明らかになっておらず、幹部の中でもガウルンしか登場しない。
- スーパーロボット大戦W
- 序盤ではガウルンがマリーメイア軍やユーラシア連邦と、中盤からゲイツはバイオネットや火星の後継者と手を組む。その一方でレナード・テスタロッサは地球連合に技術供与を行い、その後にザ・データベースに関わる事に。
関連人物
幹部クラスの人物は、皆金属元素に対応したコードネームを所持している。
- ガウルン
- 宗介と因縁がある幹部の一人。コードネームはミスタ・Fe(アイアン)。
- ゲイツ
- アニメ版における組織の幹部。原作小説版の「ミスタ・K(カリウム)」に当たるキャラクターで、人物描写がかなり違う。
- レナード・テスタロッサ
- 組織の幹部でウィスパードでもある。コードネームはミスタ・Ag(シルバー)。
- ビンセント・ブルーノ
- 元ミスリル作戦本部所属の人事担当書記官。アニメ第三期序盤、ブルーノの裏切りのため上司を殺されたマオは、捕縛する際に本気でキレていた。コードネームはミスタ・Zn(ズインク/亜鉛)。SRW未登場。
機動兵器
- プラン1056 コダール
- ラムダ・ドライバを実戦投入した最初の機体。
- プラン1058 コダールi「ヴェノム」
- コダールの強化型。ガウルン・ゲイツが搭乗したが、いずれも宗介によって撃破されている。
- プラン1059 コダールm
- 完成度を高めた量産型。
- プラン1501 ベヘモス
- 40mの巨体を誇る対AS用ガンポート。ラムダ・ドライバがなければ駆動すらまともに出来ないが、ポテンシャルは圧倒的に高い。
- プラン1055 ベリアル
- レナード専用機。「翼」を持ち、オムニ・スフィアへのアクセスでラムダ・ドライバをフル稼働させることにより、飛行が可能となっている「世界で一番強い」AS。
- プラン1211 アラストル
- 対人型AS。原作終了後のアルの身体もこれ。
- プラン1065 エリゴール
- レナードの部下が搭乗するコダールの改良型。
- プラン0601 リヴァイアサン
- デ・ダナンに似た外観を持つ小型潜水艦。水中の戦闘機とも言うべき機動性を誇る。