ジン・スペンサー
ジン・スペンサー(Jin Spencer)
スーパーロボット大戦UXのライバル。 ウェーブのかかった髪型が特徴の新米軍人で主人公であるアニエス・ベルジュとは同じ孤児院で育った。 出自ゆえか上昇志向が非常に強く、功を焦るあまり突出して自分や味方を危険に晒したり、視野が狭くなりがちになり相手の事を一方的に誤解してしまうという欠点を持つ。 士官学校を首席で卒業し北米方面軍に配属され、アーニーと共に新型機「ライオットA」のテストパイロットとなる。 ライオットのテスト中に出現したスクラッグを撃退した功績を認められ、アーニーと共にグラハム・エーカーを隊長とする対地球外生命体部隊の一員に抜擢される。
傭兵部隊であるUXに対しては過剰なまでの対抗心と嫌悪感を抱いており、彼らとの戦闘でアーニーが撃墜されて以降、憎悪するようになる。 後にライオットシリーズの開発者であるノーヴル・ディランによりライオット部隊の隊長に任命され、階級も中尉に昇進。
連邦の流したUXに関する偽情報を鵜呑みし、アーニーの仇も討たんと怒りの感情のままにUXに攻撃を仕掛けるが、その戦場でUXの一員となっていたアーニーと再会し、今度は彼が自分達を裏切ったと誤解してしまう。 その対決の際にライオットAの素粒子エンジンが暴走しそうになり、アーニーにより撃墜。ノーヴルに助けられ、九死に一生を得るものの、アーニーからは死んだと思われてしまう。
そしてノーヴルの娘である謎の少女アユルと邂逅。 程なくしてUXの実態と火星開拓局の不正が暴露され、アーニーやUXを誤解していた事とそれまでの自分が情勢に踊らされるだけの「道化」でしかなかった事を知る。 その後、ヴィジャーヤのパイロットに任命。アーニー達の前に立ち塞がる事となる。この時以降、それまでの上昇志向の激しい面は成りを潜める事となり、代わりに世界の運命を覆すためにアユルを覚醒させようと命をかけて戦いに臨む。中盤以降の発言や各版権作品への戦闘セリフなどを見ると、ノーブル博士から世界の真実以外にも様々な知識を教えてもらったと思われる。
上昇志向が強い粗暴な性格で、軍上層部の暗部を知らず、捏造された情報に踊らされて自軍と敵対する等、いかにも小物臭いキャラだった序盤と、世界の真実を知り野心を捨てアユルの為に戦う覚悟を決めた中盤、己の運命を受け入れ親友との死闘に身を投じる終盤とで印象がガラリと変わっており、アーニー同様成長が著しく目立つキャラであるとも言える。
なお、アーニーがライオットB暴走時に死亡していた場合、UXの中心人物になっていたのは彼だったという。パートナーのアユルも本来この世界のヒロインになるはずだった人物(サヤは前の世界でのエルプスユンデ)なので、言ってみれば「主人公になり損ねたキャラ」といえる。過去のループで、彼が主人公だった時があったかも知れない。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦UX
- 「電磁戦隊メガレンジャー」のメガブルー、「ロックマンエグゼ」のブルース役として知られる声優の松風氏は本作でスパロボ初出演となる。
- PV2の時点であまり大きく取り扱われず、乗機であるライオットAの利き腕が左になっていた事から「こいつ裏切るだろうな」と多くのユーザーから予想されており、実際敵側に回ってしまうのだが一連のやり取りは捻られており、アーニーが成り行き上ジンにとっての敵側に回る事となり、誤解のまま戦わざるを得ない状況を作り上げてしまう事となっている。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
精神コマンド
特殊技能(特殊スキル)
人間関係
- アニエス・ベルジュ
- 同じ孤児院で育った親友。序盤の遣り取りを見る限り、上昇志向が強く前に出がちなジンを温厚なアーニーが諌め、アーニーが迷いを抱いている時はジンが発破をかけるという持ちつ持たれつの関係だったようだ。共に運命に翻弄され殺し合うことになってしまうが、お互いに譲れない意思と信念をかけて何度も激突する事になる。
- リチャード・クルーガー、サヤ・クルーガー
- 当初は傭兵集団である彼らUXを「金で命をやり取りしている」と評すなど露骨に毛嫌いしていた。後にやむを得ない状況だったとはいえ、ライオットBを撃墜した事でリチャードに明確な憎しみを抱く事となる。
- ノーヴル・ディラン
- ライオットの開発者。後に彼女の指名によりヴィジャーヤのパイロットとなる。
- アユル・ディラン
- ノーヴルの娘で第2部以降のパートナー。アーニーにとってのサヤに対応する存在で、ジンにしてみれば何にも代えがたい存在。最終的には彼女を「命の始まり」へと導くため、アーニーを相手に本物の「殺し合い」を演じることに。
- ジャクソン、キャメロン、バークレー
- ライオット隊を率いた際の初めての部下。しかし初陣でいきなり全滅してしまった。
- ナック、コービィ
- ヴィジャーヤが乗機となってからの部下。共にかつての愛機であるライオットに乗る。
版権作品との人間関係
名台詞
- 「よ、よくもアーニーを……俺のダチをッ!!」
- 4話「舞い降りる翼」にて、ジェネレータの対消滅を防ぐためやむなくアーニーを撃墜したオルフェスに激昂して。この後怒りのままに襲い掛かろうとするが、グラハムに一喝されて撤退することに。
- アユル「でも、私はこのゲームから、多くの精神を学びました。特に…」
ジン「愛、だろ…?」
アユル「!? スペンサー大尉…!」
ジン「一番大切なものは、愛…。 それはゲームでも、現実でも同じことだ」 - 中断メッセージにて、ノーヴルの勧めた戦闘訓練――スパロボをプレイしているアユルにやや呆れながら、大胆なことを言ってのけた。確かにその通りではあるが、世の中にはその「愛」を持っていながら本編では彼女が出来なかった主人公がいるのもまた事実である…。
- 「フン、ナメルなよ!」
「俺にだって… 本当の戦うべき相手ぐらいわかる!」
「アユル! UXには構うな!」
「俺たちの敵は、ヒトマキナだ!」 - 45話「ユダ」にて。部下を失い、自身の命を削りながら、かつての親友と激突する。そこに現れる人類の敵。本当の敵を前に二つの道は一時同じ道を歩む。
- 「………」
「たとえ無駄だとわかっていても、最後まで足掻き続ける……」
「それが人間の誇りであり、尊厳なんだ……」
「行こう、アユル。俺達の、始まりへ……」 - 51話IMにて。この直前、ジンはマスターテリオンに対して「必ず勝って生き残る」と断言したところ「運命を持たぬ貴公がか?」と痛烈な切り返しを喰らっている。大導師いう所の「運命」とは、この輪廻する世界において次なる物語へと受け継がれる可能性のことであり、それをジンが持たないということは……。
- 「……!」
「もはや、宿命も、因縁も関係ない……」
「一人の戦士として、男として!」
「お前に最後の勝負を挑むぞ! アーニーッ!!」 - 51話戦闘中。自らを庇い、「命」を知るのと引き換えに虚空に消えたアユルを見送り、ジンは全てを擲った大一番に挑む。
- 「見えるか、アユル! 俺の命が、誇りが、魂が!」
「お前と共に、こんなに輝き燃えているぞ!!」 - 最後のイベント戦闘直前。
- 「貴様に見えるか!? 俺達の、命の輝きが!!」
「アユル……君の『目覚め』、確かに俺は見届けた……!」
「もう遅いかも知れないが……」
「次は俺の! 『命』を見せる時だあああッ!!」 - イベント戦闘台詞。限界を迎えながらも、乗り手の「命」に応えるかのごとく、ヴィジャーヤの一撃がオデュッセアを襲う。だが、撃墜には今一歩届かず……。
- 「フ、フフ……」
「後悔は、していない……」
「きっと、これが……」
「俺達の……始まり……」 - 全力を出し尽くした激突は、紙一重の差でアーニーの勝利に終わった。それでも、ジンに後悔などはない。今この時、確かに彼もアユルも、「命の始まり」へと辿り着いたのだから……。
- ジン「相手は神に等しい宇宙の意志だ。だが……!」
アーニー「ああ! 僕達の、全ての命をぶつければ!」 - カリ・ユガとのアーニーの戦闘台詞の一つ。最後までぶつかりあっていた二つの道がようやく重なり、四つの「命」を乗せた一撃が世界をリセットする「神」を襲う。
- ちなみに、歴代でも結構珍しい「死亡したキャラクターが参加する台詞」でもある。
迷台詞
- 「グラハム少佐だって、戦場での戦いに勝って、出世したんだ!」
「手柄を立ててしまえば、こっちのものさ」
「昔から言うだろ、敵を倒すには早いほどいいってね!」 - 初っ端から連発する迷台詞の数々。元ネタは「機動戦士ガンダム」の第1話である。
余談
- ジンの声優である松風雅也氏は俳優デビュー作である特撮作品『電磁戦隊メガレンジャー』でメガブルーに変身する並樹瞬役を演じたり、ゾイドシリーズの一作『ゾイド新世紀スラッシュゼロ(未参戦)』で青いコマンドウルフを駆るゾイド乗り・バラッド・ハンター役を演じたり、SFアニメ『BLASSREITER(未参戦)』にて「ブルー」のコードネームで呼ばれる謎多き主人公・ジョセフ・ジョブスン役を演じるなど「青」にちなんだ役柄を演じる事が多い。
- ただ、『UX』ではやや珍しくこれら役にまつわるネタはほとんど出てこなかった。乗機も「赤」「紫」がメインの配色となっている(敵対する事となる親友の乗機は総じて青だが)。一応、『Get Ride! アムドライバー』では赤いアムジャケットを身にまとい、射撃を得意とするラグナ・ラウレリア役を演じている(主人公である彼の親友ジェナスは青いジャケットで接近戦が得意。ジン自身の外見は敵のディグラーズに類似)
- 異様なまでに傭兵を毛嫌いする様子から、両親の死にソレスタルビーイングに討たれたある傭兵が関わっていたのでは?と推測するファンもいる。
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