怪獣優生思想
怪獣優生思想とは、『SSSS.DYNAZENON』に登場する集団。
概要[編集 | ソースを編集]
怪獣本位の世界を作ることを目的として、人間が作った秩序の破壊を目論む怪獣使い達の集団。普段は各々現代社会に溶け込んで生活を送っているが、怪獣を発見すると集合し、怪獣を操って破壊行動を行う。一方で「怪獣本位の世界」については各人が別々の理想を抱いており、最終的な目的はそれぞれで異なっている。基本的には単独行動か多数決で方針を決定するが、ムジナが浮動票であるため実質男性メンバー3人の合意で決まる。
目的そのものについても「怪獣を暴れさせる」ことについては全員の共通認識であるものの、オニジャ以外の三人はダイナゼノンによる妨害や、その結果怪獣が敗北することについてはほとんど興味を持っていない(ムジナに至ってはそもそもダイナゼノンやガウマ隊にもほぼ無関心[1])。
約5000年前に某国[2]に仕えていた軍人たちであり、その力を国の統治と繁栄に用いてきたが、怪獣使いの力を危険視する一派による暗殺の試みを知って国に反旗を翻した。しかし、唯一自分たちに賛同しなかったガウマと相打ちとなる形でジュウガ、ムジナ、オニジャは死亡。その後、怪獣の力によってガウマ共々5000年後の現代に蘇った。ただし、シズムについてはこの直前に姿を消しており、フジヨキ台に現れるまでの去就は不明[3]。
人間の秩序の破壊を唱えているものの、彼ら自身が怪獣を生み出せるわけではなく、あくまでフジヨキ台に散布されたバロックパールから自然発生した個体を操っているに過ぎない[4]。怪獣の情報を収集する際はSNSの目撃情報を参照するなど、人間社会の恩恵を積極的に利用するのも特徴で、映画やスポーツなどの娯楽に興じる一面も見られる。
全員が軍服を思わせる白を基調とした衣装を羽織っており、腕章のラインの数はメンバーが操るのを得意とする怪獣の「接地数」に対応している。この服装は5000年前の時点で既に身に着けており、明らかに当時の文明・文化レベルとそぐわないが、この齟齬の理由は不明。
また、怪獣使いは怪獣の力がある限り人間の摂理から解放されるが、逆に怪獣と繋がっていないと人間に戻ってしまい、徐々に弱って死んでしまう弱点がある。ガウマが衰弱していたのはこの影響であったが、4人も終盤、ばら撒かれたバロックパールが全てなくなったことで遠からず死ぬ運命となる。
シズムは体内で育てていた最後のバロックパールを用いてガギュラを顕現させ、更に他の3人と融合し、カイゼルグリッドナイトと最終決戦を繰り広げるが敗北、ガギュラの消滅と共に全員が死亡する形で瓦解した。
インスタンス・ドミネーション[編集 | ソースを編集]
怪獣優生思想が用いる特殊能力。厳密にはこの単語自体は掛け声のようなもので、発見した怪獣を「掴む」際に発声される。
掌を怪獣に向けて手の指を真っすぐ合わせ、中指と薬指の間を開いてそこから怪獣を覗き込むような形で発動され、発動中は能力使用者の瞳が赤く光る。ムジナは手が横向き、他3人は縦向きであり、シズムのみ左手を用いるなど、そのフォームは異なる。
本来は長い修行の果てに習得するものであるが、ガウマは怪獣使いとしての能力を失っているため使用不可能。麻中蓬は中盤でザイオーンに対して成功させかけた他、最終決戦ではガギュラに対して成功させ、勝利に一役買っている。
詳細な原理は不明だが、描写を見る限りでは「使用者と怪獣の間で互いの精神が筒抜けになる形でリンクする」というものらしく、成立すると互いに心の中を覗き込まれる形になる。
所属人物[編集 | ソースを編集]
- ジュウガ
- 怪獣の生きる未来を憂う、眼鏡をかけた青年。尻尾を持たない二足歩行型怪獣を操る。
- オニジャ
- 怪獣による人間の抹殺を願う赤髪の青年。尻尾を有する二足歩行型怪獣を操る。
- ムジナ
- 自分には怪獣しかないと考えるメンバーの紅一点。四足歩行型怪獣を操る。
- シズム
- 怪獣の声を聴く能力を持ち、怪獣を自由の体現者として捉える少年。不定形怪獣を操る。
関連人物[編集 | ソースを編集]
- ガウマ
- 元怪獣使い。5000年前には彼と相討ちになる形で死亡している。
- 麻中蓬
- 怪獣使いの素質を持つ人物。ザイオーンに対して一度インスタンス・ドミネーションを成功させかけており、最終話ではガギュラを掴むことに成功している。
- 新条アカネ
- 前作『GRIDMAN』の登場人物。本義としての「怪獣優生思想」に該当する唯一の存在とされる。
- 雨宮監督曰く、怪獣優生思想は言うなれば「アカネちゃん教」というべき集団であり、4人の服装は劇場版「グリッドマン ユニバース」において参戦した際の彼女の衣装をシズム達が何らかの理由で目撃し、それを真似たものとのこと[5]。
登場作品[編集 | ソースを編集]
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦Y
- 初登場作品。『DYNAZENON』の舞台となるフジヨキ台が八神市に組み込まれている関係上同市を拠点に活動しており、その八神市がエーアデント艦内に収容されていることから、プレイヤー部隊と行動を共にする敵組織という珍しい立ち位置に置かれている。面識のあるガウマがYzネクストに参加しているために存在も素性も全て割れているが、普段はエーアデントの市民として生活し、代表選挙の際も投票に参加しているため、Yzネクストも基本的には住民として扱い、出て来る怪獣を対処するにとどまっている。
- 本作では紅塵由来の怪獣やインセクターを掴もうとして失敗する一幕も見られ、戦闘では怪獣の掛け合い要員としても活躍する。また、大阪観光を楽しんだりワルキューレのライブに熱狂したりと原作以上に現代社会を満喫している他、エーアデントがピンチの際には市民に交じって応援したり怪獣を操って支援したりとむしろ自軍に貢献している。
- 終盤で原作通り壊滅するが、条件を満たせば次のメインミッションで生還・参入する。仲間入りするタイミングは全ての怪獣との決着がついた後であり、彼らが怪獣と戦うシチュエーションが発生しないようになっている。シナリオ面では「ゴジラによって次元境界線が歪んだ影響で怪獣が出現しており、そのゴジラがいなくなって次元が安定したので怪獣が現れなくなった」という形になっており、これが『DYNAZENON』最終話の展開に繋がる流れとなる。
関連項目[編集 | ソースを編集]
- 怪獣
- 密接な関係を持つ存在。
- ダイナゼノンリライブ
- 『Y』では最終的にこの機体に搭乗する。
余談[編集 | ソースを編集]
- 雨宮監督によれば怪獣優生思想とは「怪獣が暴れている時、自分の身を顧みず『もっと暴れろ』と応援するような考え方」のことであり、自分の目的のために怪獣を操る4人は厳密にはこの思想を掲げているとは言えず、真の意味で怪獣優生思想と言えるのは『GRIDMAN』当時のアカネのみとのこと。
- 怪獣をコントロールするインスタンス・ドミネーションは「怪獣は操るものではない」というアカネの価値観とは合わないものであり、そういう部分でも「怪獣優生思想」という言葉の本義に当てはまるのは彼女だけと言える。