天元突破グレンラガン (ガンメン)
天元突破グレンラガン(Tengen Toppa Gurren Lagann)
原作第4部、および劇場版『螺巌篇』に登場するグレンラガンの最終形態。ガンメンという兵器と人間と言う生物、二つの可能性の一つの結実。
認識が実体化する超螺旋宇宙において、大グレン団メンバーの思念を取り込み実体化した最大にして最強、そして最後のグレンラガン。その姿は翠に輝く螺旋の炎を纏った紅い鬼神であり、大きさは銀河をも凌駕する。舞台が舞台であるため比較対象がロクにないが、推測される全長はグレンラガンの10の25乗倍(約52,8億光年)程。つまり、物理的には足元から頭を見上げると、見上げた時点での頭が見えた時には52.8億年経過しているサイズ。まともに視認できているのは戦場が認識宇宙だからである。
あらゆる物質は光速以上の速度にはなれないという宇宙のルールがあるため、常識的に考えれば天元突破グレンラガンは傍から見ると、その巨大さ故にとてつもなくスローな動きに見えるはず…なのだが、実際にはその法則を無視して平然と超光速で戦闘している。これはグレンラガンを行動させる為に、連続的に宇宙を選択しているからである。つまり、パンチを繰り出そうとしている状況で例えると、拳を振りかざしている宇宙→途中の宇宙→拳を振り抜いた宇宙、という風に宇宙を発現させることでアニメーションと同じ原理で行動できるという仕組み。これも認識実体の成せる業である。
なお、外見的にはアークや超銀河と異なり、ノーマルのグレンラガンに近いフォルムをしているが、全身に鬼のような顔が現れているのが特徴。
大グレン団のメンバーのそれぞれの強い意志により下半身がコアドリル化し、超銀河グレンラガンにスピン・オンすることによって誕生した。全身に存在する顔部分にメンバーが搭乗する。また、腹部の顔はラゼンガンとなっている。
その正体は多元宇宙において「グレンラガンが存在する」可能性が実体化し、シモンの乗る「本編の」グレンラガンと合体した、グレンラガンの究極進化形態。これまでのグレンラガンはガンメンやスペースダイガンと合体することで新たなグレンラガンを誕生させていたが、天元突破は「可能性」と合体することによって生まれた存在と言える。
超螺旋宇宙を舞台にアンチスパイラルと時間と空間を超越した最終決戦を繰り広げ、宇宙の中心即ち天元を打ち貫かんほどの力を見せる。
搭乗メンバーはシモンを初めとする、最終決戦に臨んだ大グレン団メンバー全員である。この時点では超螺旋宇宙の影響により大グレン団メンバーがその螺旋力を覚醒させ、全員が銀河を生み出す程のパワーに匹敵する螺旋力を引き出している。その超絶的なパワー故、あらゆるスペックがこれまでの形態の比ではなく、ビッグバンのエネルギーにも数刻耐える防御力を誇る。また、この姿は明確な意味での実体化ではなく、大グレン団の意志と螺旋力に対する認識が「グレンラガン」という形を取って認識宇宙にて実体化した、言ってみればバーチャロイドに近い原理の存在である。
なお、劇場版ではさらにこの上位の形態である「超天元突破グレンラガン」が登場している。
登場作品と操縦者
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- アンチスパイラルの駆るグランゼボーマとの決戦が繰り広げられる実質的最終話の第60話でスポット参戦となる(このあとのインターミッション及びエピローグは元のグレンラガンに戻る)。最初は格闘しか武器がないが、オーバーロードのイベント後に追加される。なお、その際にサブのロージェノムがニアと入れ替わる。
- 何気にパーツスロットが4つもあるが、グレンラガン、超銀河ダイグレン共に1枠しか無いのでどうしても2つ空く。埋めたい場合は両方の改造ボーナスを「強化パーツスロット増加」にしておくべし。
- なお、当初から懸念されたであろうその規格外のサイズについては、あろう事か自部隊全員が天元突破したことにより全ての機体を同じサイズ「∞」にすることで解決している。これにより、理屈の上ではバルキリーやATはもとより、ボン太くんやくろがね五人衆、キリコまでも同サイズということになる。間違いなく、(文字通りに)スパロボ史上最大の戦いであろう。
- 設定曲は「空色デイズ」のままだが、ギガドリルブレイクの戦闘BGMに「涙の種、笑顔の花」が登録されている。ただし、クアンタの「トランザム発動」やバサラの歌同様「涙の種、笑顔の花」はカスタムサントラの適用が出来ないので注意。
- 実は何気に戦艦扱いなので味方機を搭載可能。危なくなったら逃げ込むといいだろう。
- 注意点として、超銀河と比較すると、運動性が10、ENが50上がった以外全くスペックが変化していない。よって、最終話においてはサイズ差補正が発生しない都合上、総合的な防御力はむしろ低下している。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 原作終了後だが、今回も継続参戦。終盤にて超銀河グレンラガン時に『天元突破』コマンドを使用することでこの形態になることができる。この関係でサイズは3L。
- 最終話限定だった時獄篇と違い終盤数話とはいえ任意で使用ができるのはファンには嬉しい限りなうえ、使用可能になった少し後に、とあるサプライズまで用意されている。さらに使用可能になったそのステージで真化融合が解禁されるため、15段階改造で全武器の攻撃力が10000突破という凄いことになる。
- 相変わらず戦艦扱いで味方を収用でき、グレンラガン、超銀河ダイグレンそれぞれで改造ボーナスに強化パーツスロット+1を選べばスロットが4になり、超銀河グレンラガンと本機共通とはいえさらに本機でもボーナスが選べる。奇跡のガンバスター、バ火力アシストのダイバスターと並ぶ本作のお助け枠。
- ちなみに欠点も時獄篇同様で、装甲が上がらないが、HPは2000増えている。また、超銀河と違い全体的に射程が下がっているため、反撃戦法は使いにくい。ボスキラーに抜擢するのが吉。
装備・機能
認識存在という特異性ゆえ、天元突破は搭乗している大グレン団メンバーの武器を出力して使用することが可能。
武装・必殺武器
- 格闘
- 時獄篇での登場当初はこれしか攻撃がないが攻撃力がほかのユニットの必殺技並。殴り飛ばしたところに右脚部から確率変動弾を打ち込み、とどめにエンキソードで真っ二つにする。開始時の歩行は顕現直後、グランゼボーマと殴り合うために間合いを詰めた際の再現。
- そもそもアニメ版では内蔵武器もあったとは言え殆ど拳と拳の殴り合いだった為、原作再現だとこの武器しか無いのは仕方ないところもある。
- ちなみに攻撃力は超銀河ギガドリルブレイクと同じ。取り巻きならこれだけで蹴散らせる。さすが天元突破。パーツスロットを4つにすると、装備するパーツ次第だが攻撃力が10000を超える。天獄篇では攻撃力が下がったが、それでも無改造で5800(実施7600)ある。
- 確率変動弾
- アーテンボローが創造したミサイル。因果律操作によりアンチスパイラルにすら命中させる。劇場版では天元突破ダイグレンに搭載されている。第3次Zでは「格闘」の演出で使われている。
- エンキソード
- ヴィラルが創造した剣。彼のかつての愛機であるエンキシリーズの持っていた武器。
- 超天元突破ダイグレン攻撃
- 召喚攻撃。天元突破ダイグレンが対空砲→俺の嫁は宇宙一スイングを叩き込む。ちなみに「超天元突破大グレン団」と攻撃力が同じ。
- 超次元アンカー
- ダヤッカが創造したアンカー。先端がドリルになっている。劇場版では天元突破ダイグレンが使用。
- 俺の嫁は宇宙一スイング
- 超次元アンカーで捕獲した敵を振り回して投擲する。
- なお、ダヤッカは戦闘の様子が複数の銀河から見聞きされている中でこの技名をシャウトしていた。当の嫁は嬉し恥ずかしなリアクションを見せている。
- 超天元突破大グレン団
- 天元突破を果たしたガンメンたちによる一斉攻撃。合体を解除して散開、ソルバーニアが連続攻撃を叩き込んだ後エンキドゥルガーが連続斬り、ヨーコMタンクが砲撃、さらにツインボークンが殴り飛ばし、アインザウルス、キッドナックルが連携攻撃の後、ソーゾーシン、モーショーグンが連続攻撃した後グラパールがさらに追撃、ダイグレンの超次元アンカーで捕獲した敵をラガンインパクトで撃ち貫く。
- このガンメンの登場の順番は螺巌篇での順番の再現だが、原作では出て来る端から返り討ちに遭っている。また、最後のラガンの突撃はマトリョーシカアタックを意識したもの。
- さらに余談だが、メンバー(ヨーコ、ギミー、ダリー)が出撃していても使用可能。
- BGMに「涙の種、笑顔の花」を設定した上でこれをグランゼボーマに使い、反撃の反螺旋ギガドリル命中→再攻撃のギガドリルでトドメと繋ぐと、ちょうどBGMがループした辺りで撃破演出が入る。ただし、ハードでグランゼボーマに再攻撃をかけるには320以上の技量が必要。
- 天元突破ギガドリルブレイク
- グレンラガンなのでスペック上は当然使用可能。原作で放とうとしたが、グランゼボーマに妨害され不発に終わった。
- 超天元突破ギガドリルブレイク
- もう一段上の超天元突破グレンラガンの攻撃。超天元突破を果たした後、足踏みの衝撃で動きを止め、螺旋力を限界以上まで叩き込んだ最強のギガドリルブレイクを叩き込む。シモンの出会ってきた「グレンラガン」のキャラクターのカットインの後、ビッグバンとともに敵が消滅する。しっかりトドメ演出があり、始動時に脱ぎ捨てたマントをキャッチして再装備し、認識宇宙が消滅する。ちなみに原作では打ち負けたが、直後にマトリョーシカアタックに繋げて勝利をもぎ取った。
- なお、途中で入るカットインは「上昇する方はアンチスパイラルとの決戦で共に戦う仲間、下降する方はこれまでの戦いに散った者たち」という対比がなされている。トドメ時に入るマント装備のモーションは、ニアとの結婚式後に旅立っていくシモンの後ろ姿が元ネタ。
- 15段階改造で攻撃力は10300に達し、理論上は強化パーツ4つの装備によって11500まで上がる。天獄篇では攻撃力が-200されてしまったが、解禁されたステージで真化融合が解禁されるため、実際の攻撃力は15段階改造で12100、パーツ4つの装備(SOLクォーツ+リヴァイブ・セル+スパイラルエフェクター+天獄の紋章)で理屈の上では15600まで上がる。
- ラゼンガン・オーバーロード
- 正確には技というよりも、腹部から出現したラゼンガンのオーバードライブ状態の名称。作中ではインフィニティ・ビッグバン・ストームを受け止め、ドリルへ変換することで天元突破へと託した。
- TV版だと上述のように腹部から出現するが、螺巌篇ではロージェノムが認識宇宙で直接具現化した。
- スパロボでは劇場版に準拠する形で時獄篇のイベントで再現され、イベント後サブパイロットがロージェノムからニアに交代する。
- マトリョーシカアタック
- 最後の激突の際に放った特攻技。頭部に格納されている下位形態を次々と出撃させる。
- TV版では、天元突破グレンラガンから超銀河、アーク、グレンラガンと順に出撃し、最後はヴィラル操るグレンがラガンを引き抜いてのラガン・インパクトで〆。
- 螺巌篇では超天元突破ギガドリルブレイクと反螺旋ギガドリルブレイクの激突の最中、天元突破>超銀河>アークと順に崩壊していった後にグレンラガンが登場し、TV版のラガン・インパクト以降後、さらにシモンがラガンに投げられてアンチスパイラルと直接格闘戦を行っており、最終的にシモンが螺旋力で具現化したドリルの一撃で長い戦いに終止符を打った。
- さすがに相手の攻撃とかち合うからこそ成り立つ攻撃である為か、スパロボ未採用。
防御兵装
- ハイパーギャラクシーベルト
- 小説版で登場した防禦兵装。重力制御によって銀河を帯状に纏い、攻撃を防ぐ。
特殊能力
- 螺旋力発動
- 気力130以上で与ダメージ1.1倍、HP回復(小)の効果が発動する。天元突破は合体条件の関係上ほぼ確実に発動している。
- 天元突破
- 天獄篇で追加。ジェニオンの「GAIモード起動」と同じ変形コマンドで、これは超銀河からそのまま残っているもの。
移動タイプ
サイズ
- ∞
- 何Lという範囲では済まない大きさの為か、専用のサイズが与えられた。なお登場シナリオでは他のユニットのサイズも∞になる。
- 3L
- 天獄篇ではこちらのサイズになる。
機体BGM
- 「空色デイズ」
- TV版主題歌。
- 「涙の種、笑顔の花」
- 劇場版「螺巌篇」EDテーマ。ギガドリルブレイクの武器BGMだが残念ながら天獄篇では削除されているので、聞きたければカスタムサントラを使おう。
対決・名場面
- 対グランゼボーマ
- 同等の存在との、文字通り全てをかけたロボットアニメ史上最大規模の激突。
関連機体
- ラガン
- 全ての核たるシモンの力を伝える大事な「顔」。
- グレンラガン
- アークグレンラガンの動力である「超絶螺旋エンジン」。
- アークグレンラガン
- 前段階の動力となる「超銀河大グレン内超絶螺旋エンジン」。
- 超銀河グレンラガン
- 前段階。
- 超天元突破グレンラガン
- 劇場版で登場した上位形態。ラゼンガン・オーバーロードのエネルギーを受けた天元突破ラガンが、同じく天元突破形態のガンメン達と合体することで誕生した。マトリョーシカ構造は健在であり、天元突破が頭部に存在。天元突破胸部のサングラスがそのまま顔面に装備されている。
- グランゼボーマ
- アンチスパイラルが天元突破グレンラガンと同じ地平で戦うために生み出した対極の存在。
余談
この機体に限らず、天元突破を果たしたガンメンは認識宇宙において具現化を果たし、アンチスパイラルも同様の手段で自らの機体を具現化させている。これは、石川賢作品の猛者どもが持つ「空間支配能力」に類似しており、最終話では空間支配能力の本領である具現化したビジョン同士の戦いが繰り広げられている。その為か、アンチスパイラルも劇中でエネルギーの「支配」という言葉を用いてその特性を語っている。
「対象の存在さえ確定すればどこにでも飛べる」螺旋界認識転移システムもこの力の一部とも解釈でき、螺旋力の恐ろしさが良くわかるというものである(ちなみに空間支配能力も転移システムと同じことができる)時天空を倒すために生み出された(かもしれない)ゲッター線と異種同質の力というのも納得である。