ラッシュバード
ラッシュバード(Rushbird)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 全高:42.0 m
- 重量:220.0 t
- 動力:次元コンバータ
- 開発者:クラール・グライフ、悠凪・グライフ
- 所属:LOTUS
- 主なパイロット:南雲一鷹、AL-3 アリス
- メカニックデザイン:山根理宏
クラール・グライフ博士が開発したスーパーロボット。その存在は後にパイロットになる一鷹・アリスにまで秘匿されていた。初戦闘後に一鷹達がLOTUSに配属されたため、本機もこの部隊の運用機となる。
両腕にエネルギー制御に関わる機構を搭載し、右腕は攻撃用のエネルギー放出機構、左腕は防御用のエネルギー吸収機構となっている。特に左腕の機構は「ラプラスウォール」という特殊なバリアを発生し、ビーム兵器をはじめとしたエネルギー兵器類の一切を吸収し、こうしたエネルギー兵器に対しては無類の防御力を発揮する。ただし、吸収できるエネルギー量には無論限界が存在する為、無敵とはいかない(具体例では第6の使徒の加粒子砲に対しては対策のしようがなかった。ただし、最終局面では明らかにそれ以上の威力を持つガルトデウスの主砲を完全吸収している)。
また、このエネルギーを機体駆動に回すことも可能なため、継戦能力も高い。なお、この二種の機構は次元干渉によってその機能を実現しているため、本機は非常に特殊かつ危険な機体とレディ・アンが言及している。
ラプラスウォールによって単独での大気圏突入が行えるほか、ビームから熱エネルギーのみを吸収して残った運動エネルギーを利用したビーム推進も可能と、その応用の幅は広い。
アリスが起動キーとして登録されているらしいが、どのタイミングで登録されたのかは不明(当初から想定されていたならば、一鷹が最初に起動できたのはほぼ偶然に近い)。
開発目的は不明だが、グライフ博士の言動を見ると趣味で作っている可能性も否定できない。仮にそうだとするとスパロボでも稀な完全に個人的な理由で作られた主人公機といえる(この意味での同類をあげるとすればヴァルシオーネやグランゾン、やや怪しいがアストラナガンや旧シリーズのグルンガストあたりが該当するかもしれない)。
物語中盤で悠はこの機体を手に入れるべく敵対していたが、正確な理由は最後まで不明。台詞から察する限り、主な理由はストレイバード単機での限界を感じたことと一鷹を危険な「パイロット」という立場から下ろすことだったようである。
「走る鳥」という直訳から連想される通り、モチーフはダチョウ。
登場作品と操縦者
- スーパーロボット大戦L
- 本作品の主人公機。スーパー寄りの性能でバランスが良く、二人乗りなので汎用性も高い。ラプラスウォールによりビーム兵器には無類の強さを発揮し、継戦能力が高いのも特徴。また、スーパーロボットながら序盤の必殺技が3~7であり、射程の穴がない。弱点は飛行不能で移動力も低く、移動後攻撃の射程も短いこと(これは必殺技を習得すれば多少は改善される)。また、近年のバンプレストオリジナル機体では珍しく、2つの武装追加以外に機体のパワーアップが存在しない。最大強化時のHPはボーナス込みで12200。本作の通常ユニットではボーナス込みだと、ディスィーブに次いで多い。
装備・機能
武装・必殺武器
どの武器を使ってもアリスのカットインが用意されている。
- メーザーアイ
- 機体頭部の鳥型の目(カメラアイとは別)からビームを発射。威力は高くなく、最低限の反撃用。
- ライトニングフィスト
- 右腕部にフィールドを展開し、崖の上から飛び掛って殴りつける。さらに地面に埋まった敵を引き摺り出し、もう一撃殴って弾き飛ばす。コンボ属性持ち。消費が少ないが射程が2と短く、使い勝手はいまひとつ。
- ライトブレイザー
- 右腕部のエネルギー放出機構からありったけのエネルギーを飛ばす遠距離技。
序盤の必殺技であり、援護にも最適。反撃に多く使うことになるが、消費はライトニングフィストの倍なので節制が必要。ちなみに格闘扱い。 - ディメンションストーム
- 中盤にイベントを経て追加される必殺技。ストレイバードに追い詰められた際に、アリスが博士や一鷹が好きだったヒーロー番組の技を参考にして思いついた。「ディメンションストーム」という名称は後に一鷹が付けたもの。
両腕の入出力機構をある比率で稼働させることで次元の壁を取り払い亜空間から直接純エネルギーを獲得、両腕を合わせて前方へ解放する。エネルギーの調節が非常に難解・高度なオペレーションを必要とし、シミュレーターでは10回以上連続で失敗し、実際に技を使うとアリスもAIの過稼動で有機パーツ(髪の毛)が変化するほど。また、制御に失敗すると辺り一帯が消し飛ぶと言われており、難度と合わせて極めて危険な技である。後述の経験を元にしている都合上、戦闘AIに特化したハルノにはできないらしい。
なお、別次元からエネルギーを取り込んで放つという点、及び胸元に両拳を合わせる発射ポーズなど天のゼオライマーの必殺武器「メイオウ攻撃」と共通点が多い。演出では地表から光の柱が立っているのが宇宙空間から確認出来るというバンプレオリジナルの主人公の中でも派手な描写がなされている(こちらもJの烈メイオウの演出に近い)。
ラッシュバード単体では最強の必殺技。射程が3なので移動後攻撃・反撃・援護など全てで使える便利な技である。消費ENは50なので撃ち過ぎに注意。
合体攻撃
- モード・アーキオーニス
- ストレイバードとの特殊合体攻撃。ストレイバードの翼を借り、二機分の膨大なエネルギーをまとって突撃する。その際の次元コンバーターは通常の5倍以上の出力を叩き出しており、一鷹とアリスのコンビ以外に実現するのはほぼ不可能。また、速度も翼を得て格段に上昇している。
なんとも凄まじい形態で威力は最強クラスだが、追加されるのが最終話の一話前。いくらなんでも遅すぎて運用方法が考え辛い上、パートナーと一緒にディメンションストームを撃った方がダメージ効率は良かったりする。合体攻撃に関しては正義の味方という対抗馬がいることだし。
特殊能力
- シールド装備
- 左腕がシールド。ラプラスウォール起動時にはエネルギーシールドが展開する。
- ラプラスウォール
- ビーム属性などのダメージを2000軽減。発動時にENを10消費するが、ダメージを0にすればENが15回復。結果的には無効化した上ENを5回復するので大抵のモビルスーツ相手なら無敵。ただしドッペルホルンダガーLあたりからやや苦しくなってきて、デストロイガンダムクラスの攻撃を無効化するのはかなり厳しい。
なおビーム属性「など」となっている通り、ビーム兵器そのもの以外にも非実弾兵器ならば殆ど吸い取れる。システム的には「PS装甲無効」属性のついている武器であり、邪魔大王国やバジュラに対してはかなり有利に戦える。極端な例を挙げれば、第6の使徒の加粒子砲、ドボルザークの「デスファイヤー」、果ては核ミサイルやコンクェストボムの「自爆」やイクサー2の「イクサー2フルパワー」、ネオスゴールドの「突撃」などのような近接攻撃に対しても効果を発揮する。反面、魔獣ビトラや魔獣ドメガの「炎弾」には無効。
設定上はどの程度まで吸えるのかは不明。第6の使徒のビームは許容量を大きく超えていて吸収しきれない、と言うアリスの台詞がある(しかし実際の戦闘では改造が十分ならば吸う事が可能)が、ストレイバードの協力があったとはいえ辺り一帯を焦土に変える超出力ビームすら吸収するという離れ業を終盤にやってのけている。
移動タイプ
- 陸
- 空が飛べず、足が遅いのが難点だが、一鷹が「加速」を持つためある程度は解消できる。また5段階及び10段階改造することで移動力がそれぞれ+1される。
サイズ
- M
機体BGM
- 「青空へ向かって歩け」
- 基本戦闘BGM。
- 「新しい扉の先に」
- ディメンションストーム使用時BGM。
- 「刻の翼」
- モード・アーキオーニス使用時BGM。
対決・名場面など
- 対ストレイバード
- 初対決時、追い詰められた悠が確実にラッシュバードを倒すため一撃離脱戦法を取る。隙は攻撃前のエネルギーチャージ時のみだが、ラッシュバードの機動性能では追いつけない。北小介はラインバレルのエグゼキューターをバリアで受け止めて加速する以外方法がないと言う。さらに、バリア出力が強すぎれば速度が出ず弱すぎれば直撃してしまうという高難易度のプランである。アリスはこの離れ業のオペレートを 料理の火加減をイメージして成し遂げ、一鷹は自分の戦いへの覚悟を悠に示した。
- 対魔炎超魔竜ドボルザーク
- ガイキングの真龍ハイドロブレイザー発射の時間を稼ぐため、先んじて仕掛ける。ここで初めてディメンションストームを完全に習得し命名している。その際エネルギー制御を、酔っ払った博士に二人で肩を貸した経験を活かして成功させている。
関連機体
- ストレイバード
- 本機の兄弟機であり、ライバル機。本機と相反する性能をしており、こちらは高機動・長距離の戦闘を得意とする。本機と連動する機能も持っている。
余談
多くのスパロボユーザーはお気づきだろうが、本機は初期から天のゼオライマーとの類似点が指摘されている。これはシリーズ恒例の版権作品からのモデルかと思われる。
具体的には「異空間からエネルギーを取り出す運用方式」「腕のクリスタル状の部分からエネルギーを放つ」「女性型アンドロイドがサポートとして搭乗している」「手持ちの武器がなく、内蔵武器と格闘で戦う」「必殺技の構えが同じ」と非常に多い。更には敵組織が取った世界征服の手段までが木原マサキの取った手段を模倣しているなど、モチーフとなっている部分が多岐に渡る。
他にも、左腕の防御機構、右腕に攻撃機構がある点はガオガイガーと、「ヒーロー番組から思いついた」と言うディメンションストーム絡みでは、温度差で装甲にヒビを入れる必殺技を使用するダイモスや、左右で別々のフォルムと戦闘スタイルを持つ『仮面ライダーW』などとの関係も疑われている。
話題まとめ
資料リンク
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